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親友の新しい1歩
第128話
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改札を通り、ホームに上がる。ホームの自動販売機で飲み物を買う。
ほへとすのみかん味があり、それを買った。
ほへとす特有のペットボトルの柔らかさ。蓋を開けるときに潰しそうになってしまう。
蓋を開け、ほへとすのみかん味を流し込む。
薄いオレンジジュースとはまた違い、味付き水にしてはみかんの味が濃い。
そしてなぜか、この味が夏を感じさせる。駅構内にアナウンスが流れ、電車が少し暖かい
でも風圧で涼しく感じる風を引き連れて、ホームに入ってくる。電車に乗り込む。
扉サイドのシートの端の壁に寄りかかる。扉が閉まり、電車が動き出す。
スマホを取り出し、ホームボタンを押す。妃馬さんからの通知。
「んん~可愛いフクロウのやつとか?」
つい口元がニヤける。ジーンズの左ポケットをポケットに手を入れず上から触る。
すると恐らくお目当てのものが入っていそうだったのでポケットに入れて一粒取り出す。
銀紙から中身を取り出し、口に放り込む。外側の硬い殻を歯で突き破ると
鼻から抜けるほどのミントの香りが口いっぱいに広がる。ミントガムを噛んでれば
ニヤけても誤魔化せるかもしれない。そう思った。
暗くなった画面をもう一度つけ、妃馬さんに返信を打ち込む。
「それを言ったら猫の可愛いやつのほうがいいんじゃないですか?」
送信ボタンをタップする。なんとくなくなにもせず
ただ窓の外を流れる景色を眺める。各駅に停車していって
「次はぁ~大吉祥寺ぃ~大吉祥寺ぃ~終点です」
とアナウンスが流れ、電車の速度が落ち、止まる。
各駅に止まる毎に増えていった乗客と共にホームに降りる。
奥から聞こえる電子音に近づき、改札を通る。
改札を出てすぐ左側のベンチのあるところに近づく。
軽く見てみたが妃馬さんらしき人は見当たらない。
スマホのホームボタンを押す。12時38分。そりゃまだいるはずがなかった。
ベンチは空いていたといえば空いていたが
知らない人が座っているベンチの隣に座るのもあれだなと思ったので
ベンチ近くの柱に寄りかかり立っていることにした。意味がわかると怖い話を読みながら待つ。
読んでいるとスマホ上部に妃馬さんからの通知が届く。
「猫もいいですねぇ~。悩みます」
まだありもしないのに悩んでる。そう思ったら口角が上がり始めた。ガムを噛み誤魔化す。
すぐに妃馬さんに返信はせず、引き続き、意味がわかると怖い話を読み進める。
読み終え、考える時間に入る。
どんな意味かはわかっているのに正解の部分がわからない時間が続く。
やっと正解し、わかってはいたが解説を読む。1話を読み終え、前を向く。
するとちょうど電車がホームにつく瞬間だった。電車の速度が落ち、止まる。
中から乗客の人たちが降りてくる。
もしかしたら妃馬さんがいるかもしれない。そう思って改札を見ていた。
どんどん人が通過していく。その中に妃馬さんの姿を見つけた。
白いTシャツの黒いスカートにインして
上にロング丈の水色よりは色が濃く、青よりは薄い色の半袖のYシャツを羽織っていた。
改札を出た妃馬さんが辺りを見回して僕と目が合う。パッっと笑顔に変わる。
ドキッっとした。ワイヤレスイヤホンを外しながら近寄ってくる。僕もイヤホンを外す。
「すいません。お待たせしましたよね?」
「いやいや全然全然。妃馬さんも早かったですね」
電車の発着時刻が表示されている電光掲示板の時計を見る。12時53分。
「それを言ったら怜夢さん何時に着いたんですか」
笑いながら言う妃馬さん。
「いや、妃馬さんのちょい前…1本前かな?」
嘘をついた。
「ほんとですかー?」
「ほんとですほんとです。じゃ、ロスト行きますか」
「ですね。向かいましょう」
エスカレーターを下り、ワクデイジーのある通りほうに向かう。
大通りを進み、左に曲がる。大きな建物の中を通り、細い道を挟んで向かいの建物に入る。
地下はゲームセンターになっており、1階がロストになっている。
「懐かしぃ~。なんかひさしぶりに来た気がする」
「私はたまに来ます」
「音成とか森本さんと?」
「ですです」
1階を周る。1階は化粧品や健康に関するものが並んでいた。
「マッサージチェアだ。友達と遊びに来たとき、よく無意味に座ったりしてました」
「私たちもよくやります」
「マジっすか」
「特にフィンちゃんが「疲れたぁ~」っていって腰下ろして休憩してます」
「んで、音成もノってみたいな?」
「よくわかりましたね!」
「なんとなくそんな気が」
