76 / 101
76.裏切りの代償②-sideルシアノ-
しおりを挟む
最近のニコルは苛立っていることが多く、耳障りな高い声を室内に響かせてくる。
それを聞く度に僕はうんざりとした気分になる。
一時はあんなにも夢中になっていたはずなのに、沸騰したお湯が冷めるかのように彼女への熱も消えていた。
「ニコル、わざわざ毎日来てくれなくてもいいよ。試験も近いみたいだし、君にはもっとやるべきことがあるんじゃないの?」
「そ、そうだけど、勉強はルシ様に見てもらうので」
僕が呆れた口調で問いかけると、彼女は一瞬ドキッとした表情を見せて慌てて答える。
ニコルの言葉を聞いて、僕は再び溜息を漏らしてしまう。
(こんな時までニコルの勉強を見ろって言うのか? 勘弁してくれ……)
ニコルはいつだって自分の都合しか考えていない。
一人にして欲しいと何度伝えても、無視して僕の屋敷にやってくる。
「悪いけど、今はニコルに勉強を教えられる状態じゃないんだ。誰か必要なら、両親に伝えて家庭教師を付けてもらって」
「そんなの嫌っ! 私はルシ様に教えてもらいたいのっ! 分かりやすいし、落ち着くから……」
ニコルは僕の袖をぎゅっと掴んで、懇願する様な瞳を向けて来る。
僕が困った顔をすると、ニコルは「お願い」と言い出し、諦めるつもりは無い様だ。
そんな態度が鬱陶しく感じてしまう。
「……分かった。そこまで言うのならニコルの勉強を見るよ。だけど僕の頼みも聞いて欲しい」
「本当に? 嬉しい、ありがとう、ルシ様っ! 頼みって何?私に出来ることかな」
彼女の顔はたちまち明るくなるが、こんな無邪気な笑顔さえ憎らしいと思えて来る。
「うん、ニコルにしか頼めないことだよ。アリーと会えるように手伝って欲しいんだ」
「……え?」
僕が静かに答えると、彼女の表情が消えていく。
これは姉妹であるニコルだからこそ頼める内容だった。
僕はプラーム家への立ち入りを禁止されているが、外に出ることは止められていない。
外でならアリーと会っても問題が無いという事だ。
僕がいくら一人で思っていても、その気持ちはアリーには一切伝わらない。
なんとかしてその機会を得なくては、何も始められないのだ。
「そんなの無理よ」
「どうして?」
「どうしてって……。決まってるじゃない。私はきっとお姉様に嫌われているわ。それにルシ様だって、この前会った時に分かったでしょ?」
「あの時は隣に殿下もいたから、あんな態度を取るしかなかったのかもしれない」
幼い頃からアリーの隣にいたのは、この僕だ。
殿下との出会いは、恐らく王立学園に通うようになってからだと思う。
そんな後から出会った男に、簡単に心が動くはずが無い。
もしかしたら、強引に婚約者に決められてしまったのかもしれない。
(ああ、考えてみればその可能性も無いわけではないよな。それなら尚更僕が助けてあげないと……。アリーを救えるのは僕だけなはずだ)
「そうだとしても相手は王子よ。ルシ様に敵う相手なんかじゃないわ! これ以上問題を起こせば、本当に侯爵家から追い出されるかもしれないのよ? それでもいいの?」
「アリーを取り戻すことが出来るのなら、それでも構わない」
僕の言葉に迷いなんて無かった。
家を追い出される事になってもいい。
アリーさえこの手の中に戻って来るのであれば、全てを捨てる覚悟は出来ている。
(そんなことよりも、アリーがいない人生なんて耐えらえない……!)
「私は……? ルシ様は私の事を捨てるの?」
ニコルは震えた声で呟いた。
「僕は最初から君にアリーを重ねていただけだ。……ごめん」
僕の中に罪悪感が無いわけではない。
ニコルに誤解させるような気持を抱かせてしまったことは、本当に申し訳なく思っている。
だけど僕はアリーじゃなければダメなんだ。
「酷い、酷いわっ……! 私、絶対にルシ様と離れないっ! 結婚するのっ!」
彼女の目からは溢れる程の涙が零れていた。
一度は手を伸ばそうとしたが、彼女を受け止める資格なんてないと気付き、掌をきつく握りしめた。
胸の奥には針で突かれたような、チクチクとした痛みが広がる。
(何が二人とも幸せにする、だ。僕は幸せにするどころか、傷付けて泣かせただけじゃないか!)
