17 / 34
17 謎の初日
しおりを挟む
女官補佐としての最終日だったはずが、謎の初日となった。
ヴェラ女官長によると“王太子付きの女官”とは文字通り王太子専属の女官であって、出身や身分が確固たる由緒あるべきなのはもちろんのこと、長年城内での仕事をあちこち習得し信用を得て、ベテランと化したスペシャリストのみがなれるのだという。
「私、一般市民ですけどっ?! まだ経験が一月しかないペーペーの極みな人間ですけどっ?!」
池ポチャからの救出といい、いったい自分に何が起こっているのかさっぱりわからないリリアナには、もはや恐怖しかない。
例えば、池ポチャしたのが王子のほうで、それを自分が救った、ならまだわかる。『なんて立派で勇敢な者なのだろう』と昇格なら、まだわかる。
……ポチャったのは自分な上、大迷惑をかけたのだが、これはいったい……。
連日考え事が多すぎて、引き締まった表情をしているリリアナを、メイド達は憧れるように眩しく見送った。もはや彼女達にとっては、リリアナは異例のスピード出世を成し遂げた生きる伝説となっている。
リリアナは客室棟から離れるのが名残惜しく、何度も振り返ってメイドへ手を振る。
何故か多くのお見送りに胸を打つ。
(みんな優しいな! 厨のみんなまで見送ってくれてるっ)
まさか伝説と崇められているとは露知らずである。
スッドへの挨拶も済ませたのだが、
「リリアナ、勝ち取りなさい。わたくしはあなたを応援する為にここに残るわ。オヴェストの為にもやりとげましょう」
と謎の言葉を送られている。
よくわからないまま、リリアナは足を踏み入れたことのない区画へ案内された。
『宮殿』と呼ばれる王族の居住エリアである。建物や装飾品の雰囲気も変わって、華美すぎず落ち着いている。
リリアナの女官制服も色違いで、高級感漂う茶色のチュニックになった。
先導するチェルソン侍従長の代理と思われる若い男についていくと、大きな扉の前だった。
「こちらです。ジルベルト様のお部屋です」
扉横に控えていた騎士に先導の男が頷くと、その大きな扉が開かれた。
(えー、本当に入っちゃうよ? いいの? 一般市民のペーペーだよ?)
なんとなく自分の両手を握りしめ怯えながら進めば、チェルソン侍従長が笑顔で立っていた。
今度はチェルソンについていく形で、部屋のまた別扉が開かれた。
一気に視界が開けた広々としたリビングのような部屋に通され、ワタワタしている間にチェルソンがリリアナを置いて、部屋を出ていってしまった。
「え! あれ! チェルソン様ああああ」
閉ざされた扉に飛び付いたところで背後から、呆れたような声が飛ぶ。
「なんだよお前、生け贄にでもなったのか?」
その口調と声音に聞き覚えしかないリリアナは、喜びあふれんばかりに振り向いた。
「オットーさん?!……あれ?」
どこからどう聞いてもあの、人を小バカにした言い回しはオットーしかありえないのだが、今目の前に映る人物は、どこからどう見てもパーティーで目撃した麗しく気品に満ち溢れた完璧な佇まいのジルベルト王子であった。
「あれっ?!」
リリアナは扉に背を張り付けるようにして固まった。
その見事な混乱っぷりに堪えきれず、ジルベルトは整った顔を大きく崩して「ぶふっ!」と吹き出し、ついには腹を抱えて大笑いしはじめる。
「あーおもしれっ! お前ほんとサイコーにアホだな!」
「え? え?」
リリアナは自分の耳を疑わずにはいられない。とてもあの、優雅で物腰柔らかく紳士な対応をしていた王子と、同一人物とは思えない現象が起きている。
「こりゃ本当に、チェルソンの言う完璧な人事だった訳だっ」
そう言いながらも笑いがこみ上げて止まらない王子に、リリアナは既視感を覚えた。
(こ、これは……この感じは……まさか……?)
