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13.初めて知ること②※

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「……痛いのは嫌」

 私はぼそりと呟いた。
 受け入れるのは恥ずかしいが、全てその理由の所為にしてしまえばいい。
 私は痛いのが嫌だから、仕方なくそうするのだと。

「だったら分かるな。足、広げて」
「……っ」

 そう思っていても、恥ずかしいことには変わりない。
 だけど、覚悟を決めるとゆっくりと足を開いていった。

「いい子だな。中に指を入れるけど、痛かったら言えよ。無理をする必要はないから」
「……はい」

 いつも意地悪なくせに、急に気を遣うような台詞を言われると戸惑ってしまう。
 どちらが本当のユーリなのか、分からなくなる。

「……ぁっ」

 彼の指が熱く火照った花びらを開き、入り口に押し当てられる。
 軽く押されただけなのに、力が抜けたような声が勝手に漏れてしまう。 
 そしてゆっくりと私の中に彼の指が入ってくる。

「痛くは無いか?」
「だ、大丈夫……」

「中、すごく熱いな。私の指が溶けてしまいそうだ」
「……んっ、はぁっ……」

 蜜口に呑み込まれていった指は、浅いところでゆっくりと動き始めた。
 その度に甘い声が漏れてしまいそうになる。
 初めて知る感覚に興奮しているのか、ドキドキしてしまう。
 ユーリの指が動く度にくちゅっと厭らしい音が響いてきて恥ずかしいのに、この感覚に溺れてしまいたくなる。

(なに、これ……。力が勝手に抜けちゃう……)

「やはり狭いな。このままゆっくり解していくから、お前は力を抜いて素直に感じていて」
「……んぅっ、……ぁっ、ん」

「というか、もう既に気持ち良さそうな顔になっているか。快楽に従順なのはいいことだ。唇が先程から寂しそうにしているから、こっちは別のもので塞いでおこうか」
「……え? ……っ」

 ユーリはそう呟くと、ゆっくりと顔をこちらに近づけてきた。
 こんな状態で彼の顔が至近距離にあることに戸惑ってしまう。
 だけど、この熱に溺れてしまいたいと思う気持ちが前に出て、懇願するような瞳を向けていた。
 彼とのキスは嫌いじゃない。

「その顔、いいな」
「……んっ」

 初めてのキスは数時間前だったというのに、もう何度もこの唇に奪われている。
 彼はいつも啄むキスから始める。
 そしてどんどん深いものへと変わっていく。
 私は唇を開いて、招き入れるように彼の舌を受け入れる。
 上手くはないけど舌先を伸ばして必死に絡めたり、少し吸ってみたり。 
 彼のことを受け入れれば、それだけ気持ちも楽になり緊張もいつの間にか解かれていった。

 そんな時、煽られている中心から電気が走ったかのような鋭い刺激を感じて、体を大きく揺さぶった。

「……ひっ、……っ、やっ」
「すごい反応だな。驚いたか?」

「や、やだ、それ……、なに……?」
「ここが弱い女性は多いようだが、その様子だとセラも弱そうだな」

「ぁあっ、やっ、それ、だめっ……。なんか、こわい……」
「刺激が強過ぎたか? あまり力はいれていないのだが」

 今までの甘い痺れるような刺激とは、明らかに違うものに困惑させられる。
 逃げようと腰を捻ってみたりしたが、ユーリはそこから手を離してはくれない。

「や、ぁ……ひぅっ……ぁっ、ぁあっ……」

 私の体はガクガクと震え、頭の奥もなんだかくらくらしてくる。

「指だとセラには刺激が強そうだな」
「……はぁ、……はぁっ……」

 何かを考えたようにユーリは呟くと、動かしていた手を止めた。
 そして私の中に埋めていた指を抜き取り、体を起こした。

(な、……に? 終わった、の?)

