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第三章:学園生活スタート
38.信じること
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「……はぁっ、んぅっ……」
私は息苦しさから眉を寄せ、必死にラインハルトの胸を押し返そうとしていた。
しかしいくら押してもびくともせず、それどころか体の奥が熱くなっていくことで次第に力も抜けていってしまう。
(激し過ぎっ……苦しいっ、息が出来ない……)
「ルティ、鼻で息をしろって何度も言っているだろ?」
「んっ、はぁっ、む、りっ……んんっ!」
ラインハルトは一度唇を解放するも、再び塞ぎ私の咥内に舌を滑り込ませてくる。
お互いの熱が咥内で合わさり、舌が擦れる度にぴちゃぴちゃといやらしい水音が脳内に響く。
息をするのも忘れてしまいそうな程、激しい口付けをされて苦しかったが、私の心の奥に潜んでいた不安をラインハルトの熱が溶かしていってくれている様な気がして、心が徐々に楽になっていくのを感じていた
気付けば私は抵抗するのを止め、されるがままに受け入れていた。
(体が熱い。ライが好きっ。私から離れないでっ……)
心の中で何度も繰り返していた。
「はぁっ……はぁっ…」
暫くして唇は離れていき、視界にラインハルトの顔が映った。
私は熱っぽい顔で息を切らしながらじっとその顔を見つめていると、ラインハルトは私の額にそっと口付けた。
「少し強引にし過ぎたな。体調が悪かったのにすまない」
ラインハルトは少し済まなそうに答え、私は小さく首を横に振った。
「ルティの『でも』はもう聞き飽きたから、これからは遠慮はしない」
「……え?」
私は意味が分からず、不思議そうな顔をしていると「分からないか?」とラインハルトは聞いて来た。
「いくら伝えても私の気持ちを信じてもらえないし、待っていてもルティは何も話してはくれない」
「それはっ……」
「それは?」
「多分、言っても信じてもらえない事だから」
私が困った顔で答えると、ラインハルトは不満そうな顔をして私の頬を包む様に掌で触れて来た。
「どうしてそう決めつけるんだ? もっと私の事を信用してはくれないか? 私はルティが悩んでいたら助けてやりたいと考えいるが、何も言ってくれないとどうする事も出来ない。一人で悩んで泣く位なら、全て私に話してみないか?今日は話してくれるまでここから離れないからな。一人で悩もうとした罰だな」
「……っ!!」
その言葉が心に響きジーンと胸が熱くなったが、何から話していいのか分からず目を泳がせていた。
するとラインハルトは安心させる様に小さく微笑んだ。
「ゆっくりでいい。一つずつで構わないから話して。ルティが安心出来る様に手を握っていてあげるから」
ラインハルトは優しい声で呟くと、私の手を優しく握ってくれた。
掌からラインハルトの熱が伝わり、その温かさに私はどこか安堵していた。
そして私は全てを話す決心をした。
私は息苦しさから眉を寄せ、必死にラインハルトの胸を押し返そうとしていた。
しかしいくら押してもびくともせず、それどころか体の奥が熱くなっていくことで次第に力も抜けていってしまう。
(激し過ぎっ……苦しいっ、息が出来ない……)
「ルティ、鼻で息をしろって何度も言っているだろ?」
「んっ、はぁっ、む、りっ……んんっ!」
ラインハルトは一度唇を解放するも、再び塞ぎ私の咥内に舌を滑り込ませてくる。
お互いの熱が咥内で合わさり、舌が擦れる度にぴちゃぴちゃといやらしい水音が脳内に響く。
息をするのも忘れてしまいそうな程、激しい口付けをされて苦しかったが、私の心の奥に潜んでいた不安をラインハルトの熱が溶かしていってくれている様な気がして、心が徐々に楽になっていくのを感じていた
気付けば私は抵抗するのを止め、されるがままに受け入れていた。
(体が熱い。ライが好きっ。私から離れないでっ……)
心の中で何度も繰り返していた。
「はぁっ……はぁっ…」
暫くして唇は離れていき、視界にラインハルトの顔が映った。
私は熱っぽい顔で息を切らしながらじっとその顔を見つめていると、ラインハルトは私の額にそっと口付けた。
「少し強引にし過ぎたな。体調が悪かったのにすまない」
ラインハルトは少し済まなそうに答え、私は小さく首を横に振った。
「ルティの『でも』はもう聞き飽きたから、これからは遠慮はしない」
「……え?」
私は意味が分からず、不思議そうな顔をしていると「分からないか?」とラインハルトは聞いて来た。
「いくら伝えても私の気持ちを信じてもらえないし、待っていてもルティは何も話してはくれない」
「それはっ……」
「それは?」
「多分、言っても信じてもらえない事だから」
私が困った顔で答えると、ラインハルトは不満そうな顔をして私の頬を包む様に掌で触れて来た。
「どうしてそう決めつけるんだ? もっと私の事を信用してはくれないか? 私はルティが悩んでいたら助けてやりたいと考えいるが、何も言ってくれないとどうする事も出来ない。一人で悩んで泣く位なら、全て私に話してみないか?今日は話してくれるまでここから離れないからな。一人で悩もうとした罰だな」
「……っ!!」
その言葉が心に響きジーンと胸が熱くなったが、何から話していいのか分からず目を泳がせていた。
するとラインハルトは安心させる様に小さく微笑んだ。
「ゆっくりでいい。一つずつで構わないから話して。ルティが安心出来る様に手を握っていてあげるから」
ラインハルトは優しい声で呟くと、私の手を優しく握ってくれた。
掌からラインハルトの熱が伝わり、その温かさに私はどこか安堵していた。
そして私は全てを話す決心をした。
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