「で最終的に3人で座って休憩してます」
「あぁ~画が浮かぶ」
「1階にはないですね。2階行きましょうか」
「ですね」
エスカレーターに乗り2階へ上がる。
「お、ありそう」
「たしかに」
ざっと見たところ2階はおもちゃやジョークグッズなどバラエティー用品などが置いてあった。
「あ「え?って言うゲーム」だ」
様々なボードゲームが置かれていた。
「あぁこれやりました」
「僕やったことないんすよ~。最近ボードゲーム流行ってますよね」
「流行ってますねぇ~このコーナー見れば一目瞭然」
妃馬さんが手を広げる。
「たしかに」
「すごい量ありますね」
「「え?って言うゲーム」おもしろかったですか?いやおもしろいですよね」
自分で聞いて、返事も来ていないのに即座に自分で結論を出す。
「聞いてから自己完結するのはやっ」
「いや、おもしろいから流行ってんだよな、シリーズ出てんだよなって
「おもしろかっ」ぐらいで思って」
「たしかに。私高校生のときに同じクラスの女子が持ってきてて昼休みにやってました」
「あぁ~いいですね。高校に昼休みなにしてたかなぁ~」
いろいろなボードゲームを手に取り、後ろの説明を読んだりする。
妃馬さんも隣で僕と同じようにいろいろなボードゲームを手に取り
後ろの説明を読んだりしている。
「寝てたんかなぁ~特に昼休み思い出ないな」
「でもなんかカラオケ行ってたとか」
「あぁ、音成が言ってたやつ。よく覚えてましたね」
「はい。覚えてました」
「あれはあれです。受験終わった後のことです」
「あぁ、なるほど?」
「まぁ正直センター試験は惨敗だったので、マジで少しの期間ですけどね」
「懐かし~センター試験」
「たしかに。自分で言ってて、懐かしい響きだなって思いました」
「フィンちゃんと受けに行ったなぁ~」
「そうそう。僕も匠と一緒に行きました」
「もしかしたら一緒の会場だったかもですね」
「あり得る~…けど会場覚えてないや」
「私もです」
2人で笑う。
「お、これ6人でできるらしい」
「あぁ「ドッグ&キャンディー」ですか」
「あ、知ってます?」
「やったことはないですけど聞いたことはあります」
「おもしろそうですよ。まあ、おもしろいんでしょうね」
「また自己完結してる」
妃馬さんが笑う。
「いや、開発者の方はおもしろいって思って努力して開発してるんだろうし
これシリーズたくさんでてるし」
「あ、ほんとだ。いっぱいあるんだ。知らなかった」
シリーズを手に取り、見てみる。
「あ、これもおもしろそうですよ」
妃馬さんが手に取っているボードゲームを見る。
「Line?どういうゲームですか?」
「えぇ~1から100までの数字カードがあって
お題があるんですけど、例で裏に書いてあるのは強い動物ですね。
そのお題で自分に配られた数字カードがなにかというのを発表して
小さい数字から並べられるかってゲームですね」
「難しそうですね」
「たしかに。でもおもしろそう」
「たしかに。成功したらしたで盛り上がるし
失敗したら失敗したでなんでそれその数字なんだよとかで盛り上がりそう」
「みんなでやりたいですね」
「ですね」
みんなでやっているところを想像する。
すぐにみんな笑顔で楽しそうな画が容易に想像できた。
「あ、人狼もみんなでできますよね」
「たしかに!でも人狼はスマホでできますよね」
「たしかに。人狼はスマホでいいか」
「あ!これは?」
妃馬さんが手に取っていたボードゲームを見る。
「みんなであんぽんたんドローイング?」
「丸と直線だけで絵を描いて、あ、なるべく少ない線の数で。
で伝わるかどうかってゲームです」
「いいですね。おもしろそう」
「小野田さん絵うまいじゃないですか」
「なるほど。たしかに」
「これもみんなでできるし、おもしろいかなって」
「じゃあこの4つですかね」
「みんなで集まるときあればこの3つやりたいですね」
「「人狼」と「ドッグ&キャンディー」と
「Line」と「みんなであんぽんたんドローイング」あ、あと「え?って言うゲーム」もですね」
「たしかに。5つか」
「じゃっあっ~…「Line」買お」
「え、買うんですか?…じゃあ私はぁ~…」
「いや、無理には買わなくていいっすよ」
「いや、私も買いたいなって。どうしようかなぁ~…」
妃馬さんが悩む。
「じゃあ私は「ドッグ&キャンディー」を買います」
「姫冬ちゃんともできそうですもんね」
「よくわかりましたね」
「なんとなく?僕は妹のこととか考えなかったなぁ~…。
今度匠ん家泊まったらできるゲームで考えてました」
「あ、楽しそう」
「ね。想像だけでも楽しかったです」
2人でボードゲームを片手に今度は目的であるスマホケースを探す。
「あ、あったあったここだ」
