王太子の婚約者選考会に代理で参加しただけなので、私を選ばないでください【R18】

Rila

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67.甘い時間①※

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それからゆっくりと食事を取り、食べ終わると私達はソファーでゆったりと寛いでいた。
ザシャの足の間に座らされ、後ろからすっぽりと抱きしめられる様な体勢でいるせいか、寛いでいるはずなのに緊張からドキドキと鳴る鼓動が止むことは無かった。

「エミリー…、どうしたの?随分鼓動が速いな」
「…そ、そんなことないですっ」
密着した体勢で座っている為、私がどれだけドキドキしているのかも全て伝わってしまう様だった。
だけど口に出して言われる事が恥ずかしくて、私は咄嗟に否定をしてしまうと、ザシャはクスッと小さく笑った。

「そう?…それなら、エミリーが少しでも落ち着ける様にしてあげようかな」
「え…?」
私が慌てて顔を後ろに向けると、思った以上に距離が近くて更に鼓動は早くなってしまう。

「そんな心配そうな顔をしないで大丈夫だよ。私の方に体重を預けて良いから寄り掛かる様にしていて…」
「わかりました…」
ザシャは優しい声で呟くと、そっと私の額に口付けた。
そして私は顔を前に戻し、背中をザシャに預ける様に座った。

ザシャの片手は私の腰にしっかりと巻き付いていて、まるで逃がさないと言われている様な気分だった。
そして体はぴったりとくっついていて、背中からザシャの体温が伝わってくると同時に、鼓動の音まで響いて来て更に私はドキドキしてしまう。

(ザシャさん…、何をするつもりなんだろう…)

「日頃エミリーが頑張っているから、今日は沢山甘やかせてあげるよ。意地悪もエミリーにはご褒美になってしまうけど、こういうのもたまには良いかと思ってね…」
こんな体勢でいるせいかザシャの声が耳元から響いて来て、時折息がかかる度に擽ったくてピクっと反応させてしまう。

「ふふっ、エミリーは相変わらず可愛い反応をするね。まだ少し緊張しているみたいだから、緩めてあげないとね…」
「……ぁっ…耳だめっ…」
ザシャは私の耳の奥に向けてふーっと息を吹きかけて来た。
その瞬間ぞくっと体を跳ねさせてしまう。

「ダメじゃないよね?気持ち良さそうな声、漏れて来ているよ」
「はぁっ……っ…やぁっ…」
ザシャの熱くなった舌が、私の耳朶を捉えると這うように滑っていく。
その度に体の奥がぞわぞわとし始め、逃げようと身を捩ってみるも、腰をしっかりと抑えられてしまっている為逃げることは出来ない。

「エミリー、逃げようとしないで…。こうされるの好きだろう?ここには私とエミリーしかいないのだから、可愛い声を響かせても大丈夫だよ」
「はぁっ…ザシャさん…の、意地悪っ……」

「ふふっ、だけどエミリーはこうされて内心喜んでいるよね…?私の腕をさっきからぎゅっと掴んできて可愛らしいね。次はどうされたい?エミリーがして欲しい事、してあげるよ」
「……はぁっ……っ…」
ザシャは私の耳元で吐息交じりに艶っぽい声で囁いて来る。
まるで私の事を惑わす様に…。

「どうしたの…?恥ずかしくて言えないのかな?」
「……っ…」
私が黙っていると更にザシャは煽る様に、熱い吐息交じりの声で囁いて来る。

きっと私がどうして欲しいかなんて、分かった上で聞いて来ているのだろう。
私も徐々に体の奥がじわじわと昂って来て、ザシャの腕を掴むと熱くなって疼いている中心に移動させた。

「ザシャさん……ここ…」
「ん?ここをどうして欲しいの?」
ザシャは小さく笑うと、布越しに私の入口の割れ目を指でゆっくりとなぞりはじめた。

「ぁっ…ん…」
「少し耳を舐めただけなのに、もうこんなに濡らして…。本当にエミリーの体は素直だね、だけどここを撫でているだけでエミリーは満足出来るのかな?」
私はその言葉に弱弱しく首を横に振った。
布越しに触れられると焦らされているみたいで、更に中心は熱を持ち疼き始める。

「お願い…、もっと…」
「もっといじめて欲しい?」
その言葉を聞くと恥ずかしさから顔の奥が熱くなっていくのを感じたが、小さく頷いた。
もうこんな刺激だけじゃ我慢出来なくなっていたからだ。

「ふふっ、そうやって恥ずかしがりながらも快楽には従順な所…エミリーらしくて愛らしいな。あんまり意地悪してしまうのも可哀そうだから、気持ち良くさせてあげるよ」
ザシャの言葉を聞いて胸が高鳴っていると、ザシャは「足をもう少し開ける?」と聞いて来たので私が頷くと、ソファーの上に足を乗せてゆっくりと左右に開いた。

「背中は私に預けたままでいいから、エミリーはゆったりと力を抜いていて…」
「…はい」
ザシャはそう言うと、下着をずらして直接割れ目に指を這わせていく。
少し触れられただけなのに、擦られるとくちゅといやらしい音が室内に響き渡る。

「すごいな、もうこんなに濡らしていたのか…。一体いつからこんなにしていたんだろうね…?本当にいやらしい体だな…」
「ぁっ…んっ…はぁっ……」
入口をなぞっていたザシャの指がゆっくりと中に魅入られる様に沈められていく。
浅い所を軽く掻き混ぜられるだけで、気持ち良くて私は体を揺らしてしまう。

「私の指を嬉しそうに飲み込んで、随分と気持ち良さそうだな…」
「はぁっ…気持ちいいっ……ぁっ…ぁあっ…、ザシャさん…好きっ…」

「ふふっ、エミリーは気持ち良くなると直ぐに好きだと言ってくれるね。もっと堕としてしまいたくなるな…」
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