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100.眠れない夜①
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「はぁ……」
就寝するためにベッドの中に潜り込んだものの、一向に眠れる気配はない。
出てくるのはため息ばかり。
アイロスが傍にいてくれると言っていたので不安は幾分か消えたが、それを生かすも殺すも私次第であることには変わりない。
一度目は突然だったので、多めに見てもらえるのかもしれない。
だけど次に会った時にまた失敗してしまったら……。
この程度の人間なのだと思われ、確実に幻滅されるだろう。
ザシャがこの国の王太子であることを知った上で、私は傍にいることを望んだ。
その人間の隣に立つと言うことが、どれ程重大な意味を持つことなのか、多分私は全てを理解していないだろう。
だけど大変であることは間違いないはずだ。
自分が周囲から望まれていないことは、最初から分かっている。
だけど信じられないことに、こんな田舎令嬢のために多くの者達が力を貸してくれている。
だからこそ、その努力を無駄にはさせられない。
私が本当に恐れているのは、王妃に認めてもらえないことではない。
傍にいる者達の期待を裏切り、失望されるのが何よりも怖い。
(大丈夫。アイロスさんが付いていてくれるし、私がもし失敗してもきっと……違う。それじゃだめだわ)
最初から助けを当てにしていては、間違いなく失敗する。
弱気になってはいけないと分かっていても、不安のせいで嫌な方にばかり考えがいってしまう。
(不安に思うのは、努力が足りてないからなのかも。もっと頑張って自信をつけなきゃっ……!)
興奮してきたせいか居ても立ってもいられなくなり、私はガバッと勢い良く上半身を起こし布団から出た。
寝台の横に置かれている燭台を手に取ると、明かりを頼りに薄暗い室内をゆっくりと歩き出した。
文机の前までたどり着くと、燭台を置いて椅子に腰掛ける。
冷え切っている椅子に体温を一気に奪われ、ぞくりと体を震わせてしまう。
「冷たっ……」
蝋燭の明かりが形を変えるように揺らぎ、辺りを優しい光で包んでいる。
昼間とは全く違う別空間に居るような気がして、なんだかわくわくしてきてしまう。
「深夜に勉強するのもたまには良いのかも。だけど少し寒いわね。なにか羽織るものが欲しいかも」
肌寒さを感じ再び立ち上がると、室内をきょろきょろと見渡した。
辺りは薄暗くてあまり良くは見えないが、ソファーの上に膝掛けをおいていたことを思い出した。
私は何も持たずにソファーの方へと移動する。
ソファーの傍へと移動したが、辺りは真っ暗で何も見えない。
この部屋がとてつもなく広いことを私は忘れていた。
だけど再び燭台を取りに戻るのは面倒だと思い、手探りで周囲に触り始めた。
そんな時、奥の方でガチャと扉が響く音が聞こえた。
(……え?)
私は驚いて視線を扉の方へと向けた。
だけど室内が薄暗いせいで誰が来たのかは分からない。
今日はザシャが来る日でもないし、こんな夜更けにエラが入ってくることも考えにくい。
黙ったまま音の方角に視線を向けて耳を澄ましていると、コツコツと鳴り響く靴音が突然ぴたりと止んだ。
「誰だ」
突然鋭い声が室内に響く。
私は一瞬ビクッと体を震わせてしまうが、その声はすごく聞き覚えのあるものだった。
「ザシャ、さん?」
「……エミリーか?」
私がザシャの名前を呼ぶと、戸惑った声が返ってくる。
暗闇の中にいる人物が誰なのか特定出来ると、ほっとして肩を下ろした。
(びっくりした。でも今日は来ない日なのに、どうしたんだろう)
「こんな夜更けに、何をしているの?」
「あ……、ちょっと捜し物をしてて」
私が思い出したかのように答えると、ザシャは私の方へと近づいてきた。
そして目の前まで来たかと思うと、そのまま強く抱きしめられ私は動揺してしまう。
「ど、どうしたんですか?」
「うん……、少しだけこうさせて」
私は不思議に思いながらも、ザシャの背中に手を回した。
重なった部分からは温もりを感じて、それがとても心地いい。
私は暗がりの中、嬉しそうに目を閉じた。
(ザシャさん、温かくて気持ちいい……)
ずっとこうしていたいなと考えていたところで、ゆっくりと体を引き剥がされる。
そして突然ふわっと体が浮き上がり、私は慌てるようにザシャの首に掴まった。
「わっ……」
「薄暗いから捜し物は明日にした方が良いよ。それに少し体が冷えているようだ。ベッドに戻ろうか」
「捜し物って言うか、膝掛けを取りに来ただけなんです」
「膝掛け?」
ザシャは私をベッドに下ろすと隣に座り、不思議そうな声で問いかけてきた。
思わず口に出してしまったが、王妃のことはザシャには黙っているように言われている。
なので言い訳を頭の中で必死に考えていた。
