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第一章
⑨幸せに満ちた甘い聖夜
しおりを挟む十二月
この学園は大学への推薦入学の枠が多く、ほとんどの者は年内に進学先が決まる。俺は実家から遠い関西の美術系大学に、圭吾は東京のいわゆる一流大学に進む。
「圭吾はさ、じいさんの跡を継いで政治家になるの?」
布団の中でそう聞いてみた。
「分からないけど、期待はされているんです。でも僕には兄が二人いるから本来なら彼らなんですよ、跡を継ぐのは。お祖父様だけが、僕を推していて。能力を開花させなさいってこの学園に転校できるように手配してくれて」
「ふーん」
圭吾が言う「能力」が何を指しているのかよく分からないけれど、こうして二人で過ごすことができる期間は、残り三ヶ月。それだけは決定事項だ。
卒業したら、圭吾は俺のことを忘れてしまうだろうか。きっと俺はアパートで一人暮らしをして、大学の課題をそれなりにこなし、飲食店でアルバイトをしたりするのだろう。
圭吾がその狭いアパートの部屋に、年に一回でも遊びに来てくれたらいいのに。「光夜は高校三年の時、僕の「特別」でしたから」と理由をつけて。
*
春期と夏期に比べ冬期休暇は意外と長く、クリスマスイブには学校を出されてしまう。一年生は二十三日午前に、二年生は午後に、三年生は二十四日の午前に、スクールバスが最寄り駅へと連れて行く。
バスでは圭吾の隣に座り、整った横顔と寒々しい窓の外を眺める。昨晩は約束の土曜ではなかったけれど休暇前ということで、消灯後どちらともなくイヤらしいキスを仕掛け、そのままセックスをした。バスの中で取り澄ましている圭吾に、そんな余韻は微塵も残っていない。
「帰ってもどうせ一人だし、クリスマスなんてつまらないよな」
聞いて欲しかった訳でもないのに、何となく口にしてしまった。窓側に座って外を見ていた圭吾はその言葉に反応し振り返って俺を見たが、特に何の返事も寄越さず、また窓の方を向いてしまう。
五分程して良いことでも思いついたような期待に満ちた声で「ねぇ、光夜」と話しかけてきた。
「二人でどこかに泊まりませんか?」
「え?」
「今夜のクリスマスイブ、二人でホテルに泊まるんです」
思ってもいなかったアイデアに、期待感がムクムクと膨らむ。
「あぁでも俺、ホテルに泊まる程の現金持ってないぜ……」
圭吾が財布からカードを取り出した。
「ジャーン!これ自由に使えるので大丈夫です」
「うわっ、さすが、おぼっちゃま」
急に頭の中を楽しみな想像が駆け巡り、心が弾む。バスが最寄駅に着くまでの長い道のり。いつも憂鬱な道中が、遠足にでも行くような明るい気分になった。
到着した最寄駅には車で迎えに来ている親も何組かいたが、大抵の生徒はそこから電車に乗って東京方面へと向かう。
電車でも二人で並んで座った。山間を抜け、谷を抜け、俺が乗り換えるはずの駅も通り越す。賑やかそうな知らない駅に電車が止まり「よし、ここにしよう」と二人で降りた。
街はクリスマスの装飾が施され、平日なのに人々が溢れ、その賑やかさは森の中の生活とあまりにかけ離れていた。
昼食は、駅ビルの中華屋で酢豚定食を食べた。その後は、知らない街をあてもなく歩く。
思いのほか寒く、圭吾は辛子色、俺はオリーブ色の安いマフラーを購入し首に巻いた。いつも同じ服装をしている俺たちだから、マフラー一つで圭吾が大人っぽく見えた。
ゲームセンターでクレーンゲームをしたり、コーヒーチェーン店に入って、飲み慣れないカフェラテも飲んだ。
