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2.助けてくれた人
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私は教室に入ると、視線をきょろきょろと動かし空いている席を探し始める。
ギリギリに教室に入ったこともあり、空いている席は二か所だけだった。
一番後ろの端の席と、前から二列目の席だ。
しかも前方の席は攻略対象者達に囲まれており、明らかに作為的に用意されたとものに見えて私は思わず顔を引き攣らせる。
(あの席だけは回避しなきゃ……)
そう思うと、私は慌てるように後ろの席へ向けて歩き始めた。
「うわ、ギリギリ間に合ったー」
その声が響いた頃には席の前まで来ていたが、それでも私は焦るように急いで着席した。
そして無事に座ることができると、私は小さく安堵の息を吐く。
何故急いだかと言うと、この場面を以前ゲーム内で見たことがあったからだ。
ゲーム通りであれば、一番最後に教室に入るのはヒロインである私。
そしてヒロインはあの作為的な席に座る羽目になる。
それを避ける為に私は急いで座ったのだ。
「あれ? 僕の席は……」
「二列目の中央の席が空いているわ」
一人の生徒が空いてる席に視線を向けて教えていた。
「……う、うそだろ」
それを見た瞬間、彼は心が抜けたような、まるで絶望した表情に変わった。
私はそれを見て思わず苦笑してしまう。
(まあ、そうなるよね……)
それも当然だと思う。
前には王子、両隣は有力公爵家の子息だ。
あんな席に座っていたら、心の平穏はまず保てないだろう。
私は心の中で『ごめんなさい』と謝った。
乙女ゲームのヒロインであるミアは、校内で迷ってしまい遅刻をしてしまうのだ。
私はそれを避ける為に早めに行動をしていた。
結局は迷ってしまったのだけど、案内してくれた彼がいなければ間違いなくあの席に座るのは私だった。
(危なかった。あの人には本当に感謝しなきゃ……。あれ?)
そういえばゲームでは校内で迷ったミアを案内してくれたのは、たしか担任の先生だったはずだ。
そもそも廊下で会ったあの人はゲーム内には出てこなかった気がする。
私が前世を思い出して焦って行動してしまったから、少し展開が変わってしまったのかもしれない。
(すでに色々とおかしいし、大して気にすることでもないか)
恐らくこれから先も、こういったストーリーの作為的展開が沢山待っているはずだから気は抜けない。
変に目を付けられて因縁を持たれても困ってしまう。
極力目立たないように学園生活を送ろうと、私は深く心に誓った。
もちろん、聖女であることも秘密にして。
***
今日は入学初日と言うこともあり、半日で終わった。
私は今後のために、少し校内を見て回ろうと思っていた。
配布された生徒手帳の中には校内のフロアマップが載っていたので、それを確認しながら移動し始める。
暫く校内を周り外に出ると、庭園の中に温室のような建物があることに気づいた。
なんとなく興味が沸き、私はその温室の中へと足を踏み入れていく。
「し、失礼しまーす……」
私は警戒するように辺りをきょろきょろと見渡すが、人の気配はなく無人のようだ。
温室の中は全面ガラス張りになっていて、日差しが天井から差し込んでくるので、外にいるような明るさを感じる。
それでいて中は庭園のように色々な植物が植えられており、手入れも施されているようだ。
私は感心しながら、誘われるままに奥のほうへと足を進めていく。
奥に進むほどに薔薇の匂いが濃くなっていくのを感じ、目を閉じて深く息を吸い込む。
(んー……、すごくいい香り)
そのままさらに奥へと進んで行くと、少し開けた場所へと出た。
そこは壁面一体に赤い薔薇の花が敷き詰められていて、私の目は釘付けになる。
「……すごい」
私は息を呑み、ぽつりと一言だけ小さく声を漏らした。
「あれ? 君はたしか……、今朝会った子、かな?」
「え?」
突然背後から声が響いて来たので振り返ると、そこには今朝私を案内してくれた彼の姿があった。
