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21.行き過ぎた快楽※
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「はぁっ、はぁっ……もう、むり……ぁああっ!!」
「もう数時間繋がったままだから、ミアもそろそろ限界か」
あれから何時間も繋がったまま、ルーカスに責められ続けている。
体からは力が抜け、声は枯れて、視界は涙で曇っていた。
頭の奥はしばらく前からなにも考えられなくなるほどぼーっとしているが、再びくる快感の恐怖に胸はずっとドキドキと鳴り響いたままだった。
行き過ぎた快楽は苦痛に変わるのだと身を持って知った。
ルーカスは、あと何時間これを繰り返すつもりなんだろう。
私は意識を飛ばすことも許されず、ただ何度も絶頂へと誘われる。
「もう、イきたく……ないっ」
私は涙を流しながら、懇願するようにルーカスに頼んでも止めてはくれない。
彼はやっぱり悪魔だ。
ルーカスと繋がれた時は、感動するくらい嬉しかった。
やっと心が通じ合って、ずっとこれからも一緒にいられると思うと幸福感で胸がいっぱいになった。
(ルーカス様のあれ、どうなってるの!? 絶対におかしいわ……。悪魔ってみんなそうなの!?)
「これを繰り返していれば、ミアは俺のことしか考えられなくなるだろう? 俺はね、ミアの頭の中から俺以外の存在を消し去りたいんだよ」
「……どう、して?」
「そんなの決まっている。ミアには俺以外は必要ないって思わせたいからな。俺以外のものなんてなくしてしまえばいい。そう思うまでは毎日こうやって抱き潰すから」
「い、いやっ……、というより無理だからっ!」
ルーカスは口端を上げ、欲望に満ちた表情を浮かべていた。
その言葉を聞くと私は急に怖くなり、泣きそうな顔で否定してしまった。
「いや? 今、嫌って言ったのか?」
「……っ」
「何が嫌なのか、俺に詳しく教えて欲しいな」
「毎日なんて無理っ……私が壊れちゃうっ!」
私が困った声で答えると、ルーカスはくつくつと喉を鳴らして笑い出した。
「な、何がおかしいの?」
「だって、俺はミアの心を壊すためにそうしているからね。嫌なら、早く俺に堕ちてきて」
ルーカスは息がかかる程の距離まで顔を寄せると、鋭い眼光で私のことを捉えた。
「ああ、ミアの唇震えているね。怖がらせてしまったかな。ごめんね」
「……っ、い、いやっ……」
唇に口づけられる瞬間、私は顔を傾け避けてしまった。
これは恐怖心から、体が勝手に反応してしまったようだ。
「少し意地悪なことをいい過ぎてしまったようだね。ごめん……。だけど、ミアに避けられると寂しい」
「あ……ごめんな、さいっ……」
切なそうな表情を浮かべるルーカスを見ていると、やるせない気持ちになってしまい、つい謝ってしまう。
するとルーカスは私の両頬を包むように触れ、そのまま唇を重ねた。
「ミア、愛してる。俺はミアだけのものだ。だからミアも俺だけのものになって欲しい」
「……んっ」
そのキスは触れるだけの優しいものだった。
ルーカスに好きだと言われるとやっぱり嬉しい。
私の心はすでに彼に奪われてしまったから、拒むことなんてできないことも分かっている。
けれど、時々ルーカスが怖いと思ってしまう時もある。
そんなことを考えると、この先一緒にいていいのか不安に思ってしまう。
私の心は揺れていた。
いくら考えたところで引き返すことも、逃げることもできないことは理解しているつもりだ。
ルーカスの優しい言葉をそのまま鵜呑みにして、信じてしまった私は馬鹿なのだろう。
今思えば、全て彼が巧妙に仕掛けた罠だったのかもしれない。
私はなにも知らずにその罠にはまってしまった。
悪魔がなにを考えているのかなんて、きっと私には一生分からないのだろう。
「もう数時間繋がったままだから、ミアもそろそろ限界か」
あれから何時間も繋がったまま、ルーカスに責められ続けている。
体からは力が抜け、声は枯れて、視界は涙で曇っていた。
頭の奥はしばらく前からなにも考えられなくなるほどぼーっとしているが、再びくる快感の恐怖に胸はずっとドキドキと鳴り響いたままだった。
行き過ぎた快楽は苦痛に変わるのだと身を持って知った。
ルーカスは、あと何時間これを繰り返すつもりなんだろう。
私は意識を飛ばすことも許されず、ただ何度も絶頂へと誘われる。
「もう、イきたく……ないっ」
私は涙を流しながら、懇願するようにルーカスに頼んでも止めてはくれない。
彼はやっぱり悪魔だ。
ルーカスと繋がれた時は、感動するくらい嬉しかった。
やっと心が通じ合って、ずっとこれからも一緒にいられると思うと幸福感で胸がいっぱいになった。
(ルーカス様のあれ、どうなってるの!? 絶対におかしいわ……。悪魔ってみんなそうなの!?)
「これを繰り返していれば、ミアは俺のことしか考えられなくなるだろう? 俺はね、ミアの頭の中から俺以外の存在を消し去りたいんだよ」
「……どう、して?」
「そんなの決まっている。ミアには俺以外は必要ないって思わせたいからな。俺以外のものなんてなくしてしまえばいい。そう思うまでは毎日こうやって抱き潰すから」
「い、いやっ……、というより無理だからっ!」
ルーカスは口端を上げ、欲望に満ちた表情を浮かべていた。
その言葉を聞くと私は急に怖くなり、泣きそうな顔で否定してしまった。
「いや? 今、嫌って言ったのか?」
「……っ」
「何が嫌なのか、俺に詳しく教えて欲しいな」
「毎日なんて無理っ……私が壊れちゃうっ!」
私が困った声で答えると、ルーカスはくつくつと喉を鳴らして笑い出した。
「な、何がおかしいの?」
「だって、俺はミアの心を壊すためにそうしているからね。嫌なら、早く俺に堕ちてきて」
ルーカスは息がかかる程の距離まで顔を寄せると、鋭い眼光で私のことを捉えた。
「ああ、ミアの唇震えているね。怖がらせてしまったかな。ごめんね」
「……っ、い、いやっ……」
唇に口づけられる瞬間、私は顔を傾け避けてしまった。
これは恐怖心から、体が勝手に反応してしまったようだ。
「少し意地悪なことをいい過ぎてしまったようだね。ごめん……。だけど、ミアに避けられると寂しい」
「あ……ごめんな、さいっ……」
切なそうな表情を浮かべるルーカスを見ていると、やるせない気持ちになってしまい、つい謝ってしまう。
するとルーカスは私の両頬を包むように触れ、そのまま唇を重ねた。
「ミア、愛してる。俺はミアだけのものだ。だからミアも俺だけのものになって欲しい」
「……んっ」
そのキスは触れるだけの優しいものだった。
ルーカスに好きだと言われるとやっぱり嬉しい。
私の心はすでに彼に奪われてしまったから、拒むことなんてできないことも分かっている。
けれど、時々ルーカスが怖いと思ってしまう時もある。
そんなことを考えると、この先一緒にいていいのか不安に思ってしまう。
私の心は揺れていた。
いくら考えたところで引き返すことも、逃げることもできないことは理解しているつもりだ。
ルーカスの優しい言葉をそのまま鵜呑みにして、信じてしまった私は馬鹿なのだろう。
今思えば、全て彼が巧妙に仕掛けた罠だったのかもしれない。
私はなにも知らずにその罠にはまってしまった。
悪魔がなにを考えているのかなんて、きっと私には一生分からないのだろう。
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