「……オットー、さん?」
自然と漏れた言葉に、妙な確信を得たリリアナは、目の前の銀髪をサラサラと靡かせる美しい男の、綺麗に弧を描く口元に釘付けになった。
「やっと気付いたか。これならどこまで気付かれないか試せばよかったな」
「えーーっ!!」
頭を抱えて絶叫したリリアナに、今度は指を差しながらジルベルトは腹を抱えて笑う。
「うそでしょ! え、なんでよっ! 意味がわかんないっ! オットーさん、王子に変装してたのっ?!」
「アホ、逆だろ。存在しない男が王子の変装してどーする」
「なんでそんなややこしいことしてるんですかっ」
「チェルソンがお前に絶大なる自信を持ってたからだろ」
「意味がわかりません! 誉められてることしか!」
「誉めてはないからなっ。お前だと俺の身バレの心配が皆無だから、直接令嬢達の情報を聞けとチェルソンが言ってきたんだっ。だから俺は最低限の変装をしただけだっ」
「なっ!」
確かにマントを被っただけの状態だったはずのオットーを、王子と疑うことなど微塵も思いつかなかった自覚があるリリアナは絶句した。
パーティーの時に王子に既視感を覚えたのは、銀髪でも弟王子でもなく、マント下から少し覗く口元や顎のラインからだったのかもしれない。
「それにしたってオットーさん、パーティーの時と全然雰囲気違うじゃないですかっ」
ジルベルトはフンッとばかりに腕を組んでみせた。
「当たり前だ。俺は王太子だぞ。いつでも完璧じゃなけりゃいけないんだ。猫被りまくって当然だろ」
「まじですか……皆騙されてるのか。オットーさんのほうが本性なのかいっ」
「言っとくけど、今度からその名前を呼ぶなよ、周りに違和感しか与えないぞ。あの日咄嗟に付けた名前だから、お前とチェルソンしか通じないからな」
「えーーっ!」
リリアナの積み上げた一月が完全に覆された。あーだこーだと、自分でももはや何を喋りまくってきたのか不安になるほど、この国の王太子にペラペラと呑気に喋りかけていた。絶対あってはならないことで、むしろよく牢屋に放り込まれなかったもんだと思う。
そこでハッと我に返った。今現在、進行形で王太子に対して横柄な態度をとりまくっていたことに。
「で、殿下っ! この度はわたくしを女官として雇いくださり、ありがとうございますっ。一生懸命働きますっ」
「ぶっ!」
何故か王子は吹き出した。
「え」
「あのな、今さらだぞ。そして気味悪いからやめてくれ」
「なっ!」
礼の形を取ろうとして、リリアナはやめた。確かに、むず痒いものがある。見た目は王子だが、やりとりからオットー相手にしているとしか思えなくて、気持ち悪かったのだ実際。
「あのー、王子?」
「なんだ?」
「私、王太子専属の女官って言われたんですけど、いったいどんな仕事するのか皆目見当つきませんが」
「ああ」
ジルベルトはやっと笑いをおさめて向き直った。
「まあ、それは名目上だから気にするな。チェルソンが決めたことだ。適当に俺の身の回りの世話っぽいことしとけばいいさ」
「はい?」
そんな大雑把なことでいいのだろうか。リリアナは頭を捻った。名目上とはどういうことだろうか。
「あ、ひょっとして、継続するってことですか? 令嬢の件」
「ああ、そのことはもういい。お前も大変だったな。巻き込まれたのか巻き込んだのかは別として」
「なんで私が巻き込む側ありえるんですかっ」
リリアナがむくれてみせると、ジルベルトは行儀悪く鼻を鳴らした。
