王太子の婚約者選考会に代理で参加しただけなので、私を選ばないでください【R18】

Rila

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115.求めて、求められて①※

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「はぁっ、んんっ……!」

 私が誘うように唇を僅かに開けると、直ぐに彼の熱を帯びた舌先が侵入してくる。
 そして私はそれを招き入れるように受け入れ、咥内の中で熱と共に絡ませて深い口付けへと変えていく。

(ザシャさん……、大好きっ!)

 大好きな人の体温を感じて、こんなにも深く愛してもらうことに私は喜びを感じていた。
 そして同じ気持ちを持っていたことに気付くと、ますます彼への思いが募っていく。

(もっと、ザシャさんを感じたい……)

「んぅっ……はぁっ……」

 その感情が先走り、私は夢中で舌先を絡ませていた。
 私の口元からは熱の籠った吐息に混ざり、甘ったるい声が溢れていく。

「こんなにも、エミリーから求めてもらえて嬉しいよ。それだけ、寂しい思いをさせてしまったってことだよな」
「だい、じょうぶっ、いっぱい、補充するっ、からっ……」

 言葉では大丈夫と言っても、やっぱり寂しいものはどうやっても変わらない。
 近くにいるのに会えないことがもどかしくて堪らないし、素直に本音を伝えてしまいたいと何度も考えた。
 彼がこの国の王太子でなければ、こんな思いをすることもなかったかもしれない。
 だけど、私はザシャのことが好きになってしまった。もう、彼以外は考えられないほどに、愛してしまった。

「そうだね。今日は時間が許す限り、エミリーを愛させて」
「……っ」

 ザシャはゆっくりと唇を剥がすと、柔らかく微笑んだ。
 そして私の体を横向きに抱きかかえて、ベッドのほうへ移動していく。
 私は落ちないように、ザシャの首にしっかりと腕を絡みつける。
 というよりは、この移動時間さえも惜しく思えて、出来る限りくっついていたかった。

「今日のエミリーは甘えてきて可愛いな」
「……っ」

 ザシャはそんな私の姿を見て、クスクスと楽しそうに笑っている。
 少し恥ずかしかったけど、否定する気は起きなかった。
 少しでも、彼の傍に居たいという気持ちが伝わって欲しいと思っていたからなんだろう。

「着いたよ。ゆっくり下ろすから、まだ腕を離してはだめだよ」
「……はいっ」

 彼はベッドに私の体を静かに降ろし終えると「もう、いいよ」と言ったのだが、私はそれでも首に巻き付けた腕を離さなかった。
 そのせいで、彼との距離は吐息がかかるほどに近い。

「今日のエミリーは本当に積極的だね。それならば、私も遠慮はしなくていいかな」
「……んぅっ! ……んんっ!!」

 鋭い視線を向けれてぞくりと体を震わせた直後、間髪入れずに唇を塞がれた。
 彼の舌先が直ぐに私の咥内へと入ってきて、乱暴に掻き乱される。
 時折聞こえてくる彼の荒い息遣いを聞いていれば、ザシャがどれだけ興奮しているのかが分かってしまう。

(激しっ……、でも、ザシャさんに求められて嬉しい……)

 私は息苦しさを感じ僅かに顔を顰めるも、舌先を伸ばして彼のそれに絡ませていく。
 お互いの唾液が混ざり合い、まるで媚薬にでも変わったかのように、脳の奥が熱で麻痺していくようだ。
 
「んんっ!」

 絡めとられた舌を深く吸い上げられると、私はさらにくぐもった声を漏らす。
 苦しいはずなのに、それすらも興奮してしまう。
 
 それから暫くすると、ザシャは満足したのかゆっくりと唇を剥がしていった。
 私の口端からは飲み切れなくなった唾液が頬を伝うように垂れていて、彼は舌先を伸ばして綺麗に舐め取ってくれる。

「キスだけで蕩けた顔になったね。だけど、これからだよ。また体中に私のものだという証を残していくから」
「はぁっ……、はいっ……。消えないように」

 私が荒い呼吸を繰り返しながら必死に答えると、ザシャは小さく笑った。

「そうだね。消えないように、深く刻んでいくよ。さすがに今回は見える所には付けられないから、私しか知らない部分に沢山残すことにするよ」
「……はいっ」

 ザシャはそう言うと、私の着ているナイトガウンの紐を解き始める。
 今日は彼が来るとは思っていなかった為、私は下着を身に付けていた。

「あ……、今日はザシャさんが来るとは思っていなくて」
「ふふっ、いいよ。下着姿もなかなか色っぽく見えるからね」

 ザシャはクスッと悪戯っぽっく笑うと、私の胸元に顔を寄せて直ぐに愛撫を始めていく。

「んっ、あのっ……、脱いだほうがいいですか?」
「ごめん、もう待てない。後で脱がすから、今はエミリーのことを味わわせて」

「はぁっ、わかり、ましたっ、んぅっ……」

 貪るかのように肌を吸われ、その度に私は体をびくっと震わせてしまう。
 熱で火照った体は既に薄桃色に染まっていて、みるみるうちに私の体はザシャの付けた痕でいっぱいになる。
 それを確認すると、嬉しさが込み上げてきて顔が緩んでしまいそうだ。

「もう、こんなに尖っているね。ここも愛して欲しい?」
「……っ、分かってるくせに、聞かないでくださいっ」

 彼は少し意地悪そうな顔を浮かべ、ツンと主張するように上を向いている胸の先端の周りを指先でクルクルとなぞりながら問いかけてくる。
 私はムッとした顔で恥ずかしそうに答えた。

「愚問だったね」
「……ぁあっ!」

 彼は焦らすことなく、直ぐにそれを口に咥えた。
 もう片方は指先で挟み、上に引っ張られる。
 昂っていた今の私の体にはそれがとても敏感に伝わり、甲高い声を室内に響かせてしまう。

「この声を聞くのも少し懐かしいな。エミリー、沢山その可愛らしい声を私に聞かせて」
「はぁっ、や、ぁっ……そんなにきつく……ぁあっ!」

 彼は煽るかのように、咥内に含んだ突起をきつく吸い上げる。
 全身に痺れるような快感が流れ、私は体をびくびくと震わせていた。

「嫌ではないよね。そんなに嬉しそうに体を反応させて」
「ぁっ……、すごく、気持ち、いいっ……、もっと、してっ……」

 以前の感覚を思い出してきたせいか、もっと強い刺激が欲しくなる。
 それはこの感覚を忘れたく無いと、体全身で訴えていたのかもしれない。
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