妃馬さんが指指す。
「お、ほんとだ。あった」
クルクルと回る商品かけと商品棚に結構多くの種類のスマホケースがあった。
「フクロウのやつあるかなぁ~」
妃馬さんが回る商品かけを回しながら見る。
「猫のやつあるかなぁ~」
僕も商品棚に猫のスマホケースがないか探す。
「あ、あった」
猫のスマホケースはすぐに見つかった。というか昨今猫ブームなのもあってか
猫のスマホケースは複数個、すぐに見つかった。
「妃馬さーん。猫のありましたよー」
フクロウのスマホケースを探す妃馬さんに報告する。
「私のほうもありました」
お、フクロウのスマホケースなんて珍しい。と思い
「え、マジっすか?」
妃馬さんのほうに寄る。
「ほら」
妃馬さんが指指した先を見る。猫のスマホケースだった。
「あぁ猫のやつね」
「です。猫のスマホケースはあるんですけど…。フクロウのないですよね」
「珍しいと思いますよ。フクロウのスマホケースは」
「犬、猫、ハリネズミ、宇宙人可愛い女の子のキャラクター…。フクロウないんですね」
「前nyAmaZon(ニャマゾン)で探したらありましたけど」
「あそこないものないでしょ」
「たしかに」
2人で笑う。
「そっかー。ないかー」
「猫のでいいですよ?僕は全然。ほら、これとか可愛いし」
「あ、ほんとだ、可愛い。でも!どうせなら同じようなデザインで
フクロウと猫のやつがあれば理想なので!あとここで決める必要もないですし!」
「まあ、それもそうですね。まだ1件目ですもんね」
「ですです!スマホケースを探す旅は始まったばかりです」
「続編期待されるマンガの終わり方」
「ありそう」
2人で笑う。ロストでは2人でボードゲームを買ってお店を出た。
その足でまた別の雑貨屋さんへ行く。
「ここも~…」
スマホケースのコーナーを眺めるも
「猫のやつはありますけどぉ~…」
猫のスマホケースは容易に見つかったものの
「フクロウはないですね…」
フクロウのスマホケースはなかった。やはりフクロウのスマホケースは珍しいらしい。
お店を出て、次のお店へと歩く。
「フクロウのスマホケースって珍しいんですね」
「スマホケースもですけど「フクロウのなにか」も珍しいですね」
「あれ?そのお母様と妹さんから貰ったネックレスって…」
「あぁこれですか」
ネックレスを触る。
「それはネットでしたっけ?」
「これはネットで見つけて、店頭で買ったそうです」
「なるほど。ネットで見つけて買いに行くって手もあるのか」
「あぁ、言われてみればたしかに」
次のお店へ歩く。次のお店のスマホケースのコーナーにも
猫のスマホケースはあったもののフクロウのスマホケースは見つからなかった。
お店を出て少し歩く。
「ちょっと休憩しますか」
「ですね。どっか入ります?」
「ここら辺だとぉ~…どこかな」
「あ、カバゼリアありますよ」
「カバゼ(カバゼリアの略称)でいいですか?」
「もちろん!よく使いますから」
「じゃあ」
ファミレス、カバゼリアに入ることにした。店員さんに案内され席に座る。
「とりあえずドリンクバーですかね」
「ですね。ドリンクバー2つとぉ~…」
「なんかつまめるものですね」
「ですです」
「ベタにフライドポテトとか」
「いいですね」
店員さんを呼ぶボタンを押す。どこか遠くのほうでピンポーンと鳴る。
間もなくして店員さんが来てくれる。
「ご注文でしょうか」
「あ、はい。フライドポテト1つとドリンクバー2つで」
「フライドポテト1つにドリンクバー2つですね。ご注文以上でよろしいでしょうか」
「はい。お願いします」
「かしこまりました。ドリンクバーあちらにございますのでご自由にお取りください」
ペコリと頭を下げて去る店員さん。
「じゃ、僕お先に行ってきますね」
「妃馬さんなに飲みますか?」と聞き、妃馬さんの分も持ってこようとも考えたが
もしかしたら自分なりのなにかがあるかもしれないと思ったのでやめた。
「はい。いってらっしゃい」
ドキッっとした。
「いってきます」
照れ臭かったが返して、ドリンクバーへ向かう。
グラスに氷を少し入れ、アスピスをタップし、注ぐ。妃馬さんの待っている席へ戻る。
「お。おかえりなさい」
またドキッっとしてしまう。
「た、ただいま?」
笑って誤魔化す。2人分取ったおしぼりの1本を妃馬さんのほうに置く。
「あ、ありがとうございます」
「いえ。じゃあ次は妃馬さん」
言うのはなんとなくどこか照れ臭かったが
「いってらっしゃい?」
と言った。すると妃馬さんは笑顔で敬礼し
「いってきます!」
と言ってドリンクバーへ行った。妃馬さんが帰ってくる。恐らく紅茶であろう。
片手にはコーヒー用の小さなカップのミルクを2つ持っていた。
