【本編完結】 婚約破棄された令嬢は自由に生きたい!(R18)

Rila

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11.王子からの提案①

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 伯爵家を後にすると、私達は再び馬車へと乗り込んだ。
 夜だったこともあり、アレクシスが王都の中央まで運んでくれることになった。
 今日一日で、アレクシスには感謝しても仕切れないほど助けられたように思う。
 もし彼が傍にいなかったら、こんなにも上手く計画が進むことはなかっただろう。

「先程とは比べて、表情が緩みきっているな」
「あ……、失礼しました」

 指摘されて、私は慌てるように自分の頬に手を当てる。
 伯爵家という鳥籠から抜け出せたことが本当に嬉しくて、今の私の表情はだらしない程に緩んでいるのだろう。
 慌てて答えたが、溢れ出る喜びを全て堪えることなど出来ない。
 必死に表情を戻そうとする私の姿を眺め、アレクシスは満足そうに微笑んでいた。

「本当にリリアの反応は分かりやすいね。無理に我慢しなくてもいいよ。私は君の素直な表情を見るのも好きだからね」
「ち、違います! 気を抜いてしまうのはアレクシス様の前だからで……。これでも私、普段は仮面を付けて真面目っぽく演じているんですから」

 こんな風に素直に嬉しさを表現したり、意見を言えるのは彼の前だけだ。
 学園では地味で大人しい令嬢を演じ、屋敷では父の言葉に頷くだけの人形に徹していた。
 勿論、したくてしていたわけではない。
 それらの縛りが切られた今、一時的に開放的な気分になっているのだと思う。

「私は今の君の姿しかあまり知らないけど、辛そうな顔も見ていたからな。今まで良く頑張ったね」
「……はい」

 頑張ったと言われると、次第に目の奥が熱くなり、じわじわと涙が滲んできてしまう。
 私の事を気にかけてくれる存在がいる、と思えるだけで素直に嬉しかった。
 だけど、アレクシスの前では涙を見せたくなくて、私は必死に耐えようとしていた。
 彼の前では虚勢を張ってでも、強い人間でありたいと思ってしまうようだ。

(アレクシス様。いつも私のことを気にかけてくださって、本当にありがとうございます)

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