猫舌ということ。

結愛

文字の大きさ
上 下
127 / 183
親友の新しい1歩

第127話

しおりを挟む
土曜日は特になにも無かった。朝妹に起こされ、朝ご飯を食べ
部屋に戻り、早めの昼寝をして13時頃にお昼ご飯。
食べ終え、少し家族でリビングで過ごし、部屋に戻り、もう一度昼寝をした。
18時頃リビングへ行き、母が料理をする音を聞きながらリビングで寛ぎ
夜ご飯をテーブルに並べるのを手伝い、家族で夜ご飯を食べた。
家族で団欒し、各々のタイミングでお風呂に入り、各々のタイミングで部屋へ戻った。
部屋の照明のスイッチを押し、部屋を明るくし、扉を閉める。
ベッドに腰かけ、ローテーブルに置いてあるテレビのリモコンの赤く丸い電源ボタンを押し
テレビをつける。報道番組のようなバラエティー番組がやっていた。
それを見ながらスマホを取り出し、ホームボタンを押す。妃馬さんからの通知がある。

「そうそう!開眼しなくてピンチのときに相棒が現れて相棒の一言で開眼するっていうね!」

「そうそう」
呟きながら妃馬さんからの通知をタップし、妃馬さんとのトーク画面へ飛ぶ。

「あ、怜夢さん金曜のドラマ見てます?」
「見てますよー。オリジナル脚本なんで」
「オリジナル脚本だから見てるんですねw」
「匠マンガ原作の実写大嫌いなので」
「あぁ~恋ちゃんと似てる」
「さすがw」
「ですねwで、金曜のドラマおもしろくないですか?」
「開眼裁判ですね。めっちゃマンガみたいなタイトルだけどw」
「たしかにwマンガでありそうww」
「でもオリジナルっていうねw」
「内容もマンガっぽいですよね」
「ですよねw高飛車でプライド高めの主人公1人に
人懐っこくて懐に入るのがうまいもう1人の主人公が相棒となって
舞い込んでくる裁判の依頼をこなしていくってストーリーね」
「事件というか、解決の糸口が見えたときにパッっと開眼するんですよね」
「今までの振り返りが目に映される感じいいですよね。
あと王道っていうのか、相棒に助けられるストーリーも」
「そうそう!開眼しなくてピンチのときに相棒が現れて相棒の一言で開眼するっていうね!」

返信を打ち込む。

「ほんとひょんな一言なんですよね」

送信ボタンをタップする。トーク一覧に戻り、電源を切ってベッドの上に置く。
テレビを見ながらも明日のことを考える。
明日妃馬さんとスマホケースを見つける旅に出ること。
そして明日音成と匠がデートすることも考える。そこで鹿島とのやり取りを思い出す。

「聞いた?」
「聞いたって」
「もう5月も終わりじゃん?」
「ん?そうね」
「5月中までには告白するって言ってたじゃん」
思い出す。
「言ってたっけ?」
「言ってたよ」
「へぇ~」
「てことはさ、今度の日曜告白すんじゃない?」
「まあ可能性はあるな」

今度の日曜、それが明日だ。

匠…告白すんの?

心の中で呟く。なぜか鼻で深呼吸をし、鼻から息を深く吐く。
「マジか」
呟く。両手で後頭部を包むように指を組みながら、そのままベッドに寝転がる。
匠のことだというのになぜか僕が落ち着かない心持ちだった。
心拍数もどんどん上がってくるのがわかる。スマホを手に取る。
顔の前に掲げ、ホームボタンを押す。妃馬さんからの通知。

「そうそう!「煮詰まったなら、なんか飲み物でも買ってこようか?…」

通知に入り切っていない。長いらしい。通知をタップ、トーク画面で全文読む。

「そうそう!「煮詰まったなら、なんか飲み物でも買ってこようか?
コーヒー?紅茶?ホット?アイス?
あ、ちなみにオレはね~ミルクティーのホットが好きぃ~。
ホットで飲んで、少ししたらアイスになるから一石二鳥じゃん?」みたいな
ひょんな一言で開眼するんですよね」

「はいはい」
頷き、呟きながら返信を打ち込む。

「第3話でしたっけ?2話だったかな?」

送信ボタンをタップする。トーク一覧に戻り、電源を切る。
上半身を起こし、足をベッドの外に出し、枕の上にスマホを置いて立ち上がる。
勉強したことはないであろう勉強机の上に置いてあるバッグの中から財布を取り出す。
財布を開いて、お札の入っている部分を開く。千円札が1、2、3枚。三千円。悩む。
正直スマホケースを買うだけなら三千円で足りるだろう。
しかし、もし、もし夜ご飯を食べることになれば三千円では厳しいような気もする。
勉強机の引き出しを開ける。鉛筆やシャーペン
ボールペンや消しゴムなどが手前に転がってくる。2冊のノートを捲る。
そこに置いていた五千円札を1枚手に取り、引き出しを閉める。
中で鉛筆やシャーペン、ボールペンや消しゴムなどが転がる感覚と音がする。
五千円札を財布に入れ、バッグにしまう。
八千円あればなんとかなるだろ。と思いながらベッドに腰を下ろし
枕の上に置いたスマホを手に取り、ホームボタンを押す。妃馬さんからの通知。

