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4.修羅場
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この状況を見て私の中には色々な感情が溢れ始めていた。
もちろん怒りもあったが、それ以上に虚しさを感じて、もうどうでもいいと投げやりな気持ちになってしまっていた。
(信じた私が馬鹿だったわ。こんな事ならもっと早くに見切りをつけておけば良かったな)
私は躊躇する事無く扉を大きく開き、ズカズカと部屋の中心へと入って行った。
中に入ると案の定二人は抱き合っていて、私が入って来た事に驚いたのか慌てる様に離れていく。
「遠慮しないでいいわ。そのまま仲良く抱き合っていれば?」
「アリー、なんで……」
私は感情の無い淡々とした口調で話すと、ルシアノは目を丸くしていた。
恐らく何故私がこの時間、この場所にいるのだと言いたいのだろう。
「なんで?それはこっちの台詞よ。私がいない間を狙ってコソコソと会っているなんて思いもしなかったわ」
「お姉様! こ、これは、ルシ様に勉強を教えてもらっていただけよっ!」
私が棘のある言葉を投げかけると、慌てる様にニコルは言い訳をし始めた。
私は目を細めて二人を交互に見つめた。
「勉強……? 『君の事が好きだ』とか『私もルシ様が好き』とか言って抱き合っておいて、勉強? 密会の間違いじゃないの?」
「そ、それはっ……」
私が一部始終を見ていた事が分かると、二人は重い表情を浮かべ押し黙ってしまった。
正直なところ私はこれ以上二人を責める気力なんてなかった。
もうどうでもいい、そう思い始めていたからだ。
「私、前からルシの気持ちは知っていたから。もう隠す必要なんてないわ」
「え……?」
「二年くらい前に、ルシが寝ているニコルに向かって気持ちを伝えている所を偶然見てしまったから」
「…………」
「ルシはそれでも今までみたいに私には優しく接していてくれたよね。だからいつか私に気持ちが戻って来てくれるのかもしれないって信じてた。だけど、ニコルまでルシの事を好きになっているなんて思わなかった」
「ごめんなさい、お姉様……」
ニコルは泣きそうな顔で私に頭を下げて謝って来た。
(泣きたいのは私の方なのに……)
「別にもういいわ。そんなに思い合っているのなら二人が結婚すればいいだけのことでしょ? 私はルシとの婚約を白紙に戻させてもらうから後は好きにして」
「ま、待ってくれっ!」
私が一方的に話を進めて行くと、突然焦った様にルシアノが反論して来た。
「何? 私は婚約者を降りて譲ってあげるって言っているのに、何か不満でもあるの?」
「婚約については家同士が決めたものだ、だからそんな簡単には……」
「ルシが私から妹に乗り換えただけになるのだから、何も問題はないんじゃない?」
「それは……」
「お姉様、そんな言い方酷いわっ!」
「だって本当の事じゃない。二人は私に隠れてそういう関係になって、私の事をずっと騙していたんでしょ? 酷いのはどっちの方なんだろう」
「……っ……!!」
私が言い返すとニコルはそれ以上言い返せなくなり、そのまま再び黙り込んでしまった。
「この事はどちらから話す? 私からでもいいけど、その場合は遠慮なく二人の関係を全て伝えるから……」
「アリー、待ってくれ。そんなに急に言われても困る」
「困る……? 困るって何? ずっと私の事を騙し続けていたくせに、どれだけ私の事を馬鹿にすれば気が済むの? 最低ね」
「……ごめん。だけど少しだけ待って欲しい」
「少しってどれくらい? 私は浮気をする様な婚約者なんて要らない。今すぐにでもルシとの婚約は解消したいくらいよ。その方が二人にとっても好都合でしょ? コソコソする必要がなくなるのだから……」
「……っ……」
結局その後はだんまりされてしまい、これ以上話は進まなかった。