 私は戸惑った様子で、視線で彼の姿を追うように眺めていた。
 中心の疼きは先程よりも確実に強くなっている。
 強すぎる刺激から解放されて嬉しいはずなのに、何か寂しく感じてしまう。

 彼はあの時『抱きたい』と言っていた。
 ということは、ここで終わりではないはずだ。

(もしかして、これから私の中に……。どうしようっ……、ドキドキしてきた)

 そんなことを考えると、次第に鼓動が速まっていく。
 私は好奇心と緊張が混ざったような瞳で彼のことを見つめていた。

「足、開かせるぞ」
「え……、う、うん」

 突然そう言われて、私は慌てるように答えた。
 彼は私の足を持ち上げて膝を折り曲げると、ぐっとお腹の方へと向けて押しつけてきた。
 そして膝を持ち大きく左右に開かれる。
 すると濡れている部分が空気に触れてひんやりとし、体がゾクゾクと震えてしまう。

(……え?)

「暴れるなよ」

 私は突然のことに頭が追いつかず、完全に固まっていた。
 その間にユーリは顔を蜜口の方へと近づける。
 奥をじっくり観察しているように見えて、一気に恥ずかしくなる。

(なにをして……!)

「や、やだっ!! 見ないで、そんなところっ」
「おい、暴れるなって言っただろう。それにお前のここ、ピンク色ですごく綺麗だ。穴も小さくて可愛らしいな」

「……っ!!」

 そんな言葉が聞きたかったわけでは無いし、そんなことを褒められても嬉しくない。
 ただ恥ずかしくて、頭が沸騰してしまいそうだ。

「指が怖いって言っていたから、もっと柔らかい舌でここを舐める」
「は……? な、舐める!?」

「ああ、この小さく膨らんでいる可愛らしい蕾をな」
「……っひぁ、……やっ、まって」

(うそ……でしょ?)

 彼は私の言葉を無視して、弱い場所を舌先でつつくように舐め始めた。
 先程と比べたら、多少は刺激が弱いのかも知れない。
 だけど敏感なそこは、触れられるだけで私を追いつめるだけの強い刺激を与えてくる。
 さっきの刺激と違う所を上げるとするならば、甘く痺れるような感覚がプラスされたと言うべきか。

「ぁっ、やぁっ……そんな場所、なめ、ないでっ……」
「どうして? 随分甘い声が漏れてきているぞ。本当は気持ち良いのだろう?」

「はぁっ、わかんなっ……、でも、汚いからっ……」
「汚くなんてない。だけど、この甘ったるい香りを傍で嗅いでいると、理性が飛びそうにはなるけどな。まるで媚薬だな」

「ぁあっ、やぁ、吸わないでっ……んぅっ」
「気持ちいいくせに。指、二本入れるぞ」

「ぁ、……ぁあっ、はぁっ……」
「あーあ、簡単に呑み込まれていったな。お前、本当はここを弄られるの好きなんじゃないのか?」

 蕾を吸われながら、中に二本の指が入ってくる。
 蜜口の中に呑み込まれていった指は、別方向に関節を曲げて内壁を擦るように広げられていく。
 同時に刺激され、腰が浮いてしまいそうになる。

「ひ、ぁああっ、や……、だ、めっ……それ、へんになる」
「すごい締め付けだな。果てそうか? いいよ、そのままイって」

「だ、だめっ……、ほんとに、おかしく、なっちゃ……ぁあっ!!」

 先程よりも蕾をきつく吸われ、熱い舌先が絡み合うように押しつけられる。
 それと同時にぐちゅぐちゅと厭らしい水音が大きくなり、頭の奥が真っ白に染まっていく。
 息をするのも忘れてしまいそうだ。

(だめ、これ……本当にだめっ! ……何か、くるっ……!)

「……ひ、っぁあああっ!!」

 私は悲鳴のような声を室内に響かせた。
 体の奥が痙攣しているのが分かる。
 そして、それは今でも継続していて、自分の意思では止められそうにない。
 だけど力がすーっと抜けていく感覚が、とても心地良く感じた。
 まるでふわふわと空中を漂っているような気分だ。

「上手くイけたようだな」
「はぁっ……、はぁっ」

 それから間もなくして、ユーリの姿が視界に入った。
 額にそっとキスを落とすと、濡れている目元を舌先で舐め取ってくれた。
 彼の顔を見ると、なんだかほっとしてしまう。
 荒くなった呼吸の所為で口元は揺れていたが、私は安堵の表情を浮かべていた。
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