残念系悪役令嬢に転生したら、婚約破棄される予定の王太子に溺愛されています【R-18】

Rila

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第三章:学園生活スタート

57.初めての⑦※

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「ちょっと緊張してただけかも。ライがキスしてくれたら、多分大丈夫な気がする……」

 私は顔を赤く染め恥ずかしそうに呟いた。
 一瞬ラインハルトは驚いた顔を見せたが「わかった」と答え私の唇にそっと口付けてくれた。
 ラインハルトは私の欲しかったキスをくれた。
 触れるだけだが、安心感を与えてくれる口付けだ。
 本当にこの人は、私の心が読めているのでは無いかと思う時がある。
 言い換えてみれば、それだけ私のことをいつも気にかけてくれているということだ。

 ゆっくりと唇が剥がれていくと、薄らと開き始めた碧い瞳と目が合った。
 私は自然と笑顔が零れた。
 
「緊張は解けたか?」
「うん、もう大丈夫。ありがとう、ライ」

「ルティの準備がいいのなら、ゆっくりと進めるぞ」
「いつでも平気」

 ラインハルトは私の額にそっと口付け、再び足下の方へと移動した。
 
「ルティ、足を開いて貰えるか?」
「う、ん……」

 私は恥ずかしそうに、膝を立てた足をゆっくりと左右に開いた。
 そしてラインハルトの方に視線を向けると、「ははっ」と乾いた笑みを送る。
 もっと大きく開かなくてはならないことは分かっているのだが、やはり人前で足を開くのは恥ずかしい。
 するとラインハルトは私の足首を掴み、簡単に左右に押し開かれてしまった。

「あっ!」
「ルティを待っていたら、いつになるか分からないからな」

 確かにその通りだ。
 きっといつまで経っても、自分では出来なかったと思う。
 こんなはしたいない姿にさせられ恥ずかしいが、強引にしてくれたことに少し感謝した。

「出来るだけ痛くないようにしようとは思っているが、最初は痛いと聞く」

(やっぱり、そうだよね……)

 漫画の中でも初めての時はのヒロインは泣いていた気がする。
 それが痛みなのか感動なのかは分からないが、異物を入れるのだから痛みを感じるのは間違いないだろう。

「多分、大丈夫」
「多分か」

「だって初めてだし。どれくらい痛いかなんて分からないわ。それにあんまり痛い話をしていると、本当に痛い気がするから。この話はやめよう」
「確かにそうだな」

 自分で痛いを連呼してしまった。
 それに想像していたものとは、大分違う気がする。
 もっとロマンティックな感じなのかと思っていたけど、いつも通りのやり取りで可笑しく感じてしまう。
 だけど私達らしくてそれも合っている気がする。

 私がドキドキしながら見守っていると、熱くなった私の中心に硬く膨張した楔を押しつけられた。
 入り口から溢れた愛液をなじませるように擦っているようだ。
 ラインハルトの腰が動く度にぐちゅぐちゅと淫猥な音と、甘い痺れに声が漏れそうになる。

「……っ」
「こうしているだけでも気持ちが良いな」

「はぁっ……、ライも気持ちいいの?」
「ああ、ずっと我慢していたからな」

「そっか……」

 求められていることが嬉しくて、自然と笑みが零れてしまう。

「随分嬉しそうな顔だな」
「そ、そんなことないわ。だけどライが気持ち良いのなら良かったなって思っただけよっ! ……っん」

 私は恥ずかしくなり、ついムキになってムッとした顔を向けてしまう。

「そういうルティも、さっきから甘い声を隠しきれてないぞ。それにこの小さな入り口がパクパクと早く入れて欲しそうに待っている様だな」
「ち、ちがっ、……ぁあっ、そんなに激しく動かさないで」

「これだけ馴染ませておけば平気そうだな。これから挿れるけど、出来るだけ力は抜いておいてくれ。力むとルティが辛くなるからな」
「わ、分かったわ……」

 ついにこの時が来てしまった。
 私はドキドキしながら、心を落ち着かせるように深呼吸をしてみた。
 すると「挿れるな」というラインハルトの声が響き、ぐっと入り口に肉楔を押しつけられる。
 
 何も受け止めたことのない小さな蜜口は、ギチギチと音を立てるように押し広げられていく。
 ラインハルトは体重をかけ、強引に中に押し込もうとしているわけで、その衝撃の全てが入り口に集まる。
 焼けるような痺れる痛みが突然やってきて、私は顔を顰めた。
 想像以上の激痛に、シーツをぎゅっと掴み必死に耐えた。

(い、痛い……!)

