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22.大切な人-レオンside-
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ニナが俺の屋敷に住む様になって数日が過ぎた。
毎日目覚めると同じベッドにニナがいて、起きて始めて目にするのは俺の腕の中で気持ち良さそうに眠る愛する人の寝顔だった。
そんな姿を見ると、思わず微笑んでしまう。
ニナと一緒に眠る様になってからは悪夢は一切見ることも無くなり、ぐっすり眠れるようになった。
きっとニナといる事で心が安らいで、本当の意味で落ち着くことが出来ているのだと思う。
暫く寝顔を見ていると、ニナは眠そうな顔をしてゆっくりと重そうな瞼を開く。
そして俺と目が合った瞬間、恥ずかしそうにしながらも嬉しそうに俺に抱き着いて来る。
甘えて来るニナは本当に可愛くて、愛しくてたまらない気持ちにさせられる。
(この瞬間が俺は一番好きかもしれないな…)
「ニナ、甘えてくれるのは嬉しいが、そろそろ起きて準備をした方がいいんじゃないか?」
「…ん…、もうちょっと…」
俺が奥にある時計に視線を向けてニナに時間を知らせると、駄々をこねる様に更にぎゅっと抱き着いて来た。
(ニナはこの時だけは甘えて来るな。普段もこれくらい甘てくれて構わないのに…。もっとこの瞬間を味わっていたいが、そうもいかないか…)
「……ぁっ…、耳やだっ…」
ニナの耳元で俺が息を吹きかけると、ニナはびくっと体を震わせた。
そして俺の体にぎゅっと抱き着きながら逃げようともせず、まるで次の刺激を待っている様に思えて来る。
「ニナは毎日こうやって、俺に意地悪されたくて中々起きないのか…?」
「…っ…違っ…はぁっ…」
ニナの耳朶を口に含んで甘噛みすると、体を震わせながら赤く染まった顔で俺の事を見上げて来た。
まるでぶるぶると震えた小動物みたいに見えて可愛くて仕方が無い。
「本当に、ニナは俺を惑わせるのが上手くなったな。そうだ、ニナに話しておかないといけない事があるんだ…」
「…話しておくこと…?」
「この前俺の元にニナの元恋人だったジル・エステンが会いに来たんだ…」
「え…?ジルが…」
俺がその名前を出すと、ニナの表情が曇った。
あの男から復縁を迫られたことは、ニナから聞いて知っていた。
ニナにその気がない事も知っている。
だけどニナにとってあの男は恩人であり、大切な人間であることは変わりないそうだ。
俺としては俺以外の男を特別視するのは面白くはないが、ニナの気持ちも大切にしたいと思っている。
「あの男はまだニナの事を諦めてないらしい。わざわざ俺の所に会いに来て、そんなことを言いに来たのかと思ったが、ニナの事を頼むとも言っていた。言われなくてもそうするつもりだとは答えたけどな…」
「……」
「だけど俺は優しい人間じゃない。あの男が全て決着させて戻って来るまで待つ義理はないからな。ニナ、このまま俺の妻になってここでいつまでも一緒に暮らして欲しい」
俺が真直ぐにニナの瞳を見つめると、ニナは恥ずかしそうに顔を赤く染めながら小さく頷いた様に見えた。
(今、頷いたのか?気のせいじゃないよな…?)
「俺の妻になってくれるのか?」
「……はいっ…」
俺が驚いた顔で再び聞き返すと、ニナは笑顔で答えてくれた。
その瞬間、胸の奥が熱くなり気付けばニナを強く抱きしめていた。
「レオンさん…、苦しいですっ…」
「ああ、ごめん。今の聞き間違いじゃないよな…?」
抱きしめる力を緩め、俺は不安そうな顔でニナを見つめた。
(これは、夢じゃないよな?)
