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98.報告-sideザシャ-
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「本日、エミリーの私室に王妃様が訪れました」
「…………!」
執務机の前に座りながら、淡々と喋るアイロスの報告をいつものように聞いていた。
突然王妃の名前が出てきて、私は驚いて顔を上げる。
「王妃であることは伏せていたようです。そして私にはザシャ様には報告しないようにと告げられました」
「…………」
顔色を一つも変えずに続けるアイロスの顔を眺めながら、頭の奥で考えを巡らす。
「会いに来た理由は聞いているか?」
「直接は言っていませんでしたが、恐らくエミリーが相応しい人間か探るためではないかと。ちなみにシルフィーナ・ロードと名乗っておりました」
「旧姓を名乗ったのか。アイロスが来ればすぐに分かることなのにな」
「俺がいない時間を狙った可能性はあります。傍にはアンナが付いていたので、エミリーの一日の行動は既に把握していたのでしょう」
「たしかに、アンナは暫くの間ではあったがエミリーの側に付いていた人間だからな。しかし母上はアイロスの性格を良く知っているから、私に報告するのも分かっているいるだろうな。アイロスは母上から命じられたのに、私に伝えてしまって良かったのか?」
「俺の主はザシャ様です」
アイロスは本当に忠実な従者だ。
だからこそ誰よりも信頼を置いている。
「報告感謝するよ。それで、その時のエミリーは反応はどうだった?」
「俺が正体を告げたらかなり動揺していました。あいつらしいと言うか、終わったことを今更焦ったところで無意味だと言うのに」
「そうか。驚いた顔が容易に想像出来るな」
思わず頭の中に、戸惑った顔をしているエミリーの姿を描いてしまい苦笑する。
(今でもエミリーは気にしていそうだな。後で様子を見に行ってみようか)
「きっと私が報告をしにいったから、母上は気になって会いに行ったのだろう。あの人は好奇心が旺盛だからな」
「報告?」
「先日、陛下と王妃にエミリーを婚約者に迎えると伝えたんだ」
「……!」
「その件については、特に反対される事も無く受け入れて貰えたよ」
選ぶ権利は最初から私に与えられていた。
候補選びの時点で、全員陛下には認められている令嬢だったのだろう。
エミリーはここから離れている田舎町の令嬢で、男爵家と爵位も低い。
しかしヴィアレット家には隠されている逸話がある。
この話はその時に陛下から聞かされた。
ヴィアレット家は代々妖精の森を管理している。
妖精が存在することは、王宮に保管されている古書にも記載されているそうだ。
そして守り主は妖精の加護を生まれながらに受けている。
恐らく娘として生まれてきたエミリーや、姉のレイラにもその加護がかけられているのだろう。
その加護は天災や、疫病を寄せ付けないと言われている。
この話は報告をしにいった際に陛下から直接聞かされた話で、私もヴィアレット家にそんな秘密があるなんてこの時までは知らなかった。
私は違う理由でヴィアレット家の令嬢を候補にいれたのだが、受け入れられた理由はヴィアレット家という名だったのかもしれない。
このことは陛下から、他言無用にすることを命じられた。
勿論アイロスにも話せないことだ。
ヴィアレット家の秘密を世間に広げないために、王族の中でも限られた人間しか知り得ない極秘情報のようだ。
恐らくエミリーもこの話は聞かされていないような気がする。
「失礼ですが、本当に何も反対されなかったのですか?」
アイロスは戸惑った顔で問い返してきた。
驚くのは無理もない。
爵位的に見れば一番下であり、エミリーは私の意思で後から候補に入れた令嬢だ。
これらの理由から、すんなり決まるはずが無いとアイロスは思ったのだろう。
「陛下は最初から誰を選んでも構わないと思っていたようだ。それにエミリーの努力も上に伝わっているようだからね。アイロスには本当に感謝しているよ」
「いえ、俺は別に……」
「だけどね、それとは別に大きな問題が出来た」
「問題ですか?それはどんな」
これが最大の悩みの種だった。
思い出すだけで深いため息が漏れてきてしまう。
「陛下は側室も迎えるようにと言ってきたんだ。私にはそのつもりはないと伝えたんだけどね」
「……それは、体裁を気にしているということですか?」
「どうやらそのようだ。男爵家の令嬢が選ばれたとなると、他の貴族連中からは不満が上がるだろうからね。ぎりぎりまでエミリーが婚約者になることは伏せておくつもりなのだろう」
「そんな……」
今回の婚約者選びで二名を選ぶ。
どちらかは側室候補にすると同時に発表すれば、周囲は間違いなくエミリーだと思うだろう。
この件においては、カトリナからは既に辞退したいという意向を聞いている。