そんな自分に腹が立った。
ぎゅっと握りしめた掌に爪が食い込む。
だけど本当の気持ちを知ってしまった以上、もうニコルの傍にはいられない。
この先一緒にいたとしても、僕は身代わりとしてしか彼女を愛せないだろう。
「もし、君があの時アリーの身代わりでいいなんて言わなければ、僕達はこんな風にはならなかったのかもしれないな」
僕はぽつりと独り言を吐き捨てた。
それはニコルを責めるために出た言葉では無い。
間違った選択をしたのは僕自身だ。
今思えばどうして『身代わり』という言葉に惹かれてしまったのか分からない。
本人に伝えなければ意味がない事なのに。
「……っ……!!」
その言葉を聞いていたニコルは、ズルズルとその場に滑り落ち、放心状態になっていた。
僕達はお互い何も喋らないまま、時間だけが流れていく。
暫くの沈黙を経た後、僕は重くなっていた口を開いた。
「ニコル、僕達の婚約は無かったことにしよう。全て僕の所為にして構わないから」
「い、や……、そんなの嫌っ!! それに私との婚約が無くなった所で、お姉様は手に入らないわ! ……今頃隣国にいるし、屋敷にもずっと帰って来ないしっ」
「それはどういうこと?」
「お姉様は王宮に篭ったきり戻って来ないわ。だから会うのなんて不可能よっ!」
「殿下に閉じ込められているのか?」
「知らないわ、そんなこと。まさか、奪いに行くなんて考えてないわよね?」
(やっぱり、アリーは強引に殿下との結婚を決められたってことなのか?)
僕は黙ってどうしたら良いのか考えを巡らせていた。
この時の僕は、まだアリーに僕への気持ちが残っていると思いたかった。
そう考えない限り、アリーとの関係が絶たれてしまうと分かっていたから。
「ルシ様、聞いてるの?」
「……ごめん、聞いてるよ。決めたよ、ニコル」
「……?」
「僕はアリーを助けに行く。そして再び心を取り戻してみせる」
僕の中で何かが壊れた様な音がした。
全てを投げうってでも、アリーを取り戻したい。
その思いが僕の心を突き動かしていた。
それを聞く度に僕はうんざりとした気分になる。
一時はあんなにも夢中になっていたはずなのに、沸騰したお湯が冷めるかのように彼女への熱も消えていた。
「ニコル、わざわざ毎日来てくれなくてもいいよ。試験も近いみたいだし、君にはもっとやるべきことがあるんじゃないの?」
「そ、そうだけど、勉強はルシ様に見てもらうので」
僕が呆れた口調で問いかけると、彼女は一瞬ドキッとした表情を見せて慌てて答える。
ニコルの言葉を聞いて、僕は再び溜息を漏らしてしまう。
(こんな時までニコルの勉強を見ろって言うのか? 勘弁してくれ……)
ニコルはいつだって自分の都合しか考えていない。
一人にして欲しいと何度伝えても、無視して僕の屋敷にやってくる。
「悪いけど、今はニコルに勉強を教えられる状態じゃないんだ。誰か必要なら、両親に伝えて家庭教師を付けてもらって」
「そんなの嫌っ! 私はルシ様に教えてもらいたいのっ! 分かりやすいし、落ち着くから……」
ニコルは僕の袖をぎゅっと掴んで、懇願する様な瞳を向けて来る。
僕が困った顔をすると、ニコルは「お願い」と言い出し、諦めるつもりは無い様だ。
そんな態度が鬱陶しく感じてしまう。
「……分かった。そこまで言うのならニコルの勉強を見るよ。だけど僕の頼みも聞いて欲しい」
「本当に? 嬉しい、ありがとう、ルシ様っ! 頼みって何?私に出来ることかな」
彼女の顔はたちまち明るくなるが、こんな無邪気な笑顔さえ憎らしいと思えて来る。
「うん、ニコルにしか頼めないことだよ。アリーと会えるように手伝って欲しいんだ」
「……え?」
僕が静かに答えると、彼女の表情が消えていく。
これは姉妹であるニコルだからこそ頼める内容だった。
