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130.深夜の訪問者②※
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「この件はアイロスさんには……」
「まだ伝えていない。アイロスは今妹の件で大変そうだから、先にそっちの問題を解決してもらおうと考えてる。その間、私はユリアに尋問して事実確認を進めるつもりだ」
「そうですか」
公爵が黒幕であったことが明るみになり、それにユリアも関与しているのだとしたら切羽詰まった状況に追い込まれるはずだ。
そうなれば口を割りやすくなるのかもしれない。
(やっとあの事件の真相に辿り着けるのね……)
私は直接関わったわけではないけど、エリーザの無念を晴らしてあげたいと強く思うようになっていた。
「エミリー、彼女からひどいことを言われたそうだね。すまない。私がもっと配慮していればこんなことにはならなかったはずだ」
ザシャは申し訳なさそうな顔で再び謝ってきた。
「いえっ! 私は大丈夫です。本当に気にしてないですし……」
「本当に気にしてない? 私の前では正直に言ってくれて構わないよ」
ちなみに昨日アイロスが注意してくれたようで、今日は部屋にはやって来なかったので正直ほっとしている。
シルヴィアが嫌いというわけではないのだが、ああいう言い方をされるとどう返していいのか分からなくて困るというのが本音だ。
それに、ザシャとの思い出話を楽しそうにされると、心の中がすごくもやもやする。
ザシャには本心を伝えると以前約束していたこともあり、そんな言い方をされてしまうと嘘がつけなくなる。
私が戸惑いながら目を暫く泳がせていると「エミリー、言って」と急かされて仕方なく白状することにした。
「……っ、えっと、少しだけシルヴィア様に嫉妬しました」
「嫉妬?」
「シルヴィア様があまりにも楽しそうに王都の話をされるから、うらやましいなって……」
「エミリーが気になってるところはそこか……。なんだか君らしいね」
ザシャはクスクスとおかしそうに笑っていたけど、私は理由が分からず不思議そうに首を傾けた。
「じゃあ、明日はずっとエミリーの傍にいようかな」
「えっ!? 大丈夫なんですか?」
「うん、一日くらい問題ないよ。外には出れないからこの部屋で過ごすことになると思うけど構わないかな?」
「はいっ! それがいいです! どうしよう、すごく嬉しい……。これ、夢じゃないですよね?」
私が興奮気味に答えるとザシャは「夢じゃないよ」と言って私の頬に手をそっと添えた。
触れられた場所からは心地いい温もりを感じることができて、これが現実であるのだと実感してまた嬉しくなる。
「ふふっ、今のエミリーの顔すごく緩んでる。かわいい」
ザシャは優しい顔でそう言うと、ゆっくりと唇を重ねた。
それから何度も啄むようなキスをされて、徐々に体の火照りを取り戻していく。
「んっ……、はぁ……」
「やっぱりこの唇はいつでも甘いね。もっとほしくなる」
熱を帯びたザシャの舌先が、薄く開いた私の唇の合間から入り込んでくる。
お互いを深く求め合うように絡まり、息苦しさから頭の奥がさらにふわふわと揺れ始める。
しばらくするとザシャは唇を剥がし、じっと私の瞳の奥を見つめていた。
「さっきしてたように自分で胸をいじって」
「え……」
突然そんなことを言われて羞恥から顔の奥がかぁっと熱くなる。
「エミリーがどんなふうにいつも一人で慰めているのか知りたいな」
「……っ! 無理です、そんな……。恥ずかしい……」
私が困惑しながらもじもじしていると、ザシャが私の手をとって胸のほうへと移動させた。
「もう、こんなに膨れ上がってる」
「ぁっ……」
ザシャは私の指先を人形のように動かし、敏感なところに刺激を与えてくる。
そして耳元に顔を寄せて「エミリーは気持ちいいこと大好きだよね?」と煽るような台詞を囁いた。
「……っ、ザシャさんの、意地悪っ……」
「恥じらっているエミリーの姿を見たら少しいじめたくなってしまったようだ。意地悪でごめんね。私は耳をかわいがってあげるから、エミリーは自分で好きなように動かして」
