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2.情報収集
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「セバス!!」
「はい、お呼びでしょうかフィリル様」
怒りのままにセバスを呼んだ。
いつもリリウスが部屋で何をしているのか知るためだ。
好きな食べ物や嫌いな食べ物は何か。そのどちらも直接聞いたことがあるけれど、やはり無表情で口にする。本当に好きなのか疑ったくらいだ。趣味についても同じだった。
とても悔しい。僕が持っている情報ではリリウスの表情を変えることができない。
セバスを呼んだのは、リリウスの教育係だったからだ。セバスなら僕の知らないことを知っているかもしれない。
「ご期待に添えるかどうか私にはなんとも……。フィリル様の知らないことを、私が存じているとはとても思えませんから」
「どんな些細なことでもいいから頼む!」
必死に頼みこむと、セバスはあいまいな笑みを浮かべた。
「彼はいつも瞑想をしているようです。部屋を覗いた使用人が、その綺麗な姿勢を見て褒め称えておりました。あの表情は、たゆまぬ精神鍛錬の産物かもしれませんね」
「……め、瞑想?」
思わず地面に膝をつきそうだった。
それは言い換えれば「何もしていない」ということじゃないか。
いやいや、まさかリリウスの生活がそれだけだなんてことはないはずだ。
僕はさらなる情報をもとめて屋敷中を歩き回った。
しかし手に入れた情報のほとんどはすでに知っているか、役に立ちそうにないものだった。
「ぐぬぬ……何かヒントはないのか?」
表情をかえるだけでいいのに。そのあまりの難易度の高さに頭を悩まされる。
でもそれはわかりきっていたことだ。
落ちこんでいられない。
「かくなる上は……思いついたこと、全部してみるか」
思い立ったが吉日、だ。
「はい、お呼びでしょうかフィリル様」
怒りのままにセバスを呼んだ。
いつもリリウスが部屋で何をしているのか知るためだ。
好きな食べ物や嫌いな食べ物は何か。そのどちらも直接聞いたことがあるけれど、やはり無表情で口にする。本当に好きなのか疑ったくらいだ。趣味についても同じだった。
とても悔しい。僕が持っている情報ではリリウスの表情を変えることができない。
セバスを呼んだのは、リリウスの教育係だったからだ。セバスなら僕の知らないことを知っているかもしれない。
「ご期待に添えるかどうか私にはなんとも……。フィリル様の知らないことを、私が存じているとはとても思えませんから」
「どんな些細なことでもいいから頼む!」
必死に頼みこむと、セバスはあいまいな笑みを浮かべた。
「彼はいつも瞑想をしているようです。部屋を覗いた使用人が、その綺麗な姿勢を見て褒め称えておりました。あの表情は、たゆまぬ精神鍛錬の産物かもしれませんね」
「……め、瞑想?」
思わず地面に膝をつきそうだった。
それは言い換えれば「何もしていない」ということじゃないか。
いやいや、まさかリリウスの生活がそれだけだなんてことはないはずだ。
僕はさらなる情報をもとめて屋敷中を歩き回った。
しかし手に入れた情報のほとんどはすでに知っているか、役に立ちそうにないものだった。
「ぐぬぬ……何かヒントはないのか?」
表情をかえるだけでいいのに。そのあまりの難易度の高さに頭を悩まされる。
でもそれはわかりきっていたことだ。
落ちこんでいられない。
「かくなる上は……思いついたこと、全部してみるか」
思い立ったが吉日、だ。
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