日が暮れ始めた頃、駅から少し離れたところにビジネスホテルを見つけ「ここにしましょう」とチェックインする。
制服姿の高校生二人をホテルの人が不審がるのではないかと思い、聞かれてもないのに白々しく「今日も明日も模試があって」などと嘘を言ってみた。
フロント横に、古びた小さなクリスマスツリーが置かれているだけの、ロマンチックでもなんでもないホテル。部屋に入り窓を開ければ眺めは隣接するビルの壁面で、広さだって寮の部屋と大して変わらず、シングルベッドが二つあるだけ。それでも、想像もしなかったこの状況に、気分が高揚していた。
圭吾はロビーの公衆電話から自宅に電話をしている。俺にはそんな必要はない。
夕飯は二人でファストフードのハンバーガーをテイクアウトしてきて、部屋で騒がしいテレビを見ながら食べた。寮暮らしの俺たちには、それすら珍しく非日常を噛みしめる。
「クリスマスケーキも買ってくれば良かった」
バーガーのセットを食べ終わって俺がそう言うと「買いに行きましょう。ほら、早く」と圭吾が手を引っ張る。浮かれているのは、俺だけではないようで、安心する。
再びマフラーを巻いて駅の方向へ歩けば、街路樹がキラキラと美しいイルミネーションで彩られていた。
「綺麗だ」
圭吾と二人、人の流れを無視して立ち止まり、うっとりと眺める。いつか森のクスノキにも、こんな見事な装飾をしてやりたいと、ありえないことも想像した。森の中でクスノキだけがキラキラと瞬いていたら、どんなクリスマスツリーより綺麗だろう。
ケーキ屋の店頭で、サンタクロースの帽子を被らされたアルバイトから一番小さなホールケーキを買った。サンタクロースとトナカイの小さな砂糖菓子と、苺が上に乗っている定番品だ。
アルバイトの女の子が笑顔で「メリークリスマス」と言って手渡してくれる。二人で顔を見合わせ照れながら「メリークリスマス」と返事をした。
イルミネーションから少し外れた所にあったコンビニで、着替えの下着と炭酸飲料を買った。
コンビニから出ると、三才くらいの男の子が小さな声で「パパ……、ママ……、どこ、どこ」とグズグズ泣きながら歩いているのに出くわす。
心配に思い眼で追っていると、中年の男性が声を掛けた。男の子は、ブンブンと首を横に振っているのに、中年の男性は腕を掴み引っ張ろうとする。「いや、いや」と言う男の子に、男性はポケットからチョコレートを出し「あげるから、おじちゃんと遊ぼう」とでも話しかけているようだ。明らかに様子がおかしい。
駆け寄って男の子の目線にしゃがみ「どうした?」と声を掛ける。男性は俺を見ると「チッ」と汚く舌打ちして逃げるようにいなくなった。どうやら迷子になって彷徨っているうちに、変な人に声を掛けられたようだ。
「大丈夫か?迷子になっちゃった?」
男の子は、俺に救いを求めるように両腕を伸ばし、ギュっと抱きついてきた。そして声をあげてワンワンと泣き始めた。抱き上げて、トントンと背中を叩く。
「怖かっただろ。大丈夫だから、な。すぐにパパとママ、来てくれるから」
「親御さんが探してるだろうから、僕見てきます」
「うん。頼む」
圭吾が捜索に行っている間に、男の子は段々と落ち着いてヒックヒックとしゃくり上げながらも、涙は止まってきた。それでも、俺にしがみついたままだ。
「パパとママを見つけられるように、肩車してやろうか?」
コクリと頷くから、マフラーを外して植え込みに置き、男の子を肩に跨らせた。
「しっかり掴んでろよ」
腰を掴んでゆっくりと立ち上がる。
「わー、すごーい。キラキラみえるー」
顔にはまだ涙の跡があり、睫毛も濡れているのに、俺の頭をギュっと掴んで、ニコニコと笑い始めた。