「コーヒーの話は3話だったかな?」

そこから寝るまでドラマの話をした。
9時頃に妹に起こされ、目が覚める。1階へ行き、歯を磨き、顔を洗う。
リビングで家族全員で朝ご飯を食べる。トーストの香ばしい香りが朝を感じさせる。
「あ、そうだ。今日出掛けるから」
と朝ご飯のときに母に伝えた。
「あ、そうなの。お昼は?」
「食べてく」
「何時に出るの?」
「12時頃出るかな」
「じゃあお昼は11時頃?」
「あ、あれだったらオレだけでいいよ。みんなもっと後で食べてもらっても」
「カップ麺あるけど」
「あ、それでいいや。それ食べるわ」
「オッケー」
「お兄ちゃんデート?」
妹が入ってきた。
「どうなんだろうね」
「デートだよ」とも言いたかったけど、なんか言えなかったし
「デートじゃない」と否定もしたくなかった。
「なにそれ」
「わからん」
「とりま女の人と出掛けるのね」
「うん」
「マジか」
「マジかって夢香が言ってきたんだろ」
「割と冗談というか」
「冗談だったんかい」
「あのぉ~あれ?あの人。前のぉ~…妃馬さんか!」
「正解」
「マジか。まだ続いてんだ」
「続いてるもなにも、仲良いグループ同じだし」
「へぇ~ほーなんだ」
「食べながら喋るな」
その後も家族と話しながら朝ご飯を食べ、食べ終わったら部屋へ戻った。
ベッドに座り、スマホを取り出す。ホームボタンを押す。9時58分。
11時頃にお昼ご飯を食べると言ったが約1時間後。さすがにお腹は減らなそうだ。

まあお腹が減らなかったら減らなかったらで、食べずに出ればいいだけだし。

そう思いながらスマホをベッドの上に置き
ローテーブルの上に置かれたテレビのリモコンの赤く丸い電源ボタンを押し、テレビをつける。
王子様のブランチがやっていた。特に見るわけでもなかったが
他に面白い番組はやっていなさそうだったので
そのまま王子様のブランチを流しながら今日着ていく服を決める。
一度部屋を出て、廊下を進み、右側の扉を開いてベランダに出る。
今日も少し暖かい。まだ5月だというのに
もうすぐそこに夏のゴールテープが見えているように感じた。
ベランダの扉を閉め、部屋に戻る。
左胸の部分に小さく英語がプリントされているTシャツと
青のストライプのYシャツをベッドの上に放り投げた。
パンツをしまってある引き出しから薄めの色のジーンズを取り出し、ベッドの上に放り投げる。
ベッドの上で組み合わせ、全体を見てみる。
「うん。色味も合ってるし、春らしさも夏らしさもある」
そう呟き、これを着ていくことに決めた。
ベッドの上に置いていたスマホを手に取り、ホームボタンを押す。
妃馬さんからLIMEが来ていた。

「おはようございます。」

朝の挨拶。スタンプもなく、ただそれだけ。でもそれだけでも嬉しかった。
通知をタップし、妃馬さんとのトーク画面へ行き、僕も朝の挨拶を返す。
その後、王子様のブランチを見たり、本当にこの服でいいかな。とまた悩んだり
そういえば。とピアスを決めたりした。スマホのホームボタンを押す。11時2分。
自分のお腹を見る。やはりお腹は空いていない。でも一応リビングへ行くことにした。
リビングに入ると母が掃除機をかけていた。僕に気づくと
「あ、カップ麺、キッチンの下の戸棚に入ってるからぁー!」
と掃除機止めればいいものを止めずに大声で僕にカップ麺の在処を伝えてくれた。
「あいよー」
僕はさほど大きな声じゃない声で返す。お腹は空いていないので食べるつもりはないが
一応しゃがんでシンクの下の戸棚を開ける。
フライパンや鍋などが入っている中、右端の手前にカップ麺がいくつかあった。
蕎麦やうどん。王道の醤油味のカップ麺やシーフード、カレー味もあった。
知らなかったけど、自分ん家にこんなにあったんだ。と思う。戸棚を閉めて立ち上がる。
自分のグラスを手に冷蔵庫を開ける。
ココティー(心の紅茶)のストレートティーを注ぎ、一口飲む。
掃除機のウウゥ~ンという音、掃除機と床が擦れる微かな音。
シュインシュコシュシュシュという掃除機がカーペットの上を吸いずらそうにする音がする中
なにをするでもなく、ただリビングを見渡しながらココティーのストレートティーを飲む。
グラス1杯を飲み終えて、もう一度注ぎ、リビングを出る。部屋へ戻る。
服に座らないようにベッドに腰を下ろし、スマホのホームボタンを押す。妃馬さんからの通知。

