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55.三人でお茶会③
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長い廊下を抜けると、庭の入り口へと入っていく。
私の身長よりも高い生垣が綺麗に整えられていて、まるで芸術品のように見える。
奥には色とりどりの鮮やかな薔薇が咲いているせいか、良い香りが鼻につき、本来ならば私の心は落ち着いていたことだろう。
しかし今の私はザシャに横向きに抱きかかえられている為、鼓動はずっと早いままで落ち着きなど無縁だった。
「ザシャさん、庭園が見えてきたのでそろそろ下ろしてくださいっ…」
「まだダメだよ、ちゃんと着いたら下ろしてあげるから…大人しく私に運ばれていて…」
庭園が見え始めて来たので私は声を掛けてみたが、即答で却下されてしまった。
(朝…あんな場面をアイロスさんに見られて…更に抱っこされてる所を見られたら…絶対後で何か言われてしまうわ…)
「………」
「恥ずかしい…?でもこうしていると、エミリーが本当に私のものみたいに思えない…?」
「……っ…」
「大事なものだからこそ、手の届くところにおいておきたい。それに抱きしめている状態に近いから、こうしていると色々と便利なんだよ…?」
「便利…?」
「エミリーの体温を感じられるし、表情もすぐに確認出来る。そしてキスだって簡単に出来てしまいそうだ…」
ザシャの言葉に私は顔を真っ赤に染めてしまう。
(いきなり…何を言い出すのっ…!?)
きっと私の体温が上がってることも、鼓動が早くなっていることも、全てザシャには筒抜けなのだろう。
そう思うと恥ずかしくて余計にドキドキしてしまう。
「……っ…!!」
「ふふっ、顔を真っ赤にさせて…可愛いな」
ザシャは楽しそうに笑い「それに耳も簡単にいじめられるね」と耳元で囁いてきた。
「ひぁっ……!?も…もう、からかわないでくださいっ…」
「ごめんね…、エミリーが可愛い反応をするからつい…ね。残念だけど…もう到着してしまったみたいだな…。もう少しエミリーの反応を見ていたかったけど…仕方ないね」
ザシャの言葉を聞き、視線を奥の方に向けると、そこにはお茶の準備をしているアイロスの姿があった。
(アイロスさんって本当に何でも出来るのね…。本当にあの人…すごいな)
私達がアイロスに視線を向けていると、アイロスも気付いたのか、こちらに視線を移した。
そして僅かに眉間に皺を寄せている様に見える。
私はそのアイロスの表情を見て苦笑した。
(やっぱり…その反応…よね…。だって仕方ないじゃないっ…!ザシャさんが下ろしてくれないんだからっ…)
「ザシャさん…下ろしてくださいっ…。到着しました」
「そうだね、ゆっくり下ろすから足が着くまではしっかり私に捕まっていてね…」
私が恥ずかしそうに頷くと、ザシャは漸く私を解放してくれた。
「ザシャ様…、少しエミリーを甘やかし過ぎではありませんか…?」
「そう…?だけど…エミリーは私に取って大事な女性だからね。大切にするのは当然の事だよ…」
アイロスが困った様に問いかけると、ザシャは当然の様にさらりと答えた。
私はその言葉を聞いて恥ずかしくなり、顔を俯かせてしまう。
(アイロスさんの前で…そんなこと…言わないでっ……、嬉しいけど…恥ずかしいわ…)
「エミリー…」
「は、はいっ…!」
そんな時、突然名前を呼ばれてしまい、私は思わず声を張り上げて答えてしまった。
そんな私の態度を見ていたザシャは可笑しそうに小さく笑い、アイロスは呆れた顔をしていた。
「いつまでも立っていたら、折角のお茶会が始められないから座ろうか…」
そう言ってザシャは椅子を引いてくれて、私のことを座らせてくれた。
「あ、ありがとうございますっ…」
「それじゃあ…早速お茶会を始めようか。お菓子も色々と揃えたから、気に入って貰えたら良いんだけどね…」
丸形のテーブルの上には色とりどりの可愛らしいお菓子が沢山並んでいた。
一際目立っているのは、中央に置かれた三段式になっているケーキスタンドだ。
色々な種類のケーキや焼き菓子が綺麗に並べられている。
(なにこれ……すごく可愛いっ…!!)