「辞退したオヴェストとノルドだが、二人から丁寧な詫びの手紙が届いた」
「わ、二人とも元気ですかっ?」
「本来なら、城内で起こったことだ。大事な令嬢達を預かる側としても誠心誠意で、もてなし応えなければならなかった。今回のことだって謝罪してもしきれない。なのに……」
ジルベルトは表情を引き締めた。
「こちらにまったく責める言葉がなかった。それどころか、お前のことばかり気にしていたよ」
「え?」
ジルベルトは今度はムスッとしたようにリリアナを睨む。
「まるでお前への恋文のようだぞっ。この俺を差し置いて、なんでお前のことばかりなのか、面白くないっ」
「なんですかそりゃ」
変なところで張り合うジルベルトに、リリアナが今度はプッと吹き出した。
「とにかく、お前の仕事は女官としてではない、夜の仕事がメインだ、わかったか?」
「はっ?!」
聞き捨てならない単語にリリアナは目を剥いた。しかし、それに気づいていないのかジルベルトは「俺はこれから仕事だ」と奥の扉へ向かって颯爽と歩き出す。
「え、ちょっと待った! せ、説明をっ、詳細をっ!」
駆け寄ろうとしたリリアナに、一瞬振り返ったジルベルトは、更なる追撃をしていった。
「説明は全部夜だ。夜まで大人しく待ってろよ」
「えーーっ!!」
何度目か、もはやわからないリリアナの悲鳴が、誰もいなくなった広いリビングに鳴り響いた。
ヴェラ女官長によると“王太子付きの女官”とは文字通り王太子専属の女官であって、出身や身分が確固たる由緒あるべきなのはもちろんのこと、長年城内での仕事をあちこち習得し信用を得て、ベテランと化したスペシャリストのみがなれるのだという。
「私、一般市民ですけどっ?! まだ経験が一月しかないペーペーの極みな人間ですけどっ?!」
池ポチャからの救出といい、いったい自分に何が起こっているのかさっぱりわからないリリアナには、もはや恐怖しかない。
例えば、池ポチャしたのが王子のほうで、それを自分が救った、ならまだわかる。『なんて立派で勇敢な者なのだろう』と昇格なら、まだわかる。
……ポチャったのは自分な上、大迷惑をかけたのだが、これはいったい……。
連日考え事が多すぎて、引き締まった表情をしているリリアナを、メイド達は憧れるように眩しく見送った。もはや彼女達にとっては、リリアナは異例のスピード出世を成し遂げた生きる伝説となっている。
リリアナは客室棟から離れるのが名残惜しく、何度も振り返ってメイドへ手を振る。
何故か多くのお見送りに胸を打つ。
(みんな優しいな! 厨のみんなまで見送ってくれてるっ)
まさか伝説と崇められているとは露知らずである。
スッドへの挨拶も済ませたのだが、
「リリアナ、勝ち取りなさい。わたくしはあなたを応援する為にここに残るわ。オヴェストの為にもやりとげましょう」
と謎の言葉を送られている。
よくわからないまま、リリアナは足を踏み入れたことのない区画へ案内された。
『宮殿』と呼ばれる王族の居住エリアである。建物や装飾品の雰囲気も変わって、華美すぎず落ち着いている。
リリアナの女官制服も色違いで、高級感漂う茶色のチュニックになった。
先導するチェルソン侍従長の代理と思われる若い男についていくと、大きな扉の前だった。
「こちらです。ジルベルト様のお部屋です」
扉横に控えていた騎士に先導の男が頷くと、その大きな扉が開かれた。
(えー、本当に入っちゃうよ? いいの? 一般市民のペーペーだよ?)
なんとなく自分の両手を握りしめ怯えながら進めば、チェルソン侍従長が笑顔で立っていた。
今度はチェルソンについていく形で、部屋のまた別扉が開かれた。
一気に視界が開けた広々としたリビングのような部屋に通され、ワタワタしている間にチェルソンがリリアナを置いて、部屋を出ていってしまった。
「え! あれ! チェルソン様ああああ」
閉ざされた扉に飛び付いたところで背後から、呆れたような声が飛ぶ。
「なんだよお前、生け贄にでもなったのか?」
その口調と声音に聞き覚えしかないリリアナは、喜びあふれんばかりに振り向いた。
「オットーさん?!……あれ?」
どこからどう聞いてもあの、人を小バカにした言い回しはオットーしかありえないのだが、今目の前に映る人物は、どこからどう見てもパーティーで目撃した麗しく気品に満ち溢れた完璧な佇まいのジルベルト王子であった。
「あれっ?!」
リリアナは扉に背を張り付けるようにして固まった。
その見事な混乱っぷりに堪えきれず、ジルベルトは整った顔を大きく崩して「ぶふっ!」と吹き出し、ついには腹を抱えて大笑いしはじめる。
「あーおもしれっ! お前ほんとサイコーにアホだな!」
「え? え?」
リリアナは自分の耳を疑わずにはいられない。とてもあの、優雅で物腰柔らかく紳士な対応をしていた王子と、同一人物とは思えない現象が起きている。
「こりゃ本当に、チェルソンの言う完璧な人事だった訳だっ」
そう言いながらも笑いがこみ上げて止まらない王子に、リリアナは既視感を覚えた。
(こ、これは……この感じは……まさか……?)
「……オットー、さん?」
自然と漏れた言葉に、妙な確信を得たリリアナは、目の前の銀髪をサラサラと靡かせる美しい男の、綺麗に弧を描く口元に釘付けになった。
「やっと気付いたか。これならどこまで気付かれないか試せばよかったな」
「えーーっ!!」
頭を抱えて絶叫したリリアナに、今度は指を差しながらジルベルトは腹を抱えて笑う。
「うそでしょ! え、なんでよっ! 意味がわかんないっ! オットーさん、王子に変装してたのっ?!」
「アホ、逆だろ。存在しない男が王子の変装してどーする」
「なんでそんなややこしいことしてるんですかっ」
「チェルソンがお前に絶大なる自信を持ってたからだろ」
「意味がわかりません! 誉められてることしか!」
「誉めてはないからなっ。お前だと俺の身バレの心配が皆無だから、直接令嬢達の情報を聞けとチェルソンが言ってきたんだっ。だから俺は最低限の変装をしただけだっ」
「なっ!」
確かにマントを被っただけの状態だったはずのオットーを、王子と疑うことなど微塵も思いつかなかった自覚があるリリアナは絶句した。
パーティーの時に王子に既視感を覚えたのは、銀髪でも弟王子でもなく、マント下から少し覗く口元や顎のラインからだったのかもしれない。
「それにしたってオットーさん、パーティーの時と全然雰囲気違うじゃないですかっ」
ジルベルトはフンッとばかりに腕を組んでみせた。
「当たり前だ。俺は王太子だぞ。いつでも完璧じゃなけりゃいけないんだ。猫被りまくって当然だろ」
「まじですか……皆騙されてるのか。オットーさんのほうが本性なのかいっ」
「言っとくけど、今度からその名前を呼ぶなよ、周りに違和感しか与えないぞ。あの日咄嗟に付けた名前だから、お前とチェルソンしか通じないからな」
「えーーっ!」
リリアナの積み上げた一月が完全に覆された。あーだこーだと、自分でももはや何を喋りまくってきたのか不安になるほど、この国の王太子にペラペラと呑気に喋りかけていた。絶対あってはならないことで、むしろよく牢屋に放り込まれなかったもんだと思う。
そこでハッと我に返った。今現在、進行形で王太子に対して横柄な態度をとりまくっていたことに。
「で、殿下っ! この度はわたくしを女官として雇いくださり、ありがとうございますっ。一生懸命働きますっ」
「ぶっ!」