耳元から愉しげなザシャの声が響いてくる。
体が敏感になっているせいか、吐息が耳にかかるだけで体がびくりと跳ねてしまう。
さらに追い打ちをかけるように、熱を帯びた滑ついたものが耳のふちをなぞるように這っていく。
「ぁっ、……耳、やぁっ……」
「小動物みたいに体を震わせて、ほんとうにかわいいな。私はそんなエミリーのことが大好きだよ」
耳元で囁く言葉が直接脳に響いてくるようだ。
擽ったくてもどかしいけど、私の不安を簡単に吹き消してくれる魔法のように感じる。
私は羞恥を感じながらもゆっくりと指先で胸の先端をなぞりはじめた。
「はぁっ……」
「素直でいいこだね。じゃあ私も手伝ってあげる」
彼の満足そうな言葉が響くと、私の手に添えられていたものが動き始め、まるで共同作業のように敏感な場所を責め始めた。
自分の意思とは違うものが同時に動くことで、体が勝手に敏感になっていく。
「ザシャさんっ、これ……気持ちいい」
「それは良かった。もう一つのかわいい飾りがものほしそうにしているみたいだから、こっちは私が愛してあげる」
ザシャは顔を胸元へと移動させて、もう片方の敏感になっている場所に口づけた。
最初はちゅっとリップ音を立てるようにキスで愛撫し、舌先で輪郭をなぞるように刺激を与えてくる。
「ぁっ……、ザシャさん、焦らさないで……」
「でも、エミリーは焦らされるほうが興奮するんじゃない?」
本当にザシャはこういう場面で意地悪になる。
だけど、きっとこの姿は私の前でしか見せないものだ。
その特別感にまたドキドキして、体の中の疼きが大きくなる。
私が懇願するような視線を送っていると、不意にザシャと目が合った。
彼は視線をこちらに向けたまま、口に含んだ突起をまるで飴玉を転がすかのように舐め続ける。
見られているという状況にさらに羞恥を煽られ、昂ぶりから感度も上がっていく。
「はぁっ、んぅっ……」
「そうやって求めるような目で見られると、もっと私のことで頭の中をいっぱいにさせたくなる」
ザシャは欲望に満ちた鋭い瞳を光らせると、口の中で転がしていた突起を深く吸い上げた。
その瞬間ぞくりと背中に電気のような感覚が流れる。
「ぁああっ!」
同時に私は甲高い声を室内に響かせた。
「まだ伝えていない。アイロスは今妹の件で大変そうだから、先にそっちの問題を解決してもらおうと考えてる。その間、私はユリアに尋問して事実確認を進めるつもりだ」
「そうですか」
公爵が黒幕であったことが明るみになり、それにユリアも関与しているのだとしたら切羽詰まった状況に追い込まれるはずだ。
そうなれば口を割りやすくなるのかもしれない。
(やっとあの事件の真相に辿り着けるのね……)
私は直接関わったわけではないけど、エリーザの無念を晴らしてあげたいと強く思うようになっていた。
「エミリー、彼女からひどいことを言われたそうだね。すまない。私がもっと配慮していればこんなことにはならなかったはずだ」
ザシャは申し訳なさそうな顔で再び謝ってきた。
「いえっ! 私は大丈夫です。本当に気にしてないですし……」
「本当に気にしてない? 私の前では正直に言ってくれて構わないよ」
ちなみに昨日アイロスが注意してくれたようで、今日は部屋にはやって来なかったので正直ほっとしている。
シルヴィアが嫌いというわけではないのだが、ああいう言い方をされるとどう返していいのか分からなくて困るというのが本音だ。
それに、ザシャとの思い出話を楽しそうにされると、心の中がすごくもやもやする。
ザシャには本心を伝えると以前約束していたこともあり、そんな言い方をされてしまうと嘘がつけなくなる。
私が戸惑いながら目を暫く泳がせていると「エミリー、言って」と急かされて仕方なく白状することにした。
「……っ、えっと、少しだけシルヴィア様に嫉妬しました」
「嫉妬?」
「シルヴィア様があまりにも楽しそうに王都の話をされるから、うらやましいなって……」
「エミリーが気になってるところはそこか……。なんだか君らしいね」
ザシャはクスクスとおかしそうに笑っていたけど、私は理由が分からず不思議そうに首を傾けた。
「じゃあ、明日はずっとエミリーの傍にいようかな」
「えっ!? 大丈夫なんですか?」
