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第4話 演奏会にいるとか聞いてないんだが? 2
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♪♬♪♬♪♬♪
「やっぱり公爵家が開いた演奏会なだけあって豪華ね」
「そうだね、こんなに人が多いとは思わなかったよ」
屋敷の広場には、沢山の机が並べられ、その机の上には美味しそうなお菓子が置かれている。
私は、すぐ近くの机にあったミニシュークリームを摘み口に入れる。美味しいなあ。
少し日差しが強いせいか、今着ている嵩張ったドレスでは暑いぐらいの気温だった。
「それにしても、演奏会って聞いたからホールとかでするのかと思ってたけど、こんな風に庭でするなんてね、びっくりした」
「そうね、しかも弾く順番が決まってないなんて、まるで前世にあったストリートピアノみたいよね」
所々に置かれた楽器に令嬢や子息達が手に触れ、演奏をしている。やはり、みんな練習をしていないのか荒い演奏が目立った。
かろうじて弾けてはいるのだが、音の粒は、バラバラ。早いテンポを意識しすぎて全ての音が繋がっている演奏ですらある。
もったいないなあ。ゆっくり弾いていればもっといい音が鳴るのに、もぐもぐ。
「そういえば、桜。今日はピアノ弾かないの? いつもだったらすぐピアノを見た瞬間飛びつくじゃない」
「私だって、人の目ぐらい気にするよ」
「要するに人前で弾くのが怖いのね、そういえば桜あんまり目立つタイプじゃなかったけ」
「弾き始めたら大丈夫なんだけどね、自分からあの人混みの真ん中で弾こうとは思えないかな」
私は、庭の中心に置かれたピアノを見てため息をつく。本当は、今すぐにでもピアノに触れたいけど、よりによって真ん中にあるなんてなあ。むずむずする。さっさと帰ってピアノ弾こう。
「見て、ルイ様よ!」
「今から演奏なさるのかしら、1番近くで聞きたいわ」
「ちょっと、そこ開けなさいよ」
「あんたこそ」
会場が騒めく。真ん中に置かれたピアノを囲むようにして、令嬢が集まっていた。
どうしたんだろう?
「本日の本命の登場ね」
「本命?」
「そうよ、今、会場に入ってきた彼よ。名前はロベルト·ルイ。鍵盤の貴公子とか二つ名があるらしいわ」
紗綾の向いている方向に目を向けると、整った顔の少年がピアノの方向へ歩いていた。
少年が、目の前を通り抜ける時、ほのかに鈴蘭の香りが広がる。少年のさらさらとした黒い髪がゆっくりと揺れた。
少年は、ピアノの前にたどり着くと皺一つない、シャツを捲り上げる。そして、細長い手のひらを鍵盤の上に乗せた。
その瞬間、会場が静寂に包まれる。ピリッとした空気が肌を掠めた。私は、ごくりと息を飲み込む。
そして、少年が腕を振り上げた瞬間。その空気を切り裂くようにしっかりと芯のある音が迫ってくる。
一音一音が正確で、はっきりしていてまるでスピーカーのように広範囲に広がる音。
一つの音だけで、会場のすべての観客の視線をかっさらった。
「別格だね」
「桜がそういうなんて、相当ね」
「他の子に比べたらだけど」
「桜とあの子だったらどっちが上手いの?」
私は、紗綾を見上げる。そして、少し考えてから口を開いた。
「私かな」
「はあー。やっぱり、桜に敵う敵はいないのか」
「でも、この音どこかで聞いたことがある気がするんだよなあ」
私は、人混みの隙間から少年を見つめる。一瞬、少年と目が合った気がした。
「やっぱり公爵家が開いた演奏会なだけあって豪華ね」
「そうだね、こんなに人が多いとは思わなかったよ」
屋敷の広場には、沢山の机が並べられ、その机の上には美味しそうなお菓子が置かれている。
私は、すぐ近くの机にあったミニシュークリームを摘み口に入れる。美味しいなあ。
少し日差しが強いせいか、今着ている嵩張ったドレスでは暑いぐらいの気温だった。
「それにしても、演奏会って聞いたからホールとかでするのかと思ってたけど、こんな風に庭でするなんてね、びっくりした」
「そうね、しかも弾く順番が決まってないなんて、まるで前世にあったストリートピアノみたいよね」
所々に置かれた楽器に令嬢や子息達が手に触れ、演奏をしている。やはり、みんな練習をしていないのか荒い演奏が目立った。
かろうじて弾けてはいるのだが、音の粒は、バラバラ。早いテンポを意識しすぎて全ての音が繋がっている演奏ですらある。
もったいないなあ。ゆっくり弾いていればもっといい音が鳴るのに、もぐもぐ。
「そういえば、桜。今日はピアノ弾かないの? いつもだったらすぐピアノを見た瞬間飛びつくじゃない」
「私だって、人の目ぐらい気にするよ」
「要するに人前で弾くのが怖いのね、そういえば桜あんまり目立つタイプじゃなかったけ」
「弾き始めたら大丈夫なんだけどね、自分からあの人混みの真ん中で弾こうとは思えないかな」
私は、庭の中心に置かれたピアノを見てため息をつく。本当は、今すぐにでもピアノに触れたいけど、よりによって真ん中にあるなんてなあ。むずむずする。さっさと帰ってピアノ弾こう。
「見て、ルイ様よ!」
「今から演奏なさるのかしら、1番近くで聞きたいわ」
「ちょっと、そこ開けなさいよ」
「あんたこそ」
会場が騒めく。真ん中に置かれたピアノを囲むようにして、令嬢が集まっていた。
どうしたんだろう?
「本日の本命の登場ね」
「本命?」
「そうよ、今、会場に入ってきた彼よ。名前はロベルト·ルイ。鍵盤の貴公子とか二つ名があるらしいわ」
紗綾の向いている方向に目を向けると、整った顔の少年がピアノの方向へ歩いていた。
少年が、目の前を通り抜ける時、ほのかに鈴蘭の香りが広がる。少年のさらさらとした黒い髪がゆっくりと揺れた。
少年は、ピアノの前にたどり着くと皺一つない、シャツを捲り上げる。そして、細長い手のひらを鍵盤の上に乗せた。
その瞬間、会場が静寂に包まれる。ピリッとした空気が肌を掠めた。私は、ごくりと息を飲み込む。
そして、少年が腕を振り上げた瞬間。その空気を切り裂くようにしっかりと芯のある音が迫ってくる。
一音一音が正確で、はっきりしていてまるでスピーカーのように広範囲に広がる音。
一つの音だけで、会場のすべての観客の視線をかっさらった。
「別格だね」
「桜がそういうなんて、相当ね」
「他の子に比べたらだけど」
「桜とあの子だったらどっちが上手いの?」
私は、紗綾を見上げる。そして、少し考えてから口を開いた。
「私かな」
「はあー。やっぱり、桜に敵う敵はいないのか」
「でも、この音どこかで聞いたことがある気がするんだよなあ」
私は、人混みの隙間から少年を見つめる。一瞬、少年と目が合った気がした。
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