エミリーの指導を見て貰う際に条件として、自分を婚約者からも側室候補からも外すようにと言われ、私はそれを受け入れた。
そうなると残るはユリアとシルヴィアの二人になる。
恐らく家柄や貴族の後ろ盾を多く持つ、シルヴィアが選ばれることになるだろう。
私は勿論受け入れるつもりは無い。
こんなことをすれば、エミリーを不安にさせてしまう。
誰よりも大切な人を悲しませるような事は決してしたくないし、させない。
この件は私の方で必ずなんとかする。
「きっと選ばれるのはシルヴィアだろうね」
「……ザシャ様はそれを受け入れるおつもりですか?」
「まさか。受け入れるつもりなんてないよ。私に必要なのはエミリーだけだからね」
「その言葉を聞いて安心しました」
アイロスはほっとしたように小さく呟いた。
意外な言葉に私は少し驚いてしまった。
「アイロスはそれで構わないの?あんなにもシルヴィアを傍に置こうとしていたのに」
「たしかにシルヴィアが選ばれたら、兄として安心出来ます。シルヴィアもあの家から出れて幸せになれるかもしれない。だけど……、あいつが悲しむのは間違いない。もしここでザシャ様が素直に受け入れていたら、俺が強引にでも奪い取っていたかもしれません」
私は目を細め、アイロスのことをじっと鋭い視線で捉えていた。
いつも私に忠実なアイロスが、こんなことを言うなんて正直驚いている。
それ程までにアイロスもエミリーのことを思っているのだろうか。
そう思うと自然と敵対心が生まれてきてしまう。
エミリーに関しては独占欲も人並みには持っているし、嫉妬心を感じてしまうこともある。
アイロスがエミリーに惹かれていることは以前から気付いていた。
だからつい威嚇するような瞳を向けてしまう。
「エミリーは誰にも渡さないよ。勿論アイロスにもね」
「分かっています。二人が深く思い合っていることも……。だからこそ俺は二人が結ばれることを願っています」
「アイロスはそれでいいの?」
「俺はあいつの一番の従者ですから。エミリーの力になってやらないと」
アイロスの言葉を聞いて、私の口元からは「ははっ」と小さく声が漏れた。
本当に良く出来た従者だ。
アイロスはどんな思いでこんなことを言っているのか。
きっと悔しいはずだ。
だけどそれでも、その事実を受け入れてくれた。
私達の幸せを願ってくれている。
(こんなことを言われたからには、私も本気で動かないとな。大切な二人を裏切るようなことは絶対にさせない……!)
「また忙しくなりそうだけど、アイロスのおかげでやる気になったよ」
「俺も出来る限り協力します」
「ありがとう、アイロス」
「…………!」
執務机の前に座りながら、淡々と喋るアイロスの報告をいつものように聞いていた。
突然王妃の名前が出てきて、私は驚いて顔を上げる。
「王妃であることは伏せていたようです。そして私にはザシャ様には報告しないようにと告げられました」
「…………」
顔色を一つも変えずに続けるアイロスの顔を眺めながら、頭の奥で考えを巡らす。
「会いに来た理由は聞いているか?」
「直接は言っていませんでしたが、恐らくエミリーが相応しい人間か探るためではないかと。ちなみにシルフィーナ・ロードと名乗っておりました」
「旧姓を名乗ったのか。アイロスが来ればすぐに分かることなのにな」
「俺がいない時間を狙った可能性はあります。傍にはアンナが付いていたので、エミリーの一日の行動は既に把握していたのでしょう」
「たしかに、アンナは暫くの間ではあったがエミリーの側に付いていた人間だからな。しかし母上はアイロスの性格を良く知っているから、私に報告するのも分かっているいるだろうな。アイロスは母上から命じられたのに、私に伝えてしまって良かったのか?」
「俺の主はザシャ様です」
アイロスは本当に忠実な従者だ。
だからこそ誰よりも信頼を置いている。
「報告感謝するよ。それで、その時のエミリーは反応はどうだった?」
「俺が正体を告げたらかなり動揺していました。あいつらしいと言うか、終わったことを今更焦ったところで無意味だと言うのに」
「そうか。驚いた顔が容易に想像出来るな」
思わず頭の中に、戸惑った顔をしているエミリーの姿を描いてしまい苦笑する。
(今でもエミリーは気にしていそうだな。後で様子を見に行ってみようか)
「きっと私が報告をしにいったから、母上は気になって会いに行ったのだろう。あの人は好奇心が旺盛だからな」
「報告?」
「先日、陛下と王妃にエミリーを婚約者に迎えると伝えたんだ」
「……!」
「その件については、特に反対される事も無く受け入れて貰えたよ」
選ぶ権利は最初から私に与えられていた。
候補選びの時点で、全員陛下には認められている令嬢だったのだろう。
エミリーはここから離れている田舎町の令嬢で、男爵家と爵位も低い。
しかしヴィアレット家には隠されている逸話がある。
この話はその時に陛下から聞かされた。
ヴィアレット家は代々妖精の森を管理している。
