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50.初めての部屋
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国王との挨拶が終わると、ルカルドに案内され私は初めて、ルカルドの部屋へと足を踏み入れた。
(わあ…すごい、広い!!)
私は扉から一歩入ると、あまりの広さに驚きながら、周囲を見渡していた。
部屋の天井を見上げると、天を優雅に飛ぶドラゴンの姿の天井画があり思わず見入ってしまった。
「ルカ様、あれってドラゴンですよね」
「ああ。我が王家は昔からドラゴンとの関りが深かったからな…。ここに来る途中も何度か見かけたと思うけどドラゴン像も結構置かれているんだ」
私が天井を見上げながら、ルカルドに問いかけるとルカルドは色々と教えてくれた。
(そういえばルカ様もドラゴンと契約してるんだっけ…)
「シンリー…本当に良かったのか…?」
「…何がですか?」
ルカルドに声を掛けられ私は顔を横に傾けた。
「今日から俺と一緒の部屋で過ごすってこと…。俺としてはシンリーとずっと一緒にいられるのは嬉しいけど…」
「……っ…」
私は自分言った事をすっかり忘れていた。
その話をされると急に思い出し恥ずかしくなり、顔を真っ赤に染めてしまった。
「何照れてるの…?」
「…私もっ…、これから毎日ルカ様と一緒に過ごせるなんて…すごく嬉しいですっ…」
私はドキドキしながらルカルドの顔を恥ずかしそうに見つめていると、ルカルドは優しく微笑み私の手を絡める様に繋いだ。
掌からルカルドの体温を感じると私はますますドキドキしてしまい、鼓動が速くなる。
「立ち話もなんだし、座ろうか…」
「はいっ…」
ルカルドに手を引かれる様に、中央の方へと移動すると大きなソファーに並ぶようにして腰掛けた。
私は恥ずかしさからルカルドと少し離れて座ってしまうが、ルカルドはすぐに詰めて座り直して来た。
肩が当たる程の距離でなんだか緊張してしまう。
「シンリー、まだ緊張してるのか?国王への挨拶はもう終わったよ?ここには俺しかいないから…もう緊張する必要なんてないんだぞ…?」
「…そう…ですよねっ…」
ルカルドは私の緊張した様子を見て不思議そうに聞いて来たので、私は笑って誤魔化した。
(私が緊張してるのは…ルカ様の部屋で二人きりでいることですっ…、でも変に意識すると私の気持ちが伝わっちゃいそうだし…平常心…平常心…)
私は呪文のように頭の中で『平常心』と唱えていた。
私がそんなことに夢中になっていると、隣に座るルカルドから「シンリー」と名前を呼ばれて顔を横に傾けた。
その瞬間ルカルドの顔が迫って来て唇が重なった。
「……んっ…」
ルカルドはチュッとリップ音を響かせながら、角度を変えて何度も啄む様なキスを繰り返していく。
唇を吸われたかと思うと、ルカルドの舌が私の唇の輪郭をなぞる様に舐めあげ、なんだかむずむずして唇を僅かに開けようとすると、その瞬間を待っていたかの様に私の咥内にルカルドの舌が入り込んで来た。
「シンリーも俺に合わせて舌を絡めて…」
「んっ…はぁっ…んんっ…」
ルカルドの熱い舌が、私の舌に絡みついて来る。
逃げようとしても追いかけられて、捕まると深く吸われてしまう。
「逃がさないよ…」
「んっ…意地悪っ…はぁっ…」
ルカルドは一度唇を剥がして、意地悪そうに呟くと再び私の唇を深く奪っていく。
口の中が熱で溶けそうなくらい熱くなり、何も考えられなくなっていく様だった。
そしてゆっくりと唇が剥がされると、ルカルドと視線が合い、私はとろんとした顔でルカルドを見つめていた。
「シンリー、今日はキス以上の事をしてもいいか…?」
「…え…?……は、はいっ…」
濃厚なキスで頭の奥が少しぼーっとしていたが、ルカルドのその一言で一気に目が冷めた。
「い…今からするんですか…?」
私はガチガチに緊張しているせいか、声が僅かに震えてしまった。
「さすがに昼間からはな…。シンリーもその様子じゃ、無理だよな…。だから少しづつ慣らせていこうか…」
「是非…それでっ…!」
今すぐじゃないと分かると、私はほっとした顔を見せた。
「シンリーは分かりやすい反応するな…。そんな所もすごく可愛い。今日は頑張ったシンリーを甘やかせてあげるよ…」
(わあ…すごい、広い!!)
私は扉から一歩入ると、あまりの広さに驚きながら、周囲を見渡していた。
部屋の天井を見上げると、天を優雅に飛ぶドラゴンの姿の天井画があり思わず見入ってしまった。
「ルカ様、あれってドラゴンですよね」
「ああ。我が王家は昔からドラゴンとの関りが深かったからな…。ここに来る途中も何度か見かけたと思うけどドラゴン像も結構置かれているんだ」
私が天井を見上げながら、ルカルドに問いかけるとルカルドは色々と教えてくれた。
(そういえばルカ様もドラゴンと契約してるんだっけ…)
「シンリー…本当に良かったのか…?」
「…何がですか?」
ルカルドに声を掛けられ私は顔を横に傾けた。
「今日から俺と一緒の部屋で過ごすってこと…。俺としてはシンリーとずっと一緒にいられるのは嬉しいけど…」
「……っ…」
私は自分言った事をすっかり忘れていた。
その話をされると急に思い出し恥ずかしくなり、顔を真っ赤に染めてしまった。
「何照れてるの…?」
「…私もっ…、これから毎日ルカ様と一緒に過ごせるなんて…すごく嬉しいですっ…」
私はドキドキしながらルカルドの顔を恥ずかしそうに見つめていると、ルカルドは優しく微笑み私の手を絡める様に繋いだ。
掌からルカルドの体温を感じると私はますますドキドキしてしまい、鼓動が速くなる。
「立ち話もなんだし、座ろうか…」
「はいっ…」
ルカルドに手を引かれる様に、中央の方へと移動すると大きなソファーに並ぶようにして腰掛けた。
私は恥ずかしさからルカルドと少し離れて座ってしまうが、ルカルドはすぐに詰めて座り直して来た。
肩が当たる程の距離でなんだか緊張してしまう。
「シンリー、まだ緊張してるのか?国王への挨拶はもう終わったよ?ここには俺しかいないから…もう緊張する必要なんてないんだぞ…?」
「…そう…ですよねっ…」
ルカルドは私の緊張した様子を見て不思議そうに聞いて来たので、私は笑って誤魔化した。
(私が緊張してるのは…ルカ様の部屋で二人きりでいることですっ…、でも変に意識すると私の気持ちが伝わっちゃいそうだし…平常心…平常心…)
私は呪文のように頭の中で『平常心』と唱えていた。
私がそんなことに夢中になっていると、隣に座るルカルドから「シンリー」と名前を呼ばれて顔を横に傾けた。
その瞬間ルカルドの顔が迫って来て唇が重なった。
「……んっ…」
ルカルドはチュッとリップ音を響かせながら、角度を変えて何度も啄む様なキスを繰り返していく。
唇を吸われたかと思うと、ルカルドの舌が私の唇の輪郭をなぞる様に舐めあげ、なんだかむずむずして唇を僅かに開けようとすると、その瞬間を待っていたかの様に私の咥内にルカルドの舌が入り込んで来た。
「シンリーも俺に合わせて舌を絡めて…」
「んっ…はぁっ…んんっ…」
ルカルドの熱い舌が、私の舌に絡みついて来る。
逃げようとしても追いかけられて、捕まると深く吸われてしまう。
「逃がさないよ…」
「んっ…意地悪っ…はぁっ…」
ルカルドは一度唇を剥がして、意地悪そうに呟くと再び私の唇を深く奪っていく。
口の中が熱で溶けそうなくらい熱くなり、何も考えられなくなっていく様だった。
そしてゆっくりと唇が剥がされると、ルカルドと視線が合い、私はとろんとした顔でルカルドを見つめていた。
「シンリー、今日はキス以上の事をしてもいいか…?」
「…え…?……は、はいっ…」
濃厚なキスで頭の奥が少しぼーっとしていたが、ルカルドのその一言で一気に目が冷めた。
「い…今からするんですか…?」
私はガチガチに緊張しているせいか、声が僅かに震えてしまった。
「さすがに昼間からはな…。シンリーもその様子じゃ、無理だよな…。だから少しづつ慣らせていこうか…」
「是非…それでっ…!」
今すぐじゃないと分かると、私はほっとした顔を見せた。
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