猫舌ということ。

結愛

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親友の新しい1歩

第135話

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日曜日、いつも通り妹に起こされ、朝ご飯を家族で食べる。
13時に甘谷駅に待ち合わせだったので11時まで時間を潰し
着ていく服を考え、服を着替えて、ピアスを変え、12時少し前に家を出た。
電車に乗り、途中で急行に乗り換えて、一気に甘谷駅まで行く。
改札を通り、券売機の前の柱の辺りを見渡す。
妃馬さんらしき人は見当たらず、柱に寄りかかり、スマホを取り出し、ホームボタンを押す。
12時47分。妃馬さんからの通知。

「もう着いてたりします?」

どう返信しようか悩んだが

「もうすぐ着きます」

と返信をした。そのままスマホで意味がわかると怖い話を読んでいると間もなくして
スマホを見る視界の上の方に、つま先がこちらを向いた靴が入る。
パッっと顔を上げると案の定妃馬さんが立っていた。イヤホンを外し
「おはようございます」
と挨拶する。
「おはようございます」
妃馬さんが返してくれる。
「毎回毎回怜夢さんの方が早く着いてますよね」
「そりゃ、妃馬さんを待たせるわけにはいきませんので」
「なんか申し訳ないです」
「いえいえ。お妃様ですから」
「ひさしぶりに執事出てきた」
妃馬さんが笑う。
「じゃ、行きますか」
「ですね!いいのあるといいなぁ~」
「たしかに」
歩いてまずは1番近くのラージカメラへ寄った。
「スマホケースあるらしいんで覗いて見ましょう」
1階にスマホ売り場があり、スマホやタブレットが並んでいて
奥には各携帯会社の看板が見えた。
「ここら辺ですね」
「あ、ほんとだ」
そこにはスマホケースだけでなく、スマホケースだけでなく充電器やケーブル
スマホスタンドや自撮り棒なども置いてあった。
「あ~る~か~な~」
「おっ」
「ありました?」
「猫のやつはありました。あ、こっちにもあった」
猫のスマホケースはすぐ見つかる。なんなら複数個見つかった。
その後2人でラージカメラに置いてあるスマホケース全てを見て回ったが
フクロウのスマホケースは1つも無かった。
「無し…っということで次行きますか」
「無かったかぁ~」
「やっぱフクロウは珍しいんですよね」
次は歩いて甘谷のロストに向かった。渋谷のロストに入る。
アクセサリーコーナーを通り過ぎ、腕時計が置いてあるコーナーの先に
スマホに関係ある商品が置いてあるコーナーが目に入った。
「あ、あった」
「さて探しますか」
2人で探した。猫のスマホケースはまたも複数見つかった。
しかしやはりフクロウのスマホケースは無かった。
「ここも無しっと」
「見つかりませんねぇ~」
スマホを取り出し、ホームボタンを押す。鹿島からの通知があった。