私は薔薇に気を取られていたせいで気配には一切気付かなかったようだ。
「こんな場所に迷い込んで来て、また迷子になったのかな?」
「ち、違いますっ! 温室が見えたから少し気になって……」
私が慌てて答えると、彼は黙ったまま私を見つめている様子だった。
長い前髪のせいで、今どんな表情をしているの分からなくて少し不安になる。
「ここは休憩スペースになっているんだ。折角だし、良かったらお茶でも飲んで行かない?」
「いいんですか?」
校内を歩き回っていたせいで、私の喉は渇いていた。
私が小さく頷くと、彼は「勿論だよ。そこのソファーに座って待っていて」と言って準備を始める。
中央にはテーブルと大きなソファーが置かれている。
私はソファーに腰を掛けると、準備している彼の姿を視線で追いかけていた。
「あの、ここには良く来られるんですか?」
「そうだね、ここはサボるのに最適な場所だとは思わない? 昼間は日差しも入って来てポカポカだし、幸いなことに横になれる大きなソファーもある」
「お昼寝が出来そうですね」
「そうそう。君もサボる時はここを使うといいよ」
彼は冗談ぽく言った。
見た目がひょろっとしているから気が弱そうなのではないかと勝手に思ってたけど、授業をサボるなんて随分と大胆なことをするんだなぁと思わず感心してしまう。
そんなことを考えていると、お茶の準備が出来たようで彼はティーセットをテーブルに並べた。
「隣、失礼するよ」
彼はそう言うと私の隣へと座った。
「この温室で育てているハーブを使っているんだけど、君の口に合うかな」
「いただきます。……ん、美味しいです」
一口喉に流すと優しいハーブの香りが鼻を抜け、ほっと心が安らぐ気がした。
私が少し表情を緩めると彼は「良かった」と小さく呟いた。
「あ、忘れる所でした。改めてお礼を言わせてください。朝はあなたのおかげで遅刻しないで済みました。本当にありがとうございましたっ」
私はお礼を言った後、ぺこっと小さく頭を下げた。
「そっか。間に合ったみたいで良かったよ。朝は時間がなくて出来なかったから、今度こそ自己紹介をさせてもらうな。俺の名前はルーカス・バッヘム。学年は君より二つ上の三学年だ。この学園については君よりは詳しいはずだから、分からないことがあれば何でも聞いて」
「ありがとうございます。私はミア・レーゼルと言います。今朝も話した通り入学したばかりです。よろしくおねがいしますっ!」
ルーカスは雰囲気も優しそうだし、親切そうな人だ。
それに、年上なのに気兼ねなく話せるところもありがたい。
実は私は貴族との付き合いが苦手だった。
元平民と言うこともあり、何もしていないのに周囲から変な視線を送られることも多かった。
「君の名前はミアって言うんだね」
「はい。そうですが、どうしましたか?」
ルーカスは私の名前を聞いて何か考えている様子だった。
私が不思議そうに聞き返すと「可愛らしい名前だね」とさらりと言われてしまい、急に恥ずかしくなってしまう。
「もしかして、照れてるの? 可愛いな」
「……っ、からかわないでくださいっ!」
私は気を紛らわすために一気にお茶を飲み干した。
なんだか顔の奥が火照っているような気がするのは、多分気のせいではないはずだ。
「良い飲みっぷりだ。おかわりする?」
「お願いしますっ」
私が答えると、ルーカスはカップにハーブティーを注いでくれた。
「朝見かけた時も思ったんだけど、君の髪って珍しい色をしているね」
「珍しいですか?」
確かにそう言われると、私のようなピンクブロンドの髪をした人間には出会ったことがない気がする。
私は養子なので、両親とも髪の色は違う。
「少し触ってもいいかな?」
「いいですけど」
ルーカスはそう言うと私の髪を一房指で掬った。
「やっぱり綺麗な髪だね。可愛らしい君にはぴったりだ」
「……っ」
突然そんなことを言われるとまた照れてしまう。
私は赤く染まった頬を隠すように顔を逸らした。
「ごめんね、少し驚かせてしまったよな」
ルーカスは済まなそうにそう呟くと、掬った髪を戻した。