「ただいまです」
妃馬さんが席に座る。
「おかえりです?」
するとタイミングよく
「お待たせいたしました。フライドポテトポテトですね」
と店員さんがフライドポテトをテーブルに置いてくれる。
「あ、ありがとうございます」
「えぇ~…」
と店員さんが伝票を確認して
「ご注文は以上でよろしかったでしょうか」
と念のため僕たちにも確認する。
「はい」
「では、ごゆっくり」
と言って去っていった。
「熱そぉー」
フライドポテトからは湯気がたっていた。
「たしかに。僕たちには少し早いかもですね」
「ですね。冷ましましょ」
「作ってくれた方には悪いけど」
「たしかに」
妃馬さんが笑う。
「カバゼ(カバゼリアの略称)はやっぱり音成と森本さんと?」
「そうですね。だいたいその2人かな」
「だいたい?」
「たまぁ~~に他の子とも来たりするので」
「学生の頃ぉ~…あ、今も学生か。高校の頃とかも来ました?」
「来ましたよー」
「学校帰りとか?」
「あと今日みたいに休日出掛けてとか」
「割と男子と似てるんすね」
「そうなんですか?」
「僕も匠とよくカバゼ(カバゼリアの略称)もそうですけど
ファミレスとかよく行って、1時間くらいは喋ってました」
「そうそう!ドリンクバーとポテトとか頼んで
1時間くらい喋って、最後にデザートいくみたいな」
「デザートはいかなかったなぁ~」
「え?デザートいかないんですか?」
「そうですね。ラスト1杯飲んでから出ようかって感じ?」
「まあそれは私たちも同じですけど」
「逆に女子ってデザート食べるイメージなかったんですけど、食べるんですね」
「食べますよー。女子といえばデザートってイメージありません?」
「いや、もちろんあるんですけど、それはイメージであって
本当は食べないのかなぁ~なんて考えたりしてて」
「あぁ~なるほどなるほど。
まあ、これ言ったら終わりですけど、それは人によりますね」
「終わりましたね」
2人で笑う。
「でも、映えスイーツに関しては大概付き合いですね」
「あ、へぇー。そうなんですね」
「付き合いもあるしーあとはただただ写真撮りに行ってるって感じですかね」
「映えのために頑張りますねぇ~」
「姫冬がそうなので」
「あぁニャンスタ女子ですもんね」
「友達とも行くらしいんですけど
友達と行ったときに別のが気になったときとかは後日私が付き合わされます」
「あぁ~頼りの綱のお姉ちゃんですね」
「でも大概、あのわかります?映えスイーツってスゴいんですよ」
「わかりますわかります。テレビで見たやつだと
果物ドーンだったり、クリームバーンみたいな」
「ですです!まあまあ食べづらいし、量あるし」
「なんか見てて思ったことあるんですけど
映えスイーツって大概大人数で食べることを想定してるんじゃないですかね」
「あぁなるほど。だから高いのか」
「値段ね」
つい笑ってしまう。
「たしかに前テレビで見たとき「高っ!」って言っちゃいました」
「言っちゃったんですね。声に出して」
妃馬さんが笑う。
「声に出ましたね。そしたら妹が「こんなもんでしょ」って」
「さすが妹さん。現役女子高生ですよね?」
「現役バリバリですね。高2だから楽しい盛りですよ」
「あぁ~高2かぁ~いいですねぇ~」
「まだ先輩いるけど、高3は大概受験とかで忙しいし
後輩も入ってきたしで、完全に新しい感じですよね」
「そうそう!この時期だと部活勧誘も終わって
部活に正式に部員として後輩が入ってきて部活も楽しくなるときですね」
「らしいですね。妹も練習メニュー考えたりとか、忙しそうですけど、楽しそうです」
「はぁ~青春してんなぁ~」
「たしかに」
なんともなしにフライドポテトを見た。もう湯気はたっていなかった。
フライドポテトに手を伸ばす。一口齧る。ザクッっとして中はほんのり温かかった。
「お、ちょうど良い」
妃馬さんと目が合う。妃馬さんもフライドポテトを一口齧る。
「あ、ほんとだ。ちょうど良い」
「この後はどうします?」
一口齧ったポテトの残りを全部口に入れる。
スマホを取り出し、ホームボタンを押す。16時33分。
「4時半」
呟く。妃馬さんも自分のスマホで確認する。
「あ、ほんとだ。どうしましょう」
「もうないんですか?ここら辺には」
「昨日調べたのだと、あと1件あります」
「あと1件かぁ~」
「わかります」
「わかります?」
「たぶん?ここを5時頃出たとして
そのもう1件の雑貨屋さんに行って探して6時にはならないだろうから、その後どうしよう?」
「おぉ、正解です」
「へへへ」
「よくわかりましたね」
「なんとなくですけどね」
「その後、別駅に移動してもあれですしね」
「そうですねぇ~」
「まぁとりあえず行ってから考えますか」
