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第3章 略奪溺愛とか重すぎるので、逃げ出させていただきます!しかし回り込まれてしまった!
第9話 高潔なる魂
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こんなことになるなんて思ってもいなかった。カーティスを殺してしまったフェンサリルは唇を引き結んで何かを堪えている。私は起き上がってすぐにフェンサリルの傍によって肩を撫でる。
「大丈夫ですか?フェンサリル」
「ん…ああ。大丈夫だ。別に人の命を奪ったのは初めてじゃない。だがこれは戦争じゃない。流石に少しな…」
フェンサリルには戦争への出征経験がある。だから人の命を奪うことはすでに経験済みなのだ。だけどそれでもこういう状況はまた違うものだろう。仲が良かったとはいえないが、同じ学校に通っていた同級生だ。だから私は彼をなんとかして慰めたかった。
「ですがあなたのおかげでわたくしは無事に済みました。ありがとうフェンサリル」
「そうか。ならよかった」
青かった顔色は少し良くなる。その時手をぱんぱんと叩く音がした。国王陛下が獰猛な笑みを浮かべながら手を叩いていた。
「さて。フェンサリルくん、それにジョゼーファ。君たちは罪を犯した。君たちのせいで私の息子は死んでしまった。どう償う?」
「国王陛下。畏れ乍ら申し上げます。手にかけたのはこの俺、フェンサリル・ケルムトであります。しかしながら先に手を出してきたのはカーティス王太子殿下からです。俺にもっと技量があれば、殺さずに無力は出来たかもしれません。ですがジョゼーファを守る為であれば、あの結果は仕方がなかった。そう考えます。俺はジョゼーファを守りたかっただけで王室に対しての敵意や叛意はありませぬ!!」
そう。今のは誰が見ても正当防衛だ。会場の誰もがフェンサリルに過失はなかったと証言できる。裁判になっても無罪放免は間違いない。どう考えても悪いのはカーティスだ。だけどそれは理性の世界の話。国王陛下はにんまりと笑って言う。
「なるほど。確かにそうだね。悪いは我が息子だろうね。愚かにもジョゼーファに手を挙げたことがこの殺しの因果そのものだ。だけどね。目には目を。歯には歯をとも言う。カーティスがやったことなど今更どうでもいいのさ。私は息子を一人失ったのだ。当然その分を贖ってもらわないとね。ふはは」
国王陛下の言っていることは法理や道徳ではない。ただの難癖だ。こんなのに納得できるわけがない。私も口を開く。
「陛下!さすがにその理屈は法に照らし合わせても通りません!フェンサリルは女を守った勇敢な男です!寛大なる心でお許しください!そして王たるものは法を蔑ろにしてはいけません!法治の徹底でもって今回の件を御裁可ください」
私は国王陛下に向かって恭しく頭を下げる。だが帰って来た返答はあまりにも冷たい声だった。
「ジョゼーファ。いい子ぶるな。お前は近代思想の優等生に成り下がったのか?法は王権さえ縛り制御すると、そんなつまらない法学の夢想をお前は信じているのか?馬鹿者が!!法は王権の下にあるのだ。私こそが国家!我が意こそが国家の意志である!!王とはそういうモノだジョゼーファ!!」
その怒鳴り声に体ブルりと震えた。恐ろしい。男の怒鳴り声罵声は何度も聞いてきた。だけどこんな風に恐ろしいと思ったことは一度もなかった。この人は違う。私の知っている男たちとは何もかもが違うのだ。
「そうだな。目には目を。歯には歯を。人類の法の基本原則とでも言えばいいこの言葉。とても美しいと思う。故に君たちに与える罪はこの原則に沿う様にしよう。そうだね。フェンサリル君。君にはカーティスの命の補償として、君の命を捧げてもらおう!」
あまりにもあっけない死刑宣告。裁判官だってもっと厳かに口にするだろうに。彼にとって人の命などは掌にのる財産の一つでしかないのだ。これが王様の力。フェンサリルは何も口にできなかった。国王陛下の言葉の力に飲まれていた。あんなにも勇敢で強いフェンサリルでさえも、この人には敵わない…。目が潤むのを感じる。悔しいからだと思いたい。でも違う。国王陛下の姿を目に入れているだけで瞳が潤む。
「そしてジョゼーファ!君もだ!君もまた悪だ!フェンサリルくんはジョゼーファだから守ったのだ。君は男に暴力を振るわせるように仕向けてしまう罪深き性質があるんだ。カーティスが狂ったのも君が罪深いほどに美しいから飲み込まれてしまった。君は男を狂気に追い込む。悪い女の子だ」
悪い子。そんなことない。私はそう言われて反発する気持ちが抑えられなかった。この人に悪い子だなんて思われたくない!そんなのいやだ!私はずっとみんなの為に頑張った!いい子だった!いい子だったはずなのに!