「痛いよな。もう少しだけ耐えてくれ」
「……うっ」

 ゆっくりと異物が奥へと入り込んでくる。
 今となっては力の抜き方なんて分からないし、ただ耐えることくらいしか出来ない。
 先端が埋まると、後はゆっくりと奥に呑み込まれていった。
 
 私が固まっていると、再びラインハルトの体が重なり、こちらへと下りてきた。
 そしてそのまま包むように抱きしめてくれた。
 
「良く耐えたな」
「……っ、あれ、終わったの?」

 私は戸惑った声で呟いた。

「ああ、今ルティと繋がってる」
「……っ」

 確かにお腹の奥に何か違和感がある。
 また痛みは残っているが、先程の激痛も少しづつではあるが弱まってきているような気がする。
 何よりもラインハルトと繋がっているのだと実感すると、嬉しくて涙が溢れていた。

(繋がってる。今、ライと繋がってる……!)

 嬉しくて堪らなかった。
 痛みなんて忘れてしまうくらい、私は感動して涙が止まらなくなっていた。

「もしかして痛いのか?」

 私の涙に気付いたラインハルトは顔を上げて、心配そうに声をかけてきた。
 私は何度も横に振って違うのだと訴えた。
 感情が昂ぶり声を出すことが出来ない。
 だけど涙は声の代わりに止めどなく溢れていく。
 
 今の私は泣きながら笑っていた。
 だからラインハルトにも今の私の感情が、少しは伝わっているのかも知れない。
 まるで見守るように、溢れてくる涙を指で何度も拭ってくれた。
 とても静かな時間が流れていた。

 ラインハルトは私が落ち着くまで、静かに待っていてくれた。
 涙が止まり、鼓動が落ち着くと、私はゆっくりと口を開いた。

「突然泣いてしまってごめんなさい。もう大丈夫」
「痛みは?」

「少し痛いけど、さっき程じゃ無いかも。それに私が泣いたのは痛くてじゃない。……少し痛いのもあったけど」

 誤解されたくなくて咄嗟に答えていた。
 するとラインハルトは小さく笑った。

「分かってる。さっきのルティの顔を見ていればな」
「うん」

 私がほっとしているとラインハルトの手が私の頭に触れて、優しく撫で始めた。

「昔、ルティがこうやって私の頭を撫でてくれたこと、覚えているか?」
「そういえばそんなこともあったわね」

「本当に気持ち良かった」
「あの時のライ、そのまま寝ちゃったよね。初めてライの寝顔を見たわ。きっとすごく疲れてたんだよね」

「そうだな。幼かったとはいえ、普段から気を張っていないといけなかったからな。だからルティと過ごす時間だけは、唯一力を抜ける時間だった」

 ラインハルトは王子だから、何でも出来て当たり前だと思っている者もいるが、少なくともその半分は努力で成り立っているのだろう。
 生まれ持った才能も当然あるとは思うけど、それだけではないことを私は見てきたので知っている。
 
「私は昔からルティに癒やされてたな。今でもだが」
「わ、私も……」

「本当か? ルティの場合、私にいじめられて戸惑った姿ばかり思い浮かぶが?」
「……っ! 分かってるのにいじめるなんて酷いっ!」

「仕方ないだろう。可愛いのだから。私の婚約者が可愛すぎて、つい意地悪したくなるんだ」
「……可愛いって、言い過ぎよ」

「本当のことだ。私にはルティの全てが可愛くしか映らないからな」

 ラインハルトは当然のようにきっぱりと答えた。
 そんな風に言われてしまうと恥ずかしくなってきて、目を泳がせてしまう。

「今の反応も可愛い。私を喜ばせようとしてくれているのか?」
「ち、ちがうっ!」

 私が慌てて答えると、ラインハルトはクスクスとおかしそうに笑っていた。
 ラインハルトが笑うと体に響き、つい埋まっているものをぎゅっと締め付けてしまう。

「……ルティ、あまり締めるな。これでもかなり我慢しているんだ」
「え?」

 ラインハルトの頬が微かに赤く染まっているように見える。
 初めて見る表情にドキドキして、再び中をきゅんと締め付けてしまう。

「……ルティ、わざとやっているのか?」
「ち、違うっ! 体が勝手になるんだから、仕方ないでしょ。全部伝わっちゃう……」

「もう痛みがないのなら、動いても構わないか?」
「痛みは大丈夫だと思う」

 急に熱っぽい視線を向けられ、鼓動がドクドクと早まる。
 ラインハルトは私の体を心配して、落ち着くまで我慢してくれていたのだろう。

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