「そうですね」
その後、話しながらポテトを食べ、妃馬さんの言った通り、17時にカバゼリアを出た。
ほへとすのみかん味があり、それを買った。
ほへとす特有のペットボトルの柔らかさ。蓋を開けるときに潰しそうになってしまう。
蓋を開け、ほへとすのみかん味を流し込む。
薄いオレンジジュースとはまた違い、味付き水にしてはみかんの味が濃い。
そしてなぜか、この味が夏を感じさせる。駅構内にアナウンスが流れ、電車が少し暖かい
でも風圧で涼しく感じる風を引き連れて、ホームに入ってくる。電車に乗り込む。
扉サイドのシートの端の壁に寄りかかる。扉が閉まり、電車が動き出す。
スマホを取り出し、ホームボタンを押す。妃馬さんからの通知。
「んん~可愛いフクロウのやつとか?」
つい口元がニヤける。ジーンズの左ポケットをポケットに手を入れず上から触る。
すると恐らくお目当てのものが入っていそうだったのでポケットに入れて一粒取り出す。
銀紙から中身を取り出し、口に放り込む。外側の硬い殻を歯で突き破ると
鼻から抜けるほどのミントの香りが口いっぱいに広がる。ミントガムを噛んでれば
ニヤけても誤魔化せるかもしれない。そう思った。
暗くなった画面をもう一度つけ、妃馬さんに返信を打ち込む。
「それを言ったら猫の可愛いやつのほうがいいんじゃないですか?」
送信ボタンをタップする。なんとくなくなにもせず
ただ窓の外を流れる景色を眺める。各駅に停車していって
「次はぁ~大吉祥寺ぃ~大吉祥寺ぃ~終点です」
とアナウンスが流れ、電車の速度が落ち、止まる。
各駅に止まる毎に増えていった乗客と共にホームに降りる。
奥から聞こえる電子音に近づき、改札を通る。
改札を出てすぐ左側のベンチのあるところに近づく。
軽く見てみたが妃馬さんらしき人は見当たらない。
スマホのホームボタンを押す。12時38分。そりゃまだいるはずがなかった。
ベンチは空いていたといえば空いていたが
知らない人が座っているベンチの隣に座るのもあれだなと思ったので
ベンチ近くの柱に寄りかかり立っていることにした。意味がわかると怖い話を読みながら待つ。
読んでいるとスマホ上部に妃馬さんからの通知が届く。
「猫もいいですねぇ~。悩みます」
まだありもしないのに悩んでる。そう思ったら口角が上がり始めた。ガムを噛み誤魔化す。
すぐに妃馬さんに返信はせず、引き続き、意味がわかると怖い話を読み進める。
読み終え、考える時間に入る。
どんな意味かはわかっているのに正解の部分がわからない時間が続く。
やっと正解し、わかってはいたが解説を読む。1話を読み終え、前を向く。
するとちょうど電車がホームにつく瞬間だった。電車の速度が落ち、止まる。
中から乗客の人たちが降りてくる。
もしかしたら妃馬さんがいるかもしれない。そう思って改札を見ていた。
どんどん人が通過していく。その中に妃馬さんの姿を見つけた。
白いTシャツの黒いスカートにインして
上にロング丈の水色よりは色が濃く、青よりは薄い色の半袖のYシャツを羽織っていた。
改札を出た妃馬さんが辺りを見回して僕と目が合う。パッっと笑顔に変わる。
ドキッっとした。ワイヤレスイヤホンを外しながら近寄ってくる。僕もイヤホンを外す。
「すいません。お待たせしましたよね?」
「いやいや全然全然。妃馬さんも早かったですね」
電車の発着時刻が表示されている電光掲示板の時計を見る。12時53分。
「それを言ったら怜夢さん何時に着いたんですか」
笑いながら言う妃馬さん。
「いや、妃馬さんのちょい前…1本前かな?」
嘘をついた。
「ほんとですかー?」
「ほんとですほんとです。じゃ、ロスト行きますか」
「ですね。向かいましょう」
エスカレーターを下り、ワクデイジーのある通りほうに向かう。
大通りを進み、左に曲がる。大きな建物の中を通り、細い道を挟んで向かいの建物に入る。
地下はゲームセンターになっており、1階がロストになっている。
「懐かしぃ~。なんかひさしぶりに来た気がする」
「私はたまに来ます」
「音成とか森本さんと?」
「ですです」
1階を周る。1階は化粧品や健康に関するものが並んでいた。
「マッサージチェアだ。友達と遊びに来たとき、よく無意味に座ったりしてました」
「私たちもよくやります」
「マジっすか」
「特にフィンちゃんが「疲れたぁ~」っていって腰下ろして休憩してます」
「んで、音成もノってみたいな?」
「よくわかりましたね!」
「なんとなくそんな気が」
「で最終的に3人で座って休憩してます」
「あぁ~画が浮かぶ」
「1階にはないですね。2階行きましょうか」
「ですね」
エスカレーターに乗り2階へ上がる。
「お、ありそう」
「たしかに」
