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第一章:聖女から冒険者へ
8.遺跡調査②
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長い通路を進み終えたが、私達は魔物に遭遇すること無く、合流地点の部屋へと到着した。
そこには既にゼロの姿があり、彼は誰かと話している様子だった。
それは、ここには私達以外の人間もいるということを指している。
イザナは大口の依頼と言っていたから、もしかしたら他の冒険者も来ているのではないかと最初は思っていた。
「お、そっちも来たみたいだな」
「……っ!」
ゼロが私達の存在に気付き声を掛けると、背中を向いて立っていた金髪の女性が振り返った。
私はその姿を見た瞬間、驚いて言葉を失ってしまう。
彼女はこちらに向けて走り出して来たと思えば、私の隣にいるイザナに迷うことなく抱き着いた。
(……なんで)
「どうして、ティアラがここにいるんだ?」
「驚いた? ふふっ、イザナが冒険者になったって聞いたから私も遊びにきたの」
イザナは突然のことに驚いている様子だった。
勿論、私だって驚いている。
ティアラはイザナに抱き着きながら、ちらっと私の方に視線を向けると目が合った瞬間、口端を小さく上げた。
その表情は挑戦的とでも言うような、勝ち誇ったものに見えた。
私は何も言えず悔しくなり、掌をぎゅっと握りしめた。
(いつまでくっついているの? 早く離れて……!)
そう視線を訴えていたが、彼女の目線は既に私からイザナの方に移動していた。
突然現れた彼女の名は、ティアラ・ローゼ・ヴァンタール。
公爵令嬢でイザナとは従兄妹に当たるらしい。
そしてイザナの元婚約者だった人だ。
年齢は確か二十二歳だった気がする。
金色の長い艶やかな髪に淡い紫の瞳。
そして色白の肌にすらっとした綺麗な体系。
顔立ちは端麗で一言で説明すれば、ものすごい美人。
彼女は本物の貴族令嬢であり、私と違い作法も完璧で、以前王妃教育を受けている時に担当の指導役から良くティアラの名前を出され比較されていた。
そのこともあり、絶対に敵わない令嬢というイメージが私の中では定着していたのだ。
だからあの時、イザナと仲良く話している姿を見て私は悟った。
王太子と公爵令嬢、それは誰が見てもお似合いな組み合わせだった。
幼い頃から淑女として育てれられ、マナーや作法がしっかりと身に付いているティアラには到底敵わないと気付いてしまった。
二人の姿を見た時に、私は察していたはずなのに。
イザナが再び目の前に現れ、一緒に行動をするようになって私は淡い期待を抱いてしまった。
先日彼の口から『好き』だと言われて、それに浮かれていた。
その直後にこんな事態になり、私はかなり戸惑っている。
(どうして、ここにティアラさんがいるの……?)
「お嬢様、今回だけですからね。このことが旦那様に知られたら、怒られるのは私です。そのことをどうぞ忘れないで頂きたい」
ため息交じりにそう話すのは、銀髪ですらりとした体系の男だった。
見た感じ、彼女の執事なのだろう。
「イザナ殿下、申し訳ありません。うちのティアラお嬢様がどうしてもと言われまして」
「レイラス、久しいな。お前も相変わらずティアラに振り回されているのか。ティアラ、そろそろ離れてはくれないか?」
イザナが困ったような口調で答えると、ティアラは不満そうにしながらも仕方無さそうにゆっくりと離れていった。
レイラスと呼ばれるティアラの執事は、イザナとも面識がありそうだ。
「ルナさん、お久しぶりね」
「……お久しぶりです」
ティアラは再び私の方に視線を向けると、笑顔を見せて挨拶をしてきた。
自信たっぷりと言わんばかりの笑顔を向けられ、私は困惑していた。
「……それで、どうしてここにティアラがいるのかな? レイラス、これはどういうことだ?」
イザナは珍しく少し怒っているように見えた。
「それは……」
突然イザナに厳しい声を向けられて、レイラスは気まずそうな顔を浮かべていた。
すると傍にいるティアラが会話に割り込んできた。
「レイラスを責めないで! 私がどうしてもイザナに会いたいって頼んだのよ。だって、突然あんなことを聞かされて信じられなくて……」
「それは前から考えてたことだよ。ティアラだって知っているだろう? 私は王位を継がない」
「そうだけど……。でも、まさか冒険者になるだなんて驚いたわ! これってルナさんの為?」
彼の表情は少し怒っている様に見えたけど、その口調は落ち着いていた。
そしてティアラはそう言い終わると視線を私の方へと向けた。
(え……?)