「ザシャさん…これ…全部食べて良いんですか?」
私は目をキラキラ輝かせながら答えた。
「ふふっ、勿論だよ。エミリーのために用意したものだから、好きなだけ食べて…」
私達がそんな話をしているとアイロスがお茶を淹れてくれた。
ハーブの良い香りがこの興奮した私の心を、少しだけ落ち着かせてくれている…様な気がした。
私は早速お皿の上に乗るだけお菓子を取り分けると満足そうな顔をしていた。
「お前…、それ乗せ過ぎだ…」
「ふふっ…、エミリーは本当に面白いね。足りなければまた追加も出来るから、そんなに慌てて食べなくても平気だよ…」
呆れるアイロスと、可笑しそうに笑っているザシャの姿を交互に見ていたら恥ずかしくなった。
(感動していたら…つい欲張ってしまったわ……恥ずかしいっ…!)
「……っ…」
私はフォークを持ち恥ずかしそうに食べ始めた。
(お…美味しいっ…!……けど…)
「あ…あの…」
「どうしたの…?」
「そんなにじっと見られていると食べづらいです…」
二人から食べてる姿をじっと見られていると、緊張してしまう。
「ああ、ごめんね…。エミリーが本当に楽しそうな顔をしているから、つい魅入ってしまったよ…」
ザシャは私の顔を見ながら優しく微笑んでいた。
今日のザシャはずっとこんな感じだ。
すぐ傍にはアイロスがいるというのに、こんな発言ばかりされて私は困惑していた。
そんな私達のやりとりを見て、アイロスは不満そうな顔を浮かべている。
「アイロスさんも…そのお菓子食べてみたらどうですか…?美味しいですよっ…」
アイロスがじっと睨んでいるので私は苦笑しながらお菓子を勧めてみた。
きっと甘いものを食べれば、アイロスの厳しい顔も少しでも和らぐのではないかと思ったからだ。
(アイロスさんて甘い物好きなのかな…?なんかそんなキャラでは無い気がするけど……)
「アイロス、折角の楽しいお茶会なんだから…そんな怖い顔をしていたら楽しめないよ…」
「……元々こういう顔なので…。俺のことは気にしないでください」
アイロスはザシャに言われて、いつも通りの口調で答えていたので私達二人は苦笑してしまった。
「アイロスさんは、甘い物ってあんまり好きではない感じですか…?」
「……」
アイロスは私の言葉に黙っていた。
するとザシャが「こう見えてアイロスは甘党なんだよ」とこっそり教えてくれたが、その声はアイロスにも届いていた様で、少し気まずそうな顔をしていた。
「……アイロスさん、一緒に沢山食べましょう…!」
「沢山食べたいのはお前だろ…?」
私が調子に乗って強気で答えると、アイロスに呆れた顔をされてしまった。
「ザシャさんは…甘いものは好き…ですよね?」
「どうして…そう思うの?」
アイロスに突っ込まれてしまったので、今度はザシャに問いかけると逆に聞かれてしまう。
「だって…ザシャさん……甘いの好きって…言ってませんでしたっけ?」
「……え?」
(あれ…?…でも……甘いの好きって……言っていたの聞いた気がするんだけどな…。いつだっけ……あ…!……っ…!!)
私は思い出すと、沸騰したかのようにみるみるうちに顔が真っ赤に染まっていく。
ザシャが甘いと言っていたのは、キスや愛撫をしている時だった事を今になって思い出したからだった。
(こんな時に…私、何やってるのっ…!!もうやだ……消えたい…、今すぐここから逃げ出したいっ…!!)