ざっと見たところ2階はおもちゃやジョークグッズなどバラエティー用品などが置いてあった。
「あ「え?って言うゲーム」だ」
様々なボードゲームが置かれていた。
「あぁこれやりました」
「僕やったことないんすよ~。最近ボードゲーム流行ってますよね」
「流行ってますねぇ~このコーナー見れば一目瞭然」
妃馬さんが手を広げる。
「たしかに」
「すごい量ありますね」
「「え?って言うゲーム」おもしろかったですか?いやおもしろいですよね」
自分で聞いて、返事も来ていないのに即座に自分で結論を出す。
「聞いてから自己完結するのはやっ」
「いや、おもしろいから流行ってんだよな、シリーズ出てんだよなって
「おもしろかっ」ぐらいで思って」
「たしかに。私高校生のときに同じクラスの女子が持ってきてて昼休みにやってました」
「あぁ~いいですね。高校に昼休みなにしてたかなぁ~」
いろいろなボードゲームを手に取り、後ろの説明を読んだりする。
妃馬さんも隣で僕と同じようにいろいろなボードゲームを手に取り
後ろの説明を読んだりしている。
「寝てたんかなぁ~特に昼休み思い出ないな」
「でもなんかカラオケ行ってたとか」
「あぁ、音成が言ってたやつ。よく覚えてましたね」
「はい。覚えてました」
「あれはあれです。受験終わった後のことです」
「あぁ、なるほど?」
「まぁ正直センター試験は惨敗だったので、マジで少しの期間ですけどね」
「懐かし~センター試験」
「たしかに。自分で言ってて、懐かしい響きだなって思いました」
「フィンちゃんと受けに行ったなぁ~」
「そうそう。僕も匠と一緒に行きました」
「もしかしたら一緒の会場だったかもですね」
「あり得る~…けど会場覚えてないや」
「私もです」
2人で笑う。
「お、これ6人でできるらしい」
「あぁ「ドッグ&キャンディー」ですか」
「あ、知ってます?」
「やったことはないですけど聞いたことはあります」
「おもしろそうですよ。まあ、おもしろいんでしょうね」
「また自己完結してる」
妃馬さんが笑う。
「いや、開発者の方はおもしろいって思って努力して開発してるんだろうし
これシリーズたくさんでてるし」
「あ、ほんとだ。いっぱいあるんだ。知らなかった」
シリーズを手に取り、見てみる。
「あ、これもおもしろそうですよ」
妃馬さんが手に取っているボードゲームを見る。
「Line?どういうゲームですか?」
「えぇ~1から100までの数字カードがあって
お題があるんですけど、例で裏に書いてあるのは強い動物ですね。
そのお題で自分に配られた数字カードがなにかというのを発表して
小さい数字から並べられるかってゲームですね」
「難しそうですね」
「たしかに。でもおもしろそう」
「たしかに。成功したらしたで盛り上がるし
失敗したら失敗したでなんでそれその数字なんだよとかで盛り上がりそう」
「みんなでやりたいですね」
「ですね」
みんなでやっているところを想像する。
すぐにみんな笑顔で楽しそうな画が容易に想像できた。
「あ、人狼もみんなでできますよね」
「たしかに!でも人狼はスマホでできますよね」
「たしかに。人狼はスマホでいいか」
「あ!これは?」
妃馬さんが手に取っていたボードゲームを見る。
「みんなであんぽんたんドローイング?」
「丸と直線だけで絵を描いて、あ、なるべく少ない線の数で。
で伝わるかどうかってゲームです」
「いいですね。おもしろそう」
「小野田さん絵うまいじゃないですか」
「なるほど。たしかに」
「これもみんなでできるし、おもしろいかなって」
「じゃあこの4つですかね」
「みんなで集まるときあればこの3つやりたいですね」
「「人狼」と「ドッグ&キャンディー」と
「Line」と「みんなであんぽんたんドローイング」あ、あと「え?って言うゲーム」もですね」
「たしかに。5つか」
「じゃっあっ~…「Line」買お」
「え、買うんですか?…じゃあ私はぁ~…」
「いや、無理には買わなくていいっすよ」
「いや、私も買いたいなって。どうしようかなぁ~…」
妃馬さんが悩む。
「じゃあ私は「ドッグ&キャンディー」を買います」
「姫冬ちゃんともできそうですもんね」
「よくわかりましたね」
「なんとなく?僕は妹のこととか考えなかったなぁ~…。
今度匠ん家泊まったらできるゲームで考えてました」
「あ、楽しそう」
「ね。想像だけでも楽しかったです」
2人でボードゲームを片手に今度は目的であるスマホケースを探す。
「あ、あったあったここだ」
妃馬さんが指指す。
「お、ほんとだ。あった」
クルクルと回る商品かけと商品棚に結構多くの種類のスマホケースがあった。
「フクロウのやつあるかなぁ~」
妃馬さんが回る商品かけを回しながら見る。
