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第十三話 『戦闘不能力』
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「神父さーん、またエリザの回復を頼むよ」
「げっ! その氷のオブジェは中にスライムが入っているのではないか?」
そこを突っ込まれるのも想定内。
「ヘルスライムが入ってますよ。でも安心してください。完全に凍ってますから溶かせばお陀仏です」
「でも溶かしたらエリザくんが死んでしまうではないか」
戦闘不能の一歩先は死亡だ。
そういう意味ではエリザはいつも危険な橋を渡っていることになる。
が、エリザはどうも常人とは違うようで、戦闘不能にはいち早くなるけど死亡してしまったことは今のところない。
仮に死亡してたら俺が大慌てで蘇生魔法という大魔法を使うことになっていただろう。
「そうですね~エリザのことだから燃やしても生き残りそうな気もするけど……」
そこまで言って言葉を止める。
そんなことしたら糞三銃士並みの屑だよな。
もっと俺は賢い方法でエリザを助けるぞ。
「神父さん。今の氷漬けの状態でエリザを戦闘不能から治すことってできますか?」
「一応できると思うがその後の保証はできんぞ」
「いいんですいいんです。復活したら転移魔法で救い出しますから」
この転移魔法は便利なんだけど意識がない人には使えないのが玉に瑕。
「なるほど、そういうことなら復活の儀を行おう」
神父が復活の呪文を唱えている間、俺も杖をかざして転移魔法の準備をする。
「――――――――!?」
エリザが氷の中で目を覚ましたようだ。
目をキョロキョロさせて非常にテンパってるのが良くわかる。
「風雲の力により汝を異空間へと運び去らん」
転移魔法の詠唱をすると、氷のオブジェクトの内側からすっぽりエリザだけ抜けだした。
「さて、次はヘルスライムを燃やして溶かさなきゃな」
「マテ……ワタシを倒したところで無駄だぞ」
急に凍っているはずのヘルスライムが語りだした。
「魔王軍では伝説の勇者に対抗できる魔人を生み出したノダ、魔王様が世界を統一する日も近い」
「そうですか、そいつは情報ありがとさん」
俺は無慈悲にも火球魔法をヘルスライムに打ち込んだ。
「グアオオォォォォ、この恨み必ずや魔王様が!」
そんな捨て台詞を吐いてヘルスライムは消滅した。
「うぇーい」「やりましたね!」
ミカ、エリザとハイタッチをする。
「この調子でガンガン魔王軍を蹴散らしていこう!」
「「おー!!」」
俺達の冒険は順調である。
しかし気になるのはヘルスライムの最後の言葉。
魔人とは一体……。
魔王討伐は一筋縄ではいかなそうな予感がしてきた。
「げっ! その氷のオブジェは中にスライムが入っているのではないか?」
そこを突っ込まれるのも想定内。
「ヘルスライムが入ってますよ。でも安心してください。完全に凍ってますから溶かせばお陀仏です」
「でも溶かしたらエリザくんが死んでしまうではないか」
戦闘不能の一歩先は死亡だ。
そういう意味ではエリザはいつも危険な橋を渡っていることになる。
が、エリザはどうも常人とは違うようで、戦闘不能にはいち早くなるけど死亡してしまったことは今のところない。
仮に死亡してたら俺が大慌てで蘇生魔法という大魔法を使うことになっていただろう。
「そうですね~エリザのことだから燃やしても生き残りそうな気もするけど……」
そこまで言って言葉を止める。
そんなことしたら糞三銃士並みの屑だよな。
もっと俺は賢い方法でエリザを助けるぞ。
「神父さん。今の氷漬けの状態でエリザを戦闘不能から治すことってできますか?」
「一応できると思うがその後の保証はできんぞ」
「いいんですいいんです。復活したら転移魔法で救い出しますから」
この転移魔法は便利なんだけど意識がない人には使えないのが玉に瑕。
「なるほど、そういうことなら復活の儀を行おう」
神父が復活の呪文を唱えている間、俺も杖をかざして転移魔法の準備をする。
「――――――――!?」
エリザが氷の中で目を覚ましたようだ。
目をキョロキョロさせて非常にテンパってるのが良くわかる。
「風雲の力により汝を異空間へと運び去らん」
転移魔法の詠唱をすると、氷のオブジェクトの内側からすっぽりエリザだけ抜けだした。
「さて、次はヘルスライムを燃やして溶かさなきゃな」
「マテ……ワタシを倒したところで無駄だぞ」
急に凍っているはずのヘルスライムが語りだした。
「魔王軍では伝説の勇者に対抗できる魔人を生み出したノダ、魔王様が世界を統一する日も近い」
「そうですか、そいつは情報ありがとさん」
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「グアオオォォォォ、この恨み必ずや魔王様が!」
そんな捨て台詞を吐いてヘルスライムは消滅した。
「うぇーい」「やりましたね!」
ミカ、エリザとハイタッチをする。
「この調子でガンガン魔王軍を蹴散らしていこう!」
「「おー!!」」
俺達の冒険は順調である。
しかし気になるのはヘルスライムの最後の言葉。
魔人とは一体……。
魔王討伐は一筋縄ではいかなそうな予感がしてきた。
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