「えっと……、ちょっと目が冴えちゃって。眠れなかったから、少し本を読もうと思っていたんです」
私は戸惑いながらぎこちない口調で答える。
先程燭台を移動したので生憎ここには照明が無く、きっと私の表情をはっきりと確認することは出来ないはずだ。
ザシャは文机の方から光が漏れていることに気付き、視線を傾けた。
「エミリーは昼間しっかりと教育を受けているはずだ。夜まで頑張らなくても大丈夫だよ。それに最近少し肌寒くなってきたから、遅くまで起きていたら夜冷えして体にも良くないよ」
「で、でも、ザシャさんだっていつも遅くまで執務をされてますよね?」
「私はこういう生活に慣れているからね」
「……っ」
ザシャは候補者達と過ごした後に、夜遅くまで執務を熟している。
私はというと、ここに来てからまだ日も浅く、最近やっとこの生活に馴染めたと言ったところだ。
漸くスタートラインに立てたが、このままの状態で過ごしていても、ザシャの隣に並ぶまでは相当な時間がかかってしまう気がする。
それどころかザシャはどんどん凄い人になっていき、私は追いつくことが出来るのか不安に感じていた。
ザシャの隣に立つと言うことは、並大抵の努力では全然足りないわけで。
私なんて最初から出遅れているのに、このままの状態でいたら追いつけるどころか、差がどんどん広まっていくばかりだ。
私のことを応援してくれている人達の思いに答えたいし、ザシャに認めて貰えるような人になりたい。
以前ザシャの前で助けになりたいと語ってしまったが、このままだと口先だけで終わってしまう。
頭の中ではこうなりたいという理想像を持っているが、現実は程遠く簡単に思い通りにはしてくれない。
私が黙って俯いていると、大きな手が頭に触れて優しく髪を撫でてくれた。
「何か心配事があるのなら話して。私はいつだってエミリーの味方だ」
「……っ」
優しい声に胸の奥が揺さぶられる。
私がこの話をすれば、きっとザシャは『このままでいいよ』と言ってくれそうな気がする。
だけどそれだといつまで経っても私はザシャには追いつけない。
本当のことを言えば困らせてしまうかも知れない。
(もう、どうしたらいいの)
頭の中がぐちゃぐちゃになり、迷いから何を話していいのか分からなくて黙り込んでしまう。
就寝するためにベッドの中に潜り込んだものの、一向に眠れる気配はない。
出てくるのはため息ばかり。
アイロスが傍にいてくれると言っていたので不安は幾分か消えたが、それを生かすも殺すも私次第であることには変わりない。
一度目は突然だったので、多めに見てもらえるのかもしれない。
だけど次に会った時にまた失敗してしまったら……。
この程度の人間なのだと思われ、確実に幻滅されるだろう。
ザシャがこの国の王太子であることを知った上で、私は傍にいることを望んだ。
その人間の隣に立つと言うことが、どれ程重大な意味を持つことなのか、多分私は全てを理解していないだろう。
だけど大変であることは間違いないはずだ。
自分が周囲から望まれていないことは、最初から分かっている。
だけど信じられないことに、こんな田舎令嬢のために多くの者達が力を貸してくれている。
だからこそ、その努力を無駄にはさせられない。
私が本当に恐れているのは、王妃に認めてもらえないことではない。
傍にいる者達の期待を裏切り、失望されるのが何よりも怖い。
(大丈夫。アイロスさんが付いていてくれるし、私がもし失敗してもきっと……違う。それじゃだめだわ)
最初から助けを当てにしていては、間違いなく失敗する。
弱気になってはいけないと分かっていても、不安のせいで嫌な方にばかり考えがいってしまう。
(不安に思うのは、努力が足りてないからなのかも。もっと頑張って自信をつけなきゃっ……!)
興奮してきたせいか居ても立ってもいられなくなり、私はガバッと勢い良く上半身を起こし布団から出た。
寝台の横に置かれている燭台を手に取ると、明かりを頼りに薄暗い室内をゆっくりと歩き出した。
文机の前までたどり着くと、燭台を置いて椅子に腰掛ける。
冷え切っている椅子に体温を一気に奪われ、ぞくりと体を震わせてしまう。
「冷たっ……」
蝋燭の明かりが形を変えるように揺らぎ、辺りを優しい光で包んでいる。
昼間とは全く違う別空間に居るような気がして、なんだかわくわくしてきてしまう。
「深夜に勉強するのもたまには良いのかも。だけど少し寒いわね。なにか羽織るものが欲しいかも」
肌寒さを感じ再び立ち上がると、室内をきょろきょろと見渡した。
辺りは薄暗くてあまり良くは見えないが、ソファーの上に膝掛けをおいていたことを思い出した。
私は何も持たずにソファーの方へと移動する。
ソファーの傍へと移動したが、辺りは真っ暗で何も見えない。
この部屋がとてつもなく広いことを私は忘れていた。
だけど再び燭台を取りに戻るのは面倒だと思い、手探りで周囲に触り始めた。
そんな時、奥の方でガチャと扉が響く音が聞こえた。
(……え?)