「猫のやつあるかなぁ~」
僕も商品棚に猫のスマホケースがないか探す。
「あ、あった」
猫のスマホケースはすぐに見つかった。というか昨今猫ブームなのもあってか
猫のスマホケースは複数個、すぐに見つかった。
「妃馬さーん。猫のありましたよー」
フクロウのスマホケースを探す妃馬さんに報告する。
「私のほうもありました」
お、フクロウのスマホケースなんて珍しい。と思い
「え、マジっすか?」
妃馬さんのほうに寄る。
「ほら」
妃馬さんが指指した先を見る。猫のスマホケースだった。
「あぁ猫のやつね」
「です。猫のスマホケースはあるんですけど…。フクロウのないですよね」
「珍しいと思いますよ。フクロウのスマホケースは」
「犬、猫、ハリネズミ、宇宙人可愛い女の子のキャラクター…。フクロウないんですね」
「前nyAmaZon(ニャマゾン)で探したらありましたけど」
「あそこないものないでしょ」
「たしかに」
2人で笑う。
「そっかー。ないかー」
「猫のでいいですよ?僕は全然。ほら、これとか可愛いし」
「あ、ほんとだ、可愛い。でも!どうせなら同じようなデザインで
フクロウと猫のやつがあれば理想なので!あとここで決める必要もないですし!」
「まあ、それもそうですね。まだ1件目ですもんね」
「ですです!スマホケースを探す旅は始まったばかりです」
「続編期待されるマンガの終わり方」
「ありそう」
2人で笑う。ロストでは2人でボードゲームを買ってお店を出た。
その足でまた別の雑貨屋さんへ行く。
「ここも~…」
スマホケースのコーナーを眺めるも
「猫のやつはありますけどぉ~…」
猫のスマホケースは容易に見つかったものの
「フクロウはないですね…」
フクロウのスマホケースはなかった。やはりフクロウのスマホケースは珍しいらしい。
お店を出て、次のお店へと歩く。
「フクロウのスマホケースって珍しいんですね」
「スマホケースもですけど「フクロウのなにか」も珍しいですね」
「あれ?そのお母様と妹さんから貰ったネックレスって…」
「あぁこれですか」
ネックレスを触る。
「それはネットでしたっけ?」
「これはネットで見つけて、店頭で買ったそうです」
「なるほど。ネットで見つけて買いに行くって手もあるのか」
「あぁ、言われてみればたしかに」
次のお店へ歩く。次のお店のスマホケースのコーナーにも
猫のスマホケースはあったもののフクロウのスマホケースは見つからなかった。
お店を出て少し歩く。
「ちょっと休憩しますか」
「ですね。どっか入ります?」
「ここら辺だとぉ~…どこかな」
「あ、カバゼリアありますよ」
「カバゼ(カバゼリアの略称)でいいですか?」
「もちろん!よく使いますから」
「じゃあ」
ファミレス、カバゼリアに入ることにした。店員さんに案内され席に座る。
「とりあえずドリンクバーですかね」
「ですね。ドリンクバー2つとぉ~…」
「なんかつまめるものですね」
「ですです」
「ベタにフライドポテトとか」
「いいですね」
店員さんを呼ぶボタンを押す。どこか遠くのほうでピンポーンと鳴る。
間もなくして店員さんが来てくれる。
「ご注文でしょうか」
「あ、はい。フライドポテト1つとドリンクバー2つで」
「フライドポテト1つにドリンクバー2つですね。ご注文以上でよろしいでしょうか」
「はい。お願いします」
「かしこまりました。ドリンクバーあちらにございますのでご自由にお取りください」
ペコリと頭を下げて去る店員さん。
「じゃ、僕お先に行ってきますね」
「妃馬さんなに飲みますか?」と聞き、妃馬さんの分も持ってこようとも考えたが
もしかしたら自分なりのなにかがあるかもしれないと思ったのでやめた。
「はい。いってらっしゃい」
ドキッっとした。
「いってきます」
照れ臭かったが返して、ドリンクバーへ向かう。
グラスに氷を少し入れ、アスピスをタップし、注ぐ。妃馬さんの待っている席へ戻る。
「お。おかえりなさい」
またドキッっとしてしまう。
「た、ただいま?」
笑って誤魔化す。2人分取ったおしぼりの1本を妃馬さんのほうに置く。
「あ、ありがとうございます」
「いえ。じゃあ次は妃馬さん」
言うのはなんとなくどこか照れ臭かったが
「いってらっしゃい?」
と言った。すると妃馬さんは笑顔で敬礼し
「いってきます!」
と言ってドリンクバーへ行った。妃馬さんが帰ってくる。恐らく紅茶であろう。
片手にはコーヒー用の小さなカップのミルクを2つ持っていた。
「ただいまです」
妃馬さんが席に座る。
「おかえりです?」
するとタイミングよく
「お待たせいたしました。フライドポテトポテトですね」
と店員さんがフライドポテトをテーブルに置いてくれる。
「あ、ありがとうございます」
