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第3章 聖なる巫女の最後の願い
森と泉の素敵なお城
しおりを挟むバルフのお城は、ザ・古城って感じでとても素敵だった。
深い森と青い湖と緑の芝と、ってこれ完全にカレンダーのお城シリーズで使えるやつじゃん。
空気もイルファンみたいに渇いた感じがしないし、適度に潤っていて癒し効果抜群。
空気が美味しい!
シミズ、じゃなかった。
スラオシャから話を聞いて、私は結局バルフのお城に行くことにした。
その方がユージンにまた会える可能性が見えてきたから。
スラオシャはこの国の王女様の従者。
王女様は隣の国イルファンの王子と政略結婚するはずだった。
けれど、イルファン国王の真の目的はバルフの領土。
バルフにあるリュトンで国王の願いを叶えたら許してやると言われ、そのリュトンを取りに行く途中でユージンと私に会った。
その期限が明日までで、自分がリュトンを持って戻らなければ、王女と侍女が殺される。
そして、バルフはイルファンの圧倒的な兵力によって、力付くで蹂躙されるだろう。
「しかし……おそらくリュトンはバルフにないんじゃないかと思う」
「えっ、なんでそう思うの?」
「……そもそも、王女様は婚姻出来ない。女系の王族は不要な跡目争いを防ぐために子を生めないことになっている。だから王家に生まれた女性は代々巫女となりリュトンを持って国王と国を守る役目を担ってるんだ。なのに、王女様が自らイルファンへ赴くと言い出した。国王も決まりを変えてまでそれを許したんだ。ということは、ジンに頼れない事態が起きている、または、それに近い状況にある、そう考えるのが妥当だ」
「もしかして、イルファンには王子様が2人いない?」
「昔は2人いたが、今は第2王子のギルディールだけだ」
「やっぱり」
「何故知っている?」
「リュトンは侍女が盗んで、バルフから消えた。侍女がなぜリュトンを盗んだかというと……それは隣の国の王子を好きになったから。どうしても彼を手にいれたくて、魔神の力を借りようとして。でもこれは侍女が思い付いた作り話。本当は王女が魔神としてはならない契約を結び、魔神を自由にしちゃったの、だからリュトンもその時に消えた」
私の話を聞いてスラオシャは目を丸くしている。
スラオシャの話を聞いて私も驚いている。
だって、これって、
シミズの脚本と
ほぼ
話が一致するんだもん。
作業用BGM LeeHi―Holo
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