猫舌ということ。

結愛

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動き

第63話

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近くにあったお店に何軒か入り、少し歩いたところにある服屋さんに行くことにした。
人混みの中、ワクデイジーのある方向に歩いていく。
この間とは違い、今日は休日であるのと10時頃ということで人の量が2倍くらいいた。
「人すごいですね」
「日曜日ですから尚更ですね」
そして何気ない会話をしながらワクデイジーの通りを歩く。ビルに入った服屋などを回った。
「そういえば姫冬ちゃんの誕生日っていつなんですか?」
メンズレディース両方扱っている服屋さんでメンズの服を見ながら妃馬さんに聞く。
「27日です」
妃馬さんは僕の後ろのほうでTシャツを見ている。
「まだ1週間くらいあるのか」
「そうですねぇ~。あ、これ可愛い」
振り返り、妃馬さんが持っているTシャツを見る。
太々しい猫がサングラスをかけてビーチベッドに寝ているTシャツだった。
「妃馬さん猫好きですよね」
「はい。うちにもいますし」
「あ!へぇ~。そりゃ好きですよね」
「まぁそうですね。個人的に買おうかな」
「いいじゃないですか」
「薄ピンクと白の2択だなぁ~」
5色くらいある中から2択に絞っていた。悩んでいる妃馬さんに1つ提案した。
「僕片方買いますよ」
「いやそれは申し訳ないですよ」
「えぇ~っと。姫冬ちゃんの誕生日プレゼントで」
「あっ、なるほど?」
「姉妹だし背格好も似てるので、着たいときに借りればいいかなって」
「あぁ~なるほど?頭良い!」
「頭…まぁありがとうございます」
そう言って妃馬さんは白のTシャツを個人的に買い
僕は薄いピンクのTシャツをプレゼント用に買った。
店員さんにプレゼント用に包装してもらい
さらに持ち運び用のビニール袋に入れてもらい受け取った。
店員さんが包装してくれている間、チラッっとスマホで時刻を確認した。
服屋さんから出て下の階へ行こうと2人でエスカレーターに乗っているとき
「いつの間にか12時過ぎていたんでお昼でもどうかなと思うんですけど
妃馬さんお腹空いてます?」
と前に乗っている妃馬さんに話しかける。
「あぁ~まだそんなに空いてないですかね」
とこちらを向く妃馬さんに
「あ、妃馬さん前」
と迫るエスカレーターの終わりを知らせた。
「おっと」
と言い転けることなくエスカレーターから降りた。
「また転けさせちゃうとこでした」
と言いながら僕もエスカレーターを降りる。
「また転けさせられるとこでした」
とイタズラっぽく言う。
「あ、意地悪お嬢様ですか。失礼致しました」
と執事キャラを出す。
「ぐっ…執事キャラ出されるとこっちも意地悪言いづらいんだよなぁ~」
「やっぱ意地悪お嬢様モードだったか」
和気藹々としたムードでその階の服屋さんを見て回った。
そして時刻は13時を回り、そのビルの1階に降りた。
「怜夢さんお腹空きました?」
と妃馬さんから聞いてくれた。
「あ、ん~多少は?って感じですかね」
「あ、同じ感じかも」
「どうします?そんな量はいらないけどぉ~…」
と言いながらスマホを取り出し、Hoogle(ホーグル)で「ランチ 大吉祥寺」と入れ調べる。
「あ、ここなんてどうですか?」
とパスタ屋さんのページを妃馬さんに見せる。
「パスタ!いいですね!」
「妃馬さんパスタお好きなんですか?」
「はい!麺類全般大好きです!」
「あ、たまにいますよね麺類大好き族」
「怜夢さんはー…」
「僕も好きですよ?麺類全般」
「じゃあ怜夢さんも麺類大好き族だ!」
「んん~…。麺類大好き族…。僕、パンもお米も好きだしなぁ~…」
「あぁ~浮気族だ」
「なんですかそれ」
そう言って笑い合った。そしてそのパスタ屋さんの位置を確認し、2人で移動を始める。
「あ、麺類大好き族だと小野田たー…あの僕の隣にいた白髪のぉ~
フィギュアみたいなやつ!あいつが麺類大好き族ですよ」
「あ、へぇ~ちょっと親近感湧いたかも」
「あいつは人見知りってほどじゃないけど、最初話しかけられても
ちょっと無愛想だから相手も「あっ…」ってなって仲良くなりづらいんですよ」
「いますよね、そういうタイプの人」
「そのタイプですね。しかも高校の頃は、まぁあの容姿ですから
高嶺の王子様として周りはより話しかけづらかったみたいですね。
でもあいつは仲良くなればめちゃくちゃ良いやつだしトニカクヤサシイ」
「なんで最後片言なんですか」
「いやちょうどロボットが目に入ったので」
と服屋さんのショーウィンドウにロボットが入っていてそのロボットを指指す。
妃馬さんもそのロボットを見る。
「あ、ちょっとカワイイ」
「妃馬さんもロボ化した」
そんなくだらない会話をしながら笑っているとパスタ屋さんの前についた。
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