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93.事件の裏側③-sideニコル-
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(どうしよう、どうしようっ……!!)
説得しなければならないのだと分かっているが、緊張と恐怖で頭の中は大混乱していた。
ルシ様に再び拒絶されるのが怖い。
私が説得に失敗すれば、ルシ様は反逆罪となって処刑されてしまうかもしれない。
そんなのは絶対に嫌だ。
そして、それを今止められるのは私だけしかいない。
「アリー、さっきから黙ったままでどうしたの? 僕だよ。君の婚約者の……」
先程から全く反応しない彼女に痺れを切らしたのか、再びルシ様は声をかけてきた。
私は息を大きく吸い込み深呼吸をすると、ゆっくりと後ろを振り返った。
「ルシ様、何をしに来たんですか?」
「……ニコル? どうして、君がここに」
ルシ様は私の姿を視界に捉えると、目を丸くさせ驚いた顔でぽつりと呟いた。
「私は……、お姉様の護衛です!」
私は咄嗟の思いつきでそう答えてしまった。
するとルシ様は目を細めて、じっと私の事を覗うかのように見つめてきた。
「もしかして、父上に頼まれて僕の邪魔をしに来たの?」
「え?」
「僕はもう侯爵家を捨てたのだから、あの家とは何の関わりもない。そして君とも婚約解消したはずだ。それとも、この期に及んでまだ僕の邪魔をするつもりなの?」
「それはっ……」
ルシ様は嫌悪するような瞳で私の事を見つめていた。
冷たい眼差しが突き刺さり、胸の奥がズキズキと痛くなる。
まるで邪魔者を見るような視線だ。
瞳の奥からは憎悪の感情まで伝わってくるようで、恨まれているのだとはっきりと気付いた。
どこかでは分かっていたことだが、実際に目の当たりにすると、目の前が真っ暗になるくらいショックだった。
(やっぱり私のこと、恨んでいるんだ。当然か……)
心の中で少しだけ期待を持っていた。
もしかしたら婚約解消をしたことを後悔しているのではないか、私のことをもう一度考え直してくれるのではないかと。
ルシ様は優しいから、同情でも私に手を差し伸べてくれるんじゃないかと思ってしまっていた。
(本当に私はバカだ……)
それは完全に私の都合の良い妄想だった。
今のルシ様の目を見れば、一切そんな感情を持っていないことは分かる。
「ニコル、これ以上余計な手間をかけさせないで欲しい。君はアリーの妹だから、出来れば手荒な真似はしたくないんだ」
「どういう、意味ですか?」
私が震えた声で呟くと、ルシ様は小さく息を漏らし扉の方に視線をやった。
「アリーを連れ戻すために仲間を雇ったんだ。他国に来て僕一人の力ではさすがに無理があるからね」
ルシ様に余裕があるのは、仲間が後ろに付いているという安心感からなのだろう。
だけどその仲間の殆どが既に捕らえられているはずだ。
私は部屋の端にいる使用人達に視線を向けた。
彼女達は気付かない素振りをして、大人しく立っている。
私が説得をしている間は、静かに様子を見守っているのだろう。
(怯んだら負けよ。私は何のためにここにいるの? しっかりしないと)
揺るぎそうになる自分の心に向けて、自問自答を繰り返す。
今は自分のやるべき事を見失わないようにと、それだけを考えることにした。
(仲間を捕らえたことは黙っておこう。ルシ様が暴走したら私の力だけでは抑えられないし。お互い冷静な状態で話すのが一番なはずよ)
きっとルシ様が暴れたら、すぐに従者達によって捕らえられてしまうだろう。
これは殿下に与えられた最後のチャンスだ。
失敗は絶対に許されない。
「お姉様はもう、ルシ様の婚約者ではありません!」
「……あれは強引に決められたものだ。アリーだって望んでいたわけではないはず。そうだよね?」
ルシ様は彼女の背中を眺めて問いかけたので、私は間髪入れずに「そんなことないわっ!」と答えた。
「ニコル、君には聞いてないよ」
