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第5話 もう入試試験とか聞いてないんだが? 2
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「フィーネお姉様の義理の弟のフィーネ·ソルです。こちらこそよろしくお願いいたします」
ソルは、ゆっくりとお辞儀をした後、にっこりと微笑みながらレント王子を見上げた。
ソル君、なんかいつもと様子が違うような……。まるで可愛いと思ってたうさぎが牙を剥いたみたいな。ギラギラとした目でレント王子を見つめている。ま、まさか、恋したとか?
「そういうこと……」
レント王子は、口元に手袋をあてながらそう呟く。
どういうこと?
「とっても姉思いの素敵な弟だね。安心していいよ、僕は君からフィーネ嬢をとったりはしないから」
「口で言うのは簡単ですよね?」
「ふふ、僕には他に気になる人がいると言えば分かるかな?」
「お姉様を形だけの婚約者にするおつもりですか。最低ですね」
「確かに、僕の運命の人が見つかるまではそうなるかもね」
「お姉様、今すぐ婚約者破棄しましょう」
「これは王家の結婚だよ、本人だけの問題じゃないの、分かるかな」
気づいたらのけ者にされてる……なぜだ。悲しいので目の前のマカロンに手を伸ばす。何これとろける。
しかし、外の風ってやっぱり気持ちいいなー、外に1台ピアノを持ってきて弾くのもいいかな。今度やってみるかあ......。
「何を求めてるんですか?」
「簡単だよ、君に協力してほしいんだ」
「協力?」
「実は、僕が探している人は、フィーネ嬢のご友人なんだ。そこで、どこのご令嬢が探って欲しい」
ふむふむ。私の友達?誰のことだろう?紗綾はレント王子と会ったことないしなあ。他に誰かいたかな……。というか、この二人は、なぜ本人の前でこの話をしているのだろうか。
「なるほど、どんな容姿の方でしたか?」
「さらさらとした金髪を下ろしていたかな。アメジストのような瞳だった」
「それだけじゃ情報が足りませんね」
うんうん。この国は、金髪なんてざらだからねえ。でもアメジストの色の瞳なら限られると思うけどなあ。
「年齢は、ちょうど私達と同じぐらいかな。あと、彼女はとてもピアノが上手だった。まるで天使が歌ってるような音で......」
「ま、まさか、でもそんなはずは」
レント王子は、思い人を思い出しているのかうっとりとしたような表情をしている。
おかげでソルの独り言には気付かないようだ。
「分かりました。僕が、レント王子の探し人を見つけますので、必ず姉上と婚約破棄してくれますよね?」
「うん。いいよ、なんなら今書類でもしたためようか?」
「ええ、今すぐにでもお願いいたします」
ソルは、うちの執事にペンと紙をすぐに用意させ、すらすらと文字を書いていく。
「では、ここにサインを」
恋って怖いなあ。あんなに冷静沈着なレント王子がさらさらとサインを。私は、ああならないようにしよう。うんうん。
「これでいい?」
「はい、確かに受け取りました。思い人探しは、僕にお任せを。今日は、家族の予定があるので、お開きにしてもよろしいでしょうか」
「ああ、突然訪ねてすまなかったね。また来るよ」
用事は済んだのか、レント王子は、さっと馬車に乗り込んだ。やはり、一国の王子とあって忙しいらしい。
はあ、やっと終わった。私の貴重な練習時間が......。過ぎたことはしょうがないか。
もう永遠に来るなあああ、試験勉強してくれええ。という気持ちを込めてレント王子が乗った馬車に全力でお辞儀をする。
やがて、レント王子の乗った馬車が見えなくなり、ピアノを弾こうとるんるんで、体をUターンさせると肩を何者かに、がっしりと捕まれた。
「ところでお姉様、レント王子の前でピアノを弾いたことがありますか?」
ぎくっ。
「はあ、全くこのピアノバカは、でもいいです。なんで、あの王子が気づかないのかは分かりませんが。今日は素敵な物が手に入ったので」
ソルがとても怖い笑みを浮かべている。怖い、お姉様ソルが怖いよ。
ソルは、ゆっくりとお辞儀をした後、にっこりと微笑みながらレント王子を見上げた。
ソル君、なんかいつもと様子が違うような……。まるで可愛いと思ってたうさぎが牙を剥いたみたいな。ギラギラとした目でレント王子を見つめている。ま、まさか、恋したとか?
