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28.発情①※
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「……っはぁ、……ユー、リ……っ」
私は助けを求めるように、傍にいる彼の名前を呼んでいた。
目元は既に潤みかけていて、視界が少しぼやけているように見える。
視線が絡むと彼の大きな手が私の頬に触れてきたので、思わず縋るように己の掌を重ね、さらにぎゅっと握った。
彼の体温に触れることで、この混乱が少しだけ和らいだ気がする。
しかし同時に、目の前にいる愛しい男が欲しくて堪らない気持ちが溢れて来てしまう。
(ユーリ……、ユーリ……)
「セラ、大丈夫か」
「はぁっ……、体があつ、いっ……」
「そうだろうな。こんなに頬を真っ赤に染めて、熱い吐息をこの可愛らしい口元から漏らしているのだから」
「ユーリ、これって……」
私が戸惑った声で問いかけると、彼は小さく「ああ」と理解したように呟いた。
彼は気丈に振る舞っているように見えるが、その掌は普段よりも温度が高いように感じる。
それに頬も薄らだが赤みが増しているように見えた。
「恐らくこれは、分かりやすく言えば獣人族で言う所の発情期って類いの症状なのかもしれないな」
「獣人族……? 発情、期……?」
私は聞き慣れない単語に首を傾げた。
「この世界には人族の他にも複数の種族が存在している。その中の一つが獣人族だ。動物に近い獣人族の間では、ある一定の時期になると繁殖を促すために、このような衝動が起こるそうだ」
「……それって……」
「ああ、子孫を残すための行為。一度始まれば、この衝動を理性で抑えようとするのは不可能に近いそうだ」
「……そんなっ」
たしかに、この症状を自分でなんとかするのは難しい気がする。
彼の熱を感じていると安心は出来るが、確実に体の疼きは高まっているようだ。
私は離れた方が良いのだろうかと迷いながらも、彼の話を聞いていた。
「女神は、どうしても私達にそのような行為をさせたいようだ。まあ、私はセラとなら構わないが」
「……っ、わた、しも……」
ユーリは僅かに目を細め、鋭い視線を私に向けてきた。
その瞳の奥は普段よりも深みが増した色に見えて、背筋に鳥肌が立つ。
威嚇するような瞳に囚われ、まるで逃がさないと言われているような感覚にゾクゾクしてしまう。
「セラなら、きっとそう言ってくれると思っていた。無理矢理にならなくて良かったよ」
「……っ、……んんっ!」
暫くの間、お互い熱の篭もった視線で見つめ合っていたが、僅かに彼の口角が上がったことに気付いた。
その反応にドキッとしていると、両頬を大きな掌によって包まれて、彼の顔がゆっくりと迫ってくる。
そしてそのまま唇が重なり、滑ついたものが腔内の中へと入り込んでくる。
唇も、舌先も吐息さえも、普段よりも数段熱く感じる。
(熱い……)
「セラ、舌を出して。もっとお前を感じたい」
「……ぁっ、……んぅっ」
お互いこんな状態の所為か、最初から情欲を剥き出し没頭するかのように貪り合う。
私は舌先を伸ばして、彼を求めるように必死にそれに絡め付けていく。
ざらざらとした舌先が擦れ合うだけで、ぞわぞわと粟立つような感覚に体が震えてしまう。
腔内に溜まった唾液が飲みきれず口端から垂れているのを感じるが、そんなことには気を向けず必死に絡め続けていた。
今の私は本能で彼のことを求めているのかも知れない。
他のことは目に入らないし、どうでもいい。
ただ、今はもっと彼が欲しい。
ただそれだけに必死になっていた。
「……ぁあっ、はぅっ……っ」
口付けに没頭していると、頬にあった掌がいつの間にか私の内股をなぞるように触れていた。
「セラ、足をもう少し開けるか。ここも一緒に気持ち良くしてやる」
「はぁっ……は、いっ……」
昨晩はあんなにも恥ずかしがっていたのに、今はいとも簡単に従ってしまう。
理性は既に熱に溶けてなくなりかけているし、体の中心の疼きをもう抑えることが出来ない。
私が足を左右に広げると、直ぐに彼の指が中心を捉える。