私は驚いて視線を扉の方へと向けた。
だけど室内が薄暗いせいで誰が来たのかは分からない。
今日はザシャが来る日でもないし、こんな夜更けにエラが入ってくることも考えにくい。
黙ったまま音の方角に視線を向けて耳を澄ましていると、コツコツと鳴り響く靴音が突然ぴたりと止んだ。
「誰だ」
突然鋭い声が室内に響く。
私は一瞬ビクッと体を震わせてしまうが、その声はすごく聞き覚えのあるものだった。
「ザシャ、さん?」
「……エミリーか?」
私がザシャの名前を呼ぶと、戸惑った声が返ってくる。
暗闇の中にいる人物が誰なのか特定出来ると、ほっとして肩を下ろした。
(びっくりした。でも今日は来ない日なのに、どうしたんだろう)
「こんな夜更けに、何をしているの?」
「あ……、ちょっと捜し物をしてて」
私が思い出したかのように答えると、ザシャは私の方へと近づいてきた。
そして目の前まで来たかと思うと、そのまま強く抱きしめられ私は動揺してしまう。
「ど、どうしたんですか?」
「うん……、少しだけこうさせて」
私は不思議に思いながらも、ザシャの背中に手を回した。
重なった部分からは温もりを感じて、それがとても心地いい。
私は暗がりの中、嬉しそうに目を閉じた。
(ザシャさん、温かくて気持ちいい……)
ずっとこうしていたいなと考えていたところで、ゆっくりと体を引き剥がされる。
そして突然ふわっと体が浮き上がり、私は慌てるようにザシャの首に掴まった。
「わっ……」
「薄暗いから捜し物は明日にした方が良いよ。それに少し体が冷えているようだ。ベッドに戻ろうか」
「捜し物って言うか、膝掛けを取りに来ただけなんです」
「膝掛け?」
ザシャは私をベッドに下ろすと隣に座り、不思議そうな声で問いかけてきた。
思わず口に出してしまったが、王妃のことはザシャには黙っているように言われている。
なので言い訳を頭の中で必死に考えていた。
「えっと……、ちょっと目が冴えちゃって。眠れなかったから、少し本を読もうと思っていたんです」
私は戸惑いながらぎこちない口調で答える。
先程燭台を移動したので生憎ここには照明が無く、きっと私の表情をはっきりと確認することは出来ないはずだ。
ザシャは文机の方から光が漏れていることに気付き、視線を傾けた。
「エミリーは昼間しっかりと教育を受けているはずだ。夜まで頑張らなくても大丈夫だよ。それに最近少し肌寒くなってきたから、遅くまで起きていたら夜冷えして体にも良くないよ」
「で、でも、ザシャさんだっていつも遅くまで執務をされてますよね?」
「私はこういう生活に慣れているからね」
「……っ」
ザシャは候補者達と過ごした後に、夜遅くまで執務を熟している。
私はというと、ここに来てからまだ日も浅く、最近やっとこの生活に馴染めたと言ったところだ。
漸くスタートラインに立てたが、このままの状態で過ごしていても、ザシャの隣に並ぶまでは相当な時間がかかってしまう気がする。
それどころかザシャはどんどん凄い人になっていき、私は追いつくことが出来るのか不安に感じていた。
ザシャの隣に立つと言うことは、並大抵の努力では全然足りないわけで。
私なんて最初から出遅れているのに、このままの状態でいたら追いつけるどころか、差がどんどん広まっていくばかりだ。
私のことを応援してくれている人達の思いに答えたいし、ザシャに認めて貰えるような人になりたい。
以前ザシャの前で助けになりたいと語ってしまったが、このままだと口先だけで終わってしまう。
頭の中ではこうなりたいという理想像を持っているが、現実は程遠く簡単に思い通りにはしてくれない。
私が黙って俯いていると、大きな手が頭に触れて優しく髪を撫でてくれた。
「何か心配事があるのなら話して。私はいつだってエミリーの味方だ」
「……っ」
優しい声に胸の奥が揺さぶられる。
私がこの話をすれば、きっとザシャは『このままでいいよ』と言ってくれそうな気がする。
だけどそれだといつまで経っても私はザシャには追いつけない。
本当のことを言えば困らせてしまうかも知れない。
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