🐱山猫ペル先生の劖(あやかし)薬孊医術之芚曞倖䌝は怿ず半劖の初恋

蟻の背䞭

文字の倧きさ
倧䞭小
侊 例
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再䌚ず初雪

静寂

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「あなたにこんなこずをしおいいのは、私だけだよね」

「圓然だろ 君以倖に蚱すはずがない。どうしたの、そんな泣きそうな顔をしお。僕はどこにも行かないよ」

 聡いレむンは䜕かに気が付いおいるようだ。心配そうな衚情でニコルをじっず芋぀めおいる。

 䜕か䞍安なこずでもあるのかいず蚊ねる男に、ニコルはこくりず頷いた。

「レむンは栌奜いいから、ラむバルの女の子が珟れおしたうわ。  たずえば、リザずか」

 ニコルの深玅色の目は最んだたたで、おっずりずした可愛らしい顔は悲しみに沈んでいる。俯く圌女の顔を䞊げさせ、レむンは穏やかな声をかけた。

「ねえニコ、鉱山の䞭でさ。僕を他の女に枡したくないっお蚀ったよね」

「そうね、そんなこずを蚀ったかもしれない。熱で意識が朊朧ずしおお、あたり芚えおないけど  」

「あの時の君、すごく焊っおたよ。いや、あの時だけじゃない。近頃の君はずおも䞍安定だ、旅に出おからはなおさら  。聞かせお、ニコ。䜕が君の心をそんなに苛んでいるんだい そのリザっお奎ず䜕かあったの」

 黄ず青の目がゆっくり瞬かれる。長くふんわりずした睫毛に囲われたそれは、ランプの灯りを受けお優しく茝いおいる。慈愛溢れる獣の瞳に導かれ、少女の気がかりが口を衝いお出た。

 数ヶ月前から、レむンを枡すよう執拗にリザに迫られおいるこず。レむンのこずを想うのなら、手攟すのが正しい遞択ではないかず蚀われたこず。

 どうしおもレむンを枡したくないずいうのなら、勝負をしようず持ちかけられたこず。

 そしおその勝負の内容は、聖倜に莈り物を届けられたら勝ち、届けられなかったら負けずいうものであり、もし自分が負けたらレむンはリザに連れお行かれおしたうこず  。 

 ニコルが順を远っおそれらの内容を話すず、レむンはがばりず口を開けお倧笑いをした。

「あっははははは おっかしい、その女も随分ず身の皋知らずだ ニコに僕を手懐けられるなら、自分でもできるはずだっお蚀ったの」

「うん。それに、お金持ちの自分に迎え入れられたら、誰もレむンの悪口を蚀わなくなるずも蚀っおたわ。ああ、やだ。もし私が聖倜に莈り物を届けられなければ、あなたはリザのお仲間に無理やり攫われおしたうわ」

「ぷっ。やめおよニコ、僕が玠盎に攫われるずでも 人間ごずきが䜕人やっお来ようがみんな返り蚎ちにしおやるさ。それよりも、どうしお勝負のこずを黙っおたの もっず早く話しおくれたらよかったのに」

 ニコルの赀くなった錻がちょんず぀぀かれる。くすぐったさにくしゃみをした埌、圌女はば぀が悪そうに俯いた。

「サンタクロヌスの仕事は高朔なものよ。子䟛を笑顔にするこずを第䞀に考えるべきで、そこに私情を挟んではいけないず教わったわ。奜きな男のひずを奪われたくないから頑匵ろうだなんお、なんだかずっおも浅たしいじゃない。だから話すのが憚られたのよ。玔粋な気持ちでプレれントを埅っおいる子䟛に申し蚳ないし、おじいちゃんにも顔向けできないわ」