「デートは楽しいでっか?w」

見なかったことにして、時刻を確認する。14時39分。
「どうします?1回休憩でも挟みますか」
「いいですね。どこにしますか」
僕はスマホでHoogleを開き「甘谷 ロスト 近くのカフェ」と入れて検索をする。
「妃馬さんシュークリーム好きですか?」
「はい。好きですよ?」
「ここ、ここから近いですし、ここ行ってみません?」
「いいですね!行きましょう!」
妃馬さんとそのカフェへ向かった。お店に入る。
日曜日だったがお昼の時間は過ぎていたので、そこまで混んではいなかった。
ショーケースの中のスイーツを見る。
「あぁ~、やっぱシンプルなやつがいいかなぁ~」
「いろんな味あるんですね。
コーヒー、ミルクティー、ココア、チョコ、イチゴ、バナナ、マロン」
「なんかシュークリームが美味しくて有名らしいです。でも他も美味しそうですよね」
「ショートケーキにモンブラン。アップルパイ。他にもめっちゃある」
「…ふつーのシュークリームにしよ」
「私はぁ~…マロン気になるからマロンにしよ!」
妃馬さんと僕はそれぞれ別で注文をした。トレーを持って
「どっちにします?テラス席か店内か」
「じゃあぁ~…テラスで!」
妃馬さんとテラス席に座る。
「怜夢さん飲み物なににしたんですか?」
「僕はアイスミルクティーにしました」
「あ、やっぱりミルクティーだったんですね」
「妃馬さんはー…なんだ?」
「アールグレイにしました。マロンに合うかなぁ~って」
「なるほどなるほど」
僕はシュークリームと一緒にもらったプラスチック製のスプーンで
自分のシュークリームを半分に割る。
「あぁ~あ、あんまうまく割れんかった。妃馬さん、これ普通の。もし良ければ」
「あ、いいんですか?気になってたので。じゃあ…」
妃馬さんもスプーンを使い、マロンシュークリームを割る。
「わっ!クリームめっちゃ出てきた」
「そうなんですよ。まあ当たり前っちゃ当たり前ですが」
「こっち、まだ綺麗な方なので」
「ありがとうございます」
妃馬さんがどんぐりの背比べのような気もするが、綺麗に割れたというほうを僕にくれる。
ジーっと手を見てから濃いベージュの紙ナプキンで、手についたクリームを拭く妃馬さん。
「いただきます」
「いただきます!…あ、写真撮ろ」
「じゃあ僕も撮ろうかな」
2人でスマホを取り出し半分に割られた味の違うシュークリームの写真を撮る。
「じゃ、いただきます」
「ニャンスタいいんですか?」
「後でです!なるべく早く食べたほうが美味しいだろうし」
妃馬さんの好感度が更に上がった。
「じゃ、僕もいただきます」
まずは妃馬さんがくれたマロンシュークリームを一口食べる。
モンブランの上の部分のような、でもシュークリームのクリームの滑らかさも加わり
栗の香りと栗の味、マロン用なのか、生クリームも甘さが少し控えめで
サクサクで香ばしいシュー生地ともマッチしてとても美味しかった。
「んん!美味しいですよ!マロン!」
「うん!美味しいです!ノーマルの!」
妃馬さんとハモった。
「え?妃馬さん普通の食べたんですか?」
「怜夢さんこそ、マロンから食べたんですか?」
妃馬さんと顔を見合わせる。次第に可笑しさが込み上げてきて2人で笑った。
「いや、妃馬さんがくれたから先いこうかなって」
「私もです。普通のの感想先に言おうかなって」
なぜか少し照れ臭かった。
「じゃ、普通のも食べよ」
「私もマロンの食べよ」
今度は普通のを一口齧る。マロンのものと違い
シュー生地はふわふわで上には粉砂糖がかかっており
シュー生地が少し甘い分、クリームは少しだけ甘さが控えめになっており
もちろん甘くて美味しいクリームだけど甘ったるくはなく上品な甘さで
その分シュー生地がヤンチャな役割を果たしていた。
「んん!うまい!」
「ほんとだ!マロンも美味しい!」
妃馬さんと顔を見合わせて笑う。マロンシュークリームをもう1齧りした妃馬さんの唇の端に
噛んだときにうにゅっっとはみ出たマロンクリームが付いた。
「妃馬さんクリーム付いてますよ」と言おうとしたら
その唇の端に付いたクリームをペロリと舌で舐めとった。
マンガやアニメ、ドラマみたいにはいかないものだな。と思った。
「ご馳走様でした」
「ご馳走様でした」
シュークリームは食べ終わった。
「いやぁ~シュークリームが美味しいって書かれてただけありましたね」
「甘谷最近来てなかったけど、いいお店あるんですね。最近できたのかな?」
「僕も…高校?から来てないのでわかんないですね」
「私も高校生のとき行ってから来てないです」
「鹿島に自慢したろ」
「私もニャンスタにあげよー」
僕は先程の鹿島の通知をタップし、鹿島とのトーク画面へ飛び、先程撮った写真を送り