僕はプラーム家への立ち入りを禁止されているが、外に出ることは止められていない。
外でならアリーと会っても問題が無いという事だ。
僕がいくら一人で思っていても、その気持ちはアリーには一切伝わらない。
なんとかしてその機会を得なくては、何も始められないのだ。
「そんなの無理よ」
「どうして?」
「どうしてって……。決まってるじゃない。私はきっとお姉様に嫌われているわ。それにルシ様だって、この前会った時に分かったでしょ?」
「あの時は隣に殿下もいたから、あんな態度を取るしかなかったのかもしれない」
幼い頃からアリーの隣にいたのは、この僕だ。
殿下との出会いは、恐らく王立学園に通うようになってからだと思う。
そんな後から出会った男に、簡単に心が動くはずが無い。
もしかしたら、強引に婚約者に決められてしまったのかもしれない。
(ああ、考えてみればその可能性も無いわけではないよな。それなら尚更僕が助けてあげないと……。アリーを救えるのは僕だけなはずだ)
「そうだとしても相手は王子よ。ルシ様に敵う相手なんかじゃないわ! これ以上問題を起こせば、本当に侯爵家から追い出されるかもしれないのよ? それでもいいの?」
「アリーを取り戻すことが出来るのなら、それでも構わない」
僕の言葉に迷いなんて無かった。
家を追い出される事になってもいい。
アリーさえこの手の中に戻って来るのであれば、全てを捨てる覚悟は出来ている。
(そんなことよりも、アリーがいない人生なんて耐えらえない……!)
「私は……? ルシ様は私の事を捨てるの?」
ニコルは震えた声で呟いた。
「僕は最初から君にアリーを重ねていただけだ。……ごめん」
僕の中に罪悪感が無いわけではない。
ニコルに誤解させるような気持を抱かせてしまったことは、本当に申し訳なく思っている。
だけど僕はアリーじゃなければダメなんだ。
「酷い、酷いわっ……! 私、絶対にルシ様と離れないっ! 結婚するのっ!」
彼女の目からは溢れる程の涙が零れていた。
一度は手を伸ばそうとしたが、彼女を受け止める資格なんてないと気付き、掌をきつく握りしめた。
胸の奥には針で突かれたような、チクチクとした痛みが広がる。
(何が二人とも幸せにする、だ。僕は幸せにするどころか、傷付けて泣かせただけじゃないか!)
そんな自分に腹が立った。
ぎゅっと握りしめた掌に爪が食い込む。
だけど本当の気持ちを知ってしまった以上、もうニコルの傍にはいられない。
この先一緒にいたとしても、僕は身代わりとしてしか彼女を愛せないだろう。
「もし、君があの時アリーの身代わりでいいなんて言わなければ、僕達はこんな風にはならなかったのかもしれないな」
僕はぽつりと独り言を吐き捨てた。
それはニコルを責めるために出た言葉では無い。
間違った選択をしたのは僕自身だ。
今思えばどうして『身代わり』という言葉に惹かれてしまったのか分からない。
本人に伝えなければ意味がない事なのに。
「……っ……!!」
その言葉を聞いていたニコルは、ズルズルとその場に滑り落ち、放心状態になっていた。
僕達はお互い何も喋らないまま、時間だけが流れていく。
暫くの沈黙を経た後、僕は重くなっていた口を開いた。
「ニコル、僕達の婚約は無かったことにしよう。全て僕の所為にして構わないから」
「い、や……、そんなの嫌っ!! それに私との婚約が無くなった所で、お姉様は手に入らないわ! ……今頃隣国にいるし、屋敷にもずっと帰って来ないしっ」
「それはどういうこと?」
「お姉様は王宮に篭ったきり戻って来ないわ。だから会うのなんて不可能よっ!」
「殿下に閉じ込められているのか?」
「知らないわ、そんなこと。まさか、奪いに行くなんて考えてないわよね?」
(やっぱり、アリーは強引に殿下との結婚を決められたってことなのか?)