「もうこんなに濡らしていたのか。下着越しでも、指を動かす度に厭らしい音が聞こえてくるな」
「ぁあっ、……はぁっ、やぁっ……」
僅かな刺激であったが、漸く熱くなっているところに触れてもらえて、私の表情は少し緩んでいく。
「焦らされて辛かったか? もうこんなにぐちゃぐちゃなのだから、早くこの奥に刺激が欲しいよな」
「ほし……っ……はぁっ、……んぅ」
まだ少ししか触れられていないというのに、腰が浮いてしまいそうな程の快楽に襲われ、私の口元からは更に甘ったるい嬌声が溢れる。
ユーリは私の下着を横にずらすと、潤んだ箇所にひんやりとした空気が触れて、それだけでゾクゾクしてしまう。
それから間もなくして花弁を捲られ、蜜口の入り口に指を押しつけられる。
「……ぁあっ、はぁっ、おねが、いっ……、焦らさ、ないでっ」
「セラの口からそんな言葉が出て来るなんてな。もう欲しくて堪らないって顔だな」
「はぁっ、んぅっ……苦しいのっ……」
「そうだな。だけど、この体は一度しか私を受け入れていないから、もう少し慣らしてからだ。まずは私を受け入れる準備をしような」
こんな時でも私に気を遣ってくれるところが彼らしいなと思い、私は困ったように小さく笑った。
冷静を装っているように見えるが、時折苦しそうに眉を顰める姿を窺わせる。
きっと私と同じようなことが彼の中でも起こっているのだろう。
それなのに必死に理性を保とうとしてくれている。
それからすぐに、蜜口の中に彼の指が押し込められた。
先程から愛液が滴っていたそこは簡単に彼の指を受け入れ、快楽を与えられると嬉しそうにぎゅうぎゅうと締め付けてしまう。
「随分と締め付けてくるな。昨日までは男を知らなかった体だと言うのにな」
「ぁあっ、それ、すごく……すきっ……はぁっ、もっと……」
「はは、すごい変わり様だな。乱れているセラもまた愛らしく見える。それに、これが番契約ってものなのか? そう思うと少し悔しい気もするが。いずれこんな力に頼らなくても、セラから私を求めるような体にしてやるからな」
「ぁああっ!! ……やぁっ、それだめっ……っぁああ!」
彼は意地悪そうに口端を上げると私の弱い場所を見つけて、執拗にそこばかりを責め始めた。
内壁を指で擦られると、ぞわぞわとした感覚に支配され、腰が勝手に浮いてしまう程の快楽に堕とされていく。
「もう果てたのか? まだ始まったばかりだぞ。そんなにはしたない声を上げて。……っ、予想以上にくるな。もうお前が欲しくて堪らない……」
「ぁああっ、わた、しもっ……、ユーリと、つながり、たいっ……」
私は引き攣った顔を浮かべながら、必死に言葉を紡いだ。
言い切った直後、彼の口元が微かに歪んだ。
「そうだな。私もそろそろ限界だ。それにこれだけ濡れていれば痛くはないだろう。セラ、ソファーで四つん這いになって」
「……え、……は、い……」
一瞬戸惑ってしまうが、恥じらうように答えると、膝を付いてソファーの上で四つん這いになった。
今は羞恥心よりも、この疼きをどうにかして欲しいという気持ちの方が勝っていたからだ。
「服は……?」
「今はいい。脱がす時間すら惜しいからな」
その台詞を聞くと更に私の鼓動は速くなる。
ユーリも私と同じ気持ちでいるのだと分かったからだ。
「……っ」
「もう少し端の方にまで来てくれるか」
彼の言葉にドキドキしてしまう。
こんなにも私を求めてくれることが、素直に嬉しかった。
「はいっ……」
私は膝を付きながらゆっくりと後ろに下がっていく。
地味に恥ずかしさを感じていたが、これからユーリと繋がれると思うと、そんな小さな羞恥心くらい我慢出来た。
「セラ、そこでいい。もう少し腰を上げられるか?」
「……これで、いい?」
私が恥ずかしそうに後ろを振り返ると、彼は小さく笑って「いい子だ」と呟いた。
こんな姿で目が合ってしまうと、理性を失いかけていても恥ずかしく感じてしまう。
そして私の熱くなった中心に、欲望に滾った楔が押し当てられた。
「……ぁっ」
「セラ、今日は優しく出来ないと思う」
「だ、大丈夫っ……」
「お前は優しいな」