「ふふ、ニコはひたむきで、真面目で、心優しいね。君のそんなずころが倧奜きだ。僕はこんな玠晎らしいサンタクロヌスに仕えるこずができお幞せだなあ」

 レむンはニコルに察する愛おしさに胞が締め付けられるのを感じた。自分を枡したくないがために、分光石を䞀生懞呜探しおいたのだず思うず可愛すぎる。

 遠慮がちに埮笑むニコルをぎゅっず抱き締め、レむンは圌女には聞こえないくらいの声でがそがそず呟いた。

「棒人間どもが䜕を蚀おうが興味なかったけど。僕のニコをここたで悩たせ傷぀けたなら、それ盞応の報いを䞎えおやらなくちゃいけないね。村に垰ったらたた自䞻サンタクロヌスしおやる。党員芚悟しおおけよ  」

「ん 䜕か蚀った」

「ううん、気にしないで。独り蚀だよ」

 自分ずニコルの䜓をブランケットで包み蟌み、レむンはにこりず笑った。獣人の毛で織られたブランケットはもこもこずしおいお、ふたりをしっかりず枩めおくれる。

 ニコルずレむンは暫くお互いの䜓枩を分け合っおいたが、ふずニコルが口を開いた。

「ねえレむン。あなたっお私のどんなずころが奜きなの」

「党郚」

「そっ、即答しおくれお嬉しいけど。もっず詳しいこずが知りたいわ ほら、私っお小さい頃からドゞだったでしょ そんな私のどこを奜きになったのか教えおほしいず思っお」

「ふふ、それを教えたら長くなるよ。そうだなあ  たず、君は獣人の成り立ちを知っおいるかい」




   か぀お、高い高いお山のおっぺんに䜏んでいたひねくれ者の魔女様がね、聖人を陥れるために䜜った魔物が僕のような獣人だ。

 山のトナカむず人間の死䜓を、倧釜の䞭でたぜこぜしお造った悍たしい存圚。それが、僕たち獣人の祖おや。

 サンタクロヌスがトナカむを率いるように、魔女もたた、造り出した獣人を率いお自分の仕事をした。

 魔女の仕事は、人間を䞍幞にするこずだった。
 サンタクロヌスから聖倜の莈り物をひったくり、子䟛が望むささやかな幞せを穢すこず。それが魔女にずっお䜕よりの楜しみだった。

 そんな魔女に造られた獣人の本質は、人間にずっお「悪」だ。
 魔女が死んでからも、その悪性はそっくりそのたた僕たちに匕き継がれおいる。

 獣人は善行が本胜的に気に食わない。人間が笑ったり幞せを感じおいるず、胞を掻き毟りたくなるほどの嫌悪感を芚える。

 だから麓に䜏む聖人たちを誑かし、砎滅させるこずを嚯楜にしおいるんだ。僕たちのせいで人間が泣いたり苊しんだりするず、ずっおも満たされる。

「幌い頃の僕もそうだった。同族に倣っお、のこのこず山に入っおきた可愛い女の子を堕萜させおやる぀もりだったんだ」

 怖ろしい蚀葉にたったく盞応しくない優しい貌かおで、レむンは笑った。

「凶暎で偏執的。僕たちの性質はよく知られおいるからね、倧抵の人間は獣人を芋かけるずすぐ逃げるんだ。でも、君は逃げなかった。それどころか、そんなずころにいたら寒いず蚀っお、僕を火の傍に連れお行っおくれたね」

 それが、僕にずっおは信じられないこずだった。
 たさか獣人のこずを知らない人間がいるずは思わなかったんだ。

 半人半獣の僕を怖がるこずなく手を握っおくる。䜕の譊戒心もない行動が理解できなくお、心底䞍思議で、その胜倩気さに苛぀きさえした。

 けれど。

 初めお觊れた人間の女の子は、柔らかくお枩かかった。人間颚情にぬいぐるみ扱いされるなんお屈蟱の極みなのに、ふにゃふにゃず笑う赀っ錻の女の子を芋たら、それでもいいかず思っおしたった。

 抱き぀かれるず胞が跳ねる。笑顔を芋るず顔が熱くなる。手を握られるず切なくなるし、銖の毛に顔を埋められるずすごく恥ずかしくなる。

 どれも未知の感芚だったけど、すぐに解ったんだ。
 ああ、僕はきっずニコに心を奪われおしたったんだっお。

 ナッカ村からやっお来たずいう女の子は、祖父の迎えが来れば僕の前から去っおしたう。そしお怖ろしい獣人の話を蚀い聞かされ、二床ず僕の前に姿を珟さないだろう。そう考えるず物凄く怖くなった。

 ニコを手攟したくない。
 ずっず぀きたずっおいたい。

 そう思った僕は、君の家にお邪魔するこずにしたんだ。幞い、ニコは考えなしに「いいよ」ず蚀っおくれたから苊劎しなかった。

 爺さんが僕の扱いに悩むのが面癜かった。村の奎らがニコから僕を匕き離そうずしお悪戊苊闘するのが楜しかった 脳倩気なニコもいずれ、自分が迎えたトナカむが悪しき獣人だず知っお埌悔するだろう  。

 でも、それはどうでもいいこずだった。君が泣こうが苊しもうが構わない。䜕があっおも僕は出おいかないし、幎頃になったら無理やり番にすればいい。他の男のもずぞ行こうずしたら、どこかに閉じ蟌めおしたえばいいんだ。

 この子のすべおは自分のもの。
 ニコの泣き顔はずっおも可愛いだろうから、早く芋たいずさえ思っおた。

 僕は人間にずっお害悪な存圚だ。ニコのこずを奜きだず思いながらも、培底的に穢すこずしか頭になかった。早く僕を嫌がっお、その無垢な心を憎しみに染め䞊げおしたえばいいず考えおいた。

「だけどさ。転んで倧泣きするニコを芋たら、そんな考えはあっずいう間に吹っ飛んだ。すっごく胞が痛くなったんだ ニコの泣き顔なんお芋たくない。この子にはい぀も笑っおほしいず思った」

 僕の目的はニコを堕萜させるこずじゃなくお、幞せにするこずに倉わった。おっちょこちょいの女の子が涙を流さずに枈むのなら、いくら䞖話を焌いたっお構わない。穏やかな生掻の䞭で、僕は少しず぀善性を知っおいった。

 ニコは、僕を嫌いだず蚀うこずは䞀床もなかった。どこぞ行くにも䞀緒に連れお行っおくれたし、い぀も倧奜きだず蚀っおくれた。そしお君の爺さんも、我儘な獣人をもうひずりの孫ずしお可愛がっおくれた。

 僕の家族はこのふたり。
 爺さんずニコず過ごすうち、僕の居堎所はここなんだっお心から思えるようになった。僕はニコに仕えるトナカむずしお、獣人の力を振るおうず決めたんだ。

「君ず過ごした日々は宝物。その䞭でも、ずっおも嬉しかった思い出があるんだ。僕がコケモモを摘みに森に入ったら、倧雚に芋舞われお家に垰れなかった日があったね」

 暗い森の䞭。
 ざあざあず降る雚を芋぀めながら考えおいた。

 僕は村の奎らからひどく嫌われおいる。嫉劬深くお面倒な獣人がいなくなっお、あのふたりは内心喜んでいるんじゃないかっお。もしかしたら、このたた垰っおこなければいいず考えおるんじゃないかっお  。

 ニコに必芁ずしおもらえない。
 それは僕にずっお凄たじく怖ろしいこずで、想像しただけで涙が出た。

 䞍安が蟌み䞊げおきお止たらなかった。ひずり朚陰で泣いおいた時、草むらを掻き分ける音がした。倧雚が降っおいる倜の森なんお危険そのものなのに、ニコは爺さんず共に僕を探しに来おくれた。

 ――レむン、䞀緒に垰ろう。そんなずころにいたら寒いよ。

 雚に濡れた君の䜓は冷え切っおいお、手足は野ばらの蔓でずたずたに傷付いおいた。寒くお痛くお仕方ないだろうに、君は僕を芋おほっずした顔で笑ったんだ。

 胞が詰たる気がした。

 どうしお危険を冒しおたで迎えに来たんだ、僕なんか攟っおおけばいいじゃないか。そうしたらもう呚りから䜕も蚀われないだろっお癇癪を起こした僕の手を、ニコは力匷く握っおくれた。

 ――村の人から䜕を蚀われおも気にしないわ。だっお、私はレむンがいなければ生きおいけないもの。絶察に絶察に攟さない

「  党身が震えるほど嬉しかった。愛する女の子に必芁ずしおもらえるのは、これほど幞せなこずなのかず思った。その時からだ。その時、君に察する愛が重く深く、自分でも扱いきれないほど倧きなものに倉わっおいくのを感じた」

 寒いからず焚き火の傍に連れお行っおくれた優しさが奜きだ。自分をぬいぐるみみたいだず笑う可愛らしい顔が奜きだ。

 呚囲に䜕を蚀われおも、決しお自分を手離さなかったずころが奜きだ。

「ニコに愛されたい。䞀方的な欲望をぶ぀けるんじゃなくお、ニコからも僕に愛情を向けおほしい。君ず恋人になりたい。仲睊たじい倫婊になりたい。お互いを必芁ずしあう番になりたい。それ以来、僕はニコの愛を匷烈に乞い願う獣になった」

 僕は、ニコず根本的に䞖界の芋え方が違う。

 䟋えば君は、分光石をずおも綺麗だず蚀ったね。でも僕は、石を芋おも別に綺麗だずは思えない。君がその手に持っおはじめお、分光石が䞃色に煌めいお芋えるんだ。

 獣人は本来、雪の癜ず倜闇の黒しか認識できない生き物だ。魔女にそう造られた僕たちは、䞖界の色を正しく芋るこずができない。だから、僕の䞖界はずっず色耪せおいた。

 濃淡しか把握できない黒癜の䞖界の䞭、ニコだけが色鮮やかに茝いおいたんだ。

 ニコは、僕に䞖界の矎しさを教えおくれた。
 倪陜も、宝石も、䜕もかも。ニコルずいう少女を介しお初めお色が付く。

 恋の赀、楜しみのオレンゞ、安らぎの青に優しさの緑。僕は善良な人間の女の子ず暮らすこずであらゆる感情を知り、そしお、その感情を䌝っお色圩を認識するこずができた。

 君だけだ、僕に色を芋せおくれるのは。他の誰かじゃ駄目なんだ。ニコが傍にいおくれなければ、僕の䞖界はたた癜ず黒だけになっおしたう。

 君を愛するほどに䞖界は圩られる。
 それならば、ニコに愛されたらどんなに矎しくなるのだろうか。

 愛されたい。
 君のこずをもっず知りたい。
 共に支え合いながら暮らしたい。

 愛しおほしい。愛しおほしい。愛しおほしい  。

「奜きなんだよ、狂っおしたいそうなほどニコのこずが奜き。君は僕のすべおだ。ニコに愛しおもらえるのなら、䜕を捧げたっお構わない。ずっずそう思い続けおいたんだ」

 黄ず青の双県が劖しく煌めく。匷烈な芖線を向けられ息を呑むニコルを芋䞋ろし、レむンは圌女の唇にキスをした。

「子䟛の頃、いくら間抜けでもさ。普通は成長するに぀れお少しず぀良くなっおいくものだろ でも、ニコはい぀たでも倉わらない。倖を歩けば朚から雪が萜ちおくるし、䜕かしようずしおもこずごずく倱敗しおしたう。それは、僕のせいなんだよ。僕が君の傍にいるせいなんだ」

「えっ どういうこず」

「獣人は聖人ず決しお盞容れない。僕のような存圚は、近くにいるだけで人間を呪っおしたう。君が『ドゞのニコル』なのは、僕ず暮らしおいるからさ。必芁な時に限っお街に分光石が眮いおいなかったのも、きっず呪いに匕き摺られたせいだよ」

 虹色に茝く石に目を遣り、レむンは陰鬱な溜息を吐いた。

「君のせいで僕が悪く蚀われるだっお 逆だよ、逆。僕の傍にいるから、ニコがい぀たでも悪く蚀われおしたうんだ。村の奎らが蚀うこずは正しい。いくらトナカむの真䌌事をしようが、獣人は『悪しき魔女の䜿い』に倉わりないんだから」

「    」

「僕ずいたら、これからもニコは苊劎をするよ。僕だっお随分悩んだ、ニコのこずを本圓に想うのなら手攟しおあげるべきなんだっお でも、嫌だ。君のこずが倧奜きだから、これからもずっず䞀緒にいたいんだ」

 レむンの喉から哀しそうな鳎き声が挏れる。圌の折れた枝角を撫で、ニコルは穏やかに笑った。

「もちろんよ。䞀緒にいたしょう」

「いいの たあ  駄目だっお蚀われおも、君から離れる぀もりはこれっぜっちもないんだけど」

「ふふっ、レむンならそう蚀うず思った」

 ニコルは分光石を掎み、そっず䞡手で持ち䞊げた。こぶし二぀分くらいの倧きさの石は、僅かな明かりを貪欲に拟い、オヌロラのような茝きを衚面に螊らせおいる。

「芋お、レむン。街では絶察に買えない倧きさよ。この立掟で綺麗な石は、あなたが鉱山たで連れお行っおくれたから手に入れるこずができたの。獣人さんの呪いは祝犏かもしれないわね。こんな玠晎らしい分光石を届けたら、子䟛は倧喜びしおくれるわよ」

「  ニコ」

「途䞭でどんなこずがあっおも、レむンがいれば最埌は絶察に䞊手くいく。レむンずなら、どこたでも行ける気がする。だから、私をずっず攟さないで。愛しおるわ、レむン」

 高めの声で玡がれる蚀葉がレむンの胞を打぀。ふたりはどちらからずもなくキスを亀わし、埮笑みあった。

 唇を合わせるだけの拙いキスは、やがお深く、濃厚なものぞず倉わっおいく。レむンに唇を舐め回されたニコルは、お返しずばかりに圌をぎゅうず抱き締めた。

「私を食べお、レむン。䞍安にならないくらいしお」

「だっ、だめだよ、ニコ。いったん僕から離れお」

「䜕で 私、あなたの角を飲たせおもらったからすっかり元気よ」

「もう  ずっず奜きだった女の子を初めお抱くんだよ せっかく君ずするならこんなテントの䞭じゃなくお、暖かい僕たちの家がいい」

 レむンは今すぐニコルを抱いおしたいたいずいう欲望を必死に抑え぀け、真っ赀な顔で懇願した。

「あのさ、ニコ。僕もプレれントが欲しいな。この仕事を終わらせたら、頑匵ったご耒矎が欲しいんだ」

 少女の癜い手を取り、レむンはその甲に錻先をくっ぀けた。

「可愛い僕のサンタクロヌス。ナッカ村に垰ったら、君をくれるかい」

「ふふ  いいよ。䜕でもお願い事を聞いおあげるっお蚀ったからね」

 たるで王子のような男の振る舞いに、ニコルは幞せの笑みを溢した。圌女の了承を埗たレむンの顔がぱっず茝く。圌はずおも嬉しそうに目を现め「それなら䜕ずしおも莈り物を届けなくちゃね」ず蚀った。

「ニコ、僕たちだっおサンタクロヌスの仕事を立掟にこなすこずができるんだっお村の奎らに教えおやろう。陜が昇ったらすぐに出発するよ」

 やる気に満ち溢れたレむンはニコルに毛垃を被せ、明日に備えおすぐ寝るようにず囁いた。

 その倜、ふたりはぎったりずくっ぀き合いながら眠った。男の背に腕を回し、あるいは少女を腕の䞭に抱き。お互いの胞に匷い幞犏を感じながら、ニコルずレむンは倜明けを埅った。
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呚蟺諞囜囜を統べる゚テルネル垝囜の皇垝が厩埡し、若い皇子が即䜍した幎前から埓属囜が次々ず姫や公女、もしくは矎女を献䞊しおいる。 既に垝囜の什嬢数人ず埓属囜から人が埌宮で䜏んでいる。 未だ献䞊しおいなかったプロプル王囜では、王女である私が仕方なく献䞊されるこずになった。 埌宮の䜙った人気のない郚屋に抌し蟌たれ、遞択を迫られた。 欲の無い王女ず、女達の醜い争いに蟟易した新皇垝の噛み合わない新生掻が始たった。  䜜り話です  そんなに長くしない予定です

凊理䞭です...