「だって本当のことだもの。お姉様は殿下と心が通じ合ってる。私、この目ではっきり見たの! もうルシ様のことなんてこれっぽっちも思ってないわ。信じられないかもしれないけど、私がルシ様と恋人同士だった時、お姉様も既に殿下とそういう関係だったのよ……、きっと」
私は必死な顔で伝えようとしていたが、突然ルシ様は笑い出した。
「ふふ、あはは……。本当にニコルは嘘ばかり付くよね」
「私は嘘なんて付いてないわ!本当にこの目で見たんだから……」
「アリー、ニコルが言ったことは本当なの?僕は君の言葉を信じるよ」
「…………」
彼女はその問いかけにも黙ったままだった。
一言でも声を発すれば、偽物だとばれてしまうからだ。
そしてその瞬間、私の説得も強制的に終わりになってしまう。
「お姉様はルシ様とは話したくないそうです」
私は慌てるようにルシ様の前に移動して、彼女との間を隔てる壁になった。
「だから、ニコルには聞いてない。いい加減、僕の邪魔をするのは止めて貰えないかな? これ以上邪魔をするつもりなら、僕にも考えがある」
「何をするつもりなの?」
私が震えた声で問いかけると、ルシ様は服の中から何かを取り出す素振りを見せた。
服の隙間からは鞘のようなものが見えて、私は慌てるようにルシ様に抱きついた。
こんな物を奥にいる従者に見られてしまえば、すぐに捕らえられてしまうはずだ。
私はなんとかして気付かれない様にするために、自分の体で隠そうとした。
「ニコル、何をしてるの?」
「ルシ様、お願い。そんな物騒なもの、こんな場所で出さないでっ!」
「ニコルが邪魔をしなければこんなものは使わないよ」
「ルシ様、お願いです。考え直してくださいっ! こんなことをしてただで済むと思っているんですか? 相手は王族ですよ? 逃げ切るなんて絶対に無理。今なら……、今ここで思い留まれば、酷いことにはならないはずだからっ」
「愚問だな。僕は全てを捨ててここに来たんだ。アリーさえ手に入れば他には何も要らない。その覚悟でここにいる」
ルシ様は私の両肩を掴むと、強引に引き剥がした。
(どうしよう、全く分かって貰えない。このままじゃ、ルシ様を止められない……!)
私は剥がされても再びルシ様に抱きついた。
「ニコル、いい加減にしてくれ!」
「……っ!!」
強い力で突き飛ばされた衝撃で、私はその場に倒れ込んでしまった。
倒れた瞬間、慌てて従者の方に視線を向けた。
そして『まだ待って』と目で訴える。
私は倒れた時に打った足の痛みを感じながらも、ゆっくりと立ち上がった。
そして再びルシ様の前に立ちはだかった。
「お願い、考え直して……」
「本当にニコルは僕にとっては疫病神だな」
苛立ちを見せるルシ様の口から、耳を疑うような台詞が聞こえた。
(疫病神……)
その言葉を聞いた瞬間、目の奥が熱くなった。
「……い、今のは失言だ。ごめん」
ルシ様は私を見てハッと我に返ると、ばつが悪そうに視線を泳がせた。
これがルシ様の本音なのだろうか。
こんなに酷い言葉をルシ様の口から聞いたのは初めてだった。
侯爵に全て暴露した時も、私のことは一切責めなかった。
私から迫ったことは誰にも話さなかった。
お姉様がずっと勘違いしていたのは、そういう理由があったからだろう。
ルシ様はずっと私のしたことを庇ってくれていた。
あの時はまだ、私のことを好きでいてくれたのだろうか。
(一度でも、私のことを好きだと思ってくれてた時はあったのかな……)
私の視界は涙で曇っていた。
瞳から溢れ落ちた涙は、頬を伝って床にポタポタと落ちていく。
ルシ様は一瞬こちらを見て手を伸ばそうとするも、私に触れることはなかった。
「ニコル、酷い事を言ってごめん。だけど、僕はどうしてもアリーじゃないとダメなんだ」
ルシ様は辛そうな声で呟くと、私の前をすり抜けていった。
(今の私の力じゃルシ様を止めるなんて無理だ。ごめんなさい、ルシ様……)
今まで自分のことしか考えて来なかった私の言葉なんて、届かなかった。
それは当然なことだと思う。