突然謝られてしまったので、私は慌てるように返答すると、彼は困ったように小さく笑っていた。
しかし穏やかな時間は、直ぐに終わりを迎えた。
私は助けを求めるように、傍にいる彼の名前を呼んでいた。
目元は既に潤みかけていて、視界が少しぼやけているように見える。
視線が絡むと彼の大きな手が私の頬に触れてきたので、思わず縋るように己の掌を重ね、さらにぎゅっと握った。
彼の体温に触れることで、この混乱が少しだけ和らいだ気がする。
しかし同時に、目の前にいる愛しい男が欲しくて堪らない気持ちが溢れて来てしまう。
(ユーリ……、ユーリ……)
「セラ、大丈夫か」
「はぁっ……、体があつ、いっ……」
「そうだろうな。こんなに頬を真っ赤に染めて、熱い吐息をこの可愛らしい口元から漏らしているのだから」
「ユーリ、これって……」
私が戸惑った声で問いかけると、彼は小さく「ああ」と理解したように呟いた。
彼は気丈に振る舞っているように見えるが、その掌は普段よりも温度が高いように感じる。
それに頬も薄らだが赤みが増しているように見えた。
「恐らくこれは、分かりやすく言えば獣人族で言う所の発情期って類いの症状なのかもしれないな」
「獣人族……? 発情、期……?」
私は聞き慣れない単語に首を傾げた。
「この世界には人族の他にも複数の種族が存在している。その中の一つが獣人族だ。動物に近い獣人族の間では、ある一定の時期になると繁殖を促すために、このような衝動が起こるそうだ」
「……それって……」
「ああ、子孫を残すための行為。一度始まれば、この衝動を理性で抑えようとするのは不可能に近いそうだ」
「……そんなっ」
たしかに、この症状を自分でなんとかするのは難しい気がする。
彼の熱を感じていると安心は出来るが、確実に体の疼きは高まっているようだ。
私は離れた方が良いのだろうかと迷いながらも、彼の話を聞いていた。
「女神は、どうしても私達にそのような行為をさせたいようだ。まあ、私はセラとなら構わないが」
「……っ、わた、しも……」
ユーリは僅かに目を細め、鋭い視線を私に向けてきた。
その瞳の奥は普段よりも深みが増した色に見えて、背筋に鳥肌が立つ。
威嚇するような瞳に囚われ、まるで逃がさないと言われているような感覚にゾクゾクしてしまう。
「セラなら、きっとそう言ってくれると思っていた。無理矢理にならなくて良かったよ」
「……っ、……んんっ!」
暫くの間、お互い熱の篭もった視線で見つめ合っていたが、僅かに彼の口角が上がったことに気付いた。
その反応にドキッとしていると、両頬を大きな掌によって包まれて、彼の顔がゆっくりと迫ってくる。
そしてそのまま唇が重なり、滑ついたものが腔内の中へと入り込んでくる。
唇も、舌先も吐息さえも、普段よりも数段熱く感じる。
(熱い……)
「セラ、舌を出して。もっとお前を感じたい」
「……ぁっ、……んぅっ」
お互いこんな状態の所為か、最初から情欲を剥き出し没頭するかのように貪り合う。
私は舌先を伸ばして、彼を求めるように必死にそれに絡め付けていく。
ざらざらとした舌先が擦れ合うだけで、ぞわぞわと粟立つような感覚に体が震えてしまう。
腔内に溜まった唾液が飲みきれず口端から垂れているのを感じるが、そんなことには気を向けず必死に絡め続けていた。
今の私は本能で彼のことを求めているのかも知れない。
他のことは目に入らないし、どうでもいい。
ただ、今はもっと彼が欲しい。
ただそれだけに必死になっていた。
「……ぁあっ、はぅっ……っ」
口付けに没頭していると、頬にあった掌がいつの間にか私の内股をなぞるように触れていた。
「セラ、足をもう少し開けるか。ここも一緒に気持ち良くしてやる」
「はぁっ……は、いっ……」
昨晩はあんなにも恥ずかしがっていたのに、今はいとも簡単に従ってしまう。
理性は既に熱に溶けてなくなりかけているし、体の中心の疼きをもう抑えることが出来ない。
私が足を左右に広げると、直ぐに彼の指が中心を捉える。
「もうこんなに濡らしていたのか。下着越しでも、指を動かす度に厭らしい音が聞こえてくるな」
「ぁあっ、……はぁっ、やぁっ……」