僕は黙ってどうしたら良いのか考えを巡らせていた。
この時の僕は、まだアリーに僕への気持ちが残っていると思いたかった。
そう考えない限り、アリーとの関係が絶たれてしまうと分かっていたから。
「ルシ様、聞いてるの?」
「……ごめん、聞いてるよ。決めたよ、ニコル」
「……?」
「僕はアリーを助けに行く。そして再び心を取り戻してみせる」
僕の中で何かが壊れた様な音がした。
全てを投げうってでも、アリーを取り戻したい。
その思いが僕の心を突き動かしていた。
15
お気に入りに追加
3,614
あなたにおすすめの小説
乙女ゲームの転生ヒロインは、悪役令嬢のザマァフラグを回避したい
神無月りく
恋愛
ある乙女ゲームのヒロインである子爵令嬢プリエラは、元日本人の転生者である。
ザマァ絶対回避をスローガンに、プロローグに当たる王宮の舞踏会に臨むが、転生悪役令嬢クラリッサの手腕により、攻略対象だけでなく目ぼしい男性は全員売約済みで、完全にぼっちで壁の花になってしまう。
しかし、ひょんなことから窮地を救ってくれたイケメン軍人・カーライルと出会い、交流を深めることになるが、なんと彼はクラリッサの想い人であり、向こうもまんざらではない様子!?
このままではザマァ一直線! 果たしてプリエラは最悪の結末を回避できるのか!?
※これはカクヨム様で過去に投稿した『転生先は乙女ゲームのヒロインでした』を改題し、大幅に加筆修正したものです。一部ストーリー展開や内容に変化がありますが、大筋での変更はありません。
※2021年8月11日、ご指摘を受け最終話の一部を修正しました。
※作中で『アメシスト』と表記がありますが、誤字ではありません。『アメジスト』は俗称で、正式にはアメシストと表記するため、そちらに準拠しています。
愛されていたのだと知りました。それは、あなたの愛をなくした時の事でした。
桗梛葉 (たなは)
恋愛
リリナシスと王太子ヴィルトスが婚約をしたのは、2人がまだ幼い頃だった。
それから、ずっと2人は一緒に過ごしていた。
一緒に駆け回って、悪戯をして、叱られる事もあったのに。
いつの間にか、そんな2人の関係は、ひどく冷たくなっていた。
変わってしまったのは、いつだろう。
分からないままリリナシスは、想いを反転させる禁忌薬に手を出してしまう。
******************************************
こちらは、全19話(修正したら予定より6話伸びました🙏)
7/22~7/25の4日間は、1日2話の投稿予定です。以降は、1日1話になります。
【完結】隣国にスパイとして乗り込み故郷の敵である騎士団長様へ復讐をしようとしたのにうっかり恋をしてしまいました
るあか
恋愛
ルカ・エマーソン18歳は12年前に滅びた『魔女の森』の唯一の生き残り。
彼女は当時のことを今でも頻繁に夢に見る。
彼女の国『メドナ王国』の“クリスティア女王陛下”は、隣国『ヴァルトーマ帝国』へ彼女をスパイとして送り込む。
彼女の任務は帝国の騎士団へ所属して“皇帝セシル・ヴァルトーマ”が戦争を仕掛けようとしている事実を掴むこと。
しかしルカには個人的に果たしたいことがあった。それは、帝国の白狼騎士団のヴァレンタイン騎士団長を暗殺すること。
彼は若いながらに公爵の身分であり、騎士の称号は大将。
12年前に『魔女の森』を滅ぼした首謀者だと彼女は考えていて、その確たる証拠を掴むためにもどうしても白狼騎士団へと入団する必要があった。
しかし、白狼騎士団の団長は女嫌いで団員は全員男だと言う情報を得る。
そこで彼女は髪を切り、男装をして入団試験へと挑むのであった。
⸺⸺
根は真面目で素直な少し抜けたところのある、とても暗殺者には向かないルカ。
これは、彼女が復讐すべきである騎士団長へ恋をして当時の事件の真実を知り、愛する彼と共に両国の平和のため尽力して幸せになる、異世界ラブコメファンタジーである。
※後半シリアス展開が続き、戦いによる流血表現もありますのでご注意下さい。
※タイトル変更しました。
あなたに忘れられない人がいても――公爵家のご令息と契約結婚する運びとなりました!――
おうぎまちこ(あきたこまち)
恋愛
※1/1アメリアとシャーロックの長女ルイーズの恋物語「【R18】犬猿の仲の幼馴染は嘘の婚約者」が完結しましたので、ルイーズ誕生のエピソードを追加しています。
※R18版はムーンライトノベルス様にございます。本作品は、同名作品からR18箇所をR15表現に抑え、加筆修正したものになります。R15に※、ムーンライト様にはR18後日談2話あり。
元は令嬢だったが、現在はお針子として働くアメリア。彼女はある日突然、公爵家の三男シャーロックに求婚される。ナイトの称号を持つ元軍人の彼は、社交界で浮名を流す有名な人物だ。
破産寸前だった父は、彼の申し出を二つ返事で受け入れてしまい、アメリアはシャーロックと婚約することに。
だが、シャーロック本人からは、愛があって求婚したわけではないと言われてしまう。とは言え、なんだかんだで優しくて溺愛してくる彼に、だんだんと心惹かれていくアメリア。
初夜以外では手をつけられずに悩んでいたある時、自分とよく似た女性マーガレットとシャーロックが仲睦まじく映る写真を見つけてしまい――?