「そうだな。君には私に新しい息子を授けてくれないか?」
新しい息子を授ける?それは私が子を産むということか?この人の子を?昔想像したことがある。自分が子を孕んだならどんな気持ちになるだろうと?特に好きな人もいなかった私はその想像にただただ恐ろしさや不便さによる不快感しか覚えなかった。だけど今は違う。一瞬見えてしまった自分の夢想。お腹が大きくなった自分の姿に幸福感を覚えた。何なんだよこれ…。気持ち悪い。自分がすごく気持ち悪い。なのに体は甘く震える。頬は赤くなるばかり。
「待ってください国王陛下!ジョゼーファは関係ない!」
私をしょうもない想像から解放してくれたのは、フェンサリルの声だった。彼は凛とした声で国王陛下に告げる。
「国王陛下!ジョゼーファは関係ない!此度のことはすべておれだけの責任でもってなされたことです!ジョゼーファのせいじゃない!違う!俺はカーティスがきっと憎かった!地位を利用してジョゼーファを手に入れたあの男が憎かったんだ!!だから殺したんだ!ジョゼーファの所為じゃない!全部俺だけの!俺だけの所為なんだ!罰は俺だけに!俺だけに下してください!!」
フェンサリルは必死に国王陛下に嘆願する。ああ、なんてことだろう。私は自分を庇って守ってくれた男の子にこんなことを言わせるような女なのか?フェンサリルは全部の罪を被ろうとしている。私はさっき与えられる罰に甘い夢想まで覚えた悪い子なのに。
「ほう。これはこれはいい男だね。ふぅ。なんて勿体ないことなんだろうか。君が私の息子だったならば。そう思ってしまったよ。いいだろう。君の男気に免じてやろう。命に代えても女を守る覚悟は美しい。ジョゼーファについては罰を与えるのはやめよう。それだけではない。さきほどの摂政就任も王権の継承ももちろん認めよう。だが君は今ここでこの場で皆が見届ける中で自分自身の首を刎ねるのだ」
国王陛下はカーティスの遺体がもっていた短剣を手に取り、それをフェンサリルに手渡した。自裁を認めるのは罪人に名誉を認めた証だ。フェンサリルへの罰は一族一門には及ばずに済むだろう。そして国王陛下も約束を守り、私を摂政にしてくれる。私の夢だった政治参画はフェンサリルの命でもって守られる。
「っ…ああ…」
涙がこぼれる。私は冷たい女だったはずだ。今も政治家としての自分はフェンサリル一人の命で事が収まるなら安いものだと叫んでる。だけど違う理屈じゃない。哀しい。とてもとても愛おしいから。
「ジョゼーファ。泣くな。お前のやりたかったことはこれで続くんだ。俺はそれで満足だよ」
「そんなフェンサリル!わたくしは…!」
「俺はお前の手を無理やりにでも引くことが出来なかった腰抜けだよ。なのにここまで出来たんだ。だから十分だよ」
違う。手を伸ばしてくれた。フェンサリルは手を伸ばしていた。それを振り払ったのは私の方だ。私は自分の夢を優先した。私の事を私以上に優先してくれる人の手を払う価値がそれにあったと今は自信を持って言い切れない。
「国王陛下。見届けてください。そしてジョゼーファの事をお願いいたします」
「ああ、しかと見届けよう。約束は果たすよ。我が王権にかけて」
男たちは静かに何かを通じ合わせていた。やめてくれ。私の意志を無視して私の将来を勝手に決めないでくれ。
「ジョゼーファ」
首筋に短剣をつけたフェンサリルが優しい笑顔で私を見詰めていた。ずっとずっとフェンサリルはいつもいつも強がるような顔しかしてなかった。やだよ。最後にそんな顔見せてくれるなんて嫌だよ。私は私は!私はぁ!!