「聞き間違いにされたら…困ります」
「俺も困るな…」
そんなやり取りをしていたらニナが可笑しそうに笑い出したので、俺もつられる様に一緒に笑っていた。
ニナと一緒に過ごす様になって、毎日が幸福に包まれていた。
これほど嬉しく思えたのは、ニナが俺の屋敷に来てくれたぶりかもしれない。
いや、それ以上だ。
「今日はやる事が増えたな…」
「やる事…?」
「ニナの気が変わらないうちに結婚の準備を進めようと思ってな…」
「レオンさん、気が早すぎっ…」
「1日でも早くニナを俺だけのものにしたいからな」
ニナが俺の事を受け入れてくれて本当に嬉しかった。
俺は一度は大切な物を失くしてしまったが、もう同じ過ちは絶対に繰り返さない。
ニナだけは俺の手で幸せにしたい…、絶対に幸せにすると心から誓った。
毎日目覚めると同じベッドにニナがいて、起きて始めて目にするのは俺の腕の中で気持ち良さそうに眠る愛する人の寝顔だった。
そんな姿を見ると、思わず微笑んでしまう。
ニナと一緒に眠る様になってからは悪夢は一切見ることも無くなり、ぐっすり眠れるようになった。
きっとニナといる事で心が安らいで、本当の意味で落ち着くことが出来ているのだと思う。
暫く寝顔を見ていると、ニナは眠そうな顔をしてゆっくりと重そうな瞼を開く。
そして俺と目が合った瞬間、恥ずかしそうにしながらも嬉しそうに俺に抱き着いて来る。
甘えて来るニナは本当に可愛くて、愛しくてたまらない気持ちにさせられる。
(この瞬間が俺は一番好きかもしれないな…)
「ニナ、甘えてくれるのは嬉しいが、そろそろ起きて準備をした方がいいんじゃないか?」
「…ん…、もうちょっと…」
俺が奥にある時計に視線を向けてニナに時間を知らせると、駄々をこねる様に更にぎゅっと抱き着いて来た。
(ニナはこの時だけは甘えて来るな。普段もこれくらい甘てくれて構わないのに…。もっとこの瞬間を味わっていたいが、そうもいかないか…)
「……ぁっ…、耳やだっ…」
ニナの耳元で俺が息を吹きかけると、ニナはびくっと体を震わせた。
そして俺の体にぎゅっと抱き着きながら逃げようともせず、まるで次の刺激を待っている様に思えて来る。
「ニナは毎日こうやって、俺に意地悪されたくて中々起きないのか…?」
「…っ…違っ…はぁっ…」
ニナの耳朶を口に含んで甘噛みすると、体を震わせながら赤く染まった顔で俺の事を見上げて来た。
まるでぶるぶると震えた小動物みたいに見えて可愛くて仕方が無い。
「本当に、ニナは俺を惑わせるのが上手くなったな。そうだ、ニナに話しておかないといけない事があるんだ…」
「…話しておくこと…?」
「この前俺の元にニナの元恋人だったジル・エステンが会いに来たんだ…」
「え…?ジルが…」
俺がその名前を出すと、ニナの表情が曇った。
あの男から復縁を迫られたことは、ニナから聞いて知っていた。
ニナにその気がない事も知っている。
だけどニナにとってあの男は恩人であり、大切な人間であることは変わりないそうだ。
俺としては俺以外の男を特別視するのは面白くはないが、ニナの気持ちも大切にしたいと思っている。
「あの男はまだニナの事を諦めてないらしい。わざわざ俺の所に会いに来て、そんなことを言いに来たのかと思ったが、ニナの事を頼むとも言っていた。言われなくてもそうするつもりだとは答えたけどな…」
「……」
「だけど俺は優しい人間じゃない。あの男が全て決着させて戻って来るまで待つ義理はないからな。ニナ、このまま俺の妻になってここでいつまでも一緒に暮らして欲しい」
俺が真直ぐにニナの瞳を見つめると、ニナは恥ずかしそうに顔を赤く染めながら小さく頷いた様に見えた。
(今、頷いたのか?気のせいじゃないよな…?)
「俺の妻になってくれるのか?」
「……はいっ…」
俺が驚いた顔で再び聞き返すと、ニナは笑顔で答えてくれた。
その瞬間、胸の奥が熱くなり気付けばニナを強く抱きしめていた。
「レオンさん…、苦しいですっ…」
「ああ、ごめん。今の聞き間違いじゃないよな…?」
抱きしめる力を緩め、俺は不安そうな顔でニナを見つめた。
(これは、夢じゃないよな?)
「聞き間違いにされたら…困ります」
「俺も困るな…」
そんなやり取りをしていたらニナが可笑しそうに笑い出したので、俺もつられる様に一緒に笑っていた。
ニナと一緒に過ごす様になって、毎日が幸福に包まれていた。
これほど嬉しく思えたのは、ニナが俺の屋敷に来てくれたぶりかもしれない。
いや、それ以上だ。
「今日はやる事が増えたな…」
「やる事…?」
「ニナの気が変わらないうちに結婚の準備を進めようと思ってな…」
「レオンさん、気が早すぎっ…」
「1日でも早くニナを俺だけのものにしたいからな」
ニナが俺の事を受け入れてくれて本当に嬉しかった。
俺は一度は大切な物を失くしてしまったが、もう同じ過ちは絶対に繰り返さない。
ニナだけは俺の手で幸せにしたい…、絶対に幸せにすると心から誓った。
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