王太子の婚約者選考会に代理で参加しただけなので、私を選ばないでください【R18】

Rila

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43.繋がる⑦※

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それから間もなくして、先程たっぷり愛された場所に硬いものが押し当てられる。
入口を探すかの様に擦られると、じわじわと甘い快感が体に伝わり私は思わず声を漏らしてしまう。

「はぁっ…ぁっ…んっ…」
「ふふっ、エミリーはこれで擦られるとすぐに気持ち良さそうな声を漏らすよね…。エミリー…、そのまま力を抜いていてね…」
ザシャは私の入口に硬くなった塊を押し当てると、安心させるような優しい声で呟いた。
私はその声にドキドキしながら頷くと、ザシャの顔をじっと眺めていた。

(……ザシャさんと…)

これからザシャと繋がる事を思うと、更に胸の奥がバクバクと激しく鳴り出し、もう興奮を抑える事なんて出来なくなっていた。
早くザシャと繋がりたいという気持ちだけが先走る。

「挿れるよ…」
「……っ……!!」
ザシャの優しい声が響くと、私の入口に全ての力が込められたかの様に圧力がかかる。
それと同時に今までには感じたことのない程の激しい痛みが走り、私は色々な驚きで何も口にすることが出来なかった。

(痛いっ…!!なに…これっ…)

初めて受け入れる私の入口は、ザシャの滾った塊を受け入れるには狭すぎた様だ。
サイズが合っていないものが強引に押し込められるのだから、痛いのは当然なのだろう。

だけど私はそんな事は知らなかった。
先程の指とは比べ物にならない程の質量を受け入れ、私の入口は今にも裂けてしまいそうな程ヒリヒリと熱を持ち始めている。

「キツイな…。エミリー…力を抜いて…その方が楽だから…」
「……っ…」
ザシャの優しい声も、混乱しきっている今の私には届かなかった。
余りの激痛に私の目からは涙が溢れ、未だに声を出すことも出来ない。
そしてどうしようもない恐怖に襲われてしまう。

混乱状態の私に気付いたザシャは私の方へと体を下ろし、温かい掌が私の頬に触れる。
その瞬間はっと我に返り視線を前に向けると、すぐ傍にはザシャの顔があった。

「エミリー、ごめん。…大分慣らしたから大丈夫だと思っていたけど……痛いよね」
「……っ…ザシャさっ……」
痛みは変わらなかったが私の視界にザシャを捉えることが出来ると、安心してそのまま泣きじゃくってしまった。

「今日はここまでにしておくから…もう泣かないで…」
ザシャは優しい声で呟くと、宥める様に私の髪を柔らかく撫でてくれた。
それがとても心地よくて、私の心は徐々に落ち着きを取り戻していく。

だけど、落ち着いて来るとこのまま止めないで欲しいという気持ちが強くなる。
ザシャと繋がりたいと思っている気持ちは、今でも変わっていないからだ。
確かに思った以上の痛みに驚いてしまったが、止めて欲しくは無かった。

(このまま…終わりなんて…いやっ…)

「ザシャさん……お願いっ…。私っ…ザシャさんと…繋がりたいっ…、だから…やめないでっ…」
私が懇願する様な瞳を向けるとザシャは一瞬驚いた顔を見せた。
そして心配そうな顔で「無理をしなくても平気だよ」と優しい声を掛けてくれる。

私はその言葉を聞いてすぐに首を横に振った。

「……私なら…大丈夫…だからっ…」
私は少し引き攣りながらも笑顔を作って答えると、ザシャは困った顔を見せた。

「こんな時に無理はしなくていいのに…」
「本当に…大丈夫っ…!私…ザシャさんと…ひ…一つになりたい…」
私が恥ずかしそうに答えると、ザシャは「エミリーには敵わないな」と苦笑していた。

「それじゃあこのまま続けるけど…、なるべく私のキスに集中していて…」
ザシャが続きをしてくれると思うと嬉しくなり、私は笑顔で頷いた。

「本当に…エミリーは可愛いな…」
「……んっ…」
ザシャの優しい顔が近づいて来てそのまま唇を塞がれる。

唇が重なるとすぐにザシャの熱を持った舌が私の咥内へと入り込んでくる。
お互いの熱が合わさり、口の中は更に熱くなり頭の奥が何だかぼーっとして来るが、ザシャの舌を感じる度に安心感を感じられて恐怖は徐々に薄れて行った。
それから暫くするとザシャの熱を帯びた塊が私の中へと再び入りこんで来るのを感じた。
入口を大きく抉じ開けられると激痛が再び私の体を襲い、痛みから私は表情を思いっきり歪ませてしまう。

(痛いっ……でもっ…ザシャさんと繋がりたいから…我慢しないとっ…)

私は心の中で自分にそう言い聞かせていた。
痛みよりも、ザシャと繋がりたいという気持ちの方が勝っていた様だ。
それにザシャが与えてくれるキスのおかげで、心に少し余裕を持つことが出来て耐えられた。


「んんっ…はぁっ……」
それから暫くするとザシャはゆっくりと唇を剥がしていく。
不安そうに見つめる私の瞳の中に、ザシャの優しい顔が再び入り込んで来た。
ザシャの顔を見た途端、なんだかほっとしてしまう。

「エミリー…、良く我慢してくれたね…」
「……っ…ザシャさんのが…私の中に……入ってる…」
私がドキドキしながら答えると、ザシャは小さく頷いた。

私の中に何かが入っている存在感を感じる。
それはザシャなのだと思うと胸の奥が熱くなる。

まだ入り口はヒリヒリと痛みを伴っていたが、それ以上に嬉しさが込み上げ痛みの事など忘れてしまいそうになっていた。

「わ…私…死んでない…」
「ふふっ、ちゃんと生きてるよ」
私の言葉にザシャは可笑しそうに笑っていた。
ザシャが笑うと、その僅かな振動が私の奥に伝わって来て繋がっているのだと実感する。

(どうしようっ…、私…本当にザシャさんと…今繋がってるっ…!!)

「エミリー、そのまま体を横向きに出来る…?」
「は…はいっ…」
ザシャの言葉に頷くと、繋がったまま体を横向きにさせた。
するとそのままザシャに抱きしめられ鼓動が急に早くなる。

「馴染むまでは動かないから…安心してね…」
「……っ…」
繋がっていると思うと、なんだか恥ずかしくてザシャの顔がまともに見れなくなり、私はザシャの胸の中に顔を隠す様に埋めていた。

「ふふっ…、まだ動いてはいないはずなのに…エミリーの中…私の事を締め付けて来てるよ…」
「……っ…!!」
自分の体が反応していることが直ぐに伝わってしまい恥ずかしい気持ちでいっぱいになる。
私は耳まで顔を真っ赤にさせて、ぎゅっとザシャに抱き着いていた。

(なんでも伝わっちゃう……、恥ずかしいっ…)

「本当にエミリーは可愛いね…。私と体を繋がらせてしまったから…もう逃げられないね…」
「……え?」
私は思わずその言葉にドキッとして顔を上げてしまう。
すると意地悪そうに笑っているザシャと目が合い、一瞬心臓が止まってしまうのかと思った。

「やっと目を合わせてくれたね。顔が真っ赤だ…」
「……っ…恥ずかしいので…見ないでくださいっ…」
私が目を逸らそうとすると「逃げないで…」と言われてしまいザシャから目を離す事が出来なくなってしまった。
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