「めちゃウマシュークリームわず」

と返信を送った。
「え!あ、そうなんだ」
妃馬さんが呟く。独り言なのだろうからその呟きに対して反応していいものか迷ったが
「どーうかしたんですか?」
と聞いてしまった。
「あ、フィンちゃん今日鹿島さんと出掛けてるらしいです」
「マジですか?あいつ…」
なにが「デートは楽しいでっか?w」だ。と思った。
妃馬さんはスマホを操作しばがら僕と会話してくれる。
「なんか今日は鹿島さんが好きなゲームと
アニメがコラボするグッズ?が置いてあるとこに2人で行ってるらしいです」
「マジか。一言もなかったけどな」
「照れてるのかな?」
「ニャンスタ見てみよ」
もう一度スマホを開く。鹿島から返信が来ていた。

「ワオ!美味シソウネ!」

妙にテンションが高いのが文面から伝わる。

「鹿島…。お前もデートなんだって?お?」

送信する。ニャンスタを開き、鹿島の投稿がないか探す。
すると鹿島のアカウントでファンタジア フィナーレのキャラとアニメのキャラの
アクリルキーホルダーの写真が投稿されていたのにプラスで
森本さんのアカウントでも鹿島とは別のファンタジア フィナーレのキャラとアニメのキャラの
アクリルキーホルダーの写真が投稿されていた。
「これでバレないとでも思ったんか?」
「どうしたんですか?」
「いや、妃馬さんも投稿終わったら見てほしいんですけど
鹿島と森本さんアクキー買ったらしくて、それぞれのアカウントで投稿してるんですよ」
「同じやつを?」
「まあ、別キャラですけど同じですね。そりゃバレるやろ」
「たしかに。どれどれ?」
投稿が終わったのか、妃馬さんも恐らく鹿島と森本さんの投稿を確認しにいっている。
「あ、ほんとだ。かわいー」
「可愛いですよね」
「ファンタジア フィナーレもこのアニメもあんま知らないけど」
「僕もそうですね。…でも買いに行きます?」
「これどこなんですか?」
「どこなんだろ…」
僕はHoogleを開き
「ファンタジア フィナーレ コラボグッズ」と入れ検索する。
「あぁ~冷袋(ヒエブクロ)ですね」
「おぉ、行けますね」
「今度行きましょうか」
「覗いてみましょうか」
そんな話をし、飲み物を飲み終えてお店を出た。
その後、5軒雑貨屋さんを回りフクロウのスマホケースを探したが結局見つからなかった。
気づけば時刻は18時49分。陽は落ち、夜の甘谷が顔を覗かせていた。
「そろそろ帰りましょうか」
「そうですね」
そんなことはないのだが、昼より夜の甘谷のほうが行き交う人が少し悪く見えた。
駅につき、改札を通って大勢の人がホームで電車を待つ中、僕たち2人もホームで電車を待つ。
「いやぁ~甘谷ヤバいですね」
「人がね」
「ホームでこの人数」
「あの交差点も昼より夜のほうが多い気しました」
「わかります。もう当分いいかな」
「わかります。大吉祥寺のほうがいいかな」
「同じです。井の蛙公園もありますしね」
「そうそう!こういう後に公園でゆっくりできますからね」
笑顔でそう言う妃馬さんにドキッっとした。
「ですね。井の蛙公園いいですよね」
「いいですよねぇ~ボート乗ったことあります?」
「あ、いや。ないっすね。そーいえばボートありましたね」
「自分で言っといてあれですけど、ボート見ないですね」
「いや、そうなんですよ。こないだ行ったときも見ませんでしたもんね」
「そうそう!見なかった!」
アナウンスが流れ、電車がホームへ入ってくる。
さすがは甘谷。この時間でも電車から降りてくる人は多かった。そして乗り込む人も多い。