私はルシ様の為に何もしてこなかったのだから。
私が諦めかけた時だった。
突然扉の方からバンッ! と激しい音が鳴り響いた。
説得しなければならないのだと分かっているが、緊張と恐怖で頭の中は大混乱していた。
ルシ様に再び拒絶されるのが怖い。
私が説得に失敗すれば、ルシ様は反逆罪となって処刑されてしまうかもしれない。
そんなのは絶対に嫌だ。
そして、それを今止められるのは私だけしかいない。
「アリー、さっきから黙ったままでどうしたの? 僕だよ。君の婚約者の……」
先程から全く反応しない彼女に痺れを切らしたのか、再びルシ様は声をかけてきた。
私は息を大きく吸い込み深呼吸をすると、ゆっくりと後ろを振り返った。
「ルシ様、何をしに来たんですか?」
「……ニコル? どうして、君がここに」
ルシ様は私の姿を視界に捉えると、目を丸くさせ驚いた顔でぽつりと呟いた。
「私は……、お姉様の護衛です!」
私は咄嗟の思いつきでそう答えてしまった。
するとルシ様は目を細めて、じっと私の事を覗うかのように見つめてきた。
「もしかして、父上に頼まれて僕の邪魔をしに来たの?」
「え?」
「僕はもう侯爵家を捨てたのだから、あの家とは何の関わりもない。そして君とも婚約解消したはずだ。それとも、この期に及んでまだ僕の邪魔をするつもりなの?」
「それはっ……」
ルシ様は嫌悪するような瞳で私の事を見つめていた。
冷たい眼差しが突き刺さり、胸の奥がズキズキと痛くなる。
まるで邪魔者を見るような視線だ。
瞳の奥からは憎悪の感情まで伝わってくるようで、恨まれているのだとはっきりと気付いた。
どこかでは分かっていたことだが、実際に目の当たりにすると、目の前が真っ暗になるくらいショックだった。
(やっぱり私のこと、恨んでいるんだ。当然か……)
心の中で少しだけ期待を持っていた。
もしかしたら婚約解消をしたことを後悔しているのではないか、私のことをもう一度考え直してくれるのではないかと。
ルシ様は優しいから、同情でも私に手を差し伸べてくれるんじゃないかと思ってしまっていた。
(本当に私はバカだ……)
それは完全に私の都合の良い妄想だった。
今のルシ様の目を見れば、一切そんな感情を持っていないことは分かる。
「ニコル、これ以上余計な手間をかけさせないで欲しい。君はアリーの妹だから、出来れば手荒な真似はしたくないんだ」
「どういう、意味ですか?」
私が震えた声で呟くと、ルシ様は小さく息を漏らし扉の方に視線をやった。
「アリーを連れ戻すために仲間を雇ったんだ。他国に来て僕一人の力ではさすがに無理があるからね」
ルシ様に余裕があるのは、仲間が後ろに付いているという安心感からなのだろう。
だけどその仲間の殆どが既に捕らえられているはずだ。
私は部屋の端にいる使用人達に視線を向けた。
彼女達は気付かない素振りをして、大人しく立っている。
私が説得をしている間は、静かに様子を見守っているのだろう。
(怯んだら負けよ。私は何のためにここにいるの? しっかりしないと)
揺るぎそうになる自分の心に向けて、自問自答を繰り返す。
今は自分のやるべき事を見失わないようにと、それだけを考えることにした。
(仲間を捕らえたことは黙っておこう。ルシ様が暴走したら私の力だけでは抑えられないし。お互い冷静な状態で話すのが一番なはずよ)
きっとルシ様が暴れたら、すぐに従者達によって捕らえられてしまうだろう。
これは殿下に与えられた最後のチャンスだ。
失敗は絶対に許されない。
「お姉様はもう、ルシ様の婚約者ではありません!」
「……あれは強引に決められたものだ。アリーだって望んでいたわけではないはず。そうだよね?」
ルシ様は彼女の背中を眺めて問いかけたので、私は間髪入れずに「そんなことないわっ!」と答えた。
「ニコル、君には聞いてないよ」
「だって本当のことだもの。お姉様は殿下と心が通じ合ってる。私、この目ではっきり見たの! もうルシ様のことなんてこれっぽっちも思ってないわ。信じられないかもしれないけど、私がルシ様と恋人同士だった時、お姉様も既に殿下とそういう関係だったのよ……、きっと」