「そういうこと……」
レント王子は、口元に手袋をあてながらそう呟く。
どういうこと?
「とっても姉思いの素敵な弟だね。安心していいよ、僕は君からフィーネ嬢をとったりはしないから」
「口で言うのは簡単ですよね?」
「ふふ、僕には他に気になる人がいると言えば分かるかな?」
「お姉様を形だけの婚約者にするおつもりですか。最低ですね」
「確かに、僕の運命の人が見つかるまではそうなるかもね」
「お姉様、今すぐ婚約者破棄しましょう」
「これは王家の結婚だよ、本人だけの問題じゃないの、分かるかな」
気づいたらのけ者にされてる……なぜだ。悲しいので目の前のマカロンに手を伸ばす。何これとろける。
しかし、外の風ってやっぱり気持ちいいなー、外に1台ピアノを持ってきて弾くのもいいかな。今度やってみるかあ......。
「何を求めてるんですか?」
「簡単だよ、君に協力してほしいんだ」
「協力?」
「実は、僕が探している人は、フィーネ嬢のご友人なんだ。そこで、どこのご令嬢が探って欲しい」
ふむふむ。私の友達?誰のことだろう?紗綾はレント王子と会ったことないしなあ。他に誰かいたかな……。というか、この二人は、なぜ本人の前でこの話をしているのだろうか。
「なるほど、どんな容姿の方でしたか?」
「さらさらとした金髪を下ろしていたかな。アメジストのような瞳だった」
「それだけじゃ情報が足りませんね」
うんうん。この国は、金髪なんてざらだからねえ。でもアメジストの色の瞳なら限られると思うけどなあ。
「年齢は、ちょうど私達と同じぐらいかな。あと、彼女はとてもピアノが上手だった。まるで天使が歌ってるような音で......」
「ま、まさか、でもそんなはずは」
レント王子は、思い人を思い出しているのかうっとりとしたような表情をしている。
おかげでソルの独り言には気付かないようだ。
「分かりました。僕が、レント王子の探し人を見つけますので、必ず姉上と婚約破棄してくれますよね?」
「うん。いいよ、なんなら今書類でもしたためようか?」
「ええ、今すぐにでもお願いいたします」
ソルは、うちの執事にペンと紙をすぐに用意させ、すらすらと文字を書いていく。
「では、ここにサインを」
恋って怖いなあ。あんなに冷静沈着なレント王子がさらさらとサインを。私は、ああならないようにしよう。うんうん。
「これでいい?」
「はい、確かに受け取りました。思い人探しは、僕にお任せを。今日は、家族の予定があるので、お開きにしてもよろしいでしょうか」
「ああ、突然訪ねてすまなかったね。また来るよ」
用事は済んだのか、レント王子は、さっと馬車に乗り込んだ。やはり、一国の王子とあって忙しいらしい。
はあ、やっと終わった。私の貴重な練習時間が......。過ぎたことはしょうがないか。
もう永遠に来るなあああ、試験勉強してくれええ。という気持ちを込めてレント王子が乗った馬車に全力でお辞儀をする。
やがて、レント王子の乗った馬車が見えなくなり、ピアノを弾こうとるんるんで、体をUターンさせると肩を何者かに、がっしりと捕まれた。
「ところでお姉様、レント王子の前でピアノを弾いたことがありますか?」
ぎくっ。
「はあ、全くこのピアノバカは、でもいいです。なんで、あの王子が気づかないのかは分かりませんが。今日は素敵な物が手に入ったので」
ソルがとても怖い笑みを浮かべている。怖い、お姉様ソルが怖いよ。
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