「そういえば、君は知っているかな?」
「……?」
「今年入学した生徒の中に、聖女に選ばれた者がいるってことを」
ギリギリに教室に入ったこともあり、空いている席は二か所だけだった。
一番後ろの端の席と、前から二列目の席だ。
しかも前方の席は攻略対象者達に囲まれており、明らかに作為的に用意されたとものに見えて私は思わず顔を引き攣らせる。
(あの席だけは回避しなきゃ……)
そう思うと、私は慌てるように後ろの席へ向けて歩き始めた。
「うわ、ギリギリ間に合ったー」
その声が響いた頃には席の前まで来ていたが、それでも私は焦るように急いで着席した。
そして無事に座ることができると、私は小さく安堵の息を吐く。
何故急いだかと言うと、この場面を以前ゲーム内で見たことがあったからだ。
ゲーム通りであれば、一番最後に教室に入るのはヒロインである私。
そしてヒロインはあの作為的な席に座る羽目になる。
それを避ける為に私は急いで座ったのだ。
「あれ? 僕の席は……」
「二列目の中央の席が空いているわ」
一人の生徒が空いてる席に視線を向けて教えていた。
「……う、うそだろ」
それを見た瞬間、彼は心が抜けたような、まるで絶望した表情に変わった。
私はそれを見て思わず苦笑してしまう。
(まあ、そうなるよね……)
それも当然だと思う。
前には王子、両隣は有力公爵家の子息だ。
あんな席に座っていたら、心の平穏はまず保てないだろう。
私は心の中で『ごめんなさい』と謝った。
乙女ゲームのヒロインであるミアは、校内で迷ってしまい遅刻をしてしまうのだ。
私はそれを避ける為に早めに行動をしていた。
結局は迷ってしまったのだけど、案内してくれた彼がいなければ間違いなくあの席に座るのは私だった。
(危なかった。あの人には本当に感謝しなきゃ……。あれ?)
そういえばゲームでは校内で迷ったミアを案内してくれたのは、たしか担任の先生だったはずだ。
そもそも廊下で会ったあの人はゲーム内には出てこなかった気がする。
私が前世を思い出して焦って行動してしまったから、少し展開が変わってしまったのかもしれない。
(すでに色々とおかしいし、大して気にすることでもないか)
恐らくこれから先も、こういったストーリーの作為的展開が沢山待っているはずだから気は抜けない。
変に目を付けられて因縁を持たれても困ってしまう。
極力目立たないように学園生活を送ろうと、私は深く心に誓った。
もちろん、聖女であることも秘密にして。
***
今日は入学初日と言うこともあり、半日で終わった。
私は今後のために、少し校内を見て回ろうと思っていた。
配布された生徒手帳の中には校内のフロアマップが載っていたので、それを確認しながら移動し始める。
暫く校内を周り外に出ると、庭園の中に温室のような建物があることに気づいた。
なんとなく興味が沸き、私はその温室の中へと足を踏み入れていく。
「し、失礼しまーす……」
私は警戒するように辺りをきょろきょろと見渡すが、人の気配はなく無人のようだ。
温室の中は全面ガラス張りになっていて、日差しが天井から差し込んでくるので、外にいるような明るさを感じる。
それでいて中は庭園のように色々な植物が植えられており、手入れも施されているようだ。
私は感心しながら、誘われるままに奥のほうへと足を進めていく。
奥に進むほどに薔薇の匂いが濃くなっていくのを感じ、目を閉じて深く息を吸い込む。
(んー……、すごくいい香り)
そのままさらに奥へと進んで行くと、少し開けた場所へと出た。
そこは壁面一体に赤い薔薇の花が敷き詰められていて、私の目は釘付けになる。
「……すごい」
私は息を呑み、ぽつりと一言だけ小さく声を漏らした。
「あれ? 君はたしか……、今朝会った子、かな?」
「え?」
突然背後から声が響いて来たので振り返ると、そこには今朝私を案内してくれた彼の姿があった。
私は薔薇に気を取られていたせいで気配には一切気付かなかったようだ。
「こんな場所に迷い込んで来て、また迷子になったのかな?」
「ち、違いますっ! 温室が見えたから少し気になって……」
