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13.王子からの提案③
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「ねえ、リリア。冒険者に興味があるのなら、騎士団見習いにでもなってみる?」
「……?」
突然の話題変更に私は全く付いていくことが出来ず、ぽかんとした表情をしていた。
アレクシスは表情を明るくさせ、楽しそうに会話を進めていく。
「見習いと言っても、教えるのは私だから安心していいよ。リリアに合わせた指導をするし。絶対に無理はさせない」
「あの、ちょっと待ってください……」
(騎士見習いって今言ってたよね? 聞き間違い……じゃ、ないよね?)
「実践訓練の際には必ず私が同行するし、見習いならば傍に置くことも出来るから安心だな」
「あのっ……」
「実は数年前に王都内にある屋敷を一つ購入したんだ。王宮にいると、常に周りの視線を感じて落ち着けなくてね。一人で静かに過ごしたい時にたまに訪れている場所なんだけど」
「そう、なんですね?」
(今度は何の話!?)
「すごく良い事を思いついた」
アレクシスは怖い程に満面の笑みを浮かべていた。
直前の会話の流れから私は不安を隠すことが出来ず、口元は僅かに引き攣っているのかもしれない。
「リリア、私の秘密の屋敷で暮らしてみる気はない?」
「は、い?」
(秘密の屋敷……?)
「今回の事は明らかに愚弟に非がある。リリアにも目的があるようだったから協力させて貰ったわけだけど、罰を受けるのは君ではないよ。巻き込んでしまったのは王家なのだから、王太子の私が責任を持ってリリアの面倒を見たとしても何らおかしくはないよね」
「そ、そんな、私の事はお気になさらず。この結末を望んていたわけですし。そこまでして頂かなくても大丈夫ですっ!」
私は慌てるように手を体の前に出して『大丈夫です』と必死にアピールを始めた。
するとその手首を突然きつく握られて、僅かに眉を顰めた。
「リリア、私の手を引き剥がせる?」
「え?」
「いいから、試してみて?」
「……っ」
アレクシスにそう言われ、戸惑いながら腕を動かしたり、空いた片手で指を剥がそうと試みたが私の力ではびくともしない。
そもそも現役の騎士相手に、私が力で勝てるはずが無かった。
「無理みたいです」
「ごめんね。少し力を込めてしまったから痛かったかな」
「す、少し……」
アレクシスは私の言葉を聞くとあっさりと手を解放してくれた。
「……?」
突然の話題変更に私は全く付いていくことが出来ず、ぽかんとした表情をしていた。
アレクシスは表情を明るくさせ、楽しそうに会話を進めていく。
「見習いと言っても、教えるのは私だから安心していいよ。リリアに合わせた指導をするし。絶対に無理はさせない」
「あの、ちょっと待ってください……」
(騎士見習いって今言ってたよね? 聞き間違い……じゃ、ないよね?)
「実践訓練の際には必ず私が同行するし、見習いならば傍に置くことも出来るから安心だな」
「あのっ……」
「実は数年前に王都内にある屋敷を一つ購入したんだ。王宮にいると、常に周りの視線を感じて落ち着けなくてね。一人で静かに過ごしたい時にたまに訪れている場所なんだけど」
「そう、なんですね?」
(今度は何の話!?)
「すごく良い事を思いついた」
アレクシスは怖い程に満面の笑みを浮かべていた。
直前の会話の流れから私は不安を隠すことが出来ず、口元は僅かに引き攣っているのかもしれない。
「リリア、私の秘密の屋敷で暮らしてみる気はない?」
「は、い?」
(秘密の屋敷……?)
「今回の事は明らかに愚弟に非がある。リリアにも目的があるようだったから協力させて貰ったわけだけど、罰を受けるのは君ではないよ。巻き込んでしまったのは王家なのだから、王太子の私が責任を持ってリリアの面倒を見たとしても何らおかしくはないよね」
「そ、そんな、私の事はお気になさらず。この結末を望んていたわけですし。そこまでして頂かなくても大丈夫ですっ!」
私は慌てるように手を体の前に出して『大丈夫です』と必死にアピールを始めた。
するとその手首を突然きつく握られて、僅かに眉を顰めた。
「リリア、私の手を引き剥がせる?」
「え?」
「いいから、試してみて?」
「……っ」
アレクシスにそう言われ、戸惑いながら腕を動かしたり、空いた片手で指を剥がそうと試みたが私の力ではびくともしない。
そもそも現役の騎士相手に、私が力で勝てるはずが無かった。
「無理みたいです」
「ごめんね。少し力を込めてしまったから痛かったかな」
「す、少し……」
アレクシスは私の言葉を聞くとあっさりと手を解放してくれた。
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