文化祭劇の脚本が異世界に繋がっちゃって、モブキャラのまんま、イケメン王子の前にブッ飛ばされたんだけど?!

蟻の背中

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最終話 君は輝く

輝く私達

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パンッ!!

白々とした光が目の前で弾けた。

閃光で視界が霞んでいる。


「ツキ、大丈夫?ねぇ、ツキ」

目の前にハナの顔があった。

私はベットに寝かされていた。

「ハナ……私」

「ツキに照明が倒れてきたんだよ」

「照明?」

「心配ないよ、軽い脳震盪だろうって、保健の先生が」

「ああ、舞台……シミズの……ダメになっちゃった?」

「大丈夫、幕が閉じたあとだったから」

「そっか、良かった」

「よくないよ!心配したんだよ!!」

ハナが私のお腹の辺りを、パンパンと叩いた。

「ハナ、久しぶりだね……私達、
話すの」

ハナはうつ向いて涙を堪えているようだった。



「……ごめんね、ずっと、言えなくて、その先輩とのこと」

「早く言って欲しかった。言ってくれててもこうなってたかもしれないけど……」

「うん、ごめん。今日言おう、明日言おうって、ずっと思ってたんだけど」


「しょうがないよ、好きな気持ちは誰にも
とめられないもん」



ベッドの傍らに小道具のランプが置いてあった。




教室に戻ると、クラスの皆が明日のための準備をしていた。


まだ2日舞台は残っている。


「お前、大丈夫だったか?」

ポンと肩を叩かれ振り替えると、スラオシャ、いや清水が立って私を見下ろしていた。

「全っ然! あんたの脚本、いい加減すぎてどんだけ苦労したか!!」


「えっ?」

清水はキョトンと私を見て、そして微笑んだ。

「戻ってきたんだな……」

「ん?何?」


「なんでもない、明日も頼むな……」


「ツキー!帰ろー」

教室の扉でハナが手を振っていた。




作業用BGM  SHUT DOWN ― CLASS:Y
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