「ああ、そうだよ。ルナは私の大事な妻だからね。傍にいるのは当然のことだ」
続いてイザナも私の方に視線を向けると、目が合った瞬間優しく笑んだ。
私はその表情を見て、こんな時だというのに一人でドキドキしていた。
それを見ていたティアラは唇をきゅっと噛み締めて、悔しそうな表情で私のことを睨みつけていた。
ティアラの前でもイザナがはっきりと言ってくれることに、私は少し恥ずかしさを感じていたが嬉しかった。
「ティアラ、ここは危険だよ。もう帰った方がいい」
「嫌よっ!」
ティアラは不満そうにムッとした顔をすると、イザナの腕に抱きついた。
「私、実は冒険者って少し興味があったの! それに私だって魔法くらい扱えるわ」
「ティアラ、分かっているとは思うけどこれは遊びじゃないんだ。学園にいた頃とは違う。きっとこの奥に潜んでいる魔物は、ティアラが思う以上に強いはずだ。ここは公爵令嬢であるティアラが来るような場所ではないから、早く戻った方がいい」
イザナは未だに諦めようとしないティアラを説得していた。
しかし当の本人は、全く聞く耳を持たない様子で引くつもりはなさそうだ。
まるで子供のように拗ねた表情をイザナに向けて困らせている。
今のティアラは駄々を捏ねている子供のようで、淑女とは言い難い姿に見える。
だけど、言い換えればそれだけ親しい関係なのだと目の前で見せられているみたいで、私は動揺していた。
「それなら、イザナに守ってもらうわっ! それなら問題ないでしょ?」
「ティアラ様、これ以上イザナ殿下を困らせたらダメですよ。危険だと言われていますし……さあ、帰りましょう」
「うるさいわねっ! レイラス、貴方は黙ってなさいっ! 帰りたいのなら貴方一人で帰ればいいわ。私はイザナに屋敷まで送って貰うから好きにしていいわよ」
ティアラは幾ら言われても全く引くつもりは無いらしい。
イザナとレイラスの二人は完全に困り果てている様子だった。
傍から見ていた私とゼロも、ティアラの強引さに若干引いていたくらいだ。
「いくら言われても、私はティアラをこの奥には連れては行かないよ」
「……それなら、私は帰らないわ!」
イザナがはっきりと答えると、ティアラはすぐに返した。
(我儘な人……)
私はそんなティアラに少し呆れていた。
「イザナ殿下、申し訳ありません。こうなってしまうと手が付けられません」
「そうだな」
レイラスは申し訳なさそうにイザナに告げると、二人は盛大にため息を漏らしていた。
「ゼロ、悪いが私はこの奥には行けなくなった。さすがにティアラを連れて行くわけにはいかないからね。ルナのこと頼めるか?」
イザナはティアラの説得を諦めると、ゼロの方に視線を向けそんなことを言い始めた。
私はその話を聞いて、胸の奥がざわざわとし始める。
(なん、で……? 一緒に行くって約束したのにっ……)
当然そんな心の声を、私は口にすることなんて出来なかった。
「そうなるよな。まあ、仕方ないか……」
この一部始終を見ていたゼロも同意する他なく、戸惑いながらもそんな風に答えていた。
「ルナ、ごめん。こんな状況になってしまったから、私は一緒には行けない。だけどゼロの実力は本物だ。安心して任せられる。二人で行って来てもらえるか?」
「……うん、わかった」
困った顔で告げるイザナを見ていると、私はそう答えるしかなかった。
胸の奥がすごくもやもやする。
「ルナさん、ごめんなさい」
「……っ」
ティアラは申し訳なさそうに私に謝ると、僅かに口元を上げた。
その時はっきりと分かった。
ティアラは今でもイザナの事を諦めていなくて、ここに来たのは私からイザナを遠ざける目的なのではないかと。
そして彼女の思惑通りに事が進んでしまった。
(イザナは今でもティアラさんのこと……、好き、なのかな)
そんな風に思い始めてしまうと、私の中の不安は次第に膨れ上がっていく。
彼が選んだのは最初に約束をした私ではなく、ティアラだった。
私はその事がショックで仕方なかった。
そこには既にゼロの姿があり、彼は誰かと話している様子だった。
それは、ここには私達以外の人間もいるということを指している。
イザナは大口の依頼と言っていたから、もしかしたら他の冒険者も来ているのではないかと最初は思っていた。
「お、そっちも来たみたいだな」
「……っ!」
ゼロが私達の存在に気付き声を掛けると、背中を向いて立っていた金髪の女性が振り返った。
私はその姿を見た瞬間、驚いて言葉を失ってしまう。
彼女はこちらに向けて走り出して来たと思えば、私の隣にいるイザナに迷うことなく抱き着いた。
(……なんで)
「どうして、ティアラがここにいるんだ?」
「驚いた? ふふっ、イザナが冒険者になったって聞いたから私も遊びにきたの」
イザナは突然のことに驚いている様子だった。
勿論、私だって驚いている。
ティアラはイザナに抱き着きながら、ちらっと私の方に視線を向けると目が合った瞬間、口端を小さく上げた。
その表情は挑戦的とでも言うような、勝ち誇ったものに見えた。
私は何も言えず悔しくなり、掌をぎゅっと握りしめた。
(いつまでくっついているの? 早く離れて……!)