「えぇ~…」
と店員さんが伝票を確認して
「ご注文は以上でよろしかったでしょうか」
と念のため僕たちにも確認する。
「はい」
「では、ごゆっくり」
と言って去っていった。
「熱そぉー」
フライドポテトからは湯気がたっていた。
「たしかに。僕たちには少し早いかもですね」
「ですね。冷ましましょ」
「作ってくれた方には悪いけど」
「たしかに」
妃馬さんが笑う。
「カバゼ(カバゼリアの略称)はやっぱり音成と森本さんと?」
「そうですね。だいたいその2人かな」
「だいたい?」
「たまぁ~~に他の子とも来たりするので」
「学生の頃ぉ~…あ、今も学生か。高校の頃とかも来ました?」
「来ましたよー」
「学校帰りとか?」
「あと今日みたいに休日出掛けてとか」
「割と男子と似てるんすね」
「そうなんですか?」
「僕も匠とよくカバゼ(カバゼリアの略称)もそうですけど
ファミレスとかよく行って、1時間くらいは喋ってました」
「そうそう!ドリンクバーとポテトとか頼んで
1時間くらい喋って、最後にデザートいくみたいな」
「デザートはいかなかったなぁ~」
「え?デザートいかないんですか?」
「そうですね。ラスト1杯飲んでから出ようかって感じ?」
「まあそれは私たちも同じですけど」
「逆に女子ってデザート食べるイメージなかったんですけど、食べるんですね」
「食べますよー。女子といえばデザートってイメージありません?」
「いや、もちろんあるんですけど、それはイメージであって
本当は食べないのかなぁ~なんて考えたりしてて」
「あぁ~なるほどなるほど。
まあ、これ言ったら終わりですけど、それは人によりますね」
「終わりましたね」
2人で笑う。
「でも、映えスイーツに関しては大概付き合いですね」
「あ、へぇー。そうなんですね」
「付き合いもあるしーあとはただただ写真撮りに行ってるって感じですかね」
「映えのために頑張りますねぇ~」
「姫冬がそうなので」
「あぁニャンスタ女子ですもんね」
「友達とも行くらしいんですけど
友達と行ったときに別のが気になったときとかは後日私が付き合わされます」
「あぁ~頼りの綱のお姉ちゃんですね」
「でも大概、あのわかります?映えスイーツってスゴいんですよ」
「わかりますわかります。テレビで見たやつだと
果物ドーンだったり、クリームバーンみたいな」
「ですです!まあまあ食べづらいし、量あるし」
「なんか見てて思ったことあるんですけど
映えスイーツって大概大人数で食べることを想定してるんじゃないですかね」
「あぁなるほど。だから高いのか」
「値段ね」
つい笑ってしまう。
「たしかに前テレビで見たとき「高っ!」って言っちゃいました」
「言っちゃったんですね。声に出して」
妃馬さんが笑う。
「声に出ましたね。そしたら妹が「こんなもんでしょ」って」
「さすが妹さん。現役女子高生ですよね?」
「現役バリバリですね。高2だから楽しい盛りですよ」
「あぁ~高2かぁ~いいですねぇ~」
「まだ先輩いるけど、高3は大概受験とかで忙しいし
後輩も入ってきたしで、完全に新しい感じですよね」
「そうそう!この時期だと部活勧誘も終わって
部活に正式に部員として後輩が入ってきて部活も楽しくなるときですね」
「らしいですね。妹も練習メニュー考えたりとか、忙しそうですけど、楽しそうです」
「はぁ~青春してんなぁ~」
「たしかに」
なんともなしにフライドポテトを見た。もう湯気はたっていなかった。
フライドポテトに手を伸ばす。一口齧る。ザクッっとして中はほんのり温かかった。
「お、ちょうど良い」
妃馬さんと目が合う。妃馬さんもフライドポテトを一口齧る。
「あ、ほんとだ。ちょうど良い」
「この後はどうします?」
一口齧ったポテトの残りを全部口に入れる。
スマホを取り出し、ホームボタンを押す。16時33分。
「4時半」
呟く。妃馬さんも自分のスマホで確認する。
「あ、ほんとだ。どうしましょう」
「もうないんですか?ここら辺には」
「昨日調べたのだと、あと1件あります」
「あと1件かぁ~」
「わかります」
「わかります?」
「たぶん?ここを5時頃出たとして
そのもう1件の雑貨屋さんに行って探して6時にはならないだろうから、その後どうしよう?」
「おぉ、正解です」
「へへへ」
「よくわかりましたね」
「なんとなくですけどね」
「その後、別駅に移動してもあれですしね」
「そうですねぇ~」
「まぁとりあえず行ってから考えますか」
「そうですね」
その後、話しながらポテトを食べ、妃馬さんの言った通り、17時にカバゼリアを出た。
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