「な…なんでもないですっ…。私の勘違いでしたっ…」
「……ふふっ、本当に…エミリーといると退屈とは無縁だね…。自分で言って顔をそんなに染めて…、どうしたのかな…」
私が突然慌てて答えると、ザシャはすぐに察したのか可笑しそうに笑い始めた。
暫くザシャは可笑しそうに笑っていた。
私は顔を真っ赤にさせ俯き、その様子を怪訝そうな顔でアイロスが眺めていた。
初めてのお茶会は、始まりから終わりまで私の心が落ち着くことは無かった。
私の身長よりも高い生垣が綺麗に整えられていて、まるで芸術品のように見える。
奥には色とりどりの鮮やかな薔薇が咲いているせいか、良い香りが鼻につき、本来ならば私の心は落ち着いていたことだろう。
しかし今の私はザシャに横向きに抱きかかえられている為、鼓動はずっと早いままで落ち着きなど無縁だった。
「ザシャさん、庭園が見えてきたのでそろそろ下ろしてくださいっ…」
「まだダメだよ、ちゃんと着いたら下ろしてあげるから…大人しく私に運ばれていて…」
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(朝…あんな場面をアイロスさんに見られて…更に抱っこされてる所を見られたら…絶対後で何か言われてしまうわ…)
「………」
「恥ずかしい…?でもこうしていると、エミリーが本当に私のものみたいに思えない…?」
「……っ…」
「大事なものだからこそ、手の届くところにおいておきたい。それに抱きしめている状態に近いから、こうしていると色々と便利なんだよ…?」
「便利…?」
「エミリーの体温を感じられるし、表情もすぐに確認出来る。そしてキスだって簡単に出来てしまいそうだ…」
ザシャの言葉に私は顔を真っ赤に染めてしまう。
(いきなり…何を言い出すのっ…!?)
きっと私の体温が上がってることも、鼓動が早くなっていることも、全てザシャには筒抜けなのだろう。
そう思うと恥ずかしくて余計にドキドキしてしまう。
「……っ…!!」
「ふふっ、顔を真っ赤にさせて…可愛いな」
ザシャは楽しそうに笑い「それに耳も簡単にいじめられるね」と耳元で囁いてきた。
「ひぁっ……!?も…もう、からかわないでくださいっ…」
「ごめんね…、エミリーが可愛い反応をするからつい…ね。残念だけど…もう到着してしまったみたいだな…。もう少しエミリーの反応を見ていたかったけど…仕方ないね」
ザシャの言葉を聞き、視線を奥の方に向けると、そこにはお茶の準備をしているアイロスの姿があった。
(アイロスさんって本当に何でも出来るのね…。本当にあの人…すごいな)
私達がアイロスに視線を向けていると、アイロスも気付いたのか、こちらに視線を移した。
そして僅かに眉間に皺を寄せている様に見える。
私はそのアイロスの表情を見て苦笑した。
(やっぱり…その反応…よね…。だって仕方ないじゃないっ…!ザシャさんが下ろしてくれないんだからっ…)
「ザシャさん…下ろしてくださいっ…。到着しました」
「そうだね、ゆっくり下ろすから足が着くまではしっかり私に捕まっていてね…」
私が恥ずかしそうに頷くと、ザシャは漸く私を解放してくれた。
「ザシャ様…、少しエミリーを甘やかし過ぎではありませんか…?」
「そう…?だけど…エミリーは私に取って大事な女性だからね。大切にするのは当然の事だよ…」
アイロスが困った様に問いかけると、ザシャは当然の様にさらりと答えた。
私はその言葉を聞いて恥ずかしくなり、顔を俯かせてしまう。
(アイロスさんの前で…そんなこと…言わないでっ……、嬉しいけど…恥ずかしいわ…)
「エミリー…」
「は、はいっ…!」
そんな時、突然名前を呼ばれてしまい、私は思わず声を張り上げて答えてしまった。
そんな私の態度を見ていたザシャは可笑しそうに小さく笑い、アイロスは呆れた顔をしていた。
「いつまでも立っていたら、折角のお茶会が始められないから座ろうか…」
そう言ってザシャは椅子を引いてくれて、私のことを座らせてくれた。
「あ、ありがとうございますっ…」
「それじゃあ…早速お茶会を始めようか。お菓子も色々と揃えたから、気に入って貰えたら良いんだけどね…」
丸形のテーブルの上には色とりどりの可愛らしいお菓子が沢山並んでいた。
一際目立っているのは、中央に置かれた三段式になっているケーキスタンドだ。
色々な種類のケーキや焼き菓子が綺麗に並べられている。
(なにこれ……すごく可愛いっ…!!)
