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第1話 僕とは
しおりを挟む僕は、今の平凡な人生にとても満足している。
定期テストも体力テストも平均点が望ましい。点数が平均点であれば、教師に解説を求められることもなければ、皆の前でやってみせるなどという辱しめを受けずにすむ。
つまり、僕はクラスのカーストでいう真ん中にいるという訳だ。
この位置が僕は適切であると考えている。なぜなら、クラスメイトに面白さを期待されることもなく、注目がないこの状態は、快適だからである。
クラスのカーストは、主に部活で決められることが多い。俗に、スポーツ系の部活は陽キャ、文化系の部活は陰キャなどと言われやすいと感じている。
だから、僕は弓道部を選択した。弓道部は、ちょうどどちらともとれる位置である。最適だ。
もちろん。ぼっちではないことも言っておこう。きちんとそれなりに会話をかわす友達もいる。
しかし、友達は、誰でもいいという訳ではない。ここで言いたいのは、友達選びは慎重に行わなければならない物の1つだということだ。友達はバカなやつが1番いい。
それもクラスのカースト上位でないやつ以外でなければならない。なぜなら、クラスのカースト上位に気に入られてしまうとすぐさまクラスのカースト上位になってしまう可能性があるからだ。
そこで、僕が選んだのは菊地 晴哉だ。彼は帰宅部で、ゲームを趣味といているため、ゲームをしていれば話題が作れる。
彼女がいないのもいい、恋愛相談などもってのほかだ。僕は、会話がしやすいという点で彼を少しばかりは気に入っている。他のクラスメイトよりはというだけだが。
僕はただコミュニケーション能力障害があるわけではないということを分かってもらうために彼と話すという行為をおこなっている。
正確には、僕は彼を友達とは思っていない。ただ利用価値があるクラスメイトの1人である。ただそれだけだ。
しかし、こんな僕にも趣味がある。それは、人間観察である。ちょうど、僕の席はクラスで窓側の1番後ろの席にあり、それを行うにはとても適している。
例えば、クラスのカースト上位である、安堂 彩。性格は難ありで、自分の思いどおりにならないと癇癪をすぐに起こすため、周りは皆、安堂の意見に従う。これは、安堂の友達が不憫でならない。僕はこのような友達お断りである。
次に、名古屋 順。こいつも同じくクラスのカースト上位である。部活もテニスをしており、女子にもてる自身に強い優越感を抱いている。僕はなぜ女子がこいつを好きになるのか理解は出来ないが、高校生生活で陽キャがもてるのは、お決まりである。本当に理解できないが。
僕はこの高校生活で、別に青春を行おうとは一切思っていない。青春ほど、無意味な言葉はない。特に恋愛など時間の無駄でしかない。何の目的で行っているのか僕には理解できない。
ただ、高校を卒業後、偏差値50の地元の大学に入り、公務員になることが今の僕の目標である。
そう、僕、山田 悠真は平凡な高校生である。
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