妖精が存在することは、王宮に保管されている古書にも記載されているそうだ。
そして守り主は妖精の加護を生まれながらに受けている。
恐らく娘として生まれてきたエミリーや、姉のレイラにもその加護がかけられているのだろう。
その加護は天災や、疫病を寄せ付けないと言われている。
この話は報告をしにいった際に陛下から直接聞かされた話で、私もヴィアレット家にそんな秘密があるなんてこの時までは知らなかった。
私は違う理由でヴィアレット家の令嬢を候補にいれたのだが、受け入れられた理由はヴィアレット家という名だったのかもしれない。
このことは陛下から、他言無用にすることを命じられた。
勿論アイロスにも話せないことだ。
ヴィアレット家の秘密を世間に広げないために、王族の中でも限られた人間しか知り得ない極秘情報のようだ。
恐らくエミリーもこの話は聞かされていないような気がする。
「失礼ですが、本当に何も反対されなかったのですか?」
アイロスは戸惑った顔で問い返してきた。
驚くのは無理もない。
爵位的に見れば一番下であり、エミリーは私の意思で後から候補に入れた令嬢だ。
これらの理由から、すんなり決まるはずが無いとアイロスは思ったのだろう。
「陛下は最初から誰を選んでも構わないと思っていたようだ。それにエミリーの努力も上に伝わっているようだからね。アイロスには本当に感謝しているよ」
「いえ、俺は別に……」
「だけどね、それとは別に大きな問題が出来た」
「問題ですか?それはどんな」
これが最大の悩みの種だった。
思い出すだけで深いため息が漏れてきてしまう。
「陛下は側室も迎えるようにと言ってきたんだ。私にはそのつもりはないと伝えたんだけどね」
「……それは、体裁を気にしているということですか?」
「どうやらそのようだ。男爵家の令嬢が選ばれたとなると、他の貴族連中からは不満が上がるだろうからね。ぎりぎりまでエミリーが婚約者になることは伏せておくつもりなのだろう」
「そんな……」
今回の婚約者選びで二名を選ぶ。
どちらかは側室候補にすると同時に発表すれば、周囲は間違いなくエミリーだと思うだろう。
この件においては、カトリナからは既に辞退したいという意向を聞いている。
エミリーの指導を見て貰う際に条件として、自分を婚約者からも側室候補からも外すようにと言われ、私はそれを受け入れた。
そうなると残るはユリアとシルヴィアの二人になる。
恐らく家柄や貴族の後ろ盾を多く持つ、シルヴィアが選ばれることになるだろう。
私は勿論受け入れるつもりは無い。
こんなことをすれば、エミリーを不安にさせてしまう。
誰よりも大切な人を悲しませるような事は決してしたくないし、させない。
この件は私の方で必ずなんとかする。
「きっと選ばれるのはシルヴィアだろうね」
「……ザシャ様はそれを受け入れるおつもりですか?」
「まさか。受け入れるつもりなんてないよ。私に必要なのはエミリーだけだからね」
「その言葉を聞いて安心しました」
アイロスはほっとしたように小さく呟いた。
意外な言葉に私は少し驚いてしまった。
「アイロスはそれで構わないの?あんなにもシルヴィアを傍に置こうとしていたのに」
「たしかにシルヴィアが選ばれたら、兄として安心出来ます。シルヴィアもあの家から出れて幸せになれるかもしれない。だけど……、あいつが悲しむのは間違いない。もしここでザシャ様が素直に受け入れていたら、俺が強引にでも奪い取っていたかもしれません」
私は目を細め、アイロスのことをじっと鋭い視線で捉えていた。
いつも私に忠実なアイロスが、こんなことを言うなんて正直驚いている。
それ程までにアイロスもエミリーのことを思っているのだろうか。
そう思うと自然と敵対心が生まれてきてしまう。
エミリーに関しては独占欲も人並みには持っているし、嫉妬心を感じてしまうこともある。
アイロスがエミリーに惹かれていることは以前から気付いていた。
だからつい威嚇するような瞳を向けてしまう。
「エミリーは誰にも渡さないよ。勿論アイロスにもね」
「分かっています。二人が深く思い合っていることも……。だからこそ俺は二人が結ばれることを願っています」
「アイロスはそれでいいの?」
「俺はあいつの一番の従者ですから。エミリーの力になってやらないと」
アイロスの言葉を聞いて、私の口元からは「ははっ」と小さく声が漏れた。
本当に良く出来た従者だ。
アイロスはどんな思いでこんなことを言っているのか。
きっと悔しいはずだ。
だけどそれでも、その事実を受け入れてくれた。
私達の幸せを願ってくれている。
(こんなことを言われたからには、私も本気で動かないとな。大切な二人を裏切るようなことは絶対にさせない……!)
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「ありがとう、アイロス」
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