私が慌てて答えると、彼は黙ったまま私を見つめている様子だった。
長い前髪のせいで、今どんな表情をしているの分からなくて少し不安になる。
「ここは休憩スペースになっているんだ。折角だし、良かったらお茶でも飲んで行かない?」
「いいんですか?」
校内を歩き回っていたせいで、私の喉は渇いていた。
私が小さく頷くと、彼は「勿論だよ。そこのソファーに座って待っていて」と言って準備を始める。
中央にはテーブルと大きなソファーが置かれている。
私はソファーに腰を掛けると、準備している彼の姿を視線で追いかけていた。
「あの、ここには良く来られるんですか?」
「そうだね、ここはサボるのに最適な場所だとは思わない? 昼間は日差しも入って来てポカポカだし、幸いなことに横になれる大きなソファーもある」
「お昼寝が出来そうですね」
「そうそう。君もサボる時はここを使うといいよ」
彼は冗談ぽく言った。
見た目がひょろっとしているから気が弱そうなのではないかと勝手に思ってたけど、授業をサボるなんて随分と大胆なことをするんだなぁと思わず感心してしまう。
そんなことを考えていると、お茶の準備が出来たようで彼はティーセットをテーブルに並べた。
「隣、失礼するよ」
彼はそう言うと私の隣へと座った。
「この温室で育てているハーブを使っているんだけど、君の口に合うかな」
「いただきます。……ん、美味しいです」
一口喉に流すと優しいハーブの香りが鼻を抜け、ほっと心が安らぐ気がした。
私が少し表情を緩めると彼は「良かった」と小さく呟いた。
「あ、忘れる所でした。改めてお礼を言わせてください。朝はあなたのおかげで遅刻しないで済みました。本当にありがとうございましたっ」
私はお礼を言った後、ぺこっと小さく頭を下げた。
「そっか。間に合ったみたいで良かったよ。朝は時間がなくて出来なかったから、今度こそ自己紹介をさせてもらうな。俺の名前はルーカス・バッヘム。学年は君より二つ上の三学年だ。この学園については君よりは詳しいはずだから、分からないことがあれば何でも聞いて」
「ありがとうございます。私はミア・レーゼルと言います。今朝も話した通り入学したばかりです。よろしくおねがいしますっ!」
ルーカスは雰囲気も優しそうだし、親切そうな人だ。
それに、年上なのに気兼ねなく話せるところもありがたい。
実は私は貴族との付き合いが苦手だった。
元平民と言うこともあり、何もしていないのに周囲から変な視線を送られることも多かった。
「君の名前はミアって言うんだね」
「はい。そうですが、どうしましたか?」
ルーカスは私の名前を聞いて何か考えている様子だった。
私が不思議そうに聞き返すと「可愛らしい名前だね」とさらりと言われてしまい、急に恥ずかしくなってしまう。
「もしかして、照れてるの? 可愛いな」
「……っ、からかわないでくださいっ!」
私は気を紛らわすために一気にお茶を飲み干した。
なんだか顔の奥が火照っているような気がするのは、多分気のせいではないはずだ。
「良い飲みっぷりだ。おかわりする?」
「お願いしますっ」
私が答えると、ルーカスはカップにハーブティーを注いでくれた。
「朝見かけた時も思ったんだけど、君の髪って珍しい色をしているね」
「珍しいですか?」
確かにそう言われると、私のようなピンクブロンドの髪をした人間には出会ったことがない気がする。
私は養子なので、両親とも髪の色は違う。
「少し触ってもいいかな?」
「いいですけど」
ルーカスはそう言うと私の髪を一房指で掬った。
「やっぱり綺麗な髪だね。可愛らしい君にはぴったりだ」
「……っ」
突然そんなことを言われるとまた照れてしまう。
私は赤く染まった頬を隠すように顔を逸らした。
「ごめんね、少し驚かせてしまったよな」
ルーカスは済まなそうにそう呟くと、掬った髪を戻した。
「そういえば、君は知っているかな?」
「……?」
「今年入学した生徒の中に、聖女に選ばれた者がいるってことを」
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