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12.初めて知ること①※

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 一枚ずつ服を脱がされて、私は一糸纏わぬ姿でベッドに横たわっていた。
 脱がされる最中は声を掛けることさえも恥ずかしく思えて、黙って耐えていた。
 今は恥ずかしい部分も全てが彼の前に晒されている。

(……こんなの無理っ)

「どうして、顔を隠しているんだ?」
「……っ、気にしないでください」

 注がれている視線に耐えられなくなり、私は両手で顔を覆い隠していた。
 視界が遮断されても、見られていると想像するだけで体の奥がぞわぞわと沸き立ってしまう。

「そんなに恥ずかしいか?」
「……私のことは気にせず、勝手にしてください」

「勝手にって……」
「お願いしますっ」

 どうせこれから好き勝手に触るのだろうから、一々聞かないで早く初めて欲しい。
 そしてこの覆っている手は剥がさないでいて欲しい。
 掌の奥で瞼をぎゅっと閉じながら、そんなことを私は考えていた。

「……分かった」

 私の思いが通じたのか、彼は小さく呟いた。
 その言葉を聞いて、少しだけほっとした。
 だけど、一瞬生まれたその余裕は、本当に一瞬で終わった。

「……ひぁ!」

 彼の手が私の腰を撫でるように触れて、胸の中心を生暖かいものが這っていく。
 そんな感覚に驚いて、私は体をビクッと震わせた。

「視界を奪われると見えない分、他の感覚が研ぎ澄まされるって言うが……。お前の場合、ただでさえ感度がいいのだから効果絶大だな」
「や……ぁ、……っぁあ」

 ユーリは逃げようとする私の腰を押さえつけて、胸の周りに執拗な程の愛撫を仕掛けてくる。
 肌を舌先が滑っていく感覚、そして間隔を開けてやってくる鋭い刺激。 
 胸はずっとドキドキしたままで、刺激を送られる度に感度は上がっていっているような気さえする。

「逃げようとしても無駄だ。こんなに細い体で、私に敵うとでも思っているのか? 逃げられないと言うことを、時間をかけてこの体にしっかりと教え込んでいかないとな」
「はぁっ……まっ、て」

「どうした?」
「そればっか、やだっ……」

 先程から焦らすように胸の周辺を舐められてるような気がする。
 視界を閉ざしているため見えないが、先端は尖り熱を感じてじんじんしている。
 私はそれが耐えられなくて、腰を揺らしていた。

「この可愛いらしい飾りに触れて欲しいか? 真っ赤に腫れ上がって、まるで主張しているようにも見えるな。もしかして逃げようとしていたのではなく、触って欲しくて腰を動かしていたのか?」
「……っ!!」

「くくっ、ああ……そういうことか。お前、本当に可愛いことをするな。気付いてやれなくて悪かった」
「……っ、うるさいっ……」

(もうやだ、こんなの恥ずかし過ぎるっ……)

 先程から、私だけが翻弄させられているような気がする。
 完全にユーリに心も体も弄ばれている様な気がして、悔しい気分になる。

(いつか、この借りは絶対に返すっ!)

 私はそう心に強く誓っていた。
 だけど次の瞬間、胸の中心に強い刺激を感じて腰を高く跳ね上げてしまう。

「……ひっ、ぁああっ!!」
「良い声だ。その調子でもっと啼いてくれ」

「ぁあ、ちょっ、と……ま、って……ぁぅっ、ひぁああ!」
「この刺激がずっと欲しかったんだろう。思う存分味わうといい」

 先端を深く吸われているのだろう。
 ちゅ、ちゅっとリップ音が響いてきて、熱い腔内の中で硬くなった突起を舌先で転がされ、甘噛みされ、深く吸われる。
 頭の奥が熱でかぁと温度が上がり、先程とは違った意味で腰が揺れてしまう。
 この強過ぎる刺激から逃れたいのか、ただこの感覚に体が悦んで反応しているのかは、混乱した今の頭では良く分からない。
 だけど、おかしくなってしまいそうなのは間違いないなかった。