しばらくしてイルミネーションの人混みから、圭吾と、パパと思われる人がこちらに向かって走ってきた。その後ろを、赤ん坊が寝ているベビーカーを押したママが小走りに追ってくる。
「パパーーー!」
男の子の両親は、本当に助かったと、俺と圭吾にペコペコと何度も何度も頭を下げる。男の子は、なかなか俺の肩から降りようとせず「まだ、かたぐるま、おりないー」と甘えたことを言う。
「すみません。人見知りな子なので、普段はなかなか知らない方と親しくできないのに、こんなに懐いて。よくしてくださったんですね。本当にありがとうございました」
結局、俺の肩からパパの肩に移り「バイバイー」と手を振って帰っていった。いかにも幸せそうで、微笑ましい家族だった。
再びオリーブ色のマフラーを首に巻いて、俺はケーキの箱を、圭吾はコンビニの袋を持ってホテルへの道を戻る。
「ねぇ光夜。僕が「セックスをすると段々と感覚が鋭くなるらしい」と言っていたの覚えてます?」
「あぁ、まぁ何となく。縁が見えるとかっていう怪しい話だろ。だから俺とセックスしたいって」
「そう。それで最近ね、少しだけ、ほんの少しだけ見えるようになったんです」
「え、何が?」
「縁が。トランプの神経衰弱でこのカードとこのカードがペアだって思う感覚に似てるって、亮太りょうたが言ってたんですけど、正にそういう感じで。温かな色に光って見えるんです。さっきね、あの男の子と光夜には「縁」があるんだって、僕にも分かりました」
「ん?」
「きっと、一つ前の人生か二つ前の人生か、もっと昔かもしれないけれど、近しい関係だったんですよ、あの子と光夜。だからピンチの場面に偶然出くわせたし、あの子も光夜になら安心して甘えられた」
「ふーん」
オカルトには興味無いってフリをしながら、死んでしまった弟のことを思い浮かべた。もしも弟の生まれ変わりがあの子だとしたら、いい家族の元に生まれて本当に良かった、と心から思える。
ホテルのエレベーターの中で「今夜も感覚を鋭くする為の協力、しようか?」と呟いてみた。できるだけ軽く聞こえるように、期待に満ちた感情を押し殺して。
寮以外の場所ではしないと言われる可能性もある。少し心配だったが、圭吾は恥ずかしそうに俯いて「はい。お願いします」と言ってくれた。
ケーキを部屋の冷蔵庫に入れ「俺からシャワー浴びていい?」と聞いて、小さな湯船にお湯を張る。いつもは寮の大浴場に入っているから、脱衣所も洗い場も酷く狭く感じる。
頭を洗いながら、圭吾の言うセックスの効果について考えた。
圭吾とする拙いセックスは、イヤらしいキスをして、身体中を撫でるように触って、胸の突起を指で摘んで舐め、潤滑ジェルをつけた指で窄まりをほぐす。顔を見られるのが恥ずかしいと圭吾が言うから、一回目はいつも背後から後孔へと挿入し、馴染むまでをやり過ごし、後はただただ俺の欲望をぶつける。イク時には、圭吾は自分の陰茎を握り上下に擦り上げ、二人一緒に吐精する。
初めて身体を交えてからまだ三ヶ月。週に一回の行為に余裕はなく、圭吾のことを思い遣るより、自分の興奮が先に立ってしまう。
俺の行為に進歩はないのに、圭吾の乱れ方は、回を増す毎にイヤらしくなって、より気持ち良さそうに身悶えている。こうして気持ち良くなることが、感覚を鋭くすることに役立っているのだろうか?そんな因果関係ある訳がないのに。
考えているうちに、圭吾が蕩けるような表情で放つ嬌声を明確に思い出してしまい、股間がムクムクと反応してしまった。
