王太子の婚約者選考会に代理で参加しただけなので、私を選ばないでください【R18】

Rila

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38.繋がる②※

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 私がドキドキしながらザシャの事を見つめていると、私の着ているナイトガウンの紐を解かれてしまう。

「エミリー、おいで」

 ザシャは優しい声で誘うかのように私の事を引き寄せた。
 ザシャに抱きしめられる様な体勢になり、私の鼓動はバクバクと激しく鳴り始める。

(どうしよう、ザシャさん本気なのかな)

「こうしているとエミリーがどれだけ興奮しているかすぐに分かるね」
「……っ、聞かないでくださいっ」

 私が恥ずかしそうにむっとした顔で睨むと、ザシャは楽しそうに笑っていた。

「興奮しているのはエミリーだけじゃないよ」
「あ……、ほんとだ」

 意識してザシャの鼓動の音を聞いてみると、私と同じ位の速さで鼓動が脈打っていることに気付いた。

「ふふっ、エミリーといるといつもこうなるんだ。どうしてだろうね?」
「え?」

 ザシャは悪戯っぽく笑っていた。

(それって、ザシャさんも私みたいに意識してるってこと……?)

 そんな事を思ってしまうと顔の奥が熱くなり、恥ずかしくてたまらない気持ちになる。

「本当にエミリーは面白いな。見ていて全く飽きないから、ずっと眺めていたくなる」

 ザシャは柔らかい口調で呟くと、私が羽織っていたナイトガウンを肩から落とした。
 すると私の肌を隠すものは何もなくなってしまった。

(……っ!!)

「あれ? 今日はどうして何も身に付けていないの?」
「今日は、ザシャさんが来るって言っていたから……」

 突然そんな質問をされると恥ずかしくなり、顔の奥が熱くなる。

「もしかして、私の為に何も身に付けないで待っていてくれたの?」
「……っ」

 更に追い詰めるような質問をされると私は何も答えられなくなり、顔を俯かせてしまった。

(こういう時って身につけていた方が良かったの?)

「本当に、エミリーは私の想像を超えていくね。そんな所、すごくエミリーらしくて可愛らしいね」

 ザシャは優しい声で楽しそうに話していた。
 そしてザシャは私の顔を真直ぐに見つめて、「やっぱり私はエミリーの事が好きみたいだ」と小さく呟いた。
 それを聞いた瞬間私の顔は再び赤く染まっていく。

「ふふっ、さっきからエミリーは顔が赤く染まってばかりだね。今日はずっとそうしていてもらおうかな」
「……ザシャさんの所為ですっ」

 私が困った顔で答えると、ザシャの顔が迫って来てそのまま唇を奪われる。
 そしてゆっくりと体をベッドへと倒していく。

 唇が剥がれると私はベッドの上で仰向けになっていて、すぐに私の視界にザシャが入り込んで来た。
 ザシャは私を組み敷く様に上から被さると、私の体に愛撫を始めていく。

「……ぁっ」

 最初は首筋から始まり、鎖骨、胸元へと降りていく。
 ザシャの髪が私の肌に触れる度に擽ったさを感じてしまう。

「声沢山出していいよ。エミリーは声を出した方が感じれる人だったよね?」
「……っ!!」

 ザシャは思い出したかのように意地悪な事を言って来る。

「ふふっ、今日は見える所にも付けるよ。明日はずっと私の傍にいる訳だし、問題ないよね」
「はぁっ……、ぁっ、んぅ」

 ザシャが口付けた所から私の体に熱が溜まり、体中へと巡っていく様だ。
 そしてきつく肌を吸われるとちくっとした痛みを感じた後に、じわじわと快感が溢れて来る。
 何度も愛撫を繰り返されていくと顔も火照り、頭の奥が少しぼーっとして来てふわふわした気分になる。

「随分蕩けた顔になってきたね、まだ愛撫は終わってないよ。次は腕かな」
「本当に、全身に着けるつもりですか?」

 私が戸惑った顔でザシャを見つめると「そのつもりだよ」と即答されてしまう。
 ザシャは私の手を取ると甲にちゅっと音を立てて口付け、そこから腕に向かい唇を這わせていく。
 その途中で止まるときつく吸われ、私は僅かに眉を寄せた。

(ザシャさんって、結構独占欲強いのかな)

「次はエミリーの弱い胸だね」
「……っ」

 ザシャは意地悪そうに呟くと、私の胸を包み込む様に優しく揉み始めた。

「……ぁっ、……はぁっ」
「ふふっ、早速甘い声が出たね。それにしてもエミリーの胸はふわふわで気持ちが良いな」

 胸に触れられるとじわじわと甘い快感が体に流れて来て、私は甘ったるい声を漏らしてしまう。

「この先端の可愛らしい突起も、ぷっくり膨らんできておいしそうだね」
「ザシャさん……」

 私は切なそうにザシャの名前を呼んでいた。

「どうしたの? 早くここに触れて欲しい? こんなに尖らせてまるで主張しているみたいだね。早く触って欲しいって」
「……ぁっ、やぁ、意地悪しないでっ……」

 ザシャ先端には触れず、その周りを焦らす様に指でなぞり始めた。
 焦らされるとますます体が疼いて強い刺激を求めてしまう。

(もう、こんなの我慢出来ない。ザシャさんの意地悪っ……!)

 私は我慢出来なくなり腰を浮かしてザシャの指に当たる様に自ら動いていた。
 ザシャはそんな光景を、何も言わずに満足そうな顔で眺めていた。

「本当にいやらしい子だな、エミリーは。やっぱり、体から落としてしまうのが得策かな」

 黙っていたザシャは静かに呟くと、先端をきゅっと摘まんだ。
 その瞬間鋭い刺激が体に走り、私は腰をびくっと跳ね上げてしまう。

「……ぁああっ!!」
「エミリーの体は素直だね。少し意地悪してしまったけど、エミリーが満足いくまで沢山可愛がってあげるよ」
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