なるべく後で乗ることにして、妃馬さんには閉まるドアのほうに行ってもらい
僕が壁となることにした。背中にものすごい圧を私馬さんの降りる駅まで感じていた。
「途中でだいぶ人は減ったとはいえ、混んでましたね、電車の中」
「ですね~。背中に誰かの圧をずっと感じてましたよ。
まあ、さすがに途中で緩くなりましたけど」
「いつもすいません」
「いえ。お妃様を守るのがわたくしの務めですので」
クスクスと妃馬さんが笑う。
「ずっと思ってたんですけど、その執事キャラなんなんですか?元ネタとかあったり?」
「あ、いえ。全然元ネタとかはないです。なんなんだろ…」
「自分でもわかんないんですか」
妃馬さんが笑う。
「なんでこんな執事キャラが出てきたのか…。あ、マジでわからん」
「なんででしょう…」
「やっぱ名前?」
「私の?」
「お妃様だから…か…なぁ~」
「なんかいつの間にいましたよね」
「あの執事キャラね」
「他人事みたいな言い方」
「たしかに」
そんな話をしながら笑っていつもの道を歩く。
いつもの曲がり角を曲がり、いつものエントランスが見える。
「今日も見つからなかったですねー」
「フクロウのはないんですよーマジで」
「猫のは今日もめっちゃ見つかりましたね」
「ですねー。フクロウももっとメジャーになってくれれば
5軒のうち1つくらいあるかもなのに」
とか言いつつ、フクロウがあまりメジャーじゃないことに少し感謝したりもしていた。
フクロウのスマホケースが見つかるか否かは置いておいて
見つけるためにという口実で妃馬さんと出掛けることが出来る。
「たしかに。可愛いのに」
「あ、妃馬さんも可愛いと思います?」
「はい。基本的に動物好きで
でも鳥類とかあんま…テレビの動物特集とかでたまに見てたんですけど、あんま見たことなくて
でも怜夢さんが好きだって聞いて…調べたら可愛くて」
なんてことない会話だが「僕が好きだから調べてくれた」ということに少し嬉しく
気分が高揚した。
「そうなんですよ!フクロウって可愛いし、カッコよさもあるんですよ!
それこそホリー・パッターのエドウィルも
可愛くもあり、カッコよくもあるじゃな…いですか?」
小説が原作の世界的大人気映画「ホリー・パッター」を例に出すも
途中で自信が無くなり勢いを失う。
「たしかに!そういえばそうでしたね!」
自信を無くしていたが妃馬さんがノってくれて少し救われた。
「そういえば結構重要な役どころでしたよね?」
「そうなんですよ。相棒としてサプライズで貰うとこから
ホリー・パッターの世界では手紙届けるのも荷物を届けるのもフクロウの仕事ですからね」
「そういえば新しいホウキ貰うシーンもフクロウが届けてくれたんでしたっけ?」
「あ、そうですよ!あのシーン良かったなぁ~」
「あのシーンは私も印象深いです」
その後、もうエントランス前に着いてるのにホリー・パッターについて盛り上がった。
「もう1回見直そうかな」
「DVDあるんですか?」
「ニャマプラ(nyAmaZonプライムの略称)にありませんでした?」
「たしかレンタルじゃなかったかな?」
「え、マジですか。レンタル…しようかな…」
「僕DVD持ってるんで貸しますよ」
「え!ほんとですか?」
「じゃ、明日持ってきます。とりあえず知られざる部屋と勇者の石でいいですか?」
「はい!じゃあお願いします」
「お願いされました」
頭を下げ、顔を上げたとき目が合って笑った。
「じゃ、また明日&LIMEで」
「はい。また明日&LIMEで」
妃馬さんに手を振って駅までの道を歩く。駅につき、改札を通ってホームで電車を待つ。
電車に乗り、自分の最寄り駅で降りる。自分の家までの道を歩く。
「ただいまーっと」
料理の匂いが漂う玄関に呟く。
「あ、帰ってきた」
「お、ほんとだ」
妹と父の声が音楽の向こうで微かに聞こえる。
「おかえりー」
母の声が聞こえる。
「ただいまー」
今度は呟くようにではなく、母に聞こえるように言った。
洗面所で手洗いうがいを済ませ、階段を上り
自分の部屋で着替えを済ませ、洗濯物を持ち、1階へ下りる。
洗面所の洗濯籠に洗濯物を入れ、リビングへ入る。
するともうダイニングテーブルには料理が並んでおり
僕以外の家族ももう自分の席に座っていた。
僕は早急に自分のグラスに四ツ葉サイダーを注ぎ、席につく。
「すいません。お待たせしました」
「おかえり」
「ただいま」
父に言われ、返す。
「じゃ、いただきましょう。いただきます」
「「「いただきます」」」
父に続き、全員で言い、夜ご飯を食べ始める。
なんでもない話やテレビの話をしながら食べ進める。
「ご馳走様でした」
食べ始めは同じだが、食べ終わりはそれぞれ。
ただ暗黙の了解で全員食べ終えるまで席は立たない。
全員がご飯を食べ終え、食器を片付ける母を手伝う。
父は冷蔵庫から新しい缶ビールを出し、ダイニングテーブルの自分の席に座り、飲んでいた。
妹はテレビ前のソファーでテレビを見ながらスマホをいじっている。
僕は食器をシンクまで運ぶのを手伝い、お風呂場へ行き、ボタンを押し、お風呂を作る。
お風呂ができるまで妹の隣で僕もスマホをいじっていた。
「お兄ちゃん最近よく出掛けるよね」
「そお?別に今まで通りじゃない?」
「んな訳ないじゃん。5月頃まで土日もずっと家にいたじゃん」
「んなことねぇーだろ。たまに鹿島と出掛けてたし。あとごく稀に匠とも」
「たまにでしょ?最近は「増えた」って言ってんの」
「あぁ、そゆこと。うん。まー、そーかな?」
「そだよ」
「なに?お兄ちゃんいなくて寂しーの?」
「はっ。なわけ」
「冷たっ」
ふと何気なくテレビ台を見る。レコーダーやゲーム機の置いてある下のガラス棚に
DVDやゲームのソフトが何本も入っている。そこに「ホリー・パッター」があった。
「あ、リビングにあったんだ」
自分の部屋にあるものだと思っていたがリビングにあり、思わず声が出た。
近寄り、ガラス戸を開き、ホリー・パッターのシリーズ1、2作
「知られざる部屋」と「勇者の石」を取り出す。
「え、ホリー・パッター見んの?」
妹が聞いてくる。
「ん?あ、違う違う。貸すのよ」
「誰に」
「え」
「えってなに。…もしかして妃馬さん!?」
「あ…はい。そうですが」
「え!今日もデートしてきたってこと!?」
「いや…まあ妃馬さんと出掛けてはいたよ」
「マジか…。ほお~…」
「ほお~ってなによ」
「いや、別に。…え?妃馬さんが見たいって?」
「うん。そうね」
「鬼長くない?ホリー・パッター」
「鬼長いね」
「全部で何時間よ」
「さあ?」
妹がスマホをいじる。
「19時間38分!?だって!約1日じゃん」
「約しすぎな」
「え、約20時間じゃん。もう約1日でしょ」
「まあ、わからんくもないけど」
「これ全部見んの?」
「さあ?見るー…んじゃないの?」
「へぇ~すご」
「とりあえず1、2を貸そうかなって」
「大学に持ってくのか」
「そうそう」
そんな話を妹としてるとお風呂ができた合図がし
各々のタイミングでお風呂に入り、各々のタイミングで部屋へ戻った。
部屋の明かりをつけ、扉を閉める。ベッドに座り
テレビをつける。テレビを見ながらたまにスマホで返信をしたりしていると

「今日いける?」

と鹿島、匠、僕の3人のLIMEグループで鹿島が言う。
「聞きたいことあるしなぁ?」
と呟きながら

「おけ」

と返信をする。匠も

「おk」

その後音声通話専用アプリ「チルロード」に3人で集まり
実況動画のオープニングと入りを撮り、カットされる前提の作業時間に入った。
「鹿島ー?」
「んー?」
「今別にカット前提部分でしょ?」
「だねー。今んとこ作業だから」
「じゃあ、通話しっぱでいいっしょ?」
「んー。まあ、ちょっとは?あと少し掘ってったら坑道とか見つかるかもだから。
したら音声切ってLIMEでのやり取りに切り替えるけど」
「あとちょっとね。じゃあ」
単刀直入に切り込む。
「森本さんとどこ行ったん?」
「ん?あぁ、はいはい。それね」
「それねじゃねえよ。人に「デートでっか?」ゆーて、お前もデート行ってたんかい」
「まあ、デート…んー。今日はね
ファンタジア フィナーレとアニメのコラボのグッズを買いに行った」
「それは知ってる」
「え、あ、知ってる?」
「鹿島と森本さんのニャンスタに載ってた」
「あぁ、あげたあげた」
「あれでバレないと思ってるのすごすぎ」
「いやぁ~それほどでもぉ~」
「それだけ?」
「いや?その後ちょっとお茶したよ。あとゲーセンも行った」
「おぉ、やってんね」
「プリパニ(プリント カンパニー)撮ったり」
「マジ!?送って」
「えーはずかちー」
「…」
「無言やめて?わかったから」
鹿島から送られてきた画像を見て驚いた。
「え?なんで匠と音成もいんの?」
鹿島から送られてきたプリント カンパニーの写真は
鹿島と森本さん、そして匠と音成の4人が写っていた。
「いや、ね?」
「京弥たちとたまたま会ってさ」
「どこで」
「冷袋(ヒエブクロ)のマニア(animania(アニマニア)の略称)で」
「え?animania(アニマニア)?」
「あぁ、コラボグッズの特設コーナーがあったの
マニア(animania(アニマニア)の略称)なのよ」
「あぁ、そーゆーこと」
「で、オレが好きな「なんてことない僕の日常を色鮮やかにしてくれた君に」って作品と
ファンタジア フィナーレがコラボしてて
そのコラボグッズを全種類買いに行こうと思って恋と行ったら
ド派手な髪の綺麗オーラ大爆発の人がいて」
「森本さんね」
「そーゆーこと。森本さんがいてその隣見たら京弥がいたのよ」
「いやビビったよ。なんとなしに周り見たら、ド派手な白髪ピアスマンがいるんだもん」
「誰が白髪ピアスマンだよ」
鹿島が笑う。
「マジか。ゲーセンでなにしたん?」
「ん?いや特には」
「うん。そうね。クレーンゲームしたり
プリパニ(プリント カンパニー)撮って、アリカー(アリオカート)して」
「アリカー(アリオカート)したん?」
「あ、オレと森もっさんがね」
「オレと恋は後ろで見てた」
「うわー楽しそー。行けば良かったー」
「怜ちゃんたちはどこ行ってたの?」
「甘谷。だからワンチャン行けたんよなー」
「ガチか。言えば良かったね」
「たしかに」
「行きますかって話は出てたんよ」
「あ、そうなん?」
「アクキー可愛いから買いに行きますかって。
2人ともそのアニメもファンタジア フィナーレもそこまで好きではないけど」
「そっかー」
「あのアクキーのデザインは良いね。
「なんてことない僕の日常を色鮮やかにしてくれた君に」の原作者様が描いてるんだけど
可愛い可愛い」
「わかる。めっちゃ可愛い」
「わかる。オレも2,000円以上買ったら貰えるコードのために買いに行ったけど
マジ可愛かった」
「あ、なんか貰えんだ?」
「え匠ちゃん知らなかったの?
ファンタジア フィナーレXIV衣装がダウンロードできるコード貰えるんだよ。
貰ったでしょ?なんか封筒みたいなの」
「あぁ、なんかあったわ」
「あれん中にコード入ってんだよ」
「あ、そうなんだ。それ目当てだったのね」
「そそ」
「そのコラボグッズのコーナーっていつまであんの?」
「さあ。どうだったかな?」
「たしか6月半ばだったはず」
「マジ?今週末とか?」
「そう…だね?そんくらいだと思う」
「そう考えるともう7月なんだね」
「そうだね。あ、そうだね。はやっ。恐っ」
「でも7月はーいーれーばー?」
「「夏休みぃー!」」
「「「うぇーい!!」」」
そんなことを話し、実況を撮り終え、眠りについた。
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