このままではバスルームから出られない。そんな言い訳を自分にしつつ、頭も身体も泡だらけのまま陰茎を握り、ゆっくりしごき始めた。一度抜いておけば、今夜は余裕を持って、ゆっくり対峙できるかもしれない……。
突然、コツコツと軽くノックをされて「ねぇ光夜」とバスルームの扉が開いた。反り勃った陰茎を握ったままの俺と、制服を着たままの圭吾の眼が合い、大変気まずい。
圭吾の手には入浴剤の小袋が握られていた。アメニティのセットから見つけて、持ってきてくれたのだろう。
圭吾は黙って入浴剤を俺に渡してきた。そして唐突に制服を脱ぎ始める。驚いて「え?圭吾」と言っている間に、裸で狭い洗い場に入ってきた。
「あ、あの、クリスマスだから」
そう言ったかと思うと、俺の足元にしゃがみこみ、反り勃ったモノをパクっと咥えてきた。
「け、圭吾っ」
圭吾の口の中は熱くて柔らかくて、何より上目遣いで見上げてくる誘うような視線に射抜かれた。俺の陰茎は更に大きく硬くなってしまう。
咥えている圭吾自身も興奮しているようで、俺のモノを唇で挟んで出し入れしつつ「んっ、んっ」と塞がれた口から甘い音を漏らす。
圭吾のワックスで固めた頭を撫で「どこで覚えたの?上手すぎ」と上擦った声で問いかける。口いっぱいに頬張っている圭吾は返事などできず、艶っぽい息継ぎをただただ繰り返す。
先端に舌をねじ込もうとしたり、裏筋を舐め上げたり、口の奥まで咥え込んだりされるのだから、きっともう先走りが圭吾の口の中を汚しているだろう。
「あっ、もう、もう、離して、け、圭吾。で、出るから、圭吾っ」
根本を握っている圭吾の手を無理やり剥がすこともできず、喉に向かって勢いよく白濁を放ってしまった。あろうことか圭吾は、そのまま飲み下そうとする。
ゴクリと喉仏が動き、嚥下しきれなかった一筋が、口の端から溢れ出た。それを赤い舌がペロッと舐めとるのを直視してしまえば、淫靡さにクラクラと酔わされる。
「あぁ、もう!」
シャワーの蛇口を捻り、自分の泡を流し、寒そうな圭吾が温まるよう湯を掛けてやった。
「口開けて。ほら、ゆすいで」
口の中にもシャワーを注いでやる。バスルームが湯気でモウモウとし、室内が暖まってシャワーを止めた。
圭吾を湯船のヘリに掴まらせる。ボディソープを指に絡め、圭吾の後孔へ右手中指をゆっくりと侵入させた。左手にもボディソープを纏い、背中を抱え込むように胸の突起を弄れば、圭吾はピクンと身体を跳ねさせる。
結局今夜だって、余裕を持って挑むことはできなかった。腰を揺らし艶っぽい声を漏らす圭吾を前にしたら、欲を制御することなんて出来ずに、先へ先へと行為を進めてしまう。
ビジネスホテルのバスルームはとても狭かったが、普段から窮屈な場所でセックスしている俺たちには、何の問題もなかった。
後孔をほぐす指は二本に増え、俺の股間は再び張り詰める。
「ねぇ、早く。早く挿れて、ください」
圭吾の陰茎も硬く勃ち上がって、揺れている。
「あぁ、分かってる、焦らせるなよっ」
肩越しに振り向いた圭吾の唇に、貪るように喰らいつくキスをしながら、この後に及んで、ゴムが無いことに思い当たった。一瞬の躊躇いで唇を離してしまった俺に圭吾が縋り付く。
「光夜、今日は、中に、中に、出して……」
「あぁーーー」
思わず雄叫びをあげてしまう。後孔から指を抜き、硬く勃ち上がった陰茎を当て、奥まで一息に貫けば、圭吾は背骨を反らせ甘いうめきを溢す。
どうして圭吾はこんなにも俺を煽り翻弄するのか。やはり経験豊富なのではないかと、疑いたくなる。
「こうや、いい、いい、あっ、きもち、いい」
圭吾を貫くスピードを上げれば、嬌声も大きくなり、俺も追い詰められる。何てイヤらしい身体だろう。俺は仕返しだとばかりに、圭吾が湯船のヘリに置いている手を、背後から押さえつけ、自分のモノを擦れないよう固定した。