「すごい声だな。顔を隠すのはもうやめたのか?」
「ぁあっ、だ、だめっ……、そんなにきつく……」

 体からは力が抜けていき、顔を隠していた腕はだらんと体の横に下ろしていた。
 顔を真っ赤に染め、口元からはひっきりなしに嬌声が漏れてくる。
 だけど、それを自分の意思で止めることはもう出来そうもない。

「やはりここも弱点のようだな。だめではなく、気持ちいいの間違えじゃないのか? それにずっとこうされたかったのだろう? 今度は反対な」
「ぁ……、ぁあっ、やぁっ……んぅっ」

 ユーリは意地悪そうに呟くと、今度は反対側の先端を口に含んだ。
 そして先程なぶっていたもう片方は、指の腹で転がし始めた。
 両方からの刺激に腰はがくがくと震えて、止まらない。

「ああ、濡れているから上手く掴めないな」

 彼はそう言うと、指を押しつけて何度も摘まもうとしてくる。

「はぁっ……ぁあ、だ、めっ……」
「こんなに膨らませて悦んでいるくせに。だめってことはないんじゃないか?」

「ち、がっ……はぁっ、んっ」

 私は恥ずかしくなり、力なく首を横に振った。
 強く刺激されると痛いというよりも、じりじりと痺れるような感覚の方が上回っていて、慣れてくるとそれがただただ気持ちいい。
 嫌だと口には出しておいて、本当は気持ちいいだなんて。
 そんなこと、口が裂けても言えない。

(私の体、おかしくなっちゃったの……?)

 そんなことを考えていると、足下がそわそわとしていることに気付いた。
 彼の掌が内股を撫でるように、ゆっくりと這いあがっていく。
 そして行き止まりまで到達すると、熱くなっている中心の割れ目をまるで確認でもするかのように何度も往復する。

「やっ……、なにしてるの?」
「ここ、入り口がすごいことになっているな」

「……っ!」
「まだキスと胸を少しいじめただけなのにな。それにさっきからこの部屋、お前の甘ったるい匂いでいっぱいだ。こんなに濡れているのだから当然か……」

 私は恥ずかしくなり、足をくっつけて彼の指を必死に拒もうとした。
 そんな思いは虚しく、指は今も一番恥ずかしいとこで動いている。
 そして時折くちゅっと厭らしい音まで聞こえてきて、羞恥心に追いつめられていく。

「必死に隠そうとしているようだけど、無駄だぞ。それにこれはお前が気持ち良くなってる証拠だろう。胸の愛撫を気に入ってくれたみたいで嬉しいよ」
「ち、違うっ……」

 ユーリは煽る言葉ばかりかけてきて、私は顔を真っ赤に染めながら首を何度も横に振る。

「それに、セラは私のことを受け入れてくれるんじゃ無いのか? ……ここで繋がるのだろう?」
「それはっ、……そう、だけどっ」

 こうなることを望んだのは私自身だ。
 でも恥ずかしくて、素直に受け入れることが出来ない。

「お前のことだから、きっと恥ずかしいとかそんな理由なのだろうな。だけどここを慣らさなければ、先には進めないぞ。私はこれでもセラのことは大切にしたいと思っているからな。だからなるべく痛い思いはさせたくない」
「さっきから、いじわるなことばっか言ってくるくせにっ……」

 私は思わずムッとした顔で答えてしまう。
 するとユーリは「ははっ」と困ったように笑っていた。

「それはセラが可愛いからだ。可愛い子程いじめたくなるって言うだろう」
「……っ」

 そんな風に言われると、何も返せなくなってしまう。
 それにさっきから可愛いと言い過ぎだ。
 お世辞だと分かっていても、こう何度も言われると勘違いしてしまいそうになる。
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