何故か王子は吹き出した。
「え」
「あのな、今さらだぞ。そして気味悪いからやめてくれ」
「なっ!」
礼の形を取ろうとして、リリアナはやめた。確かに、むず痒いものがある。見た目は王子だが、やりとりからオットー相手にしているとしか思えなくて、気持ち悪かったのだ実際。
「あのー、王子?」
「なんだ?」
「私、王太子専属の女官って言われたんですけど、いったいどんな仕事するのか皆目見当つきませんが」
「ああ」
ジルベルトはやっと笑いをおさめて向き直った。
「まあ、それは名目上だから気にするな。チェルソンが決めたことだ。適当に俺の身の回りの世話っぽいことしとけばいいさ」
「はい?」
そんな大雑把なことでいいのだろうか。リリアナは頭を捻った。名目上とはどういうことだろうか。
「あ、ひょっとして、継続するってことですか? 令嬢の件」
「ああ、そのことはもういい。お前も大変だったな。巻き込まれたのか巻き込んだのかは別として」
「なんで私が巻き込む側ありえるんですかっ」
リリアナがむくれてみせると、ジルベルトは行儀悪く鼻を鳴らした。
「辞退したオヴェストとノルドだが、二人から丁寧な詫びの手紙が届いた」
「わ、二人とも元気ですかっ?」
「本来なら、城内で起こったことだ。大事な令嬢達を預かる側としても誠心誠意で、もてなし応えなければならなかった。今回のことだって謝罪してもしきれない。なのに……」
ジルベルトは表情を引き締めた。
「こちらにまったく責める言葉がなかった。それどころか、お前のことばかり気にしていたよ」
「え?」
ジルベルトは今度はムスッとしたようにリリアナを睨む。
「まるでお前への恋文のようだぞっ。この俺を差し置いて、なんでお前のことばかりなのか、面白くないっ」
「なんですかそりゃ」
変なところで張り合うジルベルトに、リリアナが今度はプッと吹き出した。
「とにかく、お前の仕事は女官としてではない、夜の仕事がメインだ、わかったか?」
「はっ?!」
聞き捨てならない単語にリリアナは目を剥いた。しかし、それに気づいていないのかジルベルトは「俺はこれから仕事だ」と奥の扉へ向かって颯爽と歩き出す。
「え、ちょっと待った! せ、説明をっ、詳細をっ!」
駆け寄ろうとしたリリアナに、一瞬振り返ったジルベルトは、更なる追撃をしていった。
「説明は全部夜だ。夜まで大人しく待ってろよ」
「えーーっ!!」
何度目か、もはやわからないリリアナの悲鳴が、誰もいなくなった広いリビングに鳴り響いた。
0
お気に入りに追加
438
あなたにおすすめの小説
【完結】うっかり異世界召喚されましたが騎士様が過保護すぎます!
雨宮羽那
恋愛
いきなり神子様と呼ばれるようになってしまった女子高生×過保護気味な騎士のラブストーリー。
◇◇◇◇
私、立花葵(たちばなあおい)は普通の高校二年生。
元気よく始業式に向かっていたはずなのに、うっかり神様とぶつかってしまったらしく、異世界へ飛ばされてしまいました!
気がつくと神殿にいた私を『神子様』と呼んで出迎えてくれたのは、爽やかなイケメン騎士様!?
元の世界に戻れるまで騎士様が守ってくれることになったけど……。この騎士様、過保護すぎます!
だけどこの騎士様、何やら秘密があるようで――。
◇◇◇◇
※過去に同名タイトルで途中まで連載していましたが、連載再開にあたり設定に大幅変更があったため、加筆どころか書き直してます。
※アルファポリス先行公開。
※表紙はAIにより作成したものです。
ふたりは片想い 〜騎士団長と司書の恋のゆくえ〜
長岡更紗
恋愛
王立図書館の司書として働いているミシェルが好きになったのは、騎士団長のスタンリー。
幼い頃に助けてもらった時から、スタンリーはミシェルのヒーローだった。
そんなずっと憧れていた人と、18歳で再会し、恋心を募らせながらミシェルはスタンリーと仲良くなっていく。
けれどお互いにお互いの気持ちを勘違いしまくりで……?!