「今日いいスマホケースがあればいいですね」

「スマホケース…どんなんがいいかなぁ~…」
左手を口元に持っていき、少し考える。
とりあえず返信しようと妃馬さんからの通知をタップし
妃馬さんとのトーク画面へ飛び、返信を打ち込む。

「ですねぇ~。どんなんがいいでしょう」

送信ボタンをタップする。トーク一覧に戻る。スマホの画面の右上に表示された時刻を見る。
11時23分。スマホの電源を切る。着ていく服はもう決めた。
ピアスも勉強机の上に出してある。今から準備をしても恐らく11時30分前後。
12時に出るとしてもまだ30分近く余る。
パスタイム スポット4でゲームをするには短かった。
結構、王子様のブランチを見ることにした。
長いような短いような20分が過ぎ、予め用意していた服に着替える。ピアスも変える。
カップ焼きそばくらいの大きさの鏡で耳を見る。棒状のチャームが揺れる。
目くそがないか確認し、鼻毛が出ていないか、鼻くそはついていないかも確認する。
軽く手櫛で髪を整え、勉強机に置いていたバッグを手に部屋を出る。一度リビングに寄る。
ちょうど掃除機での掃除を終えたところで掃除機の電源を切った母と目が合う。
掃除機の元気がなくなる。
「あ、もう出るの?」
「うん。いってくるわ」
「帰りは?遅くなるの?」
「いや…どうだろ。夜ご飯までには帰る…かな?」
「6時頃に連絡して。夜ご飯いるかいらないか」
「あいあい。じゃ、いってくるわ」
玄関へ向かう。シューズクローゼットから青系の色のモンターニュのスニーカーを履く。
「いってらっしゃい。気をつけてね」
母の声に振り返り
「ん。いってくる」
と言って玄関の扉を開いて外に出る。音楽を聴きながら駅へ向かう。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

隣の席の女の子がエッチだったのでおっぱい揉んでみたら発情されました

ねんごろ
恋愛
隣の女の子がエッチすぎて、思わず授業中に胸を揉んでしまったら…… という、とんでもないお話を書きました。 ぜひ読んでください。

結構な性欲で

ヘロディア
恋愛
美人の二十代の人妻である会社の先輩の一晩を独占することになった主人公。 執拗に責めまくるのであった。 彼女の喘ぎ声は官能的で…

初めてなら、本気で喘がせてあげる

ヘロディア
恋愛
美しい彼女の初めてを奪うことになった主人公。 初めての体験に喘いでいく彼女をみて興奮が抑えられず…

隣の人妻としているいけないこと

ヘロディア
恋愛
主人公は、隣人である人妻と浮気している。単なる隣人に過ぎなかったのが、いつからか惹かれ、見事に関係を築いてしまったのだ。 そして、人妻と付き合うスリル、その妖艶な容姿を自分のものにした優越感を得て、彼が自惚れるには十分だった。 しかし、そんな日々もいつかは終わる。ある日、ホテルで彼女と二人きりで行為を進める中、主人公は彼女の着物にGPSを発見する。 彼女の夫がしかけたものと思われ…

彼氏の前でどんどんスカートがめくれていく

ヘロディア
恋愛
初めて彼氏をデートに誘った主人公。衣装もバッチリ、メイクもバッチリとしたところだったが、彼女を屈辱的な出来事が襲うー

どうして隣の家で僕の妻が喘いでいるんですか?

ヘロディア
恋愛
壁が薄いマンションに住んでいる主人公と妻。彼らは新婚で、ヤりたいこともできない状態にあった。 しかし、隣の家から喘ぎ声が聞こえてきて、自分たちが我慢せずともよいのではと思い始め、実行に移そうとする。 しかし、何故か隣の家からは妻の喘ぎ声が聞こえてきて…

これ以上ヤったら●っちゃう!

ヘロディア
恋愛
彼氏が変態である主人公。 いつも自分の部屋に呼んで戯れていたが、とうとう彼の部屋に呼ばれてしまい…

寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい

白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。 私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。 「あの人、私が

処理中です...