その表情を変えたくて!

Sion ショタもの書きさん

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※7.一歩前進

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 まずは銀色の髪から。そうしてリリウスの身体に泡をつけた手を滑らせる。観念したのかリリウスはされるがままだ。これまでに他人を洗った経験はない。つたないのは自覚している。だからこそリリウスよりも丁寧にすることを心がけた。

 凜々しい体つきだった。

 実際に手でふれてみるとそれがよくわかる。

「鍛えてるって感じだなぁ」

 細身ではあるけど。

「……はい、フィリル様をお守りするためには必要なことですので」

「ふふふっ、そうか」

 リリウスの正面に来る。
 そして顔を見上げながら僕はそういった。

 身体の側面から、胸、お腹と入念に洗っていく。

「それにしても、デカいな」

 僕はリリウスの股間を見ながらいった。
 まだ僕は12歳だし、それと比べたら当たり前なんだろうけど。
 両足を終えると最後に股間だ。

「そこは自分でやりますので……」

「ん、僕は気にしないから別にいいけど?」

「そうではなく、っ」

 リリウスの言葉を遮るようにしてそれを手のひらに収めた。さすがに全部は収まりきらない。なでるように、力加減を間違わないように時間をかけて行なった。睾丸はしわの一本一本まで。自分ですれば痛いことがわかっているから、亀頭はより優しくした。

 リリウスにされたように、マッサージも同時に行う。

 そしてそれが悪かったのか、リリウスの陰茎がすこし反応してしまっていた。
 はじめは気のせいかとも思った。けれど時間がたつたびに、硬く大きくなっていく。ついにはピンと天を向いた。皮のむけた大人の性器が熱をもち、ピクピクと律動する。

 リリウスは無表情だけど目を合わさなかった。

 3年後、僕もこんな風になれるだろうか。
 そんな風に自分のちんまい性器を見てため息をつく。

「んー、まあいっか」

 学問によればリリウスの年齢くらいが一番、性欲の盛んな時期だという。このままでは辛いのではないかと案じた。すこし迷い、自分でするときのように手でこすってみる。突如動きを変えた手に反応してかリリウスが声を上げた。

「あの……」

「ん、気にすんなって」

 こういったことをする経験もなかったから、上手くできているかはわからない。だからリリウスの身体に注目しながら優しく手を動かす。色々なところをなでて、ピクリと動けば「これが気持ちいいのか?」ときいてみる。

 リリウスはそれを隠そうとするけれどバレバレだ。

 やがて鈴口から透明な液体がこぼれ落ちる。

 表情は変わらなくとも、リリウスは案外わかりやすいのかもしれない。そんな発見ができて嬉しい。

「ずっとリリウスに迷惑かけてばっかりだったし今日くらい、いいだろ」

「……そんな、迷惑だなんて思っていません」

「そうか」

 ポツリと小さく呟いた。

 やがてリリウスは精を放った。

「うわ、っぷ」

 こんなに飛ぶとは思わず、その正面にいたから顔にかかってしまった。
 青臭いけれど、それがリリウスのなら気にはしない。

「たくさん出たな」

 息を荒くするリリウスに笑顔で告げた。

「……っ」

「あ、いまリリウス顔赤くなっただろ?!」

「なっていません」

「え、あれ? でも……え、ほんとか?」

 ……んー、まあいい。今日はこれで満足してやろう。

 ふと顔についたリリウスの出したものを手に取ってみた。僕が出すものとはまるで違う。その匂いはもちろん、白色の濃さも。ぬるぬるとしていて、つかみきれなかった分が糸を引いて落ちていく。

 さりげなく僕の手にあるそれをリリウスは拭おうとする。

 それに逆らわず、顔を拭って、風呂に入って、部屋に戻る。

 去り際になってリリウスに伝えた。

「ぜったい明日も来いよ!」

「……はい」

 リリウスは僕の部屋を後にした。
 いつの間にか天を向いていた自身のものを、不思議に思いながら収めて就寝した。

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