その日は月が輝いて

お水

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本編

橘 冬真の話 Ⅲ

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今日は柊木くんと飲みに行く日。
それでも仕事はあるので、今日は頑張って定時に終わりたい。
と言っても、超ホワイト会社なのでほとんど残業なんてないのだけど。
この会社で問題があるとすれば…
「橘くーん!」
こいつだよなぁ。


「今日飲みに行かない?」
「行かない。」

今日は柊木くんと飲みに行く予定があったし、もとより行く気がないので断った。
すると彼女は激昴して言った。

「なんで!?私と橘くんは恋人同士でしょ!?なのに嫉妬もしてくれないしデートにも誘ってくれない!なんでなの!」
「ちょっと待て、何故俺と神木が付き合っているなんて発想になるんだ。」
「橘くんが言ったじゃない!私みたいな人と付き合いたいって!」
「“みたいな人”な。誰も神木と付き合いたいとは言ってないんだが、今までずっと勘違いしていたのか?」
「は!?私に恥をかかせるの!?」

あーもう頭が痛い。
神木はまだ何か言ってるが付き合ってられない。
生憎俺は優しくないので、今までの恨みを込めて誰かに片付けてもらおう。
早く仕事を終わらせて帰ろう。



そう思っていたのが懐かしい。
何故今日に限って残業があるんだ。
もちろんサービスでは無く時間外賃金は出ることになっているが、今日でなくてもいいだろう。
【今日残業になってしまって時間通りに行けそうにないんだ。申し訳ない。】
するとすぐに返信が来た。
【全然気にしないでください。橘さんが疲れていないようでしたら時間を遅くするのはいかがですか?】
柊木くんも楽しみにしていたようだ。
俺も今日行くつもりでいたから是非そうさせてもらいたい。
その旨をメールで送り、俺は残りの仕事を片付けた。
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