29 / 47
第14話・前 俺に、主人公と一緒にダンジョンに潜る素質はない!
しおりを挟む
入学式の日以降。俺はクラスではなんか微妙な立場に置かれることになった。いじめられているってことはない。体育の時に組んでくれる人はいる。だけど何というか微妙。どこのグループにもうまく混ざれない。リア充系はそもそも論外だし、オタク系もなんか仲間に入れてくれない。無視はされてない。けど噛み合わない。そんな感じ。大抵の場合俺に話しかけてくれるのはオーブリーかソイントゥくらい。ジャスパーもたまに話してくれる。女子?俺の事をいつも遠巻きに見て顔を赤くしながら何やらひそひそと話してる。きっとキモがっているのに違いない。だから俺はクラスの端っこでラブコメラノベをニチャニチャ笑いながら読んで一人寂しく過ごしている。お昼になるといつも一人でご飯を食べる。いつもオーブリーとソイントゥの親友組がご飯を誘ってくれるのだが、断っていた。何でかって言うと、二人といつも一緒にいる原作主人公の刕彁は俺がそばにいるとなんか不機嫌っぽくなるからだ。話しかけてもなんかすごくツンな感じ。例えば。
『今度俺と千葉名物のピーナツを獲りに行こうぜ!』
『ボク、ピーナツはバターだけで満足な方だから…』
『今度俺と一緒に温泉に行こうぜ!』
『ボク、シャワー派だから』
『今度遊びに行ってもいい?』
『ボクの家に来る前に、新居を探したらどうかな?教師の家に寝泊まりするってまともじゃないと思うんだけど…』
こんな感じである!なんだろう?俺って所詮はスピンオフの主人公だし、刕彁と違ってヒロインNTR系だし、もしかしてそういうところがダメなのかもしれない。
「どうせいっちゅーねん」
俺は学食の端っこの席で弁当を摘まみながら、中央の大きなテーブルでジャスパーとソイントゥとオーブリー達とご飯を食べてる刕彁を見詰めていた。俺も誘ってほしいアピールしてるんだけど、刕彁はナチュラルボーン鬼畜なので、『あれ?涅杜君は今日はお弁当なんだね。じゃあボクたちは学食行くから』って感じで俺の事を放置して学食に行ってしまったのである。当然俺は追いかけてこうしてアピールしまくっているのだが、視界にすら入れてくれねぇ。せつなーす。
「あれ?リオンじゃん?今日は学食なの?お弁当なのに?」
俺がボッチ飯を決めている時に、清らかな甘ロリボイスが聞こえてきた。そこには巧美たんがいた。トレーに勝浦担々麺を乗せた巧美たんは俺の隣に座った。
「うん。今日はちょっとね」
「そう言えばあんたって刕彁のクラスなんだよね。あーあ。あたしもそっちのクラスが良かったなぁ…刕彁とあたしって同中だからクラス別れちゃったしね。あんたもいるし」
ところで甘ロリボイスで「おなちゅう」って言うのなんかエロくない?個人的には「おなちゅう」ってオナニー中毒の略に聞こえてる。
「はは、そう言ってくれるのはうれしいよ。そう言えばなめろう喰いに行く約束だったけど。覚えてる?」
「っ…!ええ!もちろん!もちろん覚えてるわよ!そうよね。うん!そうなめろう!うん!…ははは。うん…なめろう…」
巧美たんは勝浦担々麺よりも頬を赤く染めているように見えた。だけどそれはすぐにすっと消えてしまう。
「でもそれなんだけど…。あたしの銃剣道部、って木更津市の新人戦が近いからしばらくの間、休日も練習あるんだよね…はは…ごめん…なめろう食べるなら銚子とか九十九里の方じゃない…ちょっと無理かなって…」
「左様か…。そっかー。仕方ないかー。…なめろうって宅配アプリで頼めるかな?頼んで土日に俺が持って行こうか?部活の差し入れです!って感じで」
「いやぁ生もののなめろうの宅配はやめて方がいいんじゃないかしら?ふふふ。でも部活中に差し入れ来てくれるんだ。それはうれしいよ。あはは」
巧美は俺のジョークに微かに笑ってくれた。可愛いなぁ。でもせっかくのなめろうというデートの口実がパーになってしまった。…なんか新しいデートプランを早急に考えないと…!そんな時だ。
「巧美。こんなところにいたの?」
刕彁が俺たちのいつの間にか俺たちの傍に来ていた。笑顔は笑顔なんだけど、どことなく影を感じさせる雰囲気がある。
「今日はボクたちとご飯食べる約束だったでしょ?」
「あっごめん。忘れてたわ。リオンがここにいるのは珍しくてついね。そう言えばリオンっていつもお弁当だよね?自分で作ってるの?」
俺はいつもお弁当である。もちろん俺は昨今の女に優しい俺かっけー系男子のアンチなので、自分で弁当なんて用意したりはしない。欹愛んが『別にリオンの為なんだからね!(以下略)』って感じで用意してくれたお弁当を食べている。欹愛んは俺に外食をさせてくれない。せっかく宅配アプリをダウンロードしたのに一度もまだ使ってないのだ。というかマジでジャンクフード食べたい。俺って実は人生で一度もジャンクフードを食べたことがない。N県にいた時は揚羽の手作り以外を口にしたことがないくらいのレベル。ちなみに食べたいものを伝えると、『作ってあげてるのに、文句を言うの?』って言われるし、ならばと思って自分で食べたいものを作ろうとすると泣いて止めようとする。幸い揚羽のご飯は美味しいので、文句はあまりなかったが。
「欹愛んに貰ってる」
「え?まじ?凄いよねリオンって。あの人本当に男嫌いなのに、お弁当を作ってもらえるなんてね。弟弟子の刕彁の事さえ近づける気がないのに。てか欹愛んって呼んでるんだ…」
原作でも欹愛んはデレるのが遅かった。ラッキースケベに対して、『そういうのやめてもらえるか?』ってリアルに反応するタイプが欹愛んである。サバサバしてるよね!
「女の人にご飯を作らせるのってどうなのかな?ってボクは思うんだけど」
刕彁がちょっと不機嫌そうに眉を歪めてる。原作主人公だけあってこういう他人への迷惑行動をとことん嫌うんだよね。
「別にいいじゃん。お弁当くらい。欹愛さんはいやなことは絶対にやらないタイプでしょ。リオンの世話を焼く気がないなら、とっとと追い出してるはずよ」
巧美が俺の事を庇ってくれた。ちょっと嬉しい。俺は現状金が無くて、食の方も欹愛んに依存している状態だ。
「っていうか涅杜君は自分の面倒は自分で見るべきじゃない?寮に入ってもいいんだし。それが嫌ならせめて食費くらい出したら?先生から聞いたよ。家賃も入れてないし、食費も光熱費も出してないんでしょ?」
「レイカ。人の家の事に口を挟むじゃないわよ。欹愛さんたちが取らないって決めてるんだから放っておきなさい」
「巧美は黙ってて!涅杜君。男として恥ずかしくないの?女の人の好意に漬け込んで、自分は何にもしないなんてどういう気?ズルいと思わない?」
「レイカ!あんたこそ何様のつもりよ!!リオンたちの生活はリオンたちが決めるべきでしょ!外野が口を挟むな!」
「巧美こそなんでその人のこと庇うんだよ!!その人絶対変だよ!おかしい人だよ!だいたい名古屋県とか意味わかんないし!」
俺は別におかしくはないんだけどな。登場シリーズが違うだけで、原作者は同じだし。
「とにかくさぁ。せめて欹愛姐さんたちの迷惑になるってことを少しは自覚して欲しいんだよね。せめてバイトするとかさぁ」
「そうだよなぁ。確かにバイトしたいな。俺も懐が寂しいし…ん!」
その時俺は閃いたのだ!原作知識を利用しようと!
「なあ刕彁!お前は今度の週末、木更津郊外にある『松の森ダンジョン』に潜るんだろ!?」
週末に刕彁は郊外にあるダンジョンとかいう現代世界にあるにはふわっとしてる空間に行く予定だ。この世界にはダンジョンがある。なんか各地にの龍脈が暴走してるだの、この星の意志が生み出しただのと色々な噂が持ち上がっているが詳細は不明だ。そこでちょっとしたイベントが発生する。世界の存亡にはとくに関わらない程度のイベントなので、俺が顔を出しても多分大丈夫だろうと思われる。
「え…。うん。軍警のウォルンタースのランク上げのために必要だから潜る予定だけど…というか何で知ってるの?…まさか…?!」
軍警察ウォルンタース。いわゆる中世ヨーロッパ的冒険者制度みたいな奴だ。房総府政庁は異能が絡む様々な案件を取り扱っている。異能犯罪者の逮捕とか、ダンジョンから湧いてきたモンスターの駆除とか、仕事のお手伝いとかを総称してクエストって皆呼んでいる。クエストを受けるには軍警察の予備役に登録してウォルンタースとなる必要がある。ウォルンタースのランク上げにはいくつか条件が存在しており、そのうちの一つに指定されたダンジョンへ規定時間以上潜ることなどがあるのだ。
「俺も連れて行ってくれよ!!ダンジョンでモンスターの落とす素材を集めて換金すればお金になるんだろ?俺もウォルンタースに登録するからさ!一緒に行こうぜダンジョン!」
「ええ?!ちょっと待ってよ!いくらなんでもそれは!?涅杜君はほら…素人だし、インストラクターと一緒に潜った方がいいんじゃないかな?ボクじゃなくて別の人と行った方がいいよ」
苦笑いを浮かべながら刕彁は俺の誘いを断ろうとする。だけど巧美が俺に助け舟を出してくれた。
「いいんじゃない?レイカ。あんたが金稼げっていったんでしょ?面倒見てあげれば?松の森ダンジョンは深い所に行かなきゃ、異能持ちにはそこまで危険でもないし。その割には運が良ければそこそこいい素材が出て稼ぎになるし。レイカの次のランク上げに必要なダンジョン滞在時間は連続6時間でしょ?6時間潜れば稼ぎも1万円くらいにはなるんじゃない?それなら1月の食費にも十分でしょ?」
「何言ってんの?!バイトなら普通に探せばいいでしょ!ボクが面倒を見る必要なんて!」
「困ってる人がいたら見過ごせないのが勇者でしょ?あんたは自分の言葉を曲げる気?リオンは困ってる。なら助けてあげなさいよ」
巧美たんに詰め寄られて刕彁はうっと呻き声を出した。
「…く…。はぁ…わかったよ…涅杜君週末ボクとダンジョンに行こうか。モンスターが落とした素材はあげるから、それを生活費にするんだ。ちゃんと欹愛姐さんに渡すんだよ!いいね!」
「わかった!頼むぜ刕彁!よろしくな!」
刕彁はどことなくというか、凄く嫌そうな顔をしているが、これは俺にとって最大のチャンスだ!二人でダンジョンに潜るなんてまるでデートみたいじゃないか!これは親友ポジをゲットする日も近いね!こうして原作主人公と一緒にダンジョンに潜ることが決まったのである。
『今度俺と千葉名物のピーナツを獲りに行こうぜ!』
『ボク、ピーナツはバターだけで満足な方だから…』
『今度俺と一緒に温泉に行こうぜ!』
『ボク、シャワー派だから』
『今度遊びに行ってもいい?』
『ボクの家に来る前に、新居を探したらどうかな?教師の家に寝泊まりするってまともじゃないと思うんだけど…』
こんな感じである!なんだろう?俺って所詮はスピンオフの主人公だし、刕彁と違ってヒロインNTR系だし、もしかしてそういうところがダメなのかもしれない。
「どうせいっちゅーねん」
俺は学食の端っこの席で弁当を摘まみながら、中央の大きなテーブルでジャスパーとソイントゥとオーブリー達とご飯を食べてる刕彁を見詰めていた。俺も誘ってほしいアピールしてるんだけど、刕彁はナチュラルボーン鬼畜なので、『あれ?涅杜君は今日はお弁当なんだね。じゃあボクたちは学食行くから』って感じで俺の事を放置して学食に行ってしまったのである。当然俺は追いかけてこうしてアピールしまくっているのだが、視界にすら入れてくれねぇ。せつなーす。
「あれ?リオンじゃん?今日は学食なの?お弁当なのに?」
俺がボッチ飯を決めている時に、清らかな甘ロリボイスが聞こえてきた。そこには巧美たんがいた。トレーに勝浦担々麺を乗せた巧美たんは俺の隣に座った。
「うん。今日はちょっとね」
「そう言えばあんたって刕彁のクラスなんだよね。あーあ。あたしもそっちのクラスが良かったなぁ…刕彁とあたしって同中だからクラス別れちゃったしね。あんたもいるし」
ところで甘ロリボイスで「おなちゅう」って言うのなんかエロくない?個人的には「おなちゅう」ってオナニー中毒の略に聞こえてる。
「はは、そう言ってくれるのはうれしいよ。そう言えばなめろう喰いに行く約束だったけど。覚えてる?」
「っ…!ええ!もちろん!もちろん覚えてるわよ!そうよね。うん!そうなめろう!うん!…ははは。うん…なめろう…」
巧美たんは勝浦担々麺よりも頬を赤く染めているように見えた。だけどそれはすぐにすっと消えてしまう。
「でもそれなんだけど…。あたしの銃剣道部、って木更津市の新人戦が近いからしばらくの間、休日も練習あるんだよね…はは…ごめん…なめろう食べるなら銚子とか九十九里の方じゃない…ちょっと無理かなって…」
「左様か…。そっかー。仕方ないかー。…なめろうって宅配アプリで頼めるかな?頼んで土日に俺が持って行こうか?部活の差し入れです!って感じで」
「いやぁ生もののなめろうの宅配はやめて方がいいんじゃないかしら?ふふふ。でも部活中に差し入れ来てくれるんだ。それはうれしいよ。あはは」
巧美は俺のジョークに微かに笑ってくれた。可愛いなぁ。でもせっかくのなめろうというデートの口実がパーになってしまった。…なんか新しいデートプランを早急に考えないと…!そんな時だ。
「巧美。こんなところにいたの?」
刕彁が俺たちのいつの間にか俺たちの傍に来ていた。笑顔は笑顔なんだけど、どことなく影を感じさせる雰囲気がある。
「今日はボクたちとご飯食べる約束だったでしょ?」
「あっごめん。忘れてたわ。リオンがここにいるのは珍しくてついね。そう言えばリオンっていつもお弁当だよね?自分で作ってるの?」
俺はいつもお弁当である。もちろん俺は昨今の女に優しい俺かっけー系男子のアンチなので、自分で弁当なんて用意したりはしない。欹愛んが『別にリオンの為なんだからね!(以下略)』って感じで用意してくれたお弁当を食べている。欹愛んは俺に外食をさせてくれない。せっかく宅配アプリをダウンロードしたのに一度もまだ使ってないのだ。というかマジでジャンクフード食べたい。俺って実は人生で一度もジャンクフードを食べたことがない。N県にいた時は揚羽の手作り以外を口にしたことがないくらいのレベル。ちなみに食べたいものを伝えると、『作ってあげてるのに、文句を言うの?』って言われるし、ならばと思って自分で食べたいものを作ろうとすると泣いて止めようとする。幸い揚羽のご飯は美味しいので、文句はあまりなかったが。
「欹愛んに貰ってる」
「え?まじ?凄いよねリオンって。あの人本当に男嫌いなのに、お弁当を作ってもらえるなんてね。弟弟子の刕彁の事さえ近づける気がないのに。てか欹愛んって呼んでるんだ…」
原作でも欹愛んはデレるのが遅かった。ラッキースケベに対して、『そういうのやめてもらえるか?』ってリアルに反応するタイプが欹愛んである。サバサバしてるよね!
「女の人にご飯を作らせるのってどうなのかな?ってボクは思うんだけど」
刕彁がちょっと不機嫌そうに眉を歪めてる。原作主人公だけあってこういう他人への迷惑行動をとことん嫌うんだよね。
「別にいいじゃん。お弁当くらい。欹愛さんはいやなことは絶対にやらないタイプでしょ。リオンの世話を焼く気がないなら、とっとと追い出してるはずよ」
巧美が俺の事を庇ってくれた。ちょっと嬉しい。俺は現状金が無くて、食の方も欹愛んに依存している状態だ。
「っていうか涅杜君は自分の面倒は自分で見るべきじゃない?寮に入ってもいいんだし。それが嫌ならせめて食費くらい出したら?先生から聞いたよ。家賃も入れてないし、食費も光熱費も出してないんでしょ?」
「レイカ。人の家の事に口を挟むじゃないわよ。欹愛さんたちが取らないって決めてるんだから放っておきなさい」
「巧美は黙ってて!涅杜君。男として恥ずかしくないの?女の人の好意に漬け込んで、自分は何にもしないなんてどういう気?ズルいと思わない?」
「レイカ!あんたこそ何様のつもりよ!!リオンたちの生活はリオンたちが決めるべきでしょ!外野が口を挟むな!」
「巧美こそなんでその人のこと庇うんだよ!!その人絶対変だよ!おかしい人だよ!だいたい名古屋県とか意味わかんないし!」
俺は別におかしくはないんだけどな。登場シリーズが違うだけで、原作者は同じだし。
「とにかくさぁ。せめて欹愛姐さんたちの迷惑になるってことを少しは自覚して欲しいんだよね。せめてバイトするとかさぁ」
「そうだよなぁ。確かにバイトしたいな。俺も懐が寂しいし…ん!」
その時俺は閃いたのだ!原作知識を利用しようと!
「なあ刕彁!お前は今度の週末、木更津郊外にある『松の森ダンジョン』に潜るんだろ!?」
週末に刕彁は郊外にあるダンジョンとかいう現代世界にあるにはふわっとしてる空間に行く予定だ。この世界にはダンジョンがある。なんか各地にの龍脈が暴走してるだの、この星の意志が生み出しただのと色々な噂が持ち上がっているが詳細は不明だ。そこでちょっとしたイベントが発生する。世界の存亡にはとくに関わらない程度のイベントなので、俺が顔を出しても多分大丈夫だろうと思われる。
「え…。うん。軍警のウォルンタースのランク上げのために必要だから潜る予定だけど…というか何で知ってるの?…まさか…?!」
軍警察ウォルンタース。いわゆる中世ヨーロッパ的冒険者制度みたいな奴だ。房総府政庁は異能が絡む様々な案件を取り扱っている。異能犯罪者の逮捕とか、ダンジョンから湧いてきたモンスターの駆除とか、仕事のお手伝いとかを総称してクエストって皆呼んでいる。クエストを受けるには軍警察の予備役に登録してウォルンタースとなる必要がある。ウォルンタースのランク上げにはいくつか条件が存在しており、そのうちの一つに指定されたダンジョンへ規定時間以上潜ることなどがあるのだ。
「俺も連れて行ってくれよ!!ダンジョンでモンスターの落とす素材を集めて換金すればお金になるんだろ?俺もウォルンタースに登録するからさ!一緒に行こうぜダンジョン!」
「ええ?!ちょっと待ってよ!いくらなんでもそれは!?涅杜君はほら…素人だし、インストラクターと一緒に潜った方がいいんじゃないかな?ボクじゃなくて別の人と行った方がいいよ」
苦笑いを浮かべながら刕彁は俺の誘いを断ろうとする。だけど巧美が俺に助け舟を出してくれた。
「いいんじゃない?レイカ。あんたが金稼げっていったんでしょ?面倒見てあげれば?松の森ダンジョンは深い所に行かなきゃ、異能持ちにはそこまで危険でもないし。その割には運が良ければそこそこいい素材が出て稼ぎになるし。レイカの次のランク上げに必要なダンジョン滞在時間は連続6時間でしょ?6時間潜れば稼ぎも1万円くらいにはなるんじゃない?それなら1月の食費にも十分でしょ?」
「何言ってんの?!バイトなら普通に探せばいいでしょ!ボクが面倒を見る必要なんて!」
「困ってる人がいたら見過ごせないのが勇者でしょ?あんたは自分の言葉を曲げる気?リオンは困ってる。なら助けてあげなさいよ」
巧美たんに詰め寄られて刕彁はうっと呻き声を出した。
「…く…。はぁ…わかったよ…涅杜君週末ボクとダンジョンに行こうか。モンスターが落とした素材はあげるから、それを生活費にするんだ。ちゃんと欹愛姐さんに渡すんだよ!いいね!」
「わかった!頼むぜ刕彁!よろしくな!」
刕彁はどことなくというか、凄く嫌そうな顔をしているが、これは俺にとって最大のチャンスだ!二人でダンジョンに潜るなんてまるでデートみたいじゃないか!これは親友ポジをゲットする日も近いね!こうして原作主人公と一緒にダンジョンに潜ることが決まったのである。
0
お気に入りに追加
202
あなたにおすすめの小説
実力を隠し「例え長男でも無能に家は継がせん。他家に養子に出す」と親父殿に言われたところまでは計算通りだったが、まさかハーレム生活になるとは
竹井ゴールド
ライト文芸
日本国内トップ5に入る異能力者の名家、東条院。
その宗家本流の嫡子に生まれた東条院青夜は子供の頃に実母に「16歳までに東条院の家を出ないと命を落とす事になる」と予言され、無能を演じ続け、父親や後妻、異母弟や異母妹、親族や許嫁に馬鹿にされながらも、念願適って中学卒業の春休みに東条院家から田中家に養子に出された。
青夜は4月が誕生日なのでギリギリ16歳までに家を出た訳だが。
その後がよろしくない。
青夜を引き取った田中家の義父、一狼は53歳ながら若い妻を持ち、4人の娘の父親でもあったからだ。
妻、21歳、一狼の8人目の妻、愛。
長女、25歳、皇宮警察の異能力部隊所属、弥生。
次女、22歳、田中流空手道場の師範代、葉月。
三女、19歳、離婚したフランス系アメリカ人の3人目の妻が産んだハーフ、アンジェリカ。
四女、17歳、死別した4人目の妻が産んだ中国系ハーフ、シャンリー。
この5人とも青夜は家族となり、
・・・何これ? 少し想定外なんだけど。
【2023/3/23、24hポイント26万4600pt突破】
【2023/7/11、累計ポイント550万pt突破】
【2023/6/5、お気に入り数2130突破】
【アルファポリスのみの投稿です】
【第6回ライト文芸大賞、22万7046pt、2位】
【2023/6/30、メールが来て出版申請、8/1、慰めメール】
【未完】
アイテムボックス無双 ~何でも収納! 奥義・首狩りアイテムボックス!~
明治サブ🍆スニーカー大賞【金賞】受賞作家
ファンタジー
※大・大・大どんでん返し回まで投稿済です!!
『第1回 次世代ファンタジーカップ ~最強「進化系ざまぁ」決定戦!』投稿作品。
無限収納機能を持つ『マジックバッグ』が巷にあふれる街で、収納魔法【アイテムボックス】しか使えない主人公・クリスは冒険者たちから無能扱いされ続け、ついに100パーティー目から追放されてしまう。
破れかぶれになって単騎で魔物討伐に向かい、あわや死にかけたところに謎の美しき旅の魔女が現れ、クリスに告げる。
「【アイテムボックス】は最強の魔法なんだよ。儂が使い方を教えてやろう」
【アイテムボックス】で魔物の首を、家屋を、オークの集落を丸ごと収納!? 【アイテムボックス】で道を作り、川を作り、街を作る!? ただの収納魔法と侮るなかれ。知覚できるものなら疫病だろうが敵の軍勢だろうが何だって除去する超能力! 主人公・クリスの成り上がりと「進化系ざまぁ」展開、そして最後に待ち受ける極上のどんでん返しを、とくとご覧あれ! 随所に散りばめられた大小さまざまな伏線を、あなたは見抜けるか!?
僕の秘密を知った自称勇者が聖剣を寄越せと言ってきたので渡してみた
黒木メイ
ファンタジー
世界に一人しかいないと言われている『勇者』。
その『勇者』は今、ワグナー王国にいるらしい。
曖昧なのには理由があった。
『勇者』だと思わしき少年、レンが頑なに「僕は勇者じゃない」と言っているからだ。
どんなに周りが勇者だと持て囃してもレンは認めようとしない。
※小説家になろうにも随時転載中。
レンはただ、ある目的のついでに人々を助けただけだと言う。
それでも皆はレンが勇者だと思っていた。
突如日本という国から彼らが転移してくるまでは。
はたして、レンは本当に勇者ではないのか……。
ざまぁあり・友情あり・謎ありな作品です。
※小説家になろう、カクヨム、ネオページにも掲載。
スキル間違いの『双剣士』~一族の恥だと追放されたが、追放先でスキルが覚醒。気が付いたら最強双剣士に~
きょろ
ファンタジー
この世界では5歳になる全ての者に『スキル』が与えられる――。
洗礼の儀によってスキル『片手剣』を手にしたグリム・レオハートは、王国で最も有名な名家の長男。
レオハート家は代々、女神様より剣の才能を与えられる事が多い剣聖一族であり、グリムの父は王国最強と謳われる程の剣聖であった。
しかし、そんなレオハート家の長男にも関わらずグリムは全く剣の才能が伸びなかった。
スキルを手にしてから早5年――。
「貴様は一族の恥だ。最早息子でも何でもない」
突如そう父に告げられたグリムは、家族からも王国からも追放され、人が寄り付かない辺境の森へと飛ばされてしまった。
森のモンスターに襲われ絶対絶命の危機に陥ったグリム。ふと辺りを見ると、そこには過去に辺境の森に飛ばされたであろう者達の骨が沢山散らばっていた。
それを見つけたグリムは全てを諦め、最後に潔く己の墓を建てたのだった。
「どうせならこの森で1番派手にしようか――」
そこから更に8年――。
18歳になったグリムは何故か辺境の森で最強の『双剣士』となっていた。
「やべ、また力込め過ぎた……。双剣じゃやっぱ強すぎるな。こりゃ1本は飾りで十分だ」
最強となったグリムの所へ、ある日1体の珍しいモンスターが現れた。
そして、このモンスターとの出会いがグレイの運命を大きく動かす事となる――。
役立たず王女のサバイバル生活〜島流しにされましたが今日も強く生きていきます!〜
●やきいもほくほく●
ファンタジー
──目が覚めると海の上だった!?
長年、虐げられてきた『役立たず王女』メイジーは異母姉妹であるジャシンスに嵌められて島流しにされている最中に前世の記憶を取り戻す。
前世でも家族に裏切られて死んだメイジーは諦めて死のうとするものの、最後まで足掻こうと決意する。
「く~~やぁ~しいいぃっ~~~~ばっかやろおぉぉっ!」
奮起したメイジーはなりふり構わず生き残るために行動をする。
そして……メイジーが辿り着いた島にいたのは島民に神様と祀られるガブリエーレだった。
この出会いがメイジーの運命を大きく変える!?
言葉が通じないため食われそうになり、生け贄にされそうになり、海に流されそうになり、死にかけながらもサバイバル生活を開始する。
ガブリエーレの世話をしつつ、メイジーは〝あるもの〟を見つけて成り上がりを決意。
ガブリエーレに振り回されつつ、彼の〝本来の姿〟を知ったメイジーは──。
これは気弱で争いに負けた王女が逞しく島で生き抜き、神様と運を味方につけて無双する爽快ストーリー!
*カクヨム先行配信中です
*誤字報告、内容が噛み合わない等ございましたら感想からどしどしとお願いいたします!
冤罪だと誰も信じてくれず追い詰められた僕、濡れ衣が明るみになったけど今更仲直りなんてできない
一本橋
恋愛
女子の体操着を盗んだという身に覚えのない罪を着せられ、僕は皆の信頼を失った。
クラスメイトからは日常的に罵倒を浴びせられ、向けられるのは蔑みの目。
さらに、信じていた初恋だった女友達でさえ僕を見限った。
両親からは拒絶され、姉からもいないものと扱われる日々。
……だが、転機は訪れる。冤罪だった事が明かになったのだ。
それを機に、今まで僕を蔑ろに扱った人達から次々と謝罪の声が。
皆は僕と関係を戻したいみたいだけど、今更仲直りなんてできない。
※小説家になろう、カクヨムと同時に投稿しています。
大器晩成エンチャンター~Sランク冒険者パーティから追放されてしまったが、追放後の成長度合いが凄くて世界最強になる
遠野紫
ファンタジー
「な、なんでだよ……今まで一緒に頑張って来たろ……?」
「頑張って来たのは俺たちだよ……お前はお荷物だ。サザン、お前にはパーティから抜けてもらう」
S級冒険者パーティのエンチャンターであるサザンは或る時、パーティリーダーから追放を言い渡されてしまう。
村の仲良し四人で結成したパーティだったが、サザンだけはなぜか実力が伸びなかったのだ。他のメンバーに追いつくために日々努力を重ねたサザンだったが結局報われることは無く追放されてしまった。
しかしサザンはレアスキル『大器晩成』を持っていたため、ある時突然その強さが解放されたのだった。
とてつもない成長率を手にしたサザンの最強エンチャンターへの道が今始まる。
解呪の魔法しか使えないからとSランクパーティーから追放された俺は、呪いをかけられていた美少女ドラゴンを拾って最強へと至る
早見羽流
ファンタジー
「ロイ・クノール。お前はもう用無しだ」
解呪の魔法しか使えない初心者冒険者の俺は、呪いの宝箱を解呪した途端にSランクパーティーから追放され、ダンジョンの最深部へと蹴り落とされてしまう。
そこで出会ったのは封印された邪龍。解呪の能力を使って邪龍の封印を解くと、なんとそいつは美少女の姿になり、契約を結んで欲しいと頼んできた。
彼女は元は世界を守護する守護龍で、英雄や女神の陰謀によって邪龍に堕とされ封印されていたという。契約を結んだ俺は彼女を救うため、守護龍を封印し世界を牛耳っている女神や英雄の血を引く王家に立ち向かうことを誓ったのだった。
(1話2500字程度、1章まで完結保証です)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる