猫舌ということ。

結愛

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暑さの終わり

第167話

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朝、母に起こされる。妹も珍しく僕と同じときに起こされていた。
朝ご飯を食べて、食後の梨を食べて
扇風機の風から多少の涼しさを貰いながらテレビを見る。
特になにをすることもなく過ごして、お昼ご飯を食べて、母方の祖父母に別れを告げ
車に乗り、車でも窓を開けて手を振って車が発車した。
父にお願いして匠が言っていた「聖地」に行ってもらうことにした。
お腹いっぱいで車の揺れで気持ち悪くなりそうだったので
クーラーが効いていてもお構いなしに窓を開けたまま
極力窓に鼻を近づけて外の空気を吸いながら目を瞑る。
山梨県のご当地スーパーなのか、極普通のスーパーに見えたが
店内を探すと匠の好きな作品のコーナーが設けられていた。
そこでもグッズを少し買い、今度はアウトドアショップに行った。40分ほど時間がかかり
そのお店では匠の好きな作品のお店か?と思ってしまうほどグッズが充実していた。
そこでもグッズを少し買って今度こそ父方の祖父母の家に向かった。
移動時間は恐らくまた40分程度。眠る時間もなく父方の祖父母の家に着く。
気持ち悪くてすぐに車を出る。外の空気が美味しいが
深呼吸をして肺の中の空気を新鮮なものに入れ替えても、そう簡単には気持ち悪さは治らない。
父方の祖父母の家に着いたと言っても父方の祖父母の家は母方の祖父母の家と違い
割と盛えているところにあるため庭が広いとかそういうことはなく
ごく普通の一軒家で駐車場も1台停める分だけ。父方の祖父母も車を所有しているため
父方の祖父母の家にほど近い駐車場に車を停めて歩きで家に移動する。
駐車場に着いたとき父がLIMEをしたのか
父方の祖父母の家に着くともう祖母が家の前に出ていて
「あぁ!来た来た!」
と言っていた。「夢香ちゃん背伸びたー?」とか「怜夢くんも背また伸びたー?」とか
ひさしぶりに会った祖父母感がすごかった。母にも母で「おひさしぶりですー」とか
父も自分の両親に「ひさしぶりー」とか家にも入らず話していた。
家にあげてもらい、祖父にも挨拶をした。
「お昼ご飯は?」と聞かれたが「向こうで食べてきた」と言い、寛がせて貰った。
ソファーで寛ぎ、テレビを見る。その間妹の部活のこと、学校のこと
僕の学校のこと、サークルは入ってるのか、彼女はできたのかなど話した。
彼女の話は濁して逃げた。そのときの妹の視線が、あぁ、後で詰められると思うものだった。
あっという間に夜が来て、祖父母が事前に頼んでくれていたお寿司とピザが届いた。
祖母が「ビール飲めるんだっけ?」と聞いてきたので
「あ、ビールは苦手」と言うとチューハイを出してくれた。
毎年父方の祖父と父とは飲む。きっと夢香も成人したら付き合わされる。
お寿司やピザを食べながらお酒を飲み、話して
お寿司もピザも余り、次の日に持ち越しとなった。
お風呂に作ってもらい、お風呂に入って、布団も敷いてもらって眠ることにした。
自分の家に雰囲気が少し近いのにどことなく落ち着かない部屋で目覚め
昨日の残りのお寿司とピザを朝ご飯に食べる。
「お昼ご飯も」と言われたが父が僕が車酔いするからと言ってくれた。
11時頃に父方の祖父母の家を出て駐車場に向かい、車に乗って自分たちの家に帰った。
言わずもがな車の中では音楽を聴きながら寝ていた。
サービスエリアで1回降りて、そこのサービスエリアにも
匠の好きな作品のグッズが置いてあり、そこでも少しだけグッズを買った。
他にもお土産だったり飲み物だったりを買い、もう一度酔いとの戦いへ。
家周辺で目が覚め、たかが2泊3日。だというのに家周辺の景色を見ると落ち着き
自分の家の玄関の扉を開けるとこちらが寂しかったからなのか
家が少し寂しそうにしているように感じた。
「ただいま~」
家に向かって言う。まだ昼少し過ぎ。母がお昼ご飯を作ってくれて家族4人で食べた。
妹は今日が始業式ということで忙しなくスマホを触っていた。
恐らく友達とLIMEしているのだろう。
僕もスマホを取り出し、ホームボタンを押すと妃馬さんからの通知に加えて
音成、妃馬さん、姫冬ちゃん、森本さん
鹿島、匠、僕の7人のグループLIMEも複数通知が来ていた。
まずは妃馬さんからの通知をタップする。

「もうお帰りだったりしますか?」

返信を打ち込む。

「今自分の家に着きました」

送信ボタンをタップし、トーク一覧に戻る。
お次はなにやら盛り上がっている7人のグループLIMEのトーク画面に入る。

「今日ファンタジア フィナーレやる人ー」
「はーい」
「やってやんよ!」
「やったんで」
「私もいけます」
「私も通話だけ参加しよー!」
「姫冬ちゃんウェルカム!」
「鹿島先輩うぇ~い」
「姫冬ちゃんうぇ~い」
「姫冬様と京弥って波長合うよね」
「え?なになに?フィンちゃん嫉妬ですか?」
有名芸人さんのイラストの「ちょっとなに言ってるかわからない」と言っているスタンプ
「あれ?怜ちゃんは?」
「怜夢さん、今ご家族で旅行で今帰ってるらしいので、まだ車の中かな?」
「さすが彼女!」
「さすが!」
「さすがです!」
「さすがっす」
「やめてくださいw」
「今お姉ちゃん照れてます」
「ひゅー」
「ひゅーひゅー」
「お姉ちゃんに殴られたー!DVだ!DV!」
「ww」
「ww」
「微笑ましいw」

僕もそこへ参加する。

「帰りましたー。ファンタジア フィナーレやるん?ええよ」

送信ボタンをタップする。みんなから

「おかえり!」
「おかえりなさいっす」
「ただいまー」
「おかえりね?」

などのLIMEが来て少し嬉しい。その後部屋に戻ると疲れと満腹で眠くなり一眠りした。
妹に起こされて家族で夜ご飯を食べた。
夜ご飯を食べ終え、お風呂が出来るまでリビングで家族団欒。
お風呂が出来上がった合図がすると各々お風呂へ。僕もお風呂に入って、みんな部屋に戻った。
部屋に戻ってベッドに座りスマホを出す。ホームボタンを押すと6人が盛り上がっていた。
少ししたら始めるということだったので
ほんの少しテレビを見てからパスタイム スポット 4をつけた。
するとすでに鹿島からファンタジア フィナーレの招待が来ており
その招待を受け、同じワールドに入った。
するとすでに森本さんと鹿島は合流しており、グループLIMEに通話がかかってきた。出る。
「おいおいー」
「おいー」
「おかえりなさいです暑ノ井さん」
「あぁ、どうも。ただいまです」
「どこだっけか?」
「山梨」
「おぉ!富士さーん!」
「静岡県民に怒られそう」
「あぁ、たしかに静岡も富士山のイメージ」
「富士山があるのに山無し」
「ちなみに富士山の頂上はどこのものでもないらしいよ」
「マジ?」
「マジっすか」
「マジらしいっす」
「え、じゃあどこ所有なん」
と話をしていると次々と参加者が入ってきて全員が揃った。
「なんの話してたん?」
「あ。そうそう。怜ちゃんおかえりって話ね」
「あ!おかえり!」
「おかえり~は3期かな?おかえりはおかえりで好きなんよなぁ~。変わった絵柄だったけど」
「おかえりなさい」
「暑ノ井先輩おかえりなさい!お姉ちゃんが会いたがって…」
「なんかモゴモゴしてる」
「きっとサキちゃんに口押さえられてる」
「姫冬様のおもちゃと化したか」
「じゃ、みんな集まったことだし一狩り行きますか!」
「それモンナンな」
「別会社の別ゲーの文言言わないで」
ということでみんなで「一狩り」行った。
雑魚モンスターを倒しながら、山梨の話をしたり、みんなの話を聞いたりしていた。
ボスに挑んで、全員で協力して倒して
一旦酒場のようなところで座ってゆっくり話すことにした。
「あ、そうだ。目的を忘れてた」
「目的?」
「なに?」
「プール行かない?っていう」
「プール?」
「そそ。かきかいランド」
「かきランか。行ってないなぁ~」
「怜ちゃんとは去年も行ったよねぇ~」
「行ったな。今年行けば皆勤?」
「じゃない?」
「うぇ~い」
「うぇ~い」
「私たちも去年行ったよね?」
「行った行った」
「え、ふーも?」
「ううん。私は行ってない。プールの後合流した」
「1年のとき4人で行ったらナンパに遭ったもんねぇ~」
「鬱陶しい鬱陶しい」
「さすがふー」
「でも今年は彼氏いるからいいんでなーい?」
「姫冬ちゃんもおいでよ」
「私も?」
「よければだけど」
「まあ嬉しいですけど…。カップルまみれの中に私だけ…」
「いや、嫌なら全然いいんだけどね?」
「まあ暑ノ井先輩の前でのお姉ちゃんの照れ顔拝めるならいいか…」
「照れませんので」
「ま、じゃあ7人で行くということで。いつにしかしょうか」
その後日程を決めて、ショコボレースをしたり、モンスターを倒さず楽しんで解散となった。
グループでのLIME電話を抜ける。すると妃馬さんから個人的にLIMEが来た。

「プール楽しみですね」

返信を打ち込む。

「楽しみですね。妃馬さんの照れ顔も」

送信ボタンを押す。そこからどちらかが寝落ちするまでやり取りが続いた。

「照れませんー」
「姫冬ちゃんに見られるの嫌なんだ?」
「そりゃ嫌ですよ」
「でも仲良いんだから、恋愛映画とか観に行って、照れ顔見せたりしてるんじゃないですか?」
「そりゃ見せて…ますけど」
「ますけど?」
「怜夢さん…わかってるでしょ?」
「ん?なにがです?」
「あ、わかってるやつだ。言わせようとしてるでしょ?」
「(・3・)~♪」
「完全にわかってる」
「ありがとうございます。嬉しいです」
「感謝されると照れますねw」
「あ、照れたw」
「あ、ほんとだw」
「姫冬ちゃん近くにいなくて良かったですねw」

返信はなかった。寝落ちしたようだ。スマホを充電ケーブルに差し、僕も眠ることにした。
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