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第三章:学園生活スタート
32.初めての実戦訓練②
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私は森の真ん中にぽつんと一人、突っ立っていた。
正直に言うと、動きたいのに足が震えて動かないと言うべきなのかもしれない。
先程の叫び声以降、大きな物音や声などは無く、森の中は静寂を保っている。
だけどそれが余計に恐怖心を掻き立てていく様だ。
ひんやりとした冷気が肌を撫で、その度に鳥肌がぞくりと立つ。
(こんな所に一人とか、無理だからっ……)
私は泣きそうな顔で周囲を警戒する様に見渡していた。
ここは森の中なので草木に囲まれており、いつ何処から魔物が現れてもおかしくはない。
さっきまでは4人で倒していたから然程魔物には恐怖心を持っていなかったが、もしここに魔物が現れたら私は一人で倒すことが出来るのだろうかという不安に苛まれる。
私は必死になって深呼吸を繰り返し落ち着きを取り戻そうとしていた。
この緊迫した雰囲気は私自身が作り出したもので、落ち着けばきっと足も動くはずだと思っていたからだ。
(足が動く様になったら急いで出口に向けて走ろう。あれ、出口ってどっちだっけ?)
そんな時ふと思い出した言葉に、私の心は再び不安に包まれていく。
「ねえ、こんな所で何をしているんだい?」
そんな声が突然奥から響いて来た。
その声は血の気が引く様な冷たいもので、すごく嫌な予感を覚えた。
だけど思わず視線を上げてしまうと、全身黒ずくめの男が私の方へと近づいて来た。
近付いて来るに連れて、男の容姿が現れて来る。
金髪の長い髪は黒い服にはとても生えて鮮やかに見える。
それでいて肌はとても白く、瞳の色は鮮血のように真っ赤な瞳でその眼光はとても鋭かった。
綺麗な顔立ちをしているがまるで死人のような、この世の者では無いような感じがした。
「どうしたの? 固まっているね。もしかして怖くて動けないのかな?」
「……っ!」
気付けばその男は手を伸ばせれば届く程の距離にまで迫っていた。
確かに私は恐怖に慄いていた。
しかし目の前に立つその男の顔をじっと見つめていると、既視感を覚えた。
(あれ? この顔どこかで見たことある様な……)
「ああああっ!!」
「……っ!?」
私は何かを思い出すと思わず声を上げてしまう。
その声に驚いたのか、その男はビクッと体を震わせた。
(思い出した。この人知ってる)
私の目の前に立っているこの男は、乙女ゲームの中に出て来るキャラクターの一人だ。
しかし攻略対象では無かったはずだ。
「あなた、ブラッド・ローゼンバークよね?」
私は間違い無いと思いながらも、不安そうに声を掛けた。
ブラッド・ローゼンバーク
確か吸血鬼の末裔であり、設定は暗殺者とかだった気がする。
どういうタイミングでヒロインと接触してくるのかはプレイをした事がない私には分からなかったが、肩書を見れば悪役であることは間違い無いだろう。
「へぇ、僕の事をご存知とは君は誰かな? 何故、僕の事を知っているんだろうね?」
「さ、さぁ。なっ、なんでしょうね?」
ブラッドは自分の名前を知っていることに驚いたのか、目を細めて興味深そうに私へと視線を向けて来る。
ブラッドの手が私の頬に触れると、その冷たさにぞくりと鳥肌が立った。
まるで氷のような冷たい手だ。
(まさかここでジエンドなんて展開はないよね? そもそも私、ヒロインじゃないんだし敵じゃないわ)
「あ、あのっ!」
「ん?」
「私、あなたの敵ではありませんっ!」
敵対心がない事を伝える為に必死な顔で伝えた。
するとブラッドは疑うような視線で私の事をじっと見つめて来る。
その視線は痛い程に真っすぐで、額からは冷や汗が出て来てしまう。
「本当に? だけど君は僕の事を知っていた。それにさっきからすごく焦っている様だし、怪しいな」
「知っていたのは偶然です! 焦っているのは……」
そんな時だった。
辺りにドーンと激しい音が響いた。
まるで木々を薙ぎ倒している様な音が奥の方から響いて来て、こちらに近付く様に音は徐々に大きくなっていく。
(今度はなに!?)
「はぁ、全くしつこいな」
ブラッドは深くため息を漏らすと、呆れた様に声を漏らした。
次の瞬間私の前に『魔人』と呼ばれる者が現れた。
何故私が知っているかと言うと、以前本で読んだことがあるからだ。
魔人、それは人ならざる者。
見た目は人のような形をしているが、顔は鬼のような形相で額からは角が生えている。
その角の大きさで魔人の強さが決まるらしい。
悪魔の手先とされる存在で、先程私達が戦っていたダークウルフと比べると桁違いな強さだろう。
「なんでここに魔人がいるの!?」
「ごめん、多分僕が連れて来てしまったのかも」
ブラッドはそう言うと、何処からか取り出した長剣を構える。
次の瞬間ブラッドは魔人に向かって走り出すと、剣を突き立てた。
戦いには慣れているようで、敏速に動くと華麗な程にさくっと魔人を倒していた。
それは一瞬の出来事で、私は驚いて口を開けたままぽかんとしていた。
力の差は歴然で、圧倒的にブラッドの方が上だった。
魔人は剣で貫かれると塵になって消えて行った。
「驚かせてしまってごめんね。だけど多分この森にはもうあいつらは居ない筈だから安心していいよ」
「……っ」
私はその言葉を聞いてぷつんと張り詰めていた物が切れると、その場に座り込んでしまった。
「あれ? 大丈夫?」
ブラッドはそんな私に気付いて手を差し伸べようとするも、私は恐怖心からその手を避けてしまう。
するとブラッドは困った様な顔を見せた。
「そんな顔をされるとなんだか傷つくな。だけど安心して。今は君の敵では無いからね。君に危害を加える気はないよ。だけどそうだな。怖がらせたお詫びと言っては何だけど君におまじないを掛けてあげるよ」
「おまじない?」
私が不思議そうに問いかけるとブラッドはふっと小さく笑った。
「恐らくもう危険な者に遭遇することは無いとは思うけど、一応保険かな」
そう言うとブラッドは私の手をスッと持ち上げて、手の甲にちゅっと音を立てて口付けた。
唇を押し当てられると、そこからじんわりとした温かい何かが体中に広がっていくのを感じる。
だけどそれ以上に今されていることに動揺してしまい、私は慌てて手を引き抜いた。
「な、何をするんですかっ!」
「言っただろう? おまじないだよ。君の危険を1度だけ救ってあげる。まあ、そんなの無くても無事にこの森からは抜け出せるとは思うけどね」
「そうなんですか? なんか良く分からないけど、ありがとうございます」
「ふふっ、怖がらせてしまったのは僕の方だし気にしなくていい。それに、君からは嗅いだことのない不思議な匂いがする。君は一体何者なのか少し興味をそそられるけど、ここに長居するとまた奴等を呼び込んでしまうかもしれないからね。僕はこの辺で失礼させてもらうよ」
ブラッドは胸に手を当ててお辞儀をした。
「次会えた時に君の名前を教えてね。それではまたね」
ブラッドは小さく笑った。
そして背中を向けるとマントが風に翻り、大きく揺らめく。
その後強い風が吹き私は一瞬目を瞑ってしまう。
再び目を開けるとそこにはブラッドの姿は無くなっていた。
「私、助かったのね……。良かったぁ」
ブラッドは敵なのか味方なのか正直なところは分からない。
だけど今は少なくとも敵ではなく、それどころか私の事を助けてくれた。
しかし暗殺者という肩書がある以上、次会う事があったとしても警戒は怠らない方が良さそうだ。
正直に言うと、動きたいのに足が震えて動かないと言うべきなのかもしれない。
先程の叫び声以降、大きな物音や声などは無く、森の中は静寂を保っている。
だけどそれが余計に恐怖心を掻き立てていく様だ。
ひんやりとした冷気が肌を撫で、その度に鳥肌がぞくりと立つ。
(こんな所に一人とか、無理だからっ……)
私は泣きそうな顔で周囲を警戒する様に見渡していた。
ここは森の中なので草木に囲まれており、いつ何処から魔物が現れてもおかしくはない。
さっきまでは4人で倒していたから然程魔物には恐怖心を持っていなかったが、もしここに魔物が現れたら私は一人で倒すことが出来るのだろうかという不安に苛まれる。
私は必死になって深呼吸を繰り返し落ち着きを取り戻そうとしていた。
この緊迫した雰囲気は私自身が作り出したもので、落ち着けばきっと足も動くはずだと思っていたからだ。
(足が動く様になったら急いで出口に向けて走ろう。あれ、出口ってどっちだっけ?)
そんな時ふと思い出した言葉に、私の心は再び不安に包まれていく。
「ねえ、こんな所で何をしているんだい?」
そんな声が突然奥から響いて来た。
その声は血の気が引く様な冷たいもので、すごく嫌な予感を覚えた。
だけど思わず視線を上げてしまうと、全身黒ずくめの男が私の方へと近づいて来た。
近付いて来るに連れて、男の容姿が現れて来る。
金髪の長い髪は黒い服にはとても生えて鮮やかに見える。
それでいて肌はとても白く、瞳の色は鮮血のように真っ赤な瞳でその眼光はとても鋭かった。
綺麗な顔立ちをしているがまるで死人のような、この世の者では無いような感じがした。
「どうしたの? 固まっているね。もしかして怖くて動けないのかな?」
「……っ!」
気付けばその男は手を伸ばせれば届く程の距離にまで迫っていた。
確かに私は恐怖に慄いていた。
しかし目の前に立つその男の顔をじっと見つめていると、既視感を覚えた。
(あれ? この顔どこかで見たことある様な……)
「ああああっ!!」
「……っ!?」
私は何かを思い出すと思わず声を上げてしまう。
その声に驚いたのか、その男はビクッと体を震わせた。
(思い出した。この人知ってる)
私の目の前に立っているこの男は、乙女ゲームの中に出て来るキャラクターの一人だ。
しかし攻略対象では無かったはずだ。
「あなた、ブラッド・ローゼンバークよね?」
私は間違い無いと思いながらも、不安そうに声を掛けた。
ブラッド・ローゼンバーク
確か吸血鬼の末裔であり、設定は暗殺者とかだった気がする。
どういうタイミングでヒロインと接触してくるのかはプレイをした事がない私には分からなかったが、肩書を見れば悪役であることは間違い無いだろう。
「へぇ、僕の事をご存知とは君は誰かな? 何故、僕の事を知っているんだろうね?」
「さ、さぁ。なっ、なんでしょうね?」
ブラッドは自分の名前を知っていることに驚いたのか、目を細めて興味深そうに私へと視線を向けて来る。
ブラッドの手が私の頬に触れると、その冷たさにぞくりと鳥肌が立った。
まるで氷のような冷たい手だ。
(まさかここでジエンドなんて展開はないよね? そもそも私、ヒロインじゃないんだし敵じゃないわ)
「あ、あのっ!」
「ん?」
「私、あなたの敵ではありませんっ!」
敵対心がない事を伝える為に必死な顔で伝えた。
するとブラッドは疑うような視線で私の事をじっと見つめて来る。
その視線は痛い程に真っすぐで、額からは冷や汗が出て来てしまう。
「本当に? だけど君は僕の事を知っていた。それにさっきからすごく焦っている様だし、怪しいな」
「知っていたのは偶然です! 焦っているのは……」
そんな時だった。
辺りにドーンと激しい音が響いた。
まるで木々を薙ぎ倒している様な音が奥の方から響いて来て、こちらに近付く様に音は徐々に大きくなっていく。
(今度はなに!?)
「はぁ、全くしつこいな」
ブラッドは深くため息を漏らすと、呆れた様に声を漏らした。
次の瞬間私の前に『魔人』と呼ばれる者が現れた。
何故私が知っているかと言うと、以前本で読んだことがあるからだ。
魔人、それは人ならざる者。
見た目は人のような形をしているが、顔は鬼のような形相で額からは角が生えている。
その角の大きさで魔人の強さが決まるらしい。
悪魔の手先とされる存在で、先程私達が戦っていたダークウルフと比べると桁違いな強さだろう。
「なんでここに魔人がいるの!?」
「ごめん、多分僕が連れて来てしまったのかも」
ブラッドはそう言うと、何処からか取り出した長剣を構える。
次の瞬間ブラッドは魔人に向かって走り出すと、剣を突き立てた。
戦いには慣れているようで、敏速に動くと華麗な程にさくっと魔人を倒していた。
それは一瞬の出来事で、私は驚いて口を開けたままぽかんとしていた。
力の差は歴然で、圧倒的にブラッドの方が上だった。
魔人は剣で貫かれると塵になって消えて行った。
「驚かせてしまってごめんね。だけど多分この森にはもうあいつらは居ない筈だから安心していいよ」
「……っ」
私はその言葉を聞いてぷつんと張り詰めていた物が切れると、その場に座り込んでしまった。
「あれ? 大丈夫?」
ブラッドはそんな私に気付いて手を差し伸べようとするも、私は恐怖心からその手を避けてしまう。
するとブラッドは困った様な顔を見せた。
「そんな顔をされるとなんだか傷つくな。だけど安心して。今は君の敵では無いからね。君に危害を加える気はないよ。だけどそうだな。怖がらせたお詫びと言っては何だけど君におまじないを掛けてあげるよ」
「おまじない?」
私が不思議そうに問いかけるとブラッドはふっと小さく笑った。
「恐らくもう危険な者に遭遇することは無いとは思うけど、一応保険かな」
そう言うとブラッドは私の手をスッと持ち上げて、手の甲にちゅっと音を立てて口付けた。
唇を押し当てられると、そこからじんわりとした温かい何かが体中に広がっていくのを感じる。
だけどそれ以上に今されていることに動揺してしまい、私は慌てて手を引き抜いた。
「な、何をするんですかっ!」
「言っただろう? おまじないだよ。君の危険を1度だけ救ってあげる。まあ、そんなの無くても無事にこの森からは抜け出せるとは思うけどね」
「そうなんですか? なんか良く分からないけど、ありがとうございます」
「ふふっ、怖がらせてしまったのは僕の方だし気にしなくていい。それに、君からは嗅いだことのない不思議な匂いがする。君は一体何者なのか少し興味をそそられるけど、ここに長居するとまた奴等を呼び込んでしまうかもしれないからね。僕はこの辺で失礼させてもらうよ」
ブラッドは胸に手を当ててお辞儀をした。
「次会えた時に君の名前を教えてね。それではまたね」
ブラッドは小さく笑った。
そして背中を向けるとマントが風に翻り、大きく揺らめく。
その後強い風が吹き私は一瞬目を瞑ってしまう。
再び目を開けるとそこにはブラッドの姿は無くなっていた。
「私、助かったのね……。良かったぁ」
ブラッドは敵なのか味方なのか正直なところは分からない。
だけど今は少なくとも敵ではなく、それどころか私の事を助けてくれた。
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