私は必死な顔で伝えようとしていたが、突然ルシ様は笑い出した。
「ふふ、あはは……。本当にニコルは嘘ばかり付くよね」
「私は嘘なんて付いてないわ!本当にこの目で見たんだから……」
「アリー、ニコルが言ったことは本当なの?僕は君の言葉を信じるよ」
「…………」
彼女はその問いかけにも黙ったままだった。
一言でも声を発すれば、偽物だとばれてしまうからだ。
そしてその瞬間、私の説得も強制的に終わりになってしまう。
「お姉様はルシ様とは話したくないそうです」
私は慌てるようにルシ様の前に移動して、彼女との間を隔てる壁になった。
「だから、ニコルには聞いてない。いい加減、僕の邪魔をするのは止めて貰えないかな? これ以上邪魔をするつもりなら、僕にも考えがある」
「何をするつもりなの?」
私が震えた声で問いかけると、ルシ様は服の中から何かを取り出す素振りを見せた。
服の隙間からは鞘のようなものが見えて、私は慌てるようにルシ様に抱きついた。
こんな物を奥にいる従者に見られてしまえば、すぐに捕らえられてしまうはずだ。
私はなんとかして気付かれない様にするために、自分の体で隠そうとした。
「ニコル、何をしてるの?」
「ルシ様、お願い。そんな物騒なもの、こんな場所で出さないでっ!」
「ニコルが邪魔をしなければこんなものは使わないよ」
「ルシ様、お願いです。考え直してくださいっ! こんなことをしてただで済むと思っているんですか? 相手は王族ですよ? 逃げ切るなんて絶対に無理。今なら……、今ここで思い留まれば、酷いことにはならないはずだからっ」
「愚問だな。僕は全てを捨ててここに来たんだ。アリーさえ手に入れば他には何も要らない。その覚悟でここにいる」
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私は剥がされても再びルシ様に抱きついた。
「ニコル、いい加減にしてくれ!」
「……っ!!」
強い力で突き飛ばされた衝撃で、私はその場に倒れ込んでしまった。
倒れた瞬間、慌てて従者の方に視線を向けた。
そして『まだ待って』と目で訴える。
私は倒れた時に打った足の痛みを感じながらも、ゆっくりと立ち上がった。
そして再びルシ様の前に立ちはだかった。
「お願い、考え直して……」
「本当にニコルは僕にとっては疫病神だな」
苛立ちを見せるルシ様の口から、耳を疑うような台詞が聞こえた。
(疫病神……)
その言葉を聞いた瞬間、目の奥が熱くなった。
「……い、今のは失言だ。ごめん」
ルシ様は私を見てハッと我に返ると、ばつが悪そうに視線を泳がせた。
これがルシ様の本音なのだろうか。
こんなに酷い言葉をルシ様の口から聞いたのは初めてだった。
侯爵に全て暴露した時も、私のことは一切責めなかった。
私から迫ったことは誰にも話さなかった。
お姉様がずっと勘違いしていたのは、そういう理由があったからだろう。
ルシ様はずっと私のしたことを庇ってくれていた。
あの時はまだ、私のことを好きでいてくれたのだろうか。
(一度でも、私のことを好きだと思ってくれてた時はあったのかな……)
私の視界は涙で曇っていた。
瞳から溢れ落ちた涙は、頬を伝って床にポタポタと落ちていく。
ルシ様は一瞬こちらを見て手を伸ばそうとするも、私に触れることはなかった。
「ニコル、酷い事を言ってごめん。だけど、僕はどうしてもアリーじゃないとダメなんだ」
ルシ様は辛そうな声で呟くと、私の前をすり抜けていった。
(今の私の力じゃルシ様を止めるなんて無理だ。ごめんなさい、ルシ様……)
今まで自分のことしか考えて来なかった私の言葉なんて、届かなかった。
それは当然なことだと思う。
私はルシ様の為に何もしてこなかったのだから。
私が諦めかけた時だった。
突然扉の方からバンッ! と激しい音が鳴り響いた。
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