僅かな刺激であったが、漸く熱くなっているところに触れてもらえて、私の表情は少し緩んでいく。
「焦らされて辛かったか? もうこんなにぐちゃぐちゃなのだから、早くこの奥に刺激が欲しいよな」
「ほし……っ……はぁっ、……んぅ」
まだ少ししか触れられていないというのに、腰が浮いてしまいそうな程の快楽に襲われ、私の口元からは更に甘ったるい嬌声が溢れる。
ユーリは私の下着を横にずらすと、潤んだ箇所にひんやりとした空気が触れて、それだけでゾクゾクしてしまう。
それから間もなくして花弁を捲られ、蜜口の入り口に指を押しつけられる。
「……ぁあっ、はぁっ、おねが、いっ……、焦らさ、ないでっ」
「セラの口からそんな言葉が出て来るなんてな。もう欲しくて堪らないって顔だな」
「はぁっ、んぅっ……苦しいのっ……」
「そうだな。だけど、この体は一度しか私を受け入れていないから、もう少し慣らしてからだ。まずは私を受け入れる準備をしような」
こんな時でも私に気を遣ってくれるところが彼らしいなと思い、私は困ったように小さく笑った。
冷静を装っているように見えるが、時折苦しそうに眉を顰める姿を窺わせる。
きっと私と同じようなことが彼の中でも起こっているのだろう。
それなのに必死に理性を保とうとしてくれている。
それからすぐに、蜜口の中に彼の指が押し込められた。
先程から愛液が滴っていたそこは簡単に彼の指を受け入れ、快楽を与えられると嬉しそうにぎゅうぎゅうと締め付けてしまう。
「随分と締め付けてくるな。昨日までは男を知らなかった体だと言うのにな」
「ぁあっ、それ、すごく……すきっ……はぁっ、もっと……」
「はは、すごい変わり様だな。乱れているセラもまた愛らしく見える。それに、これが番契約ってものなのか? そう思うと少し悔しい気もするが。いずれこんな力に頼らなくても、セラから私を求めるような体にしてやるからな」
「ぁああっ!! ……やぁっ、それだめっ……っぁああ!」
彼は意地悪そうに口端を上げると私の弱い場所を見つけて、執拗にそこばかりを責め始めた。
内壁を指で擦られると、ぞわぞわとした感覚に支配され、腰が勝手に浮いてしまう程の快楽に堕とされていく。
「もう果てたのか? まだ始まったばかりだぞ。そんなにはしたない声を上げて。……っ、予想以上にくるな。もうお前が欲しくて堪らない……」
「ぁああっ、わた、しもっ……、ユーリと、つながり、たいっ……」
私は引き攣った顔を浮かべながら、必死に言葉を紡いだ。
言い切った直後、彼の口元が微かに歪んだ。
「そうだな。私もそろそろ限界だ。それにこれだけ濡れていれば痛くはないだろう。セラ、ソファーで四つん這いになって」
「……え、……は、い……」
一瞬戸惑ってしまうが、恥じらうように答えると、膝を付いてソファーの上で四つん這いになった。
今は羞恥心よりも、この疼きをどうにかして欲しいという気持ちの方が勝っていたからだ。
「服は……?」
「今はいい。脱がす時間すら惜しいからな」
その台詞を聞くと更に私の鼓動は速くなる。
ユーリも私と同じ気持ちでいるのだと分かったからだ。
「……っ」
「もう少し端の方にまで来てくれるか」
彼の言葉にドキドキしてしまう。
こんなにも私を求めてくれることが、素直に嬉しかった。
「はいっ……」
私は膝を付きながらゆっくりと後ろに下がっていく。
地味に恥ずかしさを感じていたが、これからユーリと繋がれると思うと、そんな小さな羞恥心くらい我慢出来た。
「セラ、そこでいい。もう少し腰を上げられるか?」
「……これで、いい?」
私が恥ずかしそうに後ろを振り返ると、彼は小さく笑って「いい子だ」と呟いた。
こんな姿で目が合ってしまうと、理性を失いかけていても恥ずかしく感じてしまう。
そして私の熱くなった中心に、欲望に滾った楔が押し当てられた。
「……ぁっ」
「セラ、今日は優しく出来ないと思う」
「だ、大丈夫っ……」
「お前は優しいな」
突然謝られてしまったので、私は慌てるように返答すると、彼は困ったように小さく笑っていた。
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