呪われた死にたがりの男

第２８話 門番の最後

「あーあうーあー」

肉塊から生えた生首の女は白目を向き口から泡を出しながら呻いている。

「ど…どうして…メイシア…俺に黙って故郷に帰ったんじゃ…」
「アハハハハハ！そういえぱそんな話にしてたっけ」
「ど…どういう…事ですか？」

今目の前にある現実を理解できなくなってる門番にルイは楽しそうに答える

「この娘はね、えーと…えーと…、そうだ！僕の爪を切る時に深く切りすぎたんだったよね？」
「ルイ様、それは先日のメイドです。この娘はルイ様を起こす時に花瓶を落としたと記憶しております」
「ハハハハそうだったそうだった！」

執事風の男性がそう答えた事に門番も聞き耳を立ててる男も驚きを隠せなかった。

「そんな…そんな事でメイシアは…」

門番は愕然と項垂れ沈んだと思ったら突然顔を上げルイを睨み付け叫び出す！

「ふ…ふざけるな！そんなことでメイシアを！？こんな…こんな…くっ、ルイ様…いや、ルイ！お前は殺す！殺してやる！！」

門番は怒り狂い手足を拘束されているにも関わらず目の前に居るルイに襲いかかろうと暴れだす！
だが拘束具は外れずに徐々に男の元気は薄れていく…
その表情に怒りを残しながらルイを睨む目からは血の涙を流しながら。
既に手足からは血が流れ関節は無理矢理動かしすぎたせいで骨が外れているか折れているのが見てとれた。

「素晴らしい！その絶望の中にありながら怒りに満ちたその表情にこそ価値がある！」

ルイはそう言いアイアンメイデンの蓋に手を掛けた。
そして、ルイを睨む男の棺は勢いよく閉じられるのだった。