「大丈夫ですか?フェンサリル」
「ん…ああ。大丈夫だ。別に人の命を奪ったのは初めてじゃない。だがこれは戦争じゃない。流石に少しな…」
フェンサリルには戦争への出征経験がある。だから人の命を奪うことはすでに経験済みなのだ。だけどそれでもこういう状況はまた違うものだろう。仲が良かったとはいえないが、同じ学校に通っていた同級生だ。だから私は彼をなんとかして慰めたかった。
「ですがあなたのおかげでわたくしは無事に済みました。ありがとうフェンサリル」
「そうか。ならよかった」
青かった顔色は少し良くなる。その時手をぱんぱんと叩く音がした。国王陛下が獰猛な笑みを浮かべながら手を叩いていた。
「さて。フェンサリルくん、それにジョゼーファ。君たちは罪を犯した。君たちのせいで私の息子は死んでしまった。どう償う?」
「国王陛下。畏れ乍ら申し上げます。手にかけたのはこの俺、フェンサリル・ケルムトであります。しかしながら先に手を出してきたのはカーティス王太子殿下からです。俺にもっと技量があれば、殺さずに無力は出来たかもしれません。ですがジョゼーファを守る為であれば、あの結果は仕方がなかった。そう考えます。俺はジョゼーファを守りたかっただけで王室に対しての敵意や叛意はありませぬ!!」
そう。今のは誰が見ても正当防衛だ。会場の誰もがフェンサリルに過失はなかったと証言できる。裁判になっても無罪放免は間違いない。どう考えても悪いのはカーティスだ。だけどそれは理性の世界の話。国王陛下はにんまりと笑って言う。
「なるほど。確かにそうだね。悪いは我が息子だろうね。愚かにもジョゼーファに手を挙げたことがこの殺しの因果そのものだ。だけどね。目には目を。歯には歯をとも言う。カーティスがやったことなど今更どうでもいいのさ。私は息子を一人失ったのだ。当然その分を贖ってもらわないとね。ふはは」
国王陛下の言っていることは法理や道徳ではない。ただの難癖だ。こんなのに納得できるわけがない。私も口を開く。
「陛下!さすがにその理屈は法に照らし合わせても通りません!フェンサリルは女を守った勇敢な男です!寛大なる心でお許しください!そして王たるものは法を蔑ろにしてはいけません!法治の徹底でもって今回の件を御裁可ください」
私は国王陛下に向かって恭しく頭を下げる。だが帰って来た返答はあまりにも冷たい声だった。
「ジョゼーファ。いい子ぶるな。お前は近代思想の優等生に成り下がったのか?法は王権さえ縛り制御すると、そんなつまらない法学の夢想をお前は信じているのか?馬鹿者が!!法は王権の下にあるのだ。私こそが国家!我が意こそが国家の意志である!!王とはそういうモノだジョゼーファ!!」
その怒鳴り声に体ブルりと震えた。恐ろしい。男の怒鳴り声罵声は何度も聞いてきた。だけどこんな風に恐ろしいと思ったことは一度もなかった。この人は違う。私の知っている男たちとは何もかもが違うのだ。
「そうだな。目には目を。歯には歯を。人類の法の基本原則とでも言えばいいこの言葉。とても美しいと思う。故に君たちに与える罪はこの原則に沿う様にしよう。そうだね。フェンサリル君。君にはカーティスの命の補償として、君の命を捧げてもらおう!」
あまりにもあっけない死刑宣告。裁判官だってもっと厳かに口にするだろうに。彼にとって人の命などは掌にのる財産の一つでしかないのだ。これが王様の力。フェンサリルは何も口にできなかった。国王陛下の言葉の力に飲まれていた。あんなにも勇敢で強いフェンサリルでさえも、この人には敵わない…。目が潤むのを感じる。悔しいからだと思いたい。でも違う。国王陛下の姿を目に入れているだけで瞳が潤む。
「そしてジョゼーファ!君もだ!君もまた悪だ!フェンサリルくんはジョゼーファだから守ったのだ。君は男に暴力を振るわせるように仕向けてしまう罪深き性質があるんだ。カーティスが狂ったのも君が罪深いほどに美しいから飲み込まれてしまった。君は男を狂気に追い込む。悪い女の子だ」
悪い子。そんなことない。私はそう言われて反発する気持ちが抑えられなかった。この人に悪い子だなんて思われたくない!そんなのいやだ!私はずっとみんなの為に頑張った!いい子だった!いい子だったはずなのに!
「そうだな。君には私に新しい息子を授けてくれないか?」
新しい息子を授ける?それは私が子を産むということか?この人の子を?昔想像したことがある。自分が子を孕んだならどんな気持ちになるだろうと?特に好きな人もいなかった私はその想像にただただ恐ろしさや不便さによる不快感しか覚えなかった。だけど今は違う。一瞬見えてしまった自分の夢想。お腹が大きくなった自分の姿に幸福感を覚えた。何なんだよこれ…。気持ち悪い。自分がすごく気持ち悪い。なのに体は甘く震える。頬は赤くなるばかり。
「待ってください国王陛下!ジョゼーファは関係ない!」
私をしょうもない想像から解放してくれたのは、フェンサリルの声だった。彼は凛とした声で国王陛下に告げる。
「国王陛下!ジョゼーファは関係ない!此度のことはすべておれだけの責任でもってなされたことです!ジョゼーファのせいじゃない!違う!俺はカーティスがきっと憎かった!地位を利用してジョゼーファを手に入れたあの男が憎かったんだ!!だから殺したんだ!ジョゼーファの所為じゃない!全部俺だけの!俺だけの所為なんだ!罰は俺だけに!俺だけに下してください!!」
フェンサリルは必死に国王陛下に嘆願する。ああ、なんてことだろう。私は自分を庇って守ってくれた男の子にこんなことを言わせるような女なのか?フェンサリルは全部の罪を被ろうとしている。私はさっき与えられる罰に甘い夢想まで覚えた悪い子なのに。
「ほう。これはこれはいい男だね。ふぅ。なんて勿体ないことなんだろうか。君が私の息子だったならば。そう思ってしまったよ。いいだろう。君の男気に免じてやろう。命に代えても女を守る覚悟は美しい。ジョゼーファについては罰を与えるのはやめよう。それだけではない。さきほどの摂政就任も王権の継承ももちろん認めよう。だが君は今ここでこの場で皆が見届ける中で自分自身の首を刎ねるのだ」
国王陛下はカーティスの遺体がもっていた短剣を手に取り、それをフェンサリルに手渡した。自裁を認めるのは罪人に名誉を認めた証だ。フェンサリルへの罰は一族一門には及ばずに済むだろう。そして国王陛下も約束を守り、私を摂政にしてくれる。私の夢だった政治参画はフェンサリルの命でもって守られる。
「っ…ああ…」
涙がこぼれる。私は冷たい女だったはずだ。今も政治家としての自分はフェンサリル一人の命で事が収まるなら安いものだと叫んでる。だけど違う理屈じゃない。哀しい。とてもとても愛おしいから。
「ジョゼーファ。泣くな。お前のやりたかったことはこれで続くんだ。俺はそれで満足だよ」
「そんなフェンサリル!わたくしは…!」
「俺はお前の手を無理やりにでも引くことが出来なかった腰抜けだよ。なのにここまで出来たんだ。だから十分だよ」
違う。手を伸ばしてくれた。フェンサリルは手を伸ばしていた。それを振り払ったのは私の方だ。私は自分の夢を優先した。私の事を私以上に優先してくれる人の手を払う価値がそれにあったと今は自信を持って言い切れない。
「国王陛下。見届けてください。そしてジョゼーファの事をお願いいたします」
「ああ、しかと見届けよう。約束は果たすよ。我が王権にかけて」
男たちは静かに何かを通じ合わせていた。やめてくれ。私の意志を無視して私の将来を勝手に決めないでくれ。
「ジョゼーファ」
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