文化祭劇の脚本が異世界に繋がっちゃって、モブキャラのまんま、イケメン王子の前にブッ飛ばされたんだけど?!

蟻の背中

文字の大きさ
上 下
108 / 117
第3章 聖なる巫女の最後の願い

夢から醒めるな!!

しおりを挟む


私はスーパーの中を歩いている。
両サイドには天井近くまでありそうな棚。
棚の上には飲み物やお菓子やスイーツが、綺麗に陳列されていて、どれも美味しそう。

広い通路の真ん中を
ショッピングカートを
押しながら、ブラブラと歩いていく。

そして発見した。
その商品がずらりと並ぶ場所を。

そう、私の目的は大好きな
ポテトチップスだ。

「うっわっ!!」

歓喜の声を上げ、
ポテトチップスの袋を
ホイホイとカートへ投げ入れる。

塩、のり塩、コンソメ

ああ、そうそう

ワサビ味も食べたかった。

それの袋を手にしたところで


おやっ?

と、立ち止まる。


何か忘れているような気がするの。

「なんだっけ?」

「ピザ味」

と、誰かの声。

「おお、そうよ。ピザ味、忘れるところだった、ね」

ワサビ味をカートへ放り込んで
今度はピザ味の袋を手に取る。

そして声の主を探す。

「ピザ味……」

「ご主人様、さぁ、願いをなんなりと……」

また、声が聞こえた。
さっきの人とは違う声だった。

「願い?」

「何度でも、どんな願いでも」

「うん!とりあえず何でもあるスーパー、っていうのは叶ったから……次は回転寿司がいいかなぁ、ハンバーガーも食べたいし」

私はいつの間にか回転寿司屋さんにいた。

目の前を、マグロの握りや、エビの天ぷらなんかが通りすぎていく。

私は、流れてくるお皿を片っぱしから取って、お寿司を口いっぱいに頬張る。

「美味しい……」

モグモグ。

久しぶりだなぁ、お寿司なんて……
酢飯がうまい……
モグモグ……ひたすら食べる。

でも、なんだろう?
食べても食べても、

お腹がいっぱいにならないような?

「次の願いをどうぞ」

野太いおじさんの声だった。

「次の願いか……じゃあ」

「」

って、夢かな?これ……
……夢かぁー、だよねー。

そんな気は薄々していたわけだけど。

でも、だったら尚更嫌じゃん?

起きるなんて。

こんな幸せな夢なのに、
ねぇ……
ずっと食べたかった……。

ポテチ。

こっちの世界には、
ないじゃん、
ポテトチップスっていうものがさぁ!!

ないんだからよぉお!!!



作業用BGM  MCND―LOUDER
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

婚約破棄されて辺境へ追放されました。でもステータスがほぼMAXだったので平気です!スローライフを楽しむぞっ♪

naturalsoft
恋愛
シオン・スカーレット公爵令嬢は転生者であった。夢だった剣と魔法の世界に転生し、剣の鍛錬と魔法の鍛錬と勉強をずっとしており、攻略者の好感度を上げなかったため、婚約破棄されました。 「あれ?ここって乙女ゲーの世界だったの?」 まっ、いいかっ! 持ち前の能天気さとポジティブ思考で、辺境へ追放されても元気に頑張って生きてます!

聖女を騙った少女は、二度目の生を自由に生きる

夕立悠理
恋愛
 ある日、聖女として異世界に召喚された美香。その国は、魔物と戦っているらしく、兵士たちを励まして欲しいと頼まれた。しかし、徐々に戦況もよくなってきたところで、魔法の力をもった本物の『聖女』様が現れてしまい、美香は、聖女を騙った罪で、処刑される。  しかし、ギロチンの刃が落とされた瞬間、時間が巻き戻り、美香が召喚された時に戻り、美香は二度目の生を得る。美香は今度は魔物の元へ行き、自由に生きることにすると、かつては敵だったはずの魔王に溺愛される。  しかし、なぜか、美香を見捨てたはずの護衛も執着してきて――。 ※小説家になろう様にも投稿しています ※感想をいただけると、とても嬉しいです ※著作権は放棄してません

父が再婚しました

Ruhuna
ファンタジー
母が亡くなって1ヶ月後に 父が再婚しました

極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~

恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」 そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。 私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。 葵は私のことを本当はどう思ってるの? 私は葵のことをどう思ってるの? 意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。 こうなったら確かめなくちゃ! 葵の気持ちも、自分の気持ちも! だけど甘い誘惑が多すぎて―― ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。

【本編完結済み/後日譚連載中】巻き込まれた事なかれ主義のパシリくんは争いを避けて生きていく ~生産系加護で今度こそ楽しく生きるのさ~

みやま たつむ
ファンタジー
【本編完結しました(812話)/後日譚を書くために連載中にしています。ご承知おきください】 事故死したところを別の世界に連れてかれた陽キャグループと、巻き込まれて事故死した事なかれ主義の静人。 神様から強力な加護をもらって魔物をちぎっては投げ~、ちぎっては投げ~―――なんて事をせずに、勢いで作ってしまったホムンクルスにお店を開かせて面倒な事を押し付けて自由に生きる事にした。 作った魔道具はどんな使われ方をしているのか知らないまま「のんびり気ままに好きなように生きるんだ」と魔物なんてほっといて好き勝手生きていきたい静人の物語。 「まあ、そんな平穏な生活は転移した時点で無理じゃけどな」と最高神は思うのだが―――。 ※「小説家になろう」と「カクヨム」で同時掲載しております。

《完》わたしの刺繍が必要?無能は要らないって追い出したのは貴方達でしょう?

桐生桜月姫
恋愛
『無能はいらない』 魔力を持っていないという理由で婚約破棄されて従姉妹に婚約者を取られたアイーシャは、実は特別な力を持っていた!? 大好きな刺繍でわたしを愛してくれる国と国民を守ります。 無能はいらないのでしょう?わたしを捨てた貴方達を救う義理はわたしにはございません!! ******************* 毎朝7時更新です。

ポーションが不味すぎるので、美味しいポーションを作ったら

七鳳
ファンタジー
※毎日8時と18時に更新中! ※いいねやお気に入り登録して頂けると励みになります! 気付いたら異世界に転生していた主人公。 赤ん坊から15歳まで成長する中で、異世界の常識を学んでいくが、その中で気付いたことがひとつ。 「ポーションが不味すぎる」 必需品だが、みんなが嫌な顔をして買っていく姿を見て、「美味しいポーションを作ったらバカ売れするのでは?」 と考え、試行錯誤をしていく…

【完結】ご都合主義で生きてます。-ストレージは最強の防御魔法。生活魔法を工夫し創生魔法で乗り切る-

ジェルミ
ファンタジー
鑑定サーチ?ストレージで防御?生活魔法を工夫し最強に!! 28歳でこの世を去った佐藤は、異世界の女神により転移を誘われる。 しかし授かったのは鑑定や生活魔法など戦闘向きではなかった。 しかし生きていくために生活魔法を組合せ、工夫を重ね創生魔法に進化させ成り上がっていく。 え、鑑定サーチてなに? ストレージで収納防御て? お馬鹿な男と、それを支えるヒロインになれない3人の女性達。 スキルを試行錯誤で工夫し、お馬鹿な男女が幸せを掴むまでを描く。 ※この作品は「ご都合主義で生きてます。商売の力で世界を変える」を、もしも冒険者だったら、として内容を大きく変えスキルも制限し一部文章を流用し前作を読まなくても楽しめるように書いています。 またカクヨム様にも掲載しております。

処理中です...