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第三章:学園生活スタート

56.初めての⑥※

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「少し準備をするから待っていて」

 ラインハルトは体を起こすと、私の額にそっと口付けて一度ベッドから出て行った。
 私はベッドの上で仰向けになり、視界に入ってくる天井をぼんやりと眺めていた。

(これから本当にライとするんだ。どうしよう、すごく緊張してきた)

 隣から布の擦れる音が聞こえていて、視線をチラッと向けると全身裸になっているラインハルトの姿が目に入る。
 一瞬見ただけでドキドキしてしまい、慌てて視線を天井に戻した。

(ライの裸見ちゃった!!)

 何故か私は一人で興奮し、更には混乱していた。
 それから間もなくしてギシッとベッドの軋む音が聞こえ、再びラインハルトが上がってきた。

「お、おかえり……」

 私はガチガチに緊張した声で挨拶をした。
 すると言葉よりも先に大きな手が伸びてきて私の頬に触れた。
 そして覗き込むラインハルトの瞳と目が合った。

「また随分と緊張しているな」
「……っ、そんなこと、ない」

「本当にルティといると退屈とは無縁だな。まずはルティの緊張から解していこうか」
「え?」

「うつ伏せになって」
「なんで?」

「背中にも痕を残したい」
「あれって冗談じゃなかったの?」

「私は冗談なんて言ってないぞ」
「……っ」

「一緒にルティの余計な力も取ってやるから。力んだままだと辛くなるのはルティだからな」
「……わかったわ」

 私は流されるままに、体を反転させてうつ伏せになった。
 なんだかマッサージを受けるような気分だ。
 まだ体を見られることに少し抵抗を感じていたので、恥ずかしい部分を隠せて少しだけ安心していた。

 私がドキドキしながら待っていると、髪を肩の方へと流された。
 隠れていた首元が露わになると、空気が触れてひんやりと感じる。

「……ひぅっ」

 項を指で触れられた瞬間、変な声と共に体がビクッと跳ねた。

「今の声、凄く可愛いな」
「びっくりした」

 私は驚いて顔を横に傾けようとすると「動かない」と言われ、渋々大人しくすることにした。

「ルティは項も弱いのか。本当に弱点だらけだな」
「……んぅっ」

 愉しそうな声を上げながら、ラインハルトはちゅっと私の項に口付ける。
 舌先が這うように動き、その度に体を揺らしてしまう。
 やはり普段触れられない部分は、少しの刺激でも驚いてしまうようだ。

「こんなに弱点だらけなのだから、傍に置いておかないと心配になるな。先程少し触れたが、ここも弱そうだ」

 ラインハルトは私の背中の中心に、線を引くようにスーッと指を触れた。 
 
「ひぁああっ!!」
「やっぱりな」

 ゾクッと鳥肌が立ち、体を大きく揺らしてしまう。
 私が慌てて後ろを振り返ろうとすると、耳元で「動かないようにと言っただろう」と艶のある声で囁かれ、再び声が漏れそうになった。
 今のラインハルトは重なるような体勢になっていたので逃げられない。 膝を付いて四つん這いの様な状況になっているため、体重は一切感じないが気配だけははっきりと分かる。
 
「……っん」
「本当に真っ白で汚れのない肌だな」

 ただ触れられているだけなのにゾクゾクとし、擽ったさだけではない感覚に体が震える。
 私が大人しくしていると、背中から体を密着するように重なってきてドキドキしてしまう。
 重なった部分はとても温かくて心地よいのに、項に何度もキスを落とされ、舌先が這うように移動していく度に体がビクビクと跳ねてしまう。 
 
「ここは髪で隠れる部分だから、いくら痕を残しても平気そうだな」
「まって、……ぁっ」

 項を深く吸われ、チクッとした感覚に眉を寄せる。
 耳元に近いせいか、口付ける度にリップ音がすぐ傍で聞こえ脳にまで響いてくる。
 ラインハルトの唇が背中の方へと下りてきて、腰のラインを往復するように何度も撫でられる。
 ただ触れられているだけなのに、体の奥が疼きじっとしていることが出来ない。

「はぁっ、ん……っ」
「声を我慢する必要はない。ここには私達しかいないのだから」

 私は枕に口元を押しつけ、くぐもった声を上げていた。
 自然に溢れてきてしまうが、自分の声がこんなにもいやらしくて聞くに堪えなかった。

 愛撫された所から、熱が生まれじんじんとした痺れが中心に集まっていく。
 奥から熱い蜜が滲み出る感覚に、ドキッとし戸惑ってしまう。
 気付かれないように、足をもじもじさせながら必死に耐えていた。
 暫くすると腰を撫でていた手がゆっくりとお尻の方へと伸びてきて、ビクッと体を震わせた。

「ぁっ、だ、だめっ……」

 お尻の双丘を撫でられ、慌てるように後ろを振り返った。
 しかしその間にもラインハルトの長い指が割れ目に触れて、更に奥へと降りていく」

「すごい濡れてるな」
「ち、違うのっ……。これはさっきライが弄った時に……」

 すぐにバレてしまい、私は誤魔化すように咄嗟に言い訳した。
 
「ずっと足の方が落ち着かない様子だったよな。私が気付いていないとでも思っていたか?」
「……っ!!」

「必死に隠そうとして、本当に可愛いな。もう我慢出来ないか?」
「ぁあっ、やぁっ……」

 蜜口の入り口を指で押され、疼きが更に強くなる。
 ラインハルトの指を難なく呑み込んでいき、浅いところで関節を曲げて掻き混ぜられる。
 ぐちゅぐちゅといやらしい音に羞恥心が掻き立てられる。

「ぁ、ぁあっ、……はぁっ」
「さっきよりも音が強くなっていることに、ルティも気付いているよな?」

「ち、ちがっ、ぁあっ……」
「中がすごく熱いな。私の指が溶けてしまいそうだ」

 ラインハルトは遠慮無く、中を掻き混ぜる。
 刺激を受ける度に力が抜けて、快楽の底に引きずり込まれていく。

(どうしよう、これ、恥ずかしいのにすごく気持ちいい……)
 
「これだけ濡れていれば入りそうだな。最初はルティの顔を見ながらがいい。起こすのを手伝うから、仰向けに戻ろうか」
「……はい」
 
 ラインハルトは私の横に移動すると、起き上がるのを手伝ってくれた。
 再び仰向けに戻されると、先程の行為が脳裏に浮かび顔の奥が熱くなる。
 体も大分火照り、体温も上がっているようだ。
 
 ラインハルトは私の足の方に移動した。
 その動作を目で追っていると、お腹に向けて反り返るように伸びているものに視線が釘付けになる。
 あれが何なのかは分かっているが、現物を見るのは初めてだった。
 そして想像よりも遥かに大きく、私は呆然としていた。

(うそ、でしょ……)

 どう考えても、あんなに大きなものが私の中に入るなんて想像が出来ない。
 目前になって戸惑い始めた。
 
「ルティ、どうした?」
「う、ううん。何でもない」

 私が不安そうにしていると、ラインハルトが私の方に体を下ろしてきた。
 そして大きな掌が私の頬に触れる。
 思わずその手に触れ、じっと困惑した表情でラインハルトのことを見つめた。

「大丈夫か?」
「た、多分……」

 ラインハルトの掌がとても温かく感じる。
 本当は少しだけ怖いけど、それ以上に繋がりたい気持ちの方が強かった。
 こんなにも私のことを思ってくれる人は、この世界には他にはいない。

(この手を、誰かのものになんてしたくない……)
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