そう視線を訴えていたが、彼女の目線は既に私からイザナの方に移動していた。
突然現れた彼女の名は、ティアラ・ローゼ・ヴァンタール。
公爵令嬢でイザナとは従兄妹に当たるらしい。
そしてイザナの元婚約者だった人だ。
年齢は確か二十二歳だった気がする。
金色の長い艶やかな髪に淡い紫の瞳。
そして色白の肌にすらっとした綺麗な体系。
顔立ちは端麗で一言で説明すれば、ものすごい美人。
彼女は本物の貴族令嬢であり、私と違い作法も完璧で、以前王妃教育を受けている時に担当の指導役から良くティアラの名前を出され比較されていた。
そのこともあり、絶対に敵わない令嬢というイメージが私の中では定着していたのだ。
だからあの時、イザナと仲良く話している姿を見て私は悟った。
王太子と公爵令嬢、それは誰が見てもお似合いな組み合わせだった。
幼い頃から淑女として育てれられ、マナーや作法がしっかりと身に付いているティアラには到底敵わないと気付いてしまった。
二人の姿を見た時に、私は察していたはずなのに。
イザナが再び目の前に現れ、一緒に行動をするようになって私は淡い期待を抱いてしまった。
先日彼の口から『好き』だと言われて、それに浮かれていた。
その直後にこんな事態になり、私はかなり戸惑っている。
(どうして、ここにティアラさんがいるの……?)
「お嬢様、今回だけですからね。このことが旦那様に知られたら、怒られるのは私です。そのことをどうぞ忘れないで頂きたい」
ため息交じりにそう話すのは、銀髪ですらりとした体系の男だった。
見た感じ、彼女の執事なのだろう。
「イザナ殿下、申し訳ありません。うちのティアラお嬢様がどうしてもと言われまして」
「レイラス、久しいな。お前も相変わらずティアラに振り回されているのか。ティアラ、そろそろ離れてはくれないか?」
イザナが困ったような口調で答えると、ティアラは不満そうにしながらも仕方無さそうにゆっくりと離れていった。
レイラスと呼ばれるティアラの執事は、イザナとも面識がありそうだ。
「ルナさん、お久しぶりね」
「……お久しぶりです」
ティアラは再び私の方に視線を向けると、笑顔を見せて挨拶をしてきた。
自信たっぷりと言わんばかりの笑顔を向けられ、私は困惑していた。
「……それで、どうしてここにティアラがいるのかな? レイラス、これはどういうことだ?」
イザナは珍しく少し怒っているように見えた。
「それは……」
突然イザナに厳しい声を向けられて、レイラスは気まずそうな顔を浮かべていた。
すると傍にいるティアラが会話に割り込んできた。
「レイラスを責めないで! 私がどうしてもイザナに会いたいって頼んだのよ。だって、突然あんなことを聞かされて信じられなくて……」
「それは前から考えてたことだよ。ティアラだって知っているだろう? 私は王位を継がない」
「そうだけど……。でも、まさか冒険者になるだなんて驚いたわ! これってルナさんの為?」
彼の表情は少し怒っている様に見えたけど、その口調は落ち着いていた。
そしてティアラはそう言い終わると視線を私の方へと向けた。
(え……?)