「私は彼女の代わりなの――? それとも――」
昔失くした恋人を忘れられない青年と、元気と健康が取り柄の元令嬢が、契約結婚を通して愛を育んでいく物語。
※全13話(1話を2〜4分割して投稿)
【完結】婚約者を譲れと言うなら譲ります。私が欲しいのはアナタの婚約者なので。
海野凛久
恋愛
【書籍絶賛発売中】
クラリンス侯爵家の長女・マリーアンネは、幼いころから王太子の婚約者と定められ、育てられてきた。
しかしそんなある日、とあるパーティーで、妹から婚約者の地位を譲るように迫られる。
失意に打ちひしがれるかと思われたマリーアンネだったが――
これは、初恋を実らせようと奮闘する、とある令嬢の物語――。
※第14回恋愛小説大賞で特別賞頂きました!応援くださった皆様、ありがとうございました!
※主人公の名前を『マリ』から『マリーアンネ』へ変更しました。
私を幽閉した王子がこちらを気にしているのはなぜですか?
水谷繭
恋愛
婚約者である王太子リュシアンから日々疎まれながら過ごしてきたジスレーヌ。ある日のお茶会で、リュシアンが何者かに毒を盛られ倒れてしまう。
日ごろからジスレーヌをよく思っていなかった令嬢たちは、揃ってジスレーヌが毒を入れるところを見たと証言。令嬢たちの嘘を信じたリュシアンは、ジスレーヌを「裁きの家」というお屋敷に幽閉するよう指示する。
そこは二十年前に魔女と呼ばれた女が幽閉されて死んだ、いわくつきの屋敷だった。何とか幽閉期間を耐えようと怯えながら過ごすジスレーヌ。
一方、ジスレーヌを閉じ込めた張本人の王子はジスレーヌを気にしているようで……。
◇小説家になろうにも掲載中です!
◆表紙はGilry Drop様からお借りした画像を加工して使用しています
溺愛される妻が記憶喪失になるとこうなる
田尾風香
恋愛
***2022/6/21、書き換えました。
お茶会で紅茶を飲んだ途端に頭に痛みを感じて倒れて、次に目を覚ましたら、目の前にイケメンがいました。
「あの、どちら様でしょうか?」
「俺と君は小さい頃からずっと一緒で、幼い頃からの婚約者で、例え死んでも一緒にいようと誓い合って……!」
「旦那様、奥様に記憶がないのをいいことに、嘘を教えませんように」
溺愛される妻は、果たして記憶を取り戻すことができるのか。
ギャグを書いたことはありませんが、ギャグっぽいお話しです。会話が多め。R18ではありませんが、行為後の話がありますので、ご注意下さい。
【完結】契約結婚。醜いと婚約破棄された私と仕事中毒上司の幸せな結婚生活。
千紫万紅
恋愛
魔塔で働く平民のブランシェは、婚約者である男爵家嫡男のエクトルに。
「醜くボロボロになってしまった君を、私はもう愛せない。だからブランシェ、さよならだ」
そう告げられて婚約破棄された。
親が決めた相手だったけれど、ブランシェはエクトルが好きだった。
エクトルもブランシェを好きだと言っていた。
でもブランシェの父親が事業に失敗し、持参金の用意すら出来なくなって。
別れまいと必死になって働くブランシェと、婚約を破棄したエクトル。
そしてエクトルには新しい貴族令嬢の婚約者が出来て。
ブランシェにも父親が新しい結婚相手を見つけてきた。
だけどそれはブランシェにとって到底納得のいかないもの。
そんなブランシェに契約結婚しないかと、職場の上司アレクセイが持ちかけてきて……
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる