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7.パーティー結成
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「セラ、お前はこんな場所で何をしていたんだ?」
「えっと、この森を向けてラーズに向かおうとしていました。私冒険者をしているので、各地を回ってみようかなって思っていて」
突然名前を呼ばれて、まだ慣れていないこともありドキッとしてしまう。
だけどその後はなるべく動揺を見せない口調で話を続けた。
彼からは敵意を感じなくなったが、私はこの世界の人間を信じてはいない。
特に権力を持つ人間には酷い扱いをされたこともあり、身構えてしまうようだ。
「冒険者? お前が? ……一人でか?」
「そう、ですけど。この森ってあまり魔物が出ない場所だと聞いていたし、行商人の方も頻繁に通ると言ってました。なので私が一人でいてもおかしくないかとっ!」
「……そうか。パーティーを組まず一人で旅をしているということか」
彼はじっと私の方を窺うように見つめていた。
弱そうに見える私が、こんな森の中に一人でいることを怪しんでいるのだろうか。
「レベルは?」
「10ですけど……」
「職は?」
「えっと、弓使い?」
接近戦は怖いので、遠くから攻撃出来る弓を主に使っていた。
鑑定スキルで倒せる敵のみを的確に狙い、遠くから一撃で倒す。
それが私の戦闘スタイルだ。
「先程の短剣は護身用と言ったところか」
「はい」
「だけど安全面を考えれば、パーティーを組んで行動すべきだ。確かに鑑定眼を持っているお前には合っている職だとは思うが、防御面が弱すぎる。敵は魔物だけだと思わない方がいい。こんな森の中には盗賊が潜んでいる場合もあるからな。行商人が何故護衛を雇うと思う? こういったことが多く起こっているからだ」
私は完全に見落としていた。
異世界に来てからはずっと魔物相手に戦っていて、盗賊と遭遇したことは一度も無かった。
それは当然だろう。
いつも比較的安全な王都の傍で狩りをしていたのだから。
森に入った時も、盗賊の存在なんて頭にはなかった。
行商人の話を真に受けて、安心だと勝手に思い込んでいた。
話を聞いていると、今更になって背筋がぞっとしてくる。
「ここまで何も起こらなかったのは、ただ運が良かっただけだ。そう思い、これからはもっと警戒すべきだな」
「貴重な助言、ありがとうございます」
盗賊の存在を気付かせてくれたことには感謝したが、パーティーを組んで行動するということには少し戸惑ってしまう。
私の能力は出来る限り周囲には知られたくない。
もし誰かと組んで行動することになれば、安全性は増すが私の秘密を知られてしまうリスクが伴ってくる。
(どうしよう……。盗賊とか怖いし、やっぱり誰かと組んだ方がいいのかな)
「そこで提案なんだが……」
「……?」
「私と一緒に旅をしないか?」
「……はい?」
「自分で言うのもなんだが、私はそれなりに強いぞ。戦闘にも慣れているし、お前の苦手な接近戦を得意としている。私達は良い組み合わせだと思う」
「たしかに、強そうには見えますが……。死にそうになっていたじゃないですかっ!」
突然のことに戸惑い、私はなんとかして断る口実を探してしまう。
そして思いついたことをそのまま口に出してしまうと、彼は「はは……」と苦笑を浮かべてた。
怒らせてしまったのでは無いかと一瞬ハラハラしてしまうが、彼からは怒っている様な素振りは見受けられなかった。
「痛いところを突いてくるな。たしかに弟に闇討ちされたのは事実だ。あれは完全に油断していた」
「闇討ち……!?」
「兄弟内での確執が色々とあるんだ。今回のことは良い教訓として頭に入れておくことにするよ。同じ過ちは二度と繰り返さない。だから安心してくれ、と言われても簡単には出来ないか」
「……はい」
初対面の人間を簡単に信じることなんて出来ない。
それは当然のことだと思う。
「それなら、私を雇わないか?」
「は? 勇者である貴族様を雇うとか絶対に無理ですっ! 私、そんなお金に余裕なんてありませんっ!」
金貨はまだ残っているが、これは私の貴重な生活費だ。
最近では節約生活を心掛けている程だ。
無駄な出費は出来るだけしたくないというのが本音だった。
ましてや貴族の護衛を雇うなんて、いくら取られるか分からない。
そんなの絶対に無理だ。
「私は金には困っていない。ただお前に興味がある」
「意味が良く分からないんですが……」
今の私の表情は、引き攣った顔に見えているかもしれない。
私の鑑定スキルを悪用しようとしているのではないだろうかと、そんな風に考えてしまう。
仮にも彼は権力を持つ側の人間だ。
あの王子と同じように、私のことを利用しようとしている可能性も無いとは言えないだろう。
「あからさまに、そんなに嫌そうな顔をされると困るのだが」
「私のこと、利用しようと思っていますよね?」
「利用……? ああ、鑑定眼のことか。たしかにその能力を持つ者は稀な存在だが、私が興味を持っているのはそれではなく、お前なんだけどな」
「……私? どういう意味ですか?」
私は眉を寄せて戸惑いがちに聞き返した。
「どうやら私は、お前に惚れてしまったようだ。一目惚れって言うものなのかもしれないな」
「……は?」
予想もしない返答が返ってきて、私はぽかんとした顔で気の抜けた声を漏らした。
「さっきセラに触れた時、今まで感じたことのない感情が溢れてきた。言葉で説明するのは難しいが、お前のその甘ったるい匂いに発情した」
「は、発情……?」
「もっとお前のことが知りたくなった。このまま手放したくはない」
「なっ!」
「元はと言えば、先に仕掛けてきたのはセラだろう。私にキスをしたのだからな。だから責任は取って貰わないと、……なあ?」
「……っ!!」
彼は口角を上げて意地悪そうな顔で告げてきた。
私の顔は真っ赤に染まり、言い返したいのに何も言葉が浮かばない。
「そんなに顔を真っ赤にさせて。やっぱりお前、可愛いな。私の傍にいた女達とは全然違う。やはり手放すのは惜しいな」
「そんな不埒な考えな人と、一緒に旅なんて出来ませんっ!」
「そうやって私に素直に意見してくる所が、かなり気に入っている。そういう人間は中々いないからな」
「それが理由……?」
「他にどんな理由があると思っていたんだ?」
「……っ!!」
私は勝手に違うことを想像していた。
それが今は死ぬほど恥ずかしく思えてくる。
不埒なことを考えていたのは、私の方だったようだ。
「少しからかい過ぎてしまったか。気を悪くさせたなら謝るよ。すまなかった。だけど、共に旅をすることに対しては、お互いメリットはあると思っている」
「やっぱり、からかったんですね。……酷い」
私は不満そうな顔でムッと睨み付けた。
すると彼は再び「悪かった」と謝ってきた。
「私にメリットがあるのは分かりますが、ユーリさんには何のメリットがあるんですか? 私、本当にお金ないですよ?」
「安心しろ。セラから金を取る気は無い。それに『さん』も必要ない」
「……分かりました」
「私が倒れてからどれくらいの時間が過ぎているのかは分からないが、恐らく私は死んだことになっているだろう。状況が把握出来るまでは、死んだものと思わせていた方が動きやすい。それにセラは私の事情を把握しているからな。頼みたいこともある」
「護衛をする代わりに、協力して欲しいと言うことですか?」
「ああ、そうなるな。だけど危険なことはさせない。それは約束する」
ここで出会ったことには、何か意味があるのかもしれない。
とんでもないことに巻き込まれ始めているような気はしているけど。
だけど、彼が勇者であることは恐らく間違い無いと思っている。
ということは、少なくとも悪役ではないということだ。
勇者と言えば世界を救うヒーローであり、人々の希望。
それに、一人で心細かったのも事実だ。
盗賊の話を聞いて、少し怯えてしまった。
彼は意地悪そうだけど、意外と話しやすそうだし、もしかしたら上手くやっていけるのかもしれない。
私の鑑定スキルがバレてしまったこともあるし、隠す手間も省けるというものだ。
考えようによっては、かなり都合の良い人間なのではないだろうか。
そんな風に心が揺れ始めていた。
「分かりました。それでは暫くの間、よろしくお願いします」
「ありがとう。感謝するよ、セラ。だけど誤解の無いように一つだけ言っておく」
「なんですか?」
「一目惚れしたというのは強ち間違いではない。私はセラのことが好きらしいからな。だから、同行中は口説かせて貰う」
「は……?」
「嫌だったらはっきりとそう言って、私を諦めさせてくれ」
ユーリは私の手に触れると、指先にそっと口付けた。
その瞬間、私の頬は真っ赤に染まっていった。
「やっぱり、良い反応だな」
「もうっ、からかわないでくださいっ!!」
そして私達は暫くの間、一緒に行動をすることになった。
「えっと、この森を向けてラーズに向かおうとしていました。私冒険者をしているので、各地を回ってみようかなって思っていて」
突然名前を呼ばれて、まだ慣れていないこともありドキッとしてしまう。
だけどその後はなるべく動揺を見せない口調で話を続けた。
彼からは敵意を感じなくなったが、私はこの世界の人間を信じてはいない。
特に権力を持つ人間には酷い扱いをされたこともあり、身構えてしまうようだ。
「冒険者? お前が? ……一人でか?」
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弱そうに見える私が、こんな森の中に一人でいることを怪しんでいるのだろうか。
「レベルは?」
「10ですけど……」
「職は?」
「えっと、弓使い?」
接近戦は怖いので、遠くから攻撃出来る弓を主に使っていた。
鑑定スキルで倒せる敵のみを的確に狙い、遠くから一撃で倒す。
それが私の戦闘スタイルだ。
「先程の短剣は護身用と言ったところか」
「はい」
「だけど安全面を考えれば、パーティーを組んで行動すべきだ。確かに鑑定眼を持っているお前には合っている職だとは思うが、防御面が弱すぎる。敵は魔物だけだと思わない方がいい。こんな森の中には盗賊が潜んでいる場合もあるからな。行商人が何故護衛を雇うと思う? こういったことが多く起こっているからだ」
私は完全に見落としていた。
異世界に来てからはずっと魔物相手に戦っていて、盗賊と遭遇したことは一度も無かった。
それは当然だろう。
いつも比較的安全な王都の傍で狩りをしていたのだから。
森に入った時も、盗賊の存在なんて頭にはなかった。
行商人の話を真に受けて、安心だと勝手に思い込んでいた。
話を聞いていると、今更になって背筋がぞっとしてくる。
「ここまで何も起こらなかったのは、ただ運が良かっただけだ。そう思い、これからはもっと警戒すべきだな」
「貴重な助言、ありがとうございます」
盗賊の存在を気付かせてくれたことには感謝したが、パーティーを組んで行動するということには少し戸惑ってしまう。
私の能力は出来る限り周囲には知られたくない。
もし誰かと組んで行動することになれば、安全性は増すが私の秘密を知られてしまうリスクが伴ってくる。
(どうしよう……。盗賊とか怖いし、やっぱり誰かと組んだ方がいいのかな)
「そこで提案なんだが……」
「……?」
「私と一緒に旅をしないか?」
「……はい?」
「自分で言うのもなんだが、私はそれなりに強いぞ。戦闘にも慣れているし、お前の苦手な接近戦を得意としている。私達は良い組み合わせだと思う」
「たしかに、強そうには見えますが……。死にそうになっていたじゃないですかっ!」
突然のことに戸惑い、私はなんとかして断る口実を探してしまう。
そして思いついたことをそのまま口に出してしまうと、彼は「はは……」と苦笑を浮かべてた。
怒らせてしまったのでは無いかと一瞬ハラハラしてしまうが、彼からは怒っている様な素振りは見受けられなかった。
「痛いところを突いてくるな。たしかに弟に闇討ちされたのは事実だ。あれは完全に油断していた」
「闇討ち……!?」
「兄弟内での確執が色々とあるんだ。今回のことは良い教訓として頭に入れておくことにするよ。同じ過ちは二度と繰り返さない。だから安心してくれ、と言われても簡単には出来ないか」
「……はい」
初対面の人間を簡単に信じることなんて出来ない。
それは当然のことだと思う。
「それなら、私を雇わないか?」
「は? 勇者である貴族様を雇うとか絶対に無理ですっ! 私、そんなお金に余裕なんてありませんっ!」
金貨はまだ残っているが、これは私の貴重な生活費だ。
最近では節約生活を心掛けている程だ。
無駄な出費は出来るだけしたくないというのが本音だった。
ましてや貴族の護衛を雇うなんて、いくら取られるか分からない。
そんなの絶対に無理だ。
「私は金には困っていない。ただお前に興味がある」
「意味が良く分からないんですが……」
今の私の表情は、引き攣った顔に見えているかもしれない。