「うん、一日くらい問題ないよ。外には出れないからこの部屋で過ごすことになると思うけど構わないかな?」
「はいっ! それがいいです! どうしよう、すごく嬉しい……。これ、夢じゃないですよね?」
私が興奮気味に答えるとザシャは「夢じゃないよ」と言って私の頬に手をそっと添えた。
触れられた場所からは心地いい温もりを感じることができて、これが現実であるのだと実感してまた嬉しくなる。
「ふふっ、今のエミリーの顔すごく緩んでる。かわいい」
ザシャは優しい顔でそう言うと、ゆっくりと唇を重ねた。
それから何度も啄むようなキスをされて、徐々に体の火照りを取り戻していく。
「んっ……、はぁ……」
「やっぱりこの唇はいつでも甘いね。もっとほしくなる」
熱を帯びたザシャの舌先が、薄く開いた私の唇の合間から入り込んでくる。
お互いを深く求め合うように絡まり、息苦しさから頭の奥がさらにふわふわと揺れ始める。
しばらくするとザシャは唇を剥がし、じっと私の瞳の奥を見つめていた。
「さっきしてたように自分で胸をいじって」
「え……」
突然そんなことを言われて羞恥から顔の奥がかぁっと熱くなる。
「エミリーがどんなふうにいつも一人で慰めているのか知りたいな」
「……っ! 無理です、そんな……。恥ずかしい……」
私が困惑しながらもじもじしていると、ザシャが私の手をとって胸のほうへと移動させた。
「もう、こんなに膨れ上がってる」
「ぁっ……」
ザシャは私の指先を人形のように動かし、敏感なところに刺激を与えてくる。
そして耳元に顔を寄せて「エミリーは気持ちいいこと大好きだよね?」と煽るような台詞を囁いた。
「……っ、ザシャさんの、意地悪っ……」
「恥じらっているエミリーの姿を見たら少しいじめたくなってしまったようだ。意地悪でごめんね。私は耳をかわいがってあげるから、エミリーは自分で好きなように動かして」
耳元から愉しげなザシャの声が響いてくる。
体が敏感になっているせいか、吐息が耳にかかるだけで体がびくりと跳ねてしまう。
さらに追い打ちをかけるように、熱を帯びた滑ついたものが耳のふちをなぞるように這っていく。
「ぁっ、……耳、やぁっ……」
「小動物みたいに体を震わせて、ほんとうにかわいいな。私はそんなエミリーのことが大好きだよ」
耳元で囁く言葉が直接脳に響いてくるようだ。
擽ったくてもどかしいけど、私の不安を簡単に吹き消してくれる魔法のように感じる。
私は羞恥を感じながらもゆっくりと指先で胸の先端をなぞりはじめた。
「はぁっ……」
「素直でいいこだね。じゃあ私も手伝ってあげる」
彼の満足そうな言葉が響くと、私の手に添えられていたものが動き始め、まるで共同作業のように敏感な場所を責め始めた。
自分の意思とは違うものが同時に動くことで、体が勝手に敏感になっていく。
「ザシャさんっ、これ……気持ちいい」
「それは良かった。もう一つのかわいい飾りがものほしそうにしているみたいだから、こっちは私が愛してあげる」
ザシャは顔を胸元へと移動させて、もう片方の敏感になっている場所に口づけた。
最初はちゅっとリップ音を立てるようにキスで愛撫し、舌先で輪郭をなぞるように刺激を与えてくる。
「ぁっ……、ザシャさん、焦らさないで……」
「でも、エミリーは焦らされるほうが興奮するんじゃない?」
本当にザシャはこういう場面で意地悪になる。
だけど、きっとこの姿は私の前でしか見せないものだ。
その特別感にまたドキドキして、体の中の疼きが大きくなる。
私が懇願するような視線を送っていると、不意にザシャと目が合った。
彼は視線をこちらに向けたまま、口に含んだ突起をまるで飴玉を転がすかのように舐め続ける。
見られているという状況にさらに羞恥を煽られ、昂ぶりから感度も上がっていく。
「はぁっ、んぅっ……」
「そうやって求めるような目で見られると、もっと私のことで頭の中をいっぱいにさせたくなる」
ザシャは欲望に満ちた鋭い瞳を光らせると、口の中で転がしていた突起を深く吸い上げた。
その瞬間ぞくりと背中に電気のような感覚が流れる。
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