「ヤ、ヤダ、イキたい……。前、触りたい……。あっ、こうや、こうや、イ、イかせて、あっ」
圭吾の言葉を無視して、腰を強く強く打ち付ける。俺も頭が真っ白になる程気持ちよく「もうでるっ。んっ」と圭吾の最奥へと白濁を叩きつけた。
その瞬間、ガクガクっと圭吾の膝が崩れ「んあぁぁ」と甘い悲鳴がバスルームに響く。湯船の側面に圭吾が飛ばした白濁がベッタリとついていた。
「なぁ、春休みにも、またどこかのホテルに泊まろう」
二人ともホテル備え付けのペラペラな浴衣に着替え、コンビニで買った下着を身に着けていた。
圭吾はシングルベッドの上でウトウトしながらも「えぇ、今度は二泊しましょう」と答えてくれる。春休みは、俺と圭吾が離れ離れになる卒業式の翌日からだと、分かって言っているのだろうか。
「その時はさ、最初から互いの顔を見ながらしようぜ」
「ふふっ」
枕に顔を埋めて恥ずかしそうに、でも少し期待しているように笑ってくれた。
「約束だぜ。圭吾」
そう言って頬を擦り寄せたら「えぇ。その時もうんと気持ちよくして」と微睡みながら呟いた。スースーと寝息が聴こえ、結局二つあるシングルベッドは片方しか使わなかった。
昼前に圭吾と駅で別れ、俺は乗り換えるはずだった駅まで電車で戻った。
朝起きてから二人でホールケーキを半分ずつ食べたから、まだ身体の隅々まで甘さが漂っている。暖かなマフラーを巻いて、電車に揺られながら、圭吾の言動に思いを巡らせた。
圭吾は「魂は人生を九回繰り返す」と言っていた。そして魂が生きられる年数は四百何年だかに決まっていて、皆が等しいと。だから、弟は幼くして死んでしまったけれど、その分、他の人生で長生きができると。
亮太が死んだ時には、九回の人生を全うした、亮太自身がそれを知っていた、と話してくれた。つまり亮太にとって、今回が九回目の人生だったのだろう。
「圭吾が今死んだら立ち直れないよ」と俺が言った時には、自分は今回が最後の人生で六十年残っているから大丈夫だと教えてくれた。圭吾も現在が九回目ということだろうか。
圭吾のじいさんは俺を「八回目」と呼んでいた。俺はもうそんなに何度も、人生を繰り返しているらしい。
こんな人生を繰り返す話、もちろん半信半疑だけれど、もっと良く分からないのは、圭吾はなぜ自分が九回目だと分かっているのか、なぜじいさんは俺が八回目だと分かるのか、そして縁は見えるものなのか。
ガタンっと電車が揺れて駅に着いた。ここでまた乗り換えだ。電車を下り寒風にさらされると、オカルト話について真剣に考えていた自分が、可笑しく思えて笑えてきた。
実家に帰宅すると、数日分の食事が作り置きされていた。心が満たされている俺は、それを見ても寂しさは募らず、素直にありがたいと思えた。
翌朝見たテレビのワイドショーでは、高校生が殺される事件のニュースをまたやっている。
今だ犯人は一人も捕まっていないとのこと。既に日本だけで三十二人の高校生男女が、背中を刺されて殺されたらしい。幸い、十二月に入ってからは、パタリと犯行が止んでいるという。
「警察は彼ら彼女らの共通点の洗い出しに、全力をあげています」
アナウンサーは、夏に聞いた時と同じようなことを述べていた。
テレビはその後、年末年始らしいガヤガヤした番組ばかりになって、俺がテレビを付けているような時間帯に、もうその事件のニュースを眼にすることはなかった。
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