「ああ、そうだよ。ルナは私の大事な妻だからね。傍にいるのは当然のことだ」
続いてイザナも私の方に視線を向けると、目が合った瞬間優しく笑んだ。
私はその表情を見て、こんな時だというのに一人でドキドキしていた。
それを見ていたティアラは唇をきゅっと噛み締めて、悔しそうな表情で私のことを睨みつけていた。
ティアラの前でもイザナがはっきりと言ってくれることに、私は少し恥ずかしさを感じていたが嬉しかった。
「ティアラ、ここは危険だよ。もう帰った方がいい」
「嫌よっ!」
ティアラは不満そうにムッとした顔をすると、イザナの腕に抱きついた。
「私、実は冒険者って少し興味があったの! それに私だって魔法くらい扱えるわ」
「ティアラ、分かっているとは思うけどこれは遊びじゃないんだ。学園にいた頃とは違う。きっとこの奥に潜んでいる魔物は、ティアラが思う以上に強いはずだ。ここは公爵令嬢であるティアラが来るような場所ではないから、早く戻った方がいい」
イザナは未だに諦めようとしないティアラを説得していた。
しかし当の本人は、全く聞く耳を持たない様子で引くつもりはなさそうだ。
まるで子供のように拗ねた表情をイザナに向けて困らせている。
今のティアラは駄々を捏ねている子供のようで、淑女とは言い難い姿に見える。
だけど、言い換えればそれだけ親しい関係なのだと目の前で見せられているみたいで、私は動揺していた。
「それなら、イザナに守ってもらうわっ! それなら問題ないでしょ?」
「ティアラ様、これ以上イザナ殿下を困らせたらダメですよ。危険だと言われていますし……さあ、帰りましょう」
「うるさいわねっ! レイラス、貴方は黙ってなさいっ! 帰りたいのなら貴方一人で帰ればいいわ。私はイザナに屋敷まで送って貰うから好きにしていいわよ」
ティアラは幾ら言われても全く引くつもりは無いらしい。
イザナとレイラスの二人は完全に困り果てている様子だった。
傍から見ていた私とゼロも、ティアラの強引さに若干引いていたくらいだ。
「いくら言われても、私はティアラをこの奥には連れては行かないよ」
「……それなら、私は帰らないわ!」
イザナがはっきりと答えると、ティアラはすぐに返した。
(我儘な人……)
私はそんなティアラに少し呆れていた。
「イザナ殿下、申し訳ありません。こうなってしまうと手が付けられません」
「そうだな」
レイラスは申し訳なさそうにイザナに告げると、二人は盛大にため息を漏らしていた。
「ゼロ、悪いが私はこの奥には行けなくなった。さすがにティアラを連れて行くわけにはいかないからね。ルナのこと頼めるか?」
イザナはティアラの説得を諦めると、ゼロの方に視線を向けそんなことを言い始めた。
私はその話を聞いて、胸の奥がざわざわとし始める。
(なん、で……? 一緒に行くって約束したのにっ……)
当然そんな心の声を、私は口にすることなんて出来なかった。
「そうなるよな。まあ、仕方ないか……」
この一部始終を見ていたゼロも同意する他なく、戸惑いながらもそんな風に答えていた。
「ルナ、ごめん。こんな状況になってしまったから、私は一緒には行けない。だけどゼロの実力は本物だ。安心して任せられる。二人で行って来てもらえるか?」
「……うん、わかった」
困った顔で告げるイザナを見ていると、私はそう答えるしかなかった。
胸の奥がすごくもやもやする。
「ルナさん、ごめんなさい」
「……っ」
ティアラは申し訳なさそうに私に謝ると、僅かに口元を上げた。
その時はっきりと分かった。
ティアラは今でもイザナの事を諦めていなくて、ここに来たのは私からイザナを遠ざける目的なのではないかと。
そして彼女の思惑通りに事が進んでしまった。
(イザナは今でもティアラさんのこと……、好き、なのかな)
そんな風に思い始めてしまうと、私の中の不安は次第に膨れ上がっていく。
彼が選んだのは最初に約束をした私ではなく、ティアラだった。
私はその事がショックで仕方なかった。
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