「ザシャさん…これ…全部食べて良いんですか?」
私は目をキラキラ輝かせながら答えた。
「ふふっ、勿論だよ。エミリーのために用意したものだから、好きなだけ食べて…」
私達がそんな話をしているとアイロスがお茶を淹れてくれた。
ハーブの良い香りがこの興奮した私の心を、少しだけ落ち着かせてくれている…様な気がした。
私は早速お皿の上に乗るだけお菓子を取り分けると満足そうな顔をしていた。
「お前…、それ乗せ過ぎだ…」
「ふふっ…、エミリーは本当に面白いね。足りなければまた追加も出来るから、そんなに慌てて食べなくても平気だよ…」
呆れるアイロスと、可笑しそうに笑っているザシャの姿を交互に見ていたら恥ずかしくなった。
(感動していたら…つい欲張ってしまったわ……恥ずかしいっ…!)
「……っ…」
私はフォークを持ち恥ずかしそうに食べ始めた。
(お…美味しいっ…!……けど…)
「あ…あの…」
「どうしたの…?」
「そんなにじっと見られていると食べづらいです…」
二人から食べてる姿をじっと見られていると、緊張してしまう。
「ああ、ごめんね…。エミリーが本当に楽しそうな顔をしているから、つい魅入ってしまったよ…」
ザシャは私の顔を見ながら優しく微笑んでいた。
今日のザシャはずっとこんな感じだ。
すぐ傍にはアイロスがいるというのに、こんな発言ばかりされて私は困惑していた。
そんな私達のやりとりを見て、アイロスは不満そうな顔を浮かべている。
「アイロスさんも…そのお菓子食べてみたらどうですか…?美味しいですよっ…」
アイロスがじっと睨んでいるので私は苦笑しながらお菓子を勧めてみた。
きっと甘いものを食べれば、アイロスの厳しい顔も少しでも和らぐのではないかと思ったからだ。
(アイロスさんて甘い物好きなのかな…?なんかそんなキャラでは無い気がするけど……)
「アイロス、折角の楽しいお茶会なんだから…そんな怖い顔をしていたら楽しめないよ…」
「……元々こういう顔なので…。俺のことは気にしないでください」
アイロスはザシャに言われて、いつも通りの口調で答えていたので私達二人は苦笑してしまった。
「アイロスさんは、甘い物ってあんまり好きではない感じですか…?」
「……」
アイロスは私の言葉に黙っていた。
するとザシャが「こう見えてアイロスは甘党なんだよ」とこっそり教えてくれたが、その声はアイロスにも届いていた様で、少し気まずそうな顔をしていた。
「……アイロスさん、一緒に沢山食べましょう…!」
「沢山食べたいのはお前だろ…?」
私が調子に乗って強気で答えると、アイロスに呆れた顔をされてしまった。
「ザシャさんは…甘いものは好き…ですよね?」
「どうして…そう思うの?」
アイロスに突っ込まれてしまったので、今度はザシャに問いかけると逆に聞かれてしまう。
「だって…ザシャさん……甘いの好きって…言ってませんでしたっけ?」
「……え?」
(あれ…?…でも……甘いの好きって……言っていたの聞いた気がするんだけどな…。いつだっけ……あ…!……っ…!!)
私は思い出すと、沸騰したかのようにみるみるうちに顔が真っ赤に染まっていく。
ザシャが甘いと言っていたのは、キスや愛撫をしている時だった事を今になって思い出したからだった。
(こんな時に…私、何やってるのっ…!!もうやだ……消えたい…、今すぐここから逃げ出したいっ…!!)
「な…なんでもないですっ…。私の勘違いでしたっ…」
「……ふふっ、本当に…エミリーといると退屈とは無縁だね…。自分で言って顔をそんなに染めて…、どうしたのかな…」
私が突然慌てて答えると、ザシャはすぐに察したのか可笑しそうに笑い始めた。
暫くザシャは可笑しそうに笑っていた。
私は顔を真っ赤にさせ俯き、その様子を怪訝そうな顔でアイロスが眺めていた。
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