私の鑑定スキルを悪用しようとしているのではないだろうかと、そんな風に考えてしまう。
仮にも彼は権力を持つ側の人間だ。
あの王子と同じように、私のことを利用しようとしている可能性も無いとは言えないだろう。
「あからさまに、そんなに嫌そうな顔をされると困るのだが」
「私のこと、利用しようと思っていますよね?」
「利用……? ああ、鑑定眼のことか。たしかにその能力を持つ者は稀な存在だが、私が興味を持っているのはそれではなく、お前なんだけどな」
「……私? どういう意味ですか?」
私は眉を寄せて戸惑いがちに聞き返した。
「どうやら私は、お前に惚れてしまったようだ。一目惚れって言うものなのかもしれないな」
「……は?」
予想もしない返答が返ってきて、私はぽかんとした顔で気の抜けた声を漏らした。
「さっきセラに触れた時、今まで感じたことのない感情が溢れてきた。言葉で説明するのは難しいが、お前のその甘ったるい匂いに発情した」
「は、発情……?」
「もっとお前のことが知りたくなった。このまま手放したくはない」
「なっ!」
「元はと言えば、先に仕掛けてきたのはセラだろう。私にキスをしたのだからな。だから責任は取って貰わないと、……なあ?」
「……っ!!」
彼は口角を上げて意地悪そうな顔で告げてきた。
私の顔は真っ赤に染まり、言い返したいのに何も言葉が浮かばない。
「そんなに顔を真っ赤にさせて。やっぱりお前、可愛いな。私の傍にいた女達とは全然違う。やはり手放すのは惜しいな」
「そんな不埒な考えな人と、一緒に旅なんて出来ませんっ!」
「そうやって私に素直に意見してくる所が、かなり気に入っている。そういう人間は中々いないからな」
「それが理由……?」
「他にどんな理由があると思っていたんだ?」
「……っ!!」
私は勝手に違うことを想像していた。
それが今は死ぬほど恥ずかしく思えてくる。
不埒なことを考えていたのは、私の方だったようだ。
「少しからかい過ぎてしまったか。気を悪くさせたなら謝るよ。すまなかった。だけど、共に旅をすることに対しては、お互いメリットはあると思っている」
「やっぱり、からかったんですね。……酷い」
私は不満そうな顔でムッと睨み付けた。
すると彼は再び「悪かった」と謝ってきた。
「私にメリットがあるのは分かりますが、ユーリさんには何のメリットがあるんですか? 私、本当にお金ないですよ?」
「安心しろ。セラから金を取る気は無い。それに『さん』も必要ない」
「……分かりました」
「私が倒れてからどれくらいの時間が過ぎているのかは分からないが、恐らく私は死んだことになっているだろう。状況が把握出来るまでは、死んだものと思わせていた方が動きやすい。それにセラは私の事情を把握しているからな。頼みたいこともある」
「護衛をする代わりに、協力して欲しいと言うことですか?」
「ああ、そうなるな。だけど危険なことはさせない。それは約束する」
ここで出会ったことには、何か意味があるのかもしれない。
とんでもないことに巻き込まれ始めているような気はしているけど。
だけど、彼が勇者であることは恐らく間違い無いと思っている。
ということは、少なくとも悪役ではないということだ。
勇者と言えば世界を救うヒーローであり、人々の希望。
それに、一人で心細かったのも事実だ。
盗賊の話を聞いて、少し怯えてしまった。
彼は意地悪そうだけど、意外と話しやすそうだし、もしかしたら上手くやっていけるのかもしれない。
私の鑑定スキルがバレてしまったこともあるし、隠す手間も省けるというものだ。
考えようによっては、かなり都合の良い人間なのではないだろうか。
そんな風に心が揺れ始めていた。
「分かりました。それでは暫くの間、よろしくお願いします」
「ありがとう。感謝するよ、セラ。だけど誤解の無いように一つだけ言っておく」
「なんですか?」
「一目惚れしたというのは強ち間違いではない。私はセラのことが好きらしいからな。だから、同行中は口説かせて貰う」
「は……?」
「嫌だったらはっきりとそう言って、私を諦めさせてくれ」
ユーリは私の手に触れると、指先にそっと口付けた。
その瞬間、私の頬は真っ赤に染まっていった。
「やっぱり、良い反応だな」
「もうっ、からかわないでくださいっ!!」
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