仕方なく私が折れることになり、暫く待つと言う事でこの場は収めることになってしまった。
もちろん怒りもあったが、それ以上に虚しさを感じて、もうどうでもいいと投げやりな気持ちになってしまっていた。
(信じた私が馬鹿だったわ。こんな事ならもっと早くに見切りをつけておけば良かったな)
私は躊躇する事無く扉を大きく開き、ズカズカと部屋の中心へと入って行った。
中に入ると案の定二人は抱き合っていて、私が入って来た事に驚いたのか慌てる様に離れていく。
「遠慮しないでいいわ。そのまま仲良く抱き合っていれば?」
「アリー、なんで……」
私は感情の無い淡々とした口調で話すと、ルシアノは目を丸くしていた。
恐らく何故私がこの時間、この場所にいるのだと言いたいのだろう。
「なんで?それはこっちの台詞よ。私がいない間を狙ってコソコソと会っているなんて思いもしなかったわ」
「お姉様! こ、これは、ルシ様に勉強を教えてもらっていただけよっ!」
私が棘のある言葉を投げかけると、慌てる様にニコルは言い訳をし始めた。
私は目を細めて二人を交互に見つめた。
「勉強……? 『君の事が好きだ』とか『私もルシ様が好き』とか言って抱き合っておいて、勉強? 密会の間違いじゃないの?」
「そ、それはっ……」
私が一部始終を見ていた事が分かると、二人は重い表情を浮かべ押し黙ってしまった。
正直なところ私はこれ以上二人を責める気力なんてなかった。
もうどうでもいい、そう思い始めていたからだ。
「私、前からルシの気持ちは知っていたから。もう隠す必要なんてないわ」
「え……?」
「二年くらい前に、ルシが寝ているニコルに向かって気持ちを伝えている所を偶然見てしまったから」
「…………」
「ルシはそれでも今までみたいに私には優しく接していてくれたよね。だからいつか私に気持ちが戻って来てくれるのかもしれないって信じてた。だけど、ニコルまでルシの事を好きになっているなんて思わなかった」
「ごめんなさい、お姉様……」
ニコルは泣きそうな顔で私に頭を下げて謝って来た。
(泣きたいのは私の方なのに……)
「別にもういいわ。そんなに思い合っているのなら二人が結婚すればいいだけのことでしょ? 私はルシとの婚約を白紙に戻させてもらうから後は好きにして」
「ま、待ってくれっ!」
私が一方的に話を進めて行くと、突然焦った様にルシアノが反論して来た。
「何? 私は婚約者を降りて譲ってあげるって言っているのに、何か不満でもあるの?」
「婚約については家同士が決めたものだ、だからそんな簡単には……」
「ルシが私から妹に乗り換えただけになるのだから、何も問題はないんじゃない?」
「それは……」
「お姉様、そんな言い方酷いわっ!」
「だって本当の事じゃない。二人は私に隠れてそういう関係になって、私の事をずっと騙していたんでしょ? 酷いのはどっちの方なんだろう」
「……っ……!!」
私が言い返すとニコルはそれ以上言い返せなくなり、そのまま再び黙り込んでしまった。
「この事はどちらから話す? 私からでもいいけど、その場合は遠慮なく二人の関係を全て伝えるから……」
「アリー、待ってくれ。そんなに急に言われても困る」
「困る……? 困るって何? ずっと私の事を騙し続けていたくせに、どれだけ私の事を馬鹿にすれば気が済むの? 最低ね」
「……ごめん。だけど少しだけ待って欲しい」
「少しってどれくらい? 私は浮気をする様な婚約者なんて要らない。今すぐにでもルシとの婚約は解消したいくらいよ。その方が二人にとっても好都合でしょ? コソコソする必要がなくなるのだから……」
「……っ……」
結局その後はだんまりされてしまい、これ以上話は進まなかった。
仕方なく私が折れることになり、暫く待つと言う事でこの場は収めることになってしまった。
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