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第二章:幼少期(2)魔法の勉強と二人の王子
16.久しぶりの再会
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今日はラインハルトから招待状を受け取った件で王宮へと来ていた。
王宮へ到着すると、案内人の執事に連れられ応接室まで連れて行かれる。
「ルティナ・グレイス様、ラインハルト殿下が来られるまでこちらの部屋でお待ちください」
「はい、ありがとうございます」
私が室内に入ると、そこにはまだ他の令嬢の姿は無かった。
(早く来すぎたかな……)
私は中央にあるソファーに腰掛け、暫くの間待つことにした。
ここにいれば、ラインハルトの選んだ婚約者が誰になるか、決まる瞬間に立ち会えるかもしれない。
そう考えると少し楽しみになってきた。
(友人として、決まったら祝ってあげないとね!)
そんな事を考えていると奥の扉が開いた。
どこかの令嬢が入ってくるのでは無いかとドキドキして待っていたが、そこに現れたのは久しぶりに見るラインハルトの姿だった。
「ルティ、久しいな」
「お久しぶりです」
ラインハルトと会うのは数か月振りだった。
やっぱりいつ見ても見惚れてしまう。
(顔が美形って素晴らしいわね!)
私は胸の奥をドキドキと揺らしながら、久しぶりに見るラインハルトに少し懐かしさを感じていた。
「今日は来てくれてありがとう。ルティの顔が見れて嬉しいよ」
「こちらこそ、招待して頂きありがとうございます。あの……」
ラインハルトは微笑みながら私の方へと近づいて来る。
私は挨拶を返し、室内をきょろきょろと見渡す素振りを見せた。
「どうした?」
「他の令嬢の姿が見えないんですが。部屋は別々なのですか?」
「招待状を送ったのはルティだけだよ。だから他の令嬢は来ない」
「え?」
「ルティが私の婚約者に正式に決まったんだ」
「そうですか。……って、えええ!?」
私が驚いた顔を見せる中、ラインハルトはにこにこと清々しい程の笑顔を浮かべていた。
「あの、何かの間違い……」
「間違いなんかじゃない。私自身が決めたことだからな」
ラインハルトはそう答えると、私の隣に来て「とりあえず座ろうか」と促し、私は怪訝そうな表情を浮かべながら言われるがままに座った。
「なんで、私なんですか?」
「私と婚姻を結べばラフィーと姉妹になれるよ。それはルティにとっても嬉しい事だろ?」
ラインハルトは私の瞳を真直ぐに見つめながら、穏やかな口調で答える。
私はその言葉を聞いて内心嬉しさを感じたが、それは僅かで今の私の心は完全に動揺していた。
まさか自分が婚約者にされるなんて思ってもいなかった。
確かに私は悪役令嬢ポジションに転生したわけだが、今の私はライの友人であり本来のシナリオとは違う道を辿っていた。
だからどこかで安心していたのかもしれない。
「それはそうですけど。まさかっ、その為に私の事を婚約者に決めてくれたんですか?」
「理由はそれだけじゃない。ルティは公爵令嬢で、元々有力候補として上がっていたからね。それに私の父上はルティの父親、アデルとは学生時代の友人だそうだ。だから私がルティを婚約者にしたいと告げたら大喜びしていたよ」
「……お父様が? そんな話、初めて聞きました」
「昔の話だからな」
色々あり過ぎて私の頭は追い付いてない気がする。
私が焦っていると、ラインハルトの手がすっと伸びて来て私の頬に添えられる。
それを感じて私は顔を上げると、視線が絡む。
「ルティは私と婚約するのは不満か?」
「……私には無理ですっ」
緊張のあまり思わず本音を漏らしてしまう。
(しまった! 思わず答えちゃった。どうしようっ……)
「くっ……、くくっ」
私が困った顔をしながら動揺していると、突然ラインハルトは肩を揺らしながら笑い出した。
「まさか拒否されるとは思ってもみなかったよ。それに即答するとは随分と酷いな。……くくっ」
「ご、ごめんなさい。突然で驚いてしまって。あのっ、そんなに笑わないでくださいっ!」
ラインハルトは口では酷いと言いながら、未だに笑っている。
怒ってる素振りは全く感じられなくて、そこはほっとしていた。
「どうしてか聞いてもいいか?」
「それは、私はライの運命の相手では無いからです」
「運命の相手? それはどういう意味だ?」
突然理由を聞かれ咄嗟に答えてしまったが、更に聞き返されると返答に困ってしまう。
私が転生者で、ここが乙女ゲームの世界なんて説明してもきっと信じてはもらえないだろう。
だけど私がラインハルトの婚約者になったらまずい事になる。
折角ここまでラインハルトとは良い関係を築けていたのに、シナリオ通り悪役令嬢になって断罪されるのはごめんだ。
(どうしよう。ここはなんとしても誤魔化して押し通すしかないよね)
私は意を決すると、再び口を開く。
「実はですね。私。最近占い師にみてもらったんです」
嘘を付くのはあまり気が進まないが、緊急事態だから仕方が無い事だと自分に言い聞かせた。
占ってもらったと言うのは咄嗟に考えた私の嘘だ。
「そうしたらライの運命の相手は私では無かったんです!」
「ルティは、自分の事では無く私の事を占ってもらったのか?」
ラインハルトは僅かに目を細め疑いの眼差しを向けてきたため、私は思わず目を泳がせてしまう。
「わ、私も本当はライと婚約者になれたらいいなぁ、なんて思っていたので二人の事を占ってもらったんです」
「……そうか。ルティはその占いを信じるのか?」
「はい!」
私はラインハルトの言葉に迷わず頷いた。
するとラインハルトは僅かに口端を上げた。
「私は、運命は自分で変えていくものだとルティに教えてもらった。それに、ルティも私との婚約を望んでいてくれるのであれば何も問題は無いはずだ」
「そ、それはっ……」
「問題解決だな」
「……!!」
「前にも話したとは思うが、私はルティの事を気に入っている。だから婚約者にするならルティ以外にはもう考えられない。私の心を奪ったのだから、その責任はしっかりと取ってもらうよ?」
「……責任って」
ラインハルトの瞳は何処か鋭く『絶対に逃がさない』と言っている様に見えた。
「ルティは、私の事が嫌いか?」
「嫌いとか、そういうのではありません。私にとってライは大切な友人ですし」
「友人か。今はそれでも構わないよ。まだ結婚までは遠いからな」
「そうなんですけど、でもっ」
私はラインハルトの優しい言葉に、表情を曇らせた。
ラインハルトの事は正直嫌いではない。
どちらかと言うと、話しやすいし好きな部類だと思う。
だけど、それはあくまでも今だけの話だろう。
まだヒロインに出会ってないから、そんな風に言えるのだと。
数年後、魔法学校に入学してヒロインに出会ったら、きっとラインハルトは私ではなくヒロインに恋をするはずだ。
その時に選ばれるのは私じゃない。
そう思うと、胸の奥がチクチクと痛くなる。
「……ルティ? どうした?」
私が俯いていると、ラインハルトは心配そうに私に声を掛けて来た。
私はその声にゆっくりと顔を上げた。
その表情はどこか切なそうな顔をしていたのかもしれない。
「私、恋愛とかしたことなくて良く分からないけど。私をちゃんと見てくれる人と結婚したいです」
自分でもいきなり何を言っているのか分からなかった。
だけどそれは『私を見て』と言っている様にも思える。
そんな自分の言葉に恥ずかしくなり、顔が徐々に赤く染まっていく。
「ルティ……」
ラインハルトは優しい声で私の名前を呼んでくれて、それに私はドキドキして鼓動が速くなる。
そして何故か顔も近い。
「顔が真っ赤だな」
「……恥ずかしいので、見ないでください」
私が恥ずかしがっていると、ラインハルトはクスッと小さく笑った。
「照れてるって事は、多少なりとも私の事を意識してくれているということだな」
「それは、ライは王子だし。顔だって綺麗で。それに、こんなに距離近いしっ!」
「それは私の事を好いてくれていると言う事だろう?」
「……っ!」
「私もルティと同じように、ルティの事を可愛いと思っている。他のどの令嬢よりも。恋愛がしたいと言っていたな。だったら私としてみようか? ルティとなら、きっと楽しめそうな気がする」
ラインハルトは優しい表情で微笑むと、私の額にそっと口付けた。
ふわっと温かいものが額に触れると、そこから熱が波紋の様に広がり私の体温は上昇して行く様だった。
「くくっ、顔が真っ赤だ。本当にルティは一々反応が面白な」
「……っ! 酷い、からかったんですか?」
私は顔を真っ赤にしながら悔しそうにラインハルトを睨みつけた。
「どうだろうな。だけどこれだけは覚えておいて。私はルティを手放さないし、気持ちを変えるつもりは無いってこと。ルティはもう私の婚約者に決まったからな」
そして耳元に唇を寄せると「諦めろ」と意地悪そうな声が響き、びくっと体が飛び跳ねた。
「ルティは耳が弱いんだったな。可愛いな」
「……っ!!」
ラインハルトは満足そうに笑っていた。
結局私はそれ以上何も言えなくなってしまい、ラインハルトの婚約者に決まってしまった。
王宮へ到着すると、案内人の執事に連れられ応接室まで連れて行かれる。
「ルティナ・グレイス様、ラインハルト殿下が来られるまでこちらの部屋でお待ちください」
「はい、ありがとうございます」
私が室内に入ると、そこにはまだ他の令嬢の姿は無かった。
(早く来すぎたかな……)
私は中央にあるソファーに腰掛け、暫くの間待つことにした。
ここにいれば、ラインハルトの選んだ婚約者が誰になるか、決まる瞬間に立ち会えるかもしれない。
そう考えると少し楽しみになってきた。
(友人として、決まったら祝ってあげないとね!)
そんな事を考えていると奥の扉が開いた。
どこかの令嬢が入ってくるのでは無いかとドキドキして待っていたが、そこに現れたのは久しぶりに見るラインハルトの姿だった。
「ルティ、久しいな」
「お久しぶりです」
ラインハルトと会うのは数か月振りだった。
やっぱりいつ見ても見惚れてしまう。
(顔が美形って素晴らしいわね!)
私は胸の奥をドキドキと揺らしながら、久しぶりに見るラインハルトに少し懐かしさを感じていた。
「今日は来てくれてありがとう。ルティの顔が見れて嬉しいよ」
「こちらこそ、招待して頂きありがとうございます。あの……」
ラインハルトは微笑みながら私の方へと近づいて来る。
私は挨拶を返し、室内をきょろきょろと見渡す素振りを見せた。
「どうした?」
「他の令嬢の姿が見えないんですが。部屋は別々なのですか?」
「招待状を送ったのはルティだけだよ。だから他の令嬢は来ない」
「え?」
「ルティが私の婚約者に正式に決まったんだ」
「そうですか。……って、えええ!?」
私が驚いた顔を見せる中、ラインハルトはにこにこと清々しい程の笑顔を浮かべていた。
「あの、何かの間違い……」
「間違いなんかじゃない。私自身が決めたことだからな」
ラインハルトはそう答えると、私の隣に来て「とりあえず座ろうか」と促し、私は怪訝そうな表情を浮かべながら言われるがままに座った。
「なんで、私なんですか?」
「私と婚姻を結べばラフィーと姉妹になれるよ。それはルティにとっても嬉しい事だろ?」
ラインハルトは私の瞳を真直ぐに見つめながら、穏やかな口調で答える。
私はその言葉を聞いて内心嬉しさを感じたが、それは僅かで今の私の心は完全に動揺していた。
まさか自分が婚約者にされるなんて思ってもいなかった。
確かに私は悪役令嬢ポジションに転生したわけだが、今の私はライの友人であり本来のシナリオとは違う道を辿っていた。
だからどこかで安心していたのかもしれない。
「それはそうですけど。まさかっ、その為に私の事を婚約者に決めてくれたんですか?」
「理由はそれだけじゃない。ルティは公爵令嬢で、元々有力候補として上がっていたからね。それに私の父上はルティの父親、アデルとは学生時代の友人だそうだ。だから私がルティを婚約者にしたいと告げたら大喜びしていたよ」
「……お父様が? そんな話、初めて聞きました」
「昔の話だからな」
色々あり過ぎて私の頭は追い付いてない気がする。
私が焦っていると、ラインハルトの手がすっと伸びて来て私の頬に添えられる。
それを感じて私は顔を上げると、視線が絡む。
「ルティは私と婚約するのは不満か?」
「……私には無理ですっ」
緊張のあまり思わず本音を漏らしてしまう。
(しまった! 思わず答えちゃった。どうしようっ……)
「くっ……、くくっ」
私が困った顔をしながら動揺していると、突然ラインハルトは肩を揺らしながら笑い出した。
「まさか拒否されるとは思ってもみなかったよ。それに即答するとは随分と酷いな。……くくっ」
「ご、ごめんなさい。突然で驚いてしまって。あのっ、そんなに笑わないでくださいっ!」
ラインハルトは口では酷いと言いながら、未だに笑っている。
怒ってる素振りは全く感じられなくて、そこはほっとしていた。
「どうしてか聞いてもいいか?」
「それは、私はライの運命の相手では無いからです」
「運命の相手? それはどういう意味だ?」
突然理由を聞かれ咄嗟に答えてしまったが、更に聞き返されると返答に困ってしまう。
私が転生者で、ここが乙女ゲームの世界なんて説明してもきっと信じてはもらえないだろう。
だけど私がラインハルトの婚約者になったらまずい事になる。
折角ここまでラインハルトとは良い関係を築けていたのに、シナリオ通り悪役令嬢になって断罪されるのはごめんだ。
(どうしよう。ここはなんとしても誤魔化して押し通すしかないよね)
私は意を決すると、再び口を開く。
「実はですね。私。最近占い師にみてもらったんです」
嘘を付くのはあまり気が進まないが、緊急事態だから仕方が無い事だと自分に言い聞かせた。
占ってもらったと言うのは咄嗟に考えた私の嘘だ。
「そうしたらライの運命の相手は私では無かったんです!」
「ルティは、自分の事では無く私の事を占ってもらったのか?」
ラインハルトは僅かに目を細め疑いの眼差しを向けてきたため、私は思わず目を泳がせてしまう。
「わ、私も本当はライと婚約者になれたらいいなぁ、なんて思っていたので二人の事を占ってもらったんです」
「……そうか。ルティはその占いを信じるのか?」
「はい!」
私はラインハルトの言葉に迷わず頷いた。
するとラインハルトは僅かに口端を上げた。
「私は、運命は自分で変えていくものだとルティに教えてもらった。それに、ルティも私との婚約を望んでいてくれるのであれば何も問題は無いはずだ」
「そ、それはっ……」
「問題解決だな」
「……!!」
「前にも話したとは思うが、私はルティの事を気に入っている。だから婚約者にするならルティ以外にはもう考えられない。私の心を奪ったのだから、その責任はしっかりと取ってもらうよ?」
「……責任って」
ラインハルトの瞳は何処か鋭く『絶対に逃がさない』と言っている様に見えた。
「ルティは、私の事が嫌いか?」
「嫌いとか、そういうのではありません。私にとってライは大切な友人ですし」
「友人か。今はそれでも構わないよ。まだ結婚までは遠いからな」
「そうなんですけど、でもっ」
私はラインハルトの優しい言葉に、表情を曇らせた。
ラインハルトの事は正直嫌いではない。
どちらかと言うと、話しやすいし好きな部類だと思う。
だけど、それはあくまでも今だけの話だろう。
まだヒロインに出会ってないから、そんな風に言えるのだと。
数年後、魔法学校に入学してヒロインに出会ったら、きっとラインハルトは私ではなくヒロインに恋をするはずだ。
その時に選ばれるのは私じゃない。
そう思うと、胸の奥がチクチクと痛くなる。
「……ルティ? どうした?」
私が俯いていると、ラインハルトは心配そうに私に声を掛けて来た。
私はその声にゆっくりと顔を上げた。
その表情はどこか切なそうな顔をしていたのかもしれない。
「私、恋愛とかしたことなくて良く分からないけど。私をちゃんと見てくれる人と結婚したいです」
自分でもいきなり何を言っているのか分からなかった。
だけどそれは『私を見て』と言っている様にも思える。
そんな自分の言葉に恥ずかしくなり、顔が徐々に赤く染まっていく。
「ルティ……」
ラインハルトは優しい声で私の名前を呼んでくれて、それに私はドキドキして鼓動が速くなる。
そして何故か顔も近い。
「顔が真っ赤だな」
「……恥ずかしいので、見ないでください」
私が恥ずかしがっていると、ラインハルトはクスッと小さく笑った。
「照れてるって事は、多少なりとも私の事を意識してくれているということだな」
「それは、ライは王子だし。顔だって綺麗で。それに、こんなに距離近いしっ!」
「それは私の事を好いてくれていると言う事だろう?」
「……っ!」
「私もルティと同じように、ルティの事を可愛いと思っている。他のどの令嬢よりも。恋愛がしたいと言っていたな。だったら私としてみようか? ルティとなら、きっと楽しめそうな気がする」
ラインハルトは優しい表情で微笑むと、私の額にそっと口付けた。
ふわっと温かいものが額に触れると、そこから熱が波紋の様に広がり私の体温は上昇して行く様だった。
「くくっ、顔が真っ赤だ。本当にルティは一々反応が面白な」
「……っ! 酷い、からかったんですか?」
私は顔を真っ赤にしながら悔しそうにラインハルトを睨みつけた。
「どうだろうな。だけどこれだけは覚えておいて。私はルティを手放さないし、気持ちを変えるつもりは無いってこと。ルティはもう私の婚約者に決まったからな」
そして耳元に唇を寄せると「諦めろ」と意地悪そうな声が響き、びくっと体が飛び跳ねた。
「ルティは耳が弱いんだったな。可愛いな」
「……っ!!」
ラインハルトは満足そうに笑っていた。
結局私はそれ以上何も言えなくなってしまい、ラインハルトの婚約者に決まってしまった。
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