元気いっぱいミシェルと、大人な魅力のスタンリー。そんな二人の恋の行方は。
他サイトにも投稿しています。
王子殿下の慕う人
夕香里
恋愛
エレーナ・ルイスは小さい頃から兄のように慕っていた王子殿下が好きだった。
しかし、ある噂と事実を聞いたことで恋心を捨てることにしたエレーナは、断ってきていた他の人との縁談を受けることにするのだが──?
「どうして!? 殿下には好きな人がいるはずなのに!!」
好きな人がいるはずの殿下が距離を縮めてくることに戸惑う彼女と、我慢をやめた王子のお話。
※小説家になろうでも投稿してます
好きですがなにか?~悪役令嬢でごめんなさい~
さおり(緑楊彰浩)
恋愛
アルテイナ公爵家の三女、ロベリア・アルテイナは子供のころに会った顔を覚えていない男性のことが忘れられなかった。
それが恋というものなのかもわからず17歳になったロベリアは、父親に彼氏を連れてこいと言われてしまう。
しかし、彼氏がいないロベリアには連れてくることもできない。それだけではなく、ロベリアが住んでいる街に人族は少ない。未婚の人族もいなかった。
地位のある人族との結婚しか認めない父親にロベリアは呆れるしかなかった。
そして父親が言い放った言葉により、ロベリアは自分の気持ちに気づくことができた。
それは、子供のころに会った彼との再会。
しかし彼と付き合うためには多くの試練が待ち受けていた。
「私が気持ちを打ち明けたって、無理だって言われるに決まってる。だって私は『悪役令嬢』だから」
こちらの作品は、小説家になろうにて、2019年1月~3月まで(できるだけ)毎日投稿に挑戦した作品となります。
キャラクター設定は存在してましたが、プロットはないという作品でした。
2020年1月1日8時から30日16時まで1日2回の8時と16時更新。
先が読みたい方は同じものが小説家になろうに公開されております。
2020年2月16日 近況ボードをご確認ください。
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
異世界で王城生活~陛下の隣で~
遥
恋愛
女子大生の友梨香はキャンピングカーで一人旅の途中にトラックと衝突して、谷底へ転落し死亡した。けれど、気が付けば異世界に車ごと飛ばされ王城に落ちていた。神様の計らいでキャンピングカーの内部は電気も食料も永久に賄えるられる事になった。
グランティア王国の人達は異世界人の友梨香を客人として迎え入れてくれて。なぜか保護者となった国陛下シリウスはやたらと構ってくる。一度死んだ命だもん、これからは楽しく生きさせて頂きます!
※キャンピングカー、魔石効果などなどご都合主義です。
※のんびり更新。他サイトにも投稿しております。
人魚な王子
岡智 みみか
恋愛
誰かを好きになるってことを、教えてくれたのは君だった。
僕が海辺を散歩していた時だった。陸の上から人間の声が聞こえてきた。彼女たちは何かを言い争ったあとで、二人とも海に落ちた。一人が一人を助けあげ、その無事を見届けてから海の底に沈んでいった。僕は、沈んでゆくその彼女の横顔に、きっと恋をしたんだと思う。仲間に頼み、無理を言って、人間にしてもらった僕は、今日、その大切な彼女に会いに行く。
人魚から、本当の人間になるために。
*旧作の改稿版です*
旦那様、前世の記憶を取り戻したので離縁させて頂きます
結城芙由奈
恋愛
【前世の記憶が戻ったので、貴方はもう用済みです】
ある日突然私は前世の記憶を取り戻し、今自分が置かれている結婚生活がとても理不尽な事に気が付いた。こんな夫ならもういらない。前世の知識を活用すれば、この世界でもきっと女1人で生きていけるはず。そして私はクズ夫に離婚届を突きつけた―。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる