残念系悪役令嬢に転生したら、婚約破棄される予定の王太子に溺愛されています【R-18】

Rila

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第三章:学園生活スタート

52.初めての②※

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「それじゃあ、ベッドに横になって」
「これでいいか?」

 まずはラインハルトにベッドの中心で横になってもらった。
 私はその直ぐ傍に座り指示を送っていく。

「そのまま大人しくしてて。主導権は今は私にあることを忘れないことっ!」
「やる気だな」

 私は前世で読んだ漫画の光景を頭に思い浮かべていた。

(まずは雰囲気を作るためにキスからよね……)

 これから自分が始めようとすることを思うと、鼓動が早まっていく。
 仰向けに寝ているラインハルトを見下ろしながら、ゆっくりと顔を近づけさせていく。
 長い髪が顔にかかってしまいそうだったので耳にかけて、再び顔を近づける。
 ラインハルトの瞳を見ていると、本当に吸い込まれてしまいそうになる。
 
 唇を押しつけるように口付けをしてみたが、普段のキスと何かが違う。
 先程したキスはもっと魅惑的だった。
 私はドキドキしながらも舌先を伸ばして、ラインハルトの唇をペロペロと舐め始めた。
 主導権の話をしたせいか、ラインハルトは何もしかけてこない。

 暫く唇を舐めてると、ラインハルトの肩が微妙に揺れていることに気付いた。
 ゆっくりと唇を剥がして、ラインハルトの顔を覗くと必死に笑いを耐えているように見えた。

「な、何?」
「今のはなんだ?」

「何ってキスだけど……」
「まるで猫に舐められているような感覚だったな」

「なっ……!」
「すごく斬新なキスだな。というか可愛過ぎだ。このままそんなキスを体中にするつもりだったのか?」

「そうだけど」

 私が戸惑ったように答えると、ラインハルトは上半身を起こして私の手首を掴み、そのままベッドに押し倒した。

「なにするのっ!? まだ終わってないのに」
「今度は私の番だ」

 突然視界に天井が映り込んできたかと思えば、すぐにラインハルトの顔が降りてきて、息がかかるほどの距離にまで迫られる。
 両手首は顔の横で押さえつけられているので抵抗など出来ない。
 体も上から組み敷くように重なっているので、逃げ道など無かった。

「まだ途中だったのに……」
「ルティ、口を開けて」

 ラインハルトは私の言葉など無視して進めていく。
 だけど私は素直に従ってしまう。

 ゆっくりと唇を開くと、満足そうに笑うラインハルトと視線が絡む。
 そして深く唇を奪われていく。

 先程の熱を思い出すように、体の奥が火照り始める。
 誘うように舌先を伸ばし、お互いを絡めていく。
 ちゅっ、ちゅっと水音に混じるようにリップ音が室内に響き、重力に引き寄せられるように体から力が抜けていく。
 ざらざらとしたラインハルトの舌が無遠慮に私の腔内を動き回り、上顎の辺りを舐められるとぞわぞわと鳥肌が立つ。
 だけどそれさえも気持ちいいと感じてしまう。

「はあっ、んんっ……」

 体が密着しているせいか、全身からラインハルトの熱を感じ取ることが出来てそれがとても心地よい。
 緊張感もいつのまにか解けていて、ただ気持ち良さに酔いしれていた。
 いつしか掴まれていた掌は解かれ、ラインハルトは起用に私の首元に付いているリボンをスルッと抜き取り、ボタンを一つずつ外していく。
 当然私はキスに夢中になっているため、気付いてはいない。
 だけど首元が少しだけひんやりしていることには気付いていた。

「……んっ」

 ゆっくりと唇が剥がれると、ラインハルトの顔は私の首筋へと移動していく。
 這うように舐められ、ゾクゾクとした感覚に体を揺らす。
 時折ちゅっと口付ける音が響き、きつく吸われチクッとした痛みに眉を顰める。
 少しの時差の後、吸われた場所から甘い痺れが生まれていく。

 ラインハルトは場所を少しづつ変えながら、慣れた手付きで繰り返していく。
 ゾクゾクした感覚に支配され、私の体は更に熱くなっていく。

「ぁっ……ん」
「完全に蕩けきったな」

 ラインハルトはゆっくりと顔を上げると、ちゅっと音を鳴らして唇にキスをした。
 そして視線を私の胸元へと下ろす。
 その視線につられるように自分の胸元に目線を向けると、下着が半分見えていることに気付いた。

「……っ!!」
「ルティ、この手は邪魔」

「だって……」
「この先をするんだろう」

 慌てて胸元を隠すように手で覆ってしまうが、すぐに引き剥がされ体の横へと移動させられた。

「恥ずかしいのなら目を閉じていても構わないぞ」
「……ライは?」

「勿論、全て見るよ」
「……っ!!」

 当然の様に即答され、私の顔は真っ赤に染まる。
 私だってこれからされることは理解している。
 身ぐるみを全て剥がされ、全身見られてしまうことも。
 だけど羞恥心があるから、どうやっても恥ずかしい気持ちを抑えることなんて出来ない。
 気付けば泣きそうな顔でラインハルトを見つめていた。

「そんな顔をするな。まるで私がいじめているみたいだな」
「実際そうでしょ?」

「今日はいじめるのではなく、ルティのことを愛したい。ルティの全てを知って、私のことを受け入れて欲しい」
「……その言い方、なんかずるい」

 愛したいなんて言われたら、受け入れてしまうに決まっている。
 今までだって、私は嫌がりながらも何だって受け入れてきた。
 本心ではそうされることを望んでいたからだ。
 
 きっと私の心は疾うの昔から見透かされていたのだろう。
 私が拒めないことを分かっていて、仕掛けてくる。
 ラインハルトとはそういう意地悪な人間だ。
 だけど私はそんなラインハルトのことが好き。

「私は狡い人間だからな。ルティの逃げ道は全て塞ぐよ」
「……っ」

「だけど、そうさせているのはルティだ。私の心を奪って、こんな気持ちにさせているのだからな。それならば、責任を取って貰うのは当然の義務だろう?」
「……ぁっ」

 ラインハルトの掌が私の胸元に触れた。
 優しく撫でられただけなのに、びくっと体が揺れてしまう。

「下着の上から少し触れただけなのに、いい反応だな」
「……っ、はぁっ……」

 膨らみを掌で包み、ゆっくりと揉まれると、私の口元からは甘い吐息が漏れてしまう。
 ラインハルトは何も言わず、満足そうな顔で暫くの間胸に刺激を送り続けていた。

「服が邪魔だな。この白くて綺麗な肌を全て見たい。脱がすから一度起こすぞ」
「……うん」

 ラインハルトの手を掴むとひっぱってくれて、私は上半身を起こした。
 そして私が暫くの間ぼけっとしていると、ラインハルトの手が胸元に伸びてきて残りのボタンを外していく。
 その光景に恥ずかしくなり、思わず手を止めさせてしまう。

「ルティ、邪魔をしたら服が脱がせられない」
「自分でするからいい」

「今日は私にさせて」
「でもっ……」

「ルティの恥ずかしがった姿を見ながら脱がせるのも興奮するからな」
「なっ!」

 突然そんな冗談を言われて、私の体温は再び上がってしまう。
 完全にラインハルトのペースに呑み込まれている。
 悔しいが、ドキドキした鼓動は収まる気配がない。
 ラインハルトの言葉に一々一喜一憂して、溺れてしまっているのは私の方だ。 
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