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※8.作戦完了
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リリウスとの入浴は一週間も経てば習慣になっていた。
それに伴ってリリウスの性欲を解消する手助けもしてきた。
そうして部屋にもどったあと悶々とする日々をすごした。
リリウスを見ると顔が熱くなったりドキドキしたりする。
前まではこんなに酷くなかったのに。
たぶんあれが原因だろう。顔は無表情なのに思ったよりも身体は正直で。行動の隅々から僕を大切にしていることがわかってしまう。それが気恥ずかしいのだ。
今日もリリウスと入浴する。当初の目的は変わってしまった。いや、変わったというか、もう一つ目的ができてしまったと表現するべきか。端的にいえば、リリウスの反応を見るのが楽しくなった。
リリウスが服を片付ける。
それが終わればいつものように入浴する。
「それでは洗いますね」
「おう」
全身くまなく手洗いされる。
それに慣れてしまったからか、他のことを考える余裕が出てくる。
そうしてふと、初日にリリウスの顔が赤くなった、ように見えたことを思い出した。
……現実でなくてもいいから。また、見たいな。
「……あの、これは」
ん? とリリウスの目線を追う。
「あっ」
とっさにしゃがみ込んだ。
なんで……! そう思いながらも羞恥に顔が熱くなっていく。
「わ、悪い。もういいからっ。次は僕の番だな! ほら後ろを向け!」
素直に後ろを向いたリリウスの身体に手を滑らせる。と同時に、お風呂ではいままでこんなことなかったのに、と困惑する。その視線の先には、幼いながらも主張する自分のものがあった。ゆっくりとリリウスの身体を洗い、それを終えても一向に静まる様子がない。
観念してリリウスの正面にたった。
あとはいつものように、気持ちよくさせるだけ。
だというのに下腹部がうずうずする。太ももと太ももをすり合わせて耐える。リリウスのものを手にしながら、我慢する。
その時、かすかに「……コクリ」と喉を鳴らす音がきこえた。
突然、リリウスは僕のものに手を伸ばしてゆるゆると動かした。
「まっ!!」
それを、腰を引くことですぐに止めさせる。
「待てっ!」
思わず声が裏返った。
「……どうしてですか?」
問いかけるリリウスにいった。
「……その、リリウスにされるのは、いやだ」
目をそらして答えるとリリウスの眉が一瞬ピクリと動いた。それは普段のリリウスを知らなければ見逃してしまっていただろう。一回でも瞬きをしていれば見逃していただろう。それを見ることができ、心の奥底から歓喜があふれだす。
リリウス……!! そう叫びだそうとして。
「………………フィリル様」
僕はリリウスに押し倒されていた。
尻もちをついた。受け身がとれたからか痛みはなかった。
「えっ、何で?」
リリウスは何もこたえず僕の肩に手を置いた。
そのまま風呂場の床に抑えつけられる。
肌と肌がふれあい、思わず目をそらした。
「私がお嫌いですか……?」
「そ、それは絶対にない!!」
間髪入れずにリリウスの瞳を見た。
「……では、どうして私にされるのが嫌なのですか?」
「それは……」
気まずげに見上げれば、リリウスは無表情だった。
でもその声がいつもよりなんとなく寂しげで。
「いっても、いいのか……?」
「……もちろん構いません」
だって、仕方ないじゃないか。
「それは、リリウスが……好きだから」
その時のリリウスの表情は……。
たとえ何年過ぎようとも色あせない、僕の大切な宝物になった。
それに伴ってリリウスの性欲を解消する手助けもしてきた。
そうして部屋にもどったあと悶々とする日々をすごした。
リリウスを見ると顔が熱くなったりドキドキしたりする。
前まではこんなに酷くなかったのに。
たぶんあれが原因だろう。顔は無表情なのに思ったよりも身体は正直で。行動の隅々から僕を大切にしていることがわかってしまう。それが気恥ずかしいのだ。
今日もリリウスと入浴する。当初の目的は変わってしまった。いや、変わったというか、もう一つ目的ができてしまったと表現するべきか。端的にいえば、リリウスの反応を見るのが楽しくなった。
リリウスが服を片付ける。
それが終わればいつものように入浴する。
「それでは洗いますね」
「おう」
全身くまなく手洗いされる。
それに慣れてしまったからか、他のことを考える余裕が出てくる。
そうしてふと、初日にリリウスの顔が赤くなった、ように見えたことを思い出した。
……現実でなくてもいいから。また、見たいな。
「……あの、これは」
ん? とリリウスの目線を追う。
「あっ」
とっさにしゃがみ込んだ。
なんで……! そう思いながらも羞恥に顔が熱くなっていく。
「わ、悪い。もういいからっ。次は僕の番だな! ほら後ろを向け!」
素直に後ろを向いたリリウスの身体に手を滑らせる。と同時に、お風呂ではいままでこんなことなかったのに、と困惑する。その視線の先には、幼いながらも主張する自分のものがあった。ゆっくりとリリウスの身体を洗い、それを終えても一向に静まる様子がない。
観念してリリウスの正面にたった。
あとはいつものように、気持ちよくさせるだけ。
だというのに下腹部がうずうずする。太ももと太ももをすり合わせて耐える。リリウスのものを手にしながら、我慢する。
その時、かすかに「……コクリ」と喉を鳴らす音がきこえた。
突然、リリウスは僕のものに手を伸ばしてゆるゆると動かした。
「まっ!!」
それを、腰を引くことですぐに止めさせる。
「待てっ!」
思わず声が裏返った。
「……どうしてですか?」
問いかけるリリウスにいった。
「……その、リリウスにされるのは、いやだ」
目をそらして答えるとリリウスの眉が一瞬ピクリと動いた。それは普段のリリウスを知らなければ見逃してしまっていただろう。一回でも瞬きをしていれば見逃していただろう。それを見ることができ、心の奥底から歓喜があふれだす。
リリウス……!! そう叫びだそうとして。
「………………フィリル様」
僕はリリウスに押し倒されていた。
尻もちをついた。受け身がとれたからか痛みはなかった。
「えっ、何で?」
リリウスは何もこたえず僕の肩に手を置いた。
そのまま風呂場の床に抑えつけられる。
肌と肌がふれあい、思わず目をそらした。
「私がお嫌いですか……?」
「そ、それは絶対にない!!」
間髪入れずにリリウスの瞳を見た。
「……では、どうして私にされるのが嫌なのですか?」
「それは……」
気まずげに見上げれば、リリウスは無表情だった。
でもその声がいつもよりなんとなく寂しげで。
「いっても、いいのか……?」
「……もちろん構いません」
だって、仕方ないじゃないか。
「それは、リリウスが……好きだから」
その時のリリウスの表情は……。
たとえ何